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B 楓陥落10
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「私、はじめてが宗介さんでよかった…」
ピロートークの最中、楓は何気なしにそう呟いた。そういえばやっていた時もそんなようなことを言っていたな。
「私の友達、痛かったって話を結構していたから…」
気になったので掘り下げてみると、どうやら、同級生カップルでお互い初体験だったようだ。うまくできずに、楓の友達の女の子はかなり痛がっていたらしい。
楓はそういう話をちらほらと聞いていたみたいだから、不安だったようだ。
まあ、俺も同じ時期だったら痛がらせていたかもしれないな。その後、これでもかと経験積んだわけだが。
「宗介さん、凄く良かった…他の人としたことないから、説得力ないかもしれないけど、痛くなかったし、優しかったし…」
「楓ちゃんにそう言ってもらえて嬉しいよ」
そう言いながら俺は優しくハグをして、楓の髪の毛をそっと撫でる。
「ぅん…うふふ」
楓の口から、甘い吐息を含んだ笑い声が漏れる。楓も俺の背中に手を回して、俺の胸に体を預けた。
「楓ちゃん、幸せ?」
「うん…」
「ふふ。俺もだよ」
きっと楓に片想いしている同級生はたくさんいるんだろうな。そいつらには申し訳ないが、楓の心も初めても、俺が全部奪ってしまったな。
そして俺はこれからも楓で遊ぶだろう。そうだ。初心な楓に、風俗嬢顔負けのテクニックを仕込むのなんか最高だな。いやあ、つくづく同級生の諸君は気の毒だ。
幸せなハグの最中、俺は下衆な思考を働かせ、今後の展望に胸を躍らせていた。
※
「それじゃあ、今日はこの辺で」
「うん…」
その後、俺は楓を自宅の近くまで送り届けた。いつもは家のすぐ近くに停めるのだが、今日は遠慮しておいて少し離れたところで降ろした。美乃梨と今会うのは、色々と面倒になりそうだからな。
「宗介さん…またすぐ会ってくれますよね」
「うん。連絡するよ」
「うふふ。嬉しいです」
「それじゃ」
あまり長々と話すことなく、俺はその場を去った。楓はあれからずっと幸せそうな笑顔を俺に見せていた。楓の心をガッチリと掴んでいる証拠だろう。あとは初心な楓をどう変えていくかだな。
まったく、美乃梨に楓に色々と考えることが多くて困ってしまうな。まあいい。いずれにしても楓と美乃梨の親子丼はひとまず完成だ。だけど、こんなのは一口だけ食ったようなもんだろう。ちゃんと米一粒残さず完食しないとな。それがマナーってもんだからな。
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