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第三章 私が受け入れるまで
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「ザール君、どうしたの?最近なんだか変だよ」
「ん?ああ、すまない」
あの一件以来、婦人の一挙一動が気になってしまう。婦人はあの日のような態度を見せることはなく、いつも通り、平静で上品なたたずまいを見せているだけだ。
だから、時折あの日の出来事は夢だったのではないかと思ってしまう。だが、やはりそれはおかしい。初めて経験した濃密なキス…そして、婦人がした乳首弄り…私の身体はその快楽をいやというほどに覚えているのだ。
「ほら!またぼーっとして!」
「あ、ああ。リザ…すまない」
「もう…慣れないことばかりしているから疲れているんだよ」
リザが心配そうに俺を見つめている。心がきゅうっと締めつけられるような気分になる。
私は何をしているのだ。リザを愛しているのに…リザと一生を共にすると誓ったのに。肉欲に流されかけて、大事なものを失おうとしている。
私はリザを失いたくはない。
「きゃっ!?ちょっと…急にどうしたの?」
気がつくと、私はリザを抱きしめていた。リザは頬を赤らめてしおらしくなっている。とても愛くるしい。
そうだ、私はリザを裏切りたくはないのだ。
「リザ、愛している。しばらくこうしてもいいか?」
「えっ!?…う、うん…いいよ、その…ありがとう」
私たちはお互いの感触を確かめるようにしながら、長い時間抱きしめ合っていた。
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