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第二章 私がキスをするまで
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いつもならば私がフロラヴィ婦人に護身術を教えている時間。しかし、その日は少し勝手が違っていた。リザが外出してすぐに、私は護身術を教えるのはやめにしたいと婦人に打ち明けた。
私はリザを愛している。だから、これ以上婦人に心をかき乱されたくない。リザに後ろめたいことはしたくない。
「あら、残念ですわね。これでも私、結構練習していましたのよ?」
私からの話に、婦人は少し残念そうな顔をしている。しかし、大して取り乱す様子もない。いつも通りの婦人だ。
「理由をお聞かせ願いますか?」
「それは…」
当然、聞かれることは想定していた質問だ。それなのに、私は言い淀んでしまう。婦人に情欲を掻き立てられていることなど、とてもじゃないが言えやしない。
「何が事情があるのは分かりましたわ」
「は、はい…」
そんな私の様子を見て何かを察してくれたようだ。何を察したのか分からないが、心配そうに私を見ている。
これで、リザへの後ろめたさが消える。私は思わず安堵する。しかし、婦人はそんな私を嘲笑うかのように話を続けた。
「ただ、今日だけはご指導いただけませんか」
「そ、それは…」
「先ほども申しましたが、時間を見つけてはザール様に習った技を練習しましたの。その成果だけでも確認していただけませんか?」
確かに当日になって終わりにしたいと告げるのはあまりにも一方的で礼に欠けている。もし婦人が本気で練習をしてきたのなら、その努力を踏みにじることになる。いや、しかし婦人の時折見せる目は…
私は思わず婦人の目を見る。力強く真っ直ぐな目をしている。その場の雰囲気をムンとさせるような色気はどこにも感じられない。私は、覚悟を決めることにした。
「…分かりました。では、今日を最後ということにしましょう」
「うふふ。ワガママにお付き合いいただきありがとうございます」
私は婦人を信じる。昂ぶろうとする身体と心を抑えつける。大丈夫、これが最後の指導なのだから…
いつもならば私がフロラヴィ婦人に護身術を教えている時間。しかし、その日は少し勝手が違っていた。リザが外出してすぐに、私は護身術を教えるのはやめにしたいと婦人に打ち明けた。
私はリザを愛している。だから、これ以上婦人に心をかき乱されたくない。リザに後ろめたいことはしたくない。
「あら、残念ですわね。これでも私、結構練習していましたのよ?」
私からの話に、婦人は少し残念そうな顔をしている。しかし、大して取り乱す様子もない。いつも通りの婦人だ。
「理由をお聞かせ願いますか?」
「それは…」
当然、聞かれることは想定していた質問だ。それなのに、私は言い淀んでしまう。婦人に情欲を掻き立てられていることなど、とてもじゃないが言えやしない。
「何が事情があるのは分かりましたわ」
「は、はい…」
そんな私の様子を見て何かを察してくれたようだ。何を察したのか分からないが、心配そうに私を見ている。
これで、リザへの後ろめたさが消える。私は思わず安堵する。しかし、婦人はそんな私を嘲笑うかのように話を続けた。
「ただ、今日だけはご指導いただけませんか」
「そ、それは…」
「先ほども申しましたが、時間を見つけてはザール様に習った技を練習しましたの。その成果だけでも確認していただけませんか?」
確かに当日になって終わりにしたいと告げるのはあまりにも一方的で礼に欠けている。もし婦人が本気で練習をしてきたのなら、その努力を踏みにじることになる。いや、しかし婦人の時折見せる目は…
私は思わず婦人の目を見る。力強く真っ直ぐな目をしている。その場の雰囲気をムンとさせるような色気はどこにも感じられない。私は、覚悟を決めることにした。
「…分かりました。では、今日を最後ということにしましょう」
「うふふ。ワガママにお付き合いいただきありがとうございます」
私は婦人を信じる。昂ぶろうとする身体と心を抑えつける。大丈夫、これが最後の指導なのだから…
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