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B 楓陥落5
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夕暮れ時の茜色の光が差し込む観覧車の中、俺と楓は唇を重ね合っていた。
観覧車の最上部からは綺麗な景色が見えることは知っている。だけどそんな景色が気にならないくらいに、俺たちはお互いのことを感じ合い、求め合っている。
ちろ、れろ、ちゅぱっ、ちゅう、レロォ…
「んうぅ…」
ただし、キスに関しては楓が防戦一方という感じだ。やはり男性経験は乏しいのだろう。キスが始まるまでは楓がペースを握る場面もあったが、キスが始まってからは俺がリードする展開になっている。
「楓ちゃん、可愛いよ」
「んふうぅ…」
そして俺が髪を優しく撫で、じっと見つめながら甘い言葉をかけてやると、楓は甘い吐息を漏らすように微笑んだ。
茜色の夕日が差し込んでいるのもあるのだろう。楓の顔はいっそう紅潮しているようにも感じる。
ちゅっ♪、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、
すると楓は唇を重ねるだけのソフトなキスを何度も繰り返してきた。まるで、まだまだキスをせがんでいるようだ。
とても愛らしくて、初心で純情な感じもして、俺の心がさらにときめいてしまう。
俺は、楓の動きに応じるように再びキスをした。
ちゅうっ、チロ、レロレロ、ちゅうううっ、ちゅぱっ…
たっぷりと楓の口内を貪りながら、俺の良心はチクリと痛みを感じた。こんな性格も良くて可愛い子に対して、俺は邪な欲望を実現させるためだけに接近しているのだ。
自分という人間がしょうもなく感じるような気もするが…今更情を移したってダメだ。半端なやつが一番最低なのだ。だから、俺は下衆な欲望を実現するために冷静かつ的確に動くだけだ。
「んむぅ…はぁっ、はぁっ、宗介さんっ、もう着いちゃうから…」
荒い吐息を隠せない楓が恥ずかしそうに呟く。確かにそうだ。いつのまにか観覧車は随分と下の方にまで降っていた。
いかんいかん。俺としたことが、タイムマネジメントをミスるとはな。
「教えてくれてありがとう。つい夢中になっちゃった」
「あははは。上手なんだから」
俺たちキスを切り上げると、各自、身支度を整えた。そんなに服も乱れていなかったし、時間はかからなかった。観覧車が地上に戻ってくるまでは1分もないくらいだったが、それだけの時間があれば十分なほどだった。
「それじゃあ降りよっか」
「あぅ…」
観覧車が地上に戻り扉が開く。俺は当たり前のように楓の手を握り、外に出た。もちろん、指を絡めた恋人繋ぎ。楓も多少驚いたような顔をしていたが、抵抗することもなかった。
そんなわけで、観覧車に乗る前と降りた後で、俺と楓の関係は大きく変わった。観覧車のスタッフの人も驚くんじゃないのかってくらいの変わりっぷりだ。
さあ、後はホテルに連れて行くだけだ。楓のことだから一悶着あってもおかしくないけど、ここまでくれば何とでもなるだろう。
夕暮れ時の茜色の光が差し込む観覧車の中、俺と楓は唇を重ね合っていた。
観覧車の最上部からは綺麗な景色が見えることは知っている。だけどそんな景色が気にならないくらいに、俺たちはお互いのことを感じ合い、求め合っている。
ちろ、れろ、ちゅぱっ、ちゅう、レロォ…
「んうぅ…」
ただし、キスに関しては楓が防戦一方という感じだ。やはり男性経験は乏しいのだろう。キスが始まるまでは楓がペースを握る場面もあったが、キスが始まってからは俺がリードする展開になっている。
「楓ちゃん、可愛いよ」
「んふうぅ…」
そして俺が髪を優しく撫で、じっと見つめながら甘い言葉をかけてやると、楓は甘い吐息を漏らすように微笑んだ。
茜色の夕日が差し込んでいるのもあるのだろう。楓の顔はいっそう紅潮しているようにも感じる。
ちゅっ♪、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、
すると楓は唇を重ねるだけのソフトなキスを何度も繰り返してきた。まるで、まだまだキスをせがんでいるようだ。
とても愛らしくて、初心で純情な感じもして、俺の心がさらにときめいてしまう。
俺は、楓の動きに応じるように再びキスをした。
ちゅうっ、チロ、レロレロ、ちゅうううっ、ちゅぱっ…
たっぷりと楓の口内を貪りながら、俺の良心はチクリと痛みを感じた。こんな性格も良くて可愛い子に対して、俺は邪な欲望を実現させるためだけに接近しているのだ。
自分という人間がしょうもなく感じるような気もするが…今更情を移したってダメだ。半端なやつが一番最低なのだ。だから、俺は下衆な欲望を実現するために冷静かつ的確に動くだけだ。
「んむぅ…はぁっ、はぁっ、宗介さんっ、もう着いちゃうから…」
荒い吐息を隠せない楓が恥ずかしそうに呟く。確かにそうだ。いつのまにか観覧車は随分と下の方にまで降っていた。
いかんいかん。俺としたことが、タイムマネジメントをミスるとはな。
「教えてくれてありがとう。つい夢中になっちゃった」
「あははは。上手なんだから」
俺たちキスを切り上げると、各自、身支度を整えた。そんなに服も乱れていなかったし、時間はかからなかった。観覧車が地上に戻ってくるまでは1分もないくらいだったが、それだけの時間があれば十分なほどだった。
「それじゃあ降りよっか」
「あぅ…」
観覧車が地上に戻り扉が開く。俺は当たり前のように楓の手を握り、外に出た。もちろん、指を絡めた恋人繋ぎ。楓も多少驚いたような顔をしていたが、抵抗することもなかった。
そんなわけで、観覧車に乗る前と降りた後で、俺と楓の関係は大きく変わった。観覧車のスタッフの人も驚くんじゃないのかってくらいの変わりっぷりだ。
さあ、後はホテルに連れて行くだけだ。楓のことだから一悶着あってもおかしくないけど、ここまでくれば何とでもなるだろう。
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