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B 美乃梨追撃1
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※
「美乃梨さん…この前は本当にごめんなさい」
「いや、その…私も悪かったから…」
平日の昼下がり、俺は美乃梨を呼び出した。この前のことでちゃんと会って話がしたいと伝えたら、警戒しながらも応じてくれた。
今日の美乃梨の服装はデニムにベージュのカーディガン。シンプルだが小洒落ている。何より美乃梨が着ると高級感が漂う気がする。
場所は小さな丘がある公園。楓と初めてキスをした例の場所だ。屋外かつ人目にもつきにくいから、「そういう話」をするには丁度いい。幸いなことに、俺たちが話をしていた時も、周りには誰もいなかった。
「本当にごめんなさい。美乃梨さんを傷つけてしまって…最低ですよね」
「そんな…私も悪かったから…」
とりあえず俺はこの前のことを猛反省している様子を見せておいた。そうなると美乃梨も「自分も悪い」としか言えなくなる。まあ、旦那が単身赴任してすぐに若い男と不倫する人妻は悪いに決まっているけどな。
そんなことを考えながら、しばらくは反省している様子をこれでもかと見せておいた。一方の美乃梨はとにかく歯切れが悪かった。その原因は旦那への罪悪感だけじゃないだろう。あれだけ何度も抱いて、何度と逝かせてやったんだ。俺のことを意識しないはずがない。
「でも、この前のことが凄く頭に残っていて、忘れられないんです…」
「…」
そして頃合いを見はからって、俺は本題を切り出した。美乃梨は何も言わずに黙っているだけ。緊張しているのが丸わかりだ。
「ごめんなさい。こんなこと言われても困りますよね…」
「あっ…」
俺は手を伸ばし、美乃梨の手の上にそっと重ねる。美乃梨の白い手を包むように優しく重ねて、少しずつ指を絡めていく。
「だ、だめ…」
上擦った声で美乃梨は抵抗の言葉を口にする。本当、ぎりぎりのところでしぶとい女だ。
「ね、これ以上は本当にダメ…私も夫を裏切りたくないの…宗介君も彼女がいるから…」
なんだかんだで美乃梨は旦那のことが好きなんだろうな。まあ、そんな女だからこそ余計に堕としたくなってしまうわけだが。
「あの日以来、ずっと美乃梨さんのこと考えてしまうんです」
「…」
「美乃梨さん、綺麗ですごく可愛いです」
「んんぅ…だめ、だから…」
美乃梨の艶のある髪をそっと撫でてやると、美乃梨は甘い吐息を漏らした。だけど、美乃梨はそれでも抵抗を続けやがる。
まったく、攻略しがいがある女だ。ここはアレだな。強引に行っても面白くないし、攻め方を変えるか。
「美乃梨さんはどうなんですか?」
「えっ…?」
「あの日のこと、頭によぎらないですか?」
「そ、それはっ…」
美乃梨は俺から目を逸らすと、俯き何も答えなくなってしまった。いや、答えられないのだろう。正直に答えれば、旦那を裏切ることになるからな。
「ほら、ちゃんと顔見せて?」
「ゃんっ…」
俺は美乃梨の肩を抱き寄せ、顎をくいと持ち上げる。密着度が高い体勢でじっと見つめてやる。すると、美乃梨は耐えきれなくなったのか、再び目を逸らそうとする。
「ダメ。ほら、俺の目をしっかり見て」
「んぅぅ…」
俺が少し強めに言うと、観念したかのように美乃梨は俺の目をじっと見つめてきた。その目はすっかり蕩けているが、どこか躊躇いの気持ちがあるようにも感じる。
まあ、この程度の躊躇はどうとでもなるだろう。紅潮した顔を見れば、発情しているのは丸わかりだ。
「勝利」を確信した俺は、美乃梨の身体を力強く抱きしめた。そして再び美乃梨の目をじっと見つめた後、そっとキスをした。
「美乃梨さん…この前は本当にごめんなさい」
「いや、その…私も悪かったから…」
平日の昼下がり、俺は美乃梨を呼び出した。この前のことでちゃんと会って話がしたいと伝えたら、警戒しながらも応じてくれた。
今日の美乃梨の服装はデニムにベージュのカーディガン。シンプルだが小洒落ている。何より美乃梨が着ると高級感が漂う気がする。
場所は小さな丘がある公園。楓と初めてキスをした例の場所だ。屋外かつ人目にもつきにくいから、「そういう話」をするには丁度いい。幸いなことに、俺たちが話をしていた時も、周りには誰もいなかった。
「本当にごめんなさい。美乃梨さんを傷つけてしまって…最低ですよね」
「そんな…私も悪かったから…」
とりあえず俺はこの前のことを猛反省している様子を見せておいた。そうなると美乃梨も「自分も悪い」としか言えなくなる。まあ、旦那が単身赴任してすぐに若い男と不倫する人妻は悪いに決まっているけどな。
そんなことを考えながら、しばらくは反省している様子をこれでもかと見せておいた。一方の美乃梨はとにかく歯切れが悪かった。その原因は旦那への罪悪感だけじゃないだろう。あれだけ何度も抱いて、何度と逝かせてやったんだ。俺のことを意識しないはずがない。
「でも、この前のことが凄く頭に残っていて、忘れられないんです…」
「…」
そして頃合いを見はからって、俺は本題を切り出した。美乃梨は何も言わずに黙っているだけ。緊張しているのが丸わかりだ。
「ごめんなさい。こんなこと言われても困りますよね…」
「あっ…」
俺は手を伸ばし、美乃梨の手の上にそっと重ねる。美乃梨の白い手を包むように優しく重ねて、少しずつ指を絡めていく。
「だ、だめ…」
上擦った声で美乃梨は抵抗の言葉を口にする。本当、ぎりぎりのところでしぶとい女だ。
「ね、これ以上は本当にダメ…私も夫を裏切りたくないの…宗介君も彼女がいるから…」
なんだかんだで美乃梨は旦那のことが好きなんだろうな。まあ、そんな女だからこそ余計に堕としたくなってしまうわけだが。
「あの日以来、ずっと美乃梨さんのこと考えてしまうんです」
「…」
「美乃梨さん、綺麗ですごく可愛いです」
「んんぅ…だめ、だから…」
美乃梨の艶のある髪をそっと撫でてやると、美乃梨は甘い吐息を漏らした。だけど、美乃梨はそれでも抵抗を続けやがる。
まったく、攻略しがいがある女だ。ここはアレだな。強引に行っても面白くないし、攻め方を変えるか。
「美乃梨さんはどうなんですか?」
「えっ…?」
「あの日のこと、頭によぎらないですか?」
「そ、それはっ…」
美乃梨は俺から目を逸らすと、俯き何も答えなくなってしまった。いや、答えられないのだろう。正直に答えれば、旦那を裏切ることになるからな。
「ほら、ちゃんと顔見せて?」
「ゃんっ…」
俺は美乃梨の肩を抱き寄せ、顎をくいと持ち上げる。密着度が高い体勢でじっと見つめてやる。すると、美乃梨は耐えきれなくなったのか、再び目を逸らそうとする。
「ダメ。ほら、俺の目をしっかり見て」
「んぅぅ…」
俺が少し強めに言うと、観念したかのように美乃梨は俺の目をじっと見つめてきた。その目はすっかり蕩けているが、どこか躊躇いの気持ちがあるようにも感じる。
まあ、この程度の躊躇はどうとでもなるだろう。紅潮した顔を見れば、発情しているのは丸わかりだ。
「勝利」を確信した俺は、美乃梨の身体を力強く抱きしめた。そして再び美乃梨の目をじっと見つめた後、そっとキスをした。
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