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第一章 私が婚約をするまで
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あれから、近くの村に行き、馬を2頭借り、動きやすい服を買った。1頭には、私が1人で乗っている。小さい頃は、馬に乗ってお父様やお母様に叱られたものだ。久しぶりに馬に乗ったけど、何とか手懐けている。女が馬に乗れても仕方がないと怒られたけど、皮肉にもこんな日に役立つなんて…
もう1頭には、勇者様とお母様が乗っている。お母様は馬に乗ったことがないから、振り落とされまいと、手綱を握る勇者様の背中にしがみついていた。その顔は少し恥ずかしそうに、赤くなっている。
道中は、重苦しい雰囲気が流れていた。お父様や長年仕えてくれた従者達の死で、心にぽっかり穴が空いたようだ。
だけど、聞かなければならないこともある。私は、意を決して、勇者様に尋ねることにした。
「ねえ、勇者様。このペンダントに見覚えはございますか?」
「これは…!?まさか、リザ…なのか!?」
「やっぱり…!勇者ザールって、ザール君だったのね」
※
小さい頃、おてんばだった私は早朝から館を抜け出し、街に一人で繰り出したことがあった。右も左もわからない私は、ある男の子と路地でぶつかった。最初は喧嘩になったけど、いつの間にか意気投合していた。
男の子は私のために、街を案内してくれた。そして色々な場所に行って、そのまま夕方まで一緒に遊んだ。別れ際、何かの景品でもらったペンダントを、私にプレゼントしてくれた。
私は大人ぶりたくて、その男の子の手の甲にキスをした。男の子がドギマギしていて、なんだが私もドキドキした記憶がある。
幼い日の淡い思い出。でも、何となくあの男の子のことがずっと気になっていた。だから、私はペンダントを身につけていた。
そして今日、人生最悪だと思った日に、私はザール君と再会を果たした。ザール君は、カッコいい勇者様になっていた。
あれから、近くの村に行き、馬を2頭借り、動きやすい服を買った。1頭には、私が1人で乗っている。小さい頃は、馬に乗ってお父様やお母様に叱られたものだ。久しぶりに馬に乗ったけど、何とか手懐けている。女が馬に乗れても仕方がないと怒られたけど、皮肉にもこんな日に役立つなんて…
もう1頭には、勇者様とお母様が乗っている。お母様は馬に乗ったことがないから、振り落とされまいと、手綱を握る勇者様の背中にしがみついていた。その顔は少し恥ずかしそうに、赤くなっている。
道中は、重苦しい雰囲気が流れていた。お父様や長年仕えてくれた従者達の死で、心にぽっかり穴が空いたようだ。
だけど、聞かなければならないこともある。私は、意を決して、勇者様に尋ねることにした。
「ねえ、勇者様。このペンダントに見覚えはございますか?」
「これは…!?まさか、リザ…なのか!?」
「やっぱり…!勇者ザールって、ザール君だったのね」
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小さい頃、おてんばだった私は早朝から館を抜け出し、街に一人で繰り出したことがあった。右も左もわからない私は、ある男の子と路地でぶつかった。最初は喧嘩になったけど、いつの間にか意気投合していた。
男の子は私のために、街を案内してくれた。そして色々な場所に行って、そのまま夕方まで一緒に遊んだ。別れ際、何かの景品でもらったペンダントを、私にプレゼントしてくれた。
私は大人ぶりたくて、その男の子の手の甲にキスをした。男の子がドギマギしていて、なんだが私もドキドキした記憶がある。
幼い日の淡い思い出。でも、何となくあの男の子のことがずっと気になっていた。だから、私はペンダントを身につけていた。
そして今日、人生最悪だと思った日に、私はザール君と再会を果たした。ザール君は、カッコいい勇者様になっていた。
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