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147話「あぶないプレゼン」▲(視点・サーシャ→レナ→サーシャ)

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(女性をターゲットとした商品……ですか……)

 カズミさん達の屋敷にある自慢のお風呂。その大きな湯船に、ゆったりと身体を沈める。
 商会で扱う商品の中でも、女性向けのものは良く売れるし、需要が見込める。
 今回、カズミさんが提案してきた商品は『女性の性生活を豊かなものにする』といったもの。

(全く想像がつかないけど……)

──チャプンッ

 と湯船のお湯を手で掬い、肩口にかける。

 今回、ここに来てカズミさんから紹介された商品はかなり魅力的なものだった。
 ここに来る前から噂を聞いて気になっていた『ユカタ』という夏の衣料も、カズミさんのアイデアだったらしい。彼女の紹介で、この村の仕立て屋さんと早速契約を結ばせてもらう予定は組んだ。
 あとはコーヒー牛乳というもの。まだ試飲出来ていないが「お風呂あがりが最高!」らしいので、楽しみにしている。
 蜂蜜レモンという飲料も、この村では人気らしい。この二点は『レシピ』を頂いて、王都や城塞都市ムンドで製造・販売する契約を結んだ。売上の数%をこの村に納めるという内容だ。

(でも……カズミさんがイチオシする魔導具……どんなものなんだろう)

 湯船から立ち上がり、浴室をでる。温泉を引いてきているだけあって、身体が芯から温もり、長旅の疲労も取れた気がする。

(『女性の性生活』か……)

 わたくし自身、そういった事は充実しているとは言い難い。
 結婚して半年。零細商会の長男を婿に貰い、その商会を吸収合併する事によってゼット商会は中堅商会へと躍進した。
 が、数ヶ月後に会長である父が死亡。私が商会の舵取りとなり、忙しく駆け回る日々が始まった。
 もともと政略結婚のようなもの。

『愛情はこれから育んでいけば良い』

 と思っていたが、新婚生活もままならず、一緒に過ごす事すら少なくなったわたくしたち夫婦の間には『夜の生活』といったものは皆無になった。
 今後は、王都の商会を夫に任せ、わたくしはこのラツィア村に腰を据えて仕事をする事になる。これまで以上にそういった事は無くなるだろう。

(カズミさんが推す魔導具は、わたくしにとっても必要なものになるかもしれない……)

 そう考えると、風呂上がりとはいえ少し身体が熱くなるのを感じた。



「カズミさん! これ、凄く美味しいです!」

 よく冷えた甘いミルクの中に、ほんのりと感じるコーヒーの香り。

「でしょ? ひと汗かいたあとにピッタリの飲み物なんです」

 お風呂あがりの夜着姿で、二階のオープンスペースと呼ばれる応接室でカズミさん自慢のコーヒー牛乳を頂いた。これは美味しい。

「ひと息ついたら、三階のお部屋に案内しますね。そちらで魔導具の紹介と使い方の説明します」
「それって……やっぱりわたくし自身が使ってみないと……その……いけませんよね?」
「えっと……無理にとは言いませんが……よろしかったら是非試して欲しいなとは思ってます」

 恥ずかしそうなカズミさん。もちろん『商品を試す立場』であるこちらの方が恥ずかしいのだが。

「……ですね。どんな商品であるか試すのも、商人の仕事ですものね……」
「はい! 絶対に満足して頂けると思います」
 自信満々に応えるカズミさんを信用してみよう。

■□■□■□■□

「ここがサーシャさんの寝室よね」

 れなはカズミに指定された客用寝室に入る。

「ベッドがいいかな……テーブルがいいかな……」

 手に持った『魔導具を入れたかご』をどちらに置くか悩んだ後、テーブルに置くことに決めてそちらに歩を進めた途端に、暗闇のせいで足を取られて籠を取り落とす。

「あちゃ……」

 慌てて拾い上げるも、散らばった紙を見て慌てる。

「淫紋シール! なんでこれも混ぜちゃってるのよ!」

 自分に腹を立てたが、とにかく慌てて拾う。

「サーシャさん、こっちです」

 カズミの声が聞こえたので、魔導具を籠に仕舞って、拾い上げた数枚の淫紋シールは夜着の中に隠す。これは紹介してはいけないものだ。

「この部屋です」

 扉が開き、サーシャさんを伴ってカズミが部屋に入ってきた。

「こ、こんばんわ」
「あ、用意してくれたんだ。ありがとねレナ。──サーシャさん、これらの魔導具は、レナが作ってくれたんですよ」
「レナさんがお作りに……魔導具の製作までできるなんて」

 サーシャさんが驚いたようにれなの事を見つめる。

「色々と試行錯誤はあったんだけどね……今回のは試作品を改良したものだから、かなり商品としては完成した形になったはずなの」

 れなとカズミは、魔導具を一点一点手にとって使い方の説明を始めた。



「なるほど……性行為を補助する道具とは。そういうものは今までに無かったものです。これは……売れますね……」
「あとは娼館のお姉さま方にテストして頂けば、最終調整を済ませて完成型になる予定なんです。その前段階になると思うけど……是非サーシャさんに試して頂ければ」
「興味はあります。わたくしも女ですし、夫とも長らく会えてません。これから忙しくなる事を考えると……これらの魔導具にお世話になると思いますし」

 少し頬を赤くしたサーシャさんが可愛らしい。そんなサーシャさんを見て、カズミが「ふふっ」と笑って席を立つ。

「じゃあ私たちも自分の寝室に戻りますね」
「れなの自信作だから、身体に悪影響はないよ。明日の朝にでも感想聞きたいかな」
「……わかりました。少し恥ずかしいけど……試してみますね」

 そう言ってカズミと共に部屋を出た。テーブルの下に拾い忘れた『淫紋シール』が残っていた事に気も付かずに……

■□■□■□■□

(使い方は理解しました。……これは絶対に『気持ちいいやつ』ですね……)

 夜着の裾を捲りあげて、そっとショーツの上から指で触ってみる。
 魔導具の説明を受けているときから、ココが濡れだしていたのを感じてた。
 私も19歳になる健康な女だ。年相応の性欲はある。仕事で忙しくしている分、そういう事から遠ざかっていて、自慰オナニーによって溢れる性欲を慰める事も多い。

(この魔導具が興味深いです……)

 透明なカップ状の、二つで一組の魔導具。カップの中には透明な柔らかいものが取り付けられてある。
 なんでも試作品では羽だったらしいが、刺激が弱かったそうで、この部分を『ジャイアントトード』の粘液を加工したものに変更されたとか。
 カップに指を入れてその部分を触ってみると、プヨプヨしていて、とても触感が良い。

(これを……塗りつけてから装着するといい。って言ってらっしゃいましたね)

 ボトルに入った粘液状の液体。デンプンから作ったものだから安全だと教えてくれていた。
 夜着を脱ぎ、手にとって乳首に塗りつけてみる。

(あ……これだけで既に気持ちいい……かも……)

 恐る恐る、カップを乳房に取り付けてみる。プヨプヨした部分がちょうどいい感じで乳首に触れる。

「ん……♡」

 ぬるりとした感覚が「ふわり」と快感を伝えてくる。

 もう片方も装着し、それぞれのカップから延びた線の先にあるスイッチを入れる。

「んんんっ!」

──ヴィィィィィ……

 と小さな音を立てて、乳首に当たる部分が振動と回転を始め、その気持ちよさに思わず声が漏れた。

(あ、これ……凄い……です)

 両乳首が、今までに受けたことのない刺激によって、あっという間に硬く勃起し、そのせいで魔導具から受ける快感が倍化する。

「あ……だめ……これ……だめ……」

 両乳房が熱を帯びてきた。接触部分が上下するのか、乳輪から乳首の先までまんべんなく刺激が与えられる。
 そして、時折乳首の先で上下が止まり、そこに集中して刺激が与えられるのが堪らない。

「やっ……いや……これだけで……達します……♡」

 せっかくだから、他の魔導具も試したい。なんとかこのまま達してしまいたい気持ちを抑えて、スイッチを切った。

「はぁ……♡ はぁ……♡」

 快感が落ち着くまで、荒い息をなんとか整える。

(次は……こちらを……)

 小さな卵型の魔導具。これにも線が接続されていて、手元に小さなコントローラーが付いている。
 表面は、乳房に装着した魔導具の中と同じくプヨプヨとした触感。
 ショーツの上から、卵型の魔導具を当ててみる。そして、スイッチを入れる。

「ひゃっ!? んんんんんんんっ♡」

 思わず嬌声を上げそうになり、慌てて口元を手で覆う。

(これ……直接……ここに……)

 ショーツの中に魔導具を入れて、グッショリと濡れたアソコに当てる。

「むんんんんんっ♡ ひっ♡ ひぅんんんんんんんっ♡」

(あっ♡ 陰核クリトリスに直接……♡)

 すぐ激しい快感によって昇りつめていく。

(これも……だめっ! すぐに……イッちゃいます……♡)

 なんとか自分を抑える。もう一つ魔導具があるのだ。それを試さないと……という商人としての矜持が快楽を抑えてくれた。
 もう一つの魔導具を取ろうと、ベッドで身体の向きを変えた時、テーブルの下に落ちた紙が目に入った……
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