4 / 50
B 連絡先交換
しおりを挟む
※
親子丼をキメるという目標を立てたので、最近は少しずつ楓とママンに接近している。方法はいたってシンプル。バイト終わりに楓を家まで送るようにしているだけだ。楓は申し訳なさそうにしていたが、結局は俺の好意に甘えることになった。
「それで、うちのクラスの子が~」
「あはは。青春って感じだね」
初めのうちは楓も少し警戒していた。しかし、下心を見せずに何度も家に送り届けているうちに、ずいぶんと緊張がほぐれてきた。最近は助手席で随分とリラックスしているようにも見える。
おかげで楓の恋愛事情も把握できた。何人か同級生と付き合ったが長続きしなかったらしい。原因は男の嫉妬。顔・身体・性格良しの楓は、色々な人と分け隔てなく楽しそうに話す。元カレたちは、そんな楓の素振りが気に入らなかったようだ。まあ、年頃の男子はそんなもんだろう。
ちなみに俺は最近別れたという設定にしている。今まで女を食い散らかしていた中で経験した面白いハプニングを、元カノとの間で起きた出来事という体で話すと、楓は楽しそうに笑ってくれた。
※
「はい。着いたよ」
「宗介さん、いつも本当にありがとうございます!」
そうこう話しているうちに、俺の運転する車は楓の家へと到着した。
何度見ても楓の家は綺麗で立派だ。どうやら、最近建てたばかりらしい。新居を構えたばかりだというのに、父親は単身赴任か。働くってのは大変だ。こんな俺でも楓の父親に対して、同情が芽生えてしまう。
しかしいつまでもそんな気分に浸っていられない。無事に楓を家まで送り届けたなら、次の勝負が待っている。毎度というわけではないが、数回に一回、ママンが丁寧に挨拶にくるのだ。
今日は…どうやら当たりのようだ。玄関の扉が開くと軽装のママンが姿を現して、上品にお辞儀をした。
「いつも娘をありがとうございます」
「いえいえ、とんでもないです」
「ほら、楓もお礼を言いなさい」
「ちゃんとさっき言ったよ。ふふ、でもありがとうね、宗介さん♪」
こんな風に少し他愛ない立ち話をする時もある。ママンは楓とは対照的にお淑やかな性格をしている。しかし、こうして美人親子が並んでいる姿を見ると…親子丼への期待が高まってくるな。
いつもなら適当なタイミングで話を切り上げるが、今日はそうしない。一つやるべきことがあるのだ。
「そうそう。お母さんに一つお願いがありまして」
「あらぁ、私に?」
ママンは随分と意外そうな顔をしている。確かに、娘の知り合いがママンに話を持ちかけるなんて、滅多にないからな。
「娘さんの送迎中に何かあった時のことを考えまして…念のため、お母さんの連絡先を教えていただけませんか」
「あらあら、宗介君はしっかりしているのね」
俺からの提案にママンはにっこりと微笑んでいる。さあ、どうだ。
「うん。交換しましょう」
よし、第一関門突破だ。俺は内心ガッツポーズをする。ママンと俺がスマホを取り出して、連絡先を交換しようとする。
「でも、何かあったら、私がママに連絡すれば良くないですか?」
そこに楓が横槍を入れてきた。悪気はないのだろうが、痛いところを突いてきやがる。これで気が変わったらどうしてくれるんだ。思わず舌打ちしそうになる。
「楓は充電切れして連絡つかない時があるでしょ」
「むぅ…そっか、確かにそうだね」
そんな楓をママンはあっさりと制した。幸いなことに楓も納得している様子だ。やれやれ、楓のルーズな一面のおかげで助かった。俺は胸を撫で下ろす。
こうして、俺はママンの連絡先を無事にゲットした。もちろん楓の連絡先はとっくに入手済み。これで本格的に親子の攻略に取りかかれる。
連絡先を交換して初めて知ったのだが、ママンの下の名前は「美乃梨」と言うらしい。美乃梨と楓か…2人ともすぐに俺の女にしてやるからな。俺は目の前にいる母娘に笑顔を振りまきながら、下卑た妄想で胸を膨らませていた。
親子丼をキメるという目標を立てたので、最近は少しずつ楓とママンに接近している。方法はいたってシンプル。バイト終わりに楓を家まで送るようにしているだけだ。楓は申し訳なさそうにしていたが、結局は俺の好意に甘えることになった。
「それで、うちのクラスの子が~」
「あはは。青春って感じだね」
初めのうちは楓も少し警戒していた。しかし、下心を見せずに何度も家に送り届けているうちに、ずいぶんと緊張がほぐれてきた。最近は助手席で随分とリラックスしているようにも見える。
おかげで楓の恋愛事情も把握できた。何人か同級生と付き合ったが長続きしなかったらしい。原因は男の嫉妬。顔・身体・性格良しの楓は、色々な人と分け隔てなく楽しそうに話す。元カレたちは、そんな楓の素振りが気に入らなかったようだ。まあ、年頃の男子はそんなもんだろう。
ちなみに俺は最近別れたという設定にしている。今まで女を食い散らかしていた中で経験した面白いハプニングを、元カノとの間で起きた出来事という体で話すと、楓は楽しそうに笑ってくれた。
※
「はい。着いたよ」
「宗介さん、いつも本当にありがとうございます!」
そうこう話しているうちに、俺の運転する車は楓の家へと到着した。
何度見ても楓の家は綺麗で立派だ。どうやら、最近建てたばかりらしい。新居を構えたばかりだというのに、父親は単身赴任か。働くってのは大変だ。こんな俺でも楓の父親に対して、同情が芽生えてしまう。
しかしいつまでもそんな気分に浸っていられない。無事に楓を家まで送り届けたなら、次の勝負が待っている。毎度というわけではないが、数回に一回、ママンが丁寧に挨拶にくるのだ。
今日は…どうやら当たりのようだ。玄関の扉が開くと軽装のママンが姿を現して、上品にお辞儀をした。
「いつも娘をありがとうございます」
「いえいえ、とんでもないです」
「ほら、楓もお礼を言いなさい」
「ちゃんとさっき言ったよ。ふふ、でもありがとうね、宗介さん♪」
こんな風に少し他愛ない立ち話をする時もある。ママンは楓とは対照的にお淑やかな性格をしている。しかし、こうして美人親子が並んでいる姿を見ると…親子丼への期待が高まってくるな。
いつもなら適当なタイミングで話を切り上げるが、今日はそうしない。一つやるべきことがあるのだ。
「そうそう。お母さんに一つお願いがありまして」
「あらぁ、私に?」
ママンは随分と意外そうな顔をしている。確かに、娘の知り合いがママンに話を持ちかけるなんて、滅多にないからな。
「娘さんの送迎中に何かあった時のことを考えまして…念のため、お母さんの連絡先を教えていただけませんか」
「あらあら、宗介君はしっかりしているのね」
俺からの提案にママンはにっこりと微笑んでいる。さあ、どうだ。
「うん。交換しましょう」
よし、第一関門突破だ。俺は内心ガッツポーズをする。ママンと俺がスマホを取り出して、連絡先を交換しようとする。
「でも、何かあったら、私がママに連絡すれば良くないですか?」
そこに楓が横槍を入れてきた。悪気はないのだろうが、痛いところを突いてきやがる。これで気が変わったらどうしてくれるんだ。思わず舌打ちしそうになる。
「楓は充電切れして連絡つかない時があるでしょ」
「むぅ…そっか、確かにそうだね」
そんな楓をママンはあっさりと制した。幸いなことに楓も納得している様子だ。やれやれ、楓のルーズな一面のおかげで助かった。俺は胸を撫で下ろす。
こうして、俺はママンの連絡先を無事にゲットした。もちろん楓の連絡先はとっくに入手済み。これで本格的に親子の攻略に取りかかれる。
連絡先を交換して初めて知ったのだが、ママンの下の名前は「美乃梨」と言うらしい。美乃梨と楓か…2人ともすぐに俺の女にしてやるからな。俺は目の前にいる母娘に笑顔を振りまきながら、下卑た妄想で胸を膨らませていた。
0
お気に入りに追加
159
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。






会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる