9 / 287
9話「挑発」
しおりを挟む
「うわっ!お店がいっぱい!」
レナの治療院を曲がった先が中央広場になってるんだが、そこに様々な屋台が並んでいた。
そこで冒険者、兵士、村の人が買い物をしている。
大声を上げたカズミが、早速いい香りのする屋台へと走っていく。
「ねぇねぇ!お肉の串焼きだよ!美味しそう!」
俺とレナを手招きする。
「今食べたら晩御飯食べれなくなるよ」
そう言いながら屋台へと向かったが、これは確かに食欲をそそる香りだ。
「ワイルドボアの肉ね。あなた達の世界だと……イノシシ?」
レナが耳元で教えてくれた。
「ヒロヤも稽古でお腹空いたんじゃない?」
「そりゃ空いたけど……カズミが食べたいだけだろ?」
ポケットにおこづかいの入った巾着は持ってる。確か銅貨20枚ほど入ってたはずだ。
値段を見ると……1串3切れ刺さってて銅貨5枚。
「1本50円ってとこかしら」
レナが俺達の分かる貨幣価値で教えてくれる。
1小銅貨が1円、1銅貨10円らしい。ふむ。分かりやすい。
「よし。俺が奢るよ。1本ずつ食べる?」
「食べたいけど……流石に1本食べちゃうと晩御飯やばいね……」
「れなも1本は無理っぽい……」
確かに肉一切れの大きさはなかなかのものだ。今の俺達だと3~4口ぐらいか。ひと口では無理だ。
「じゃあ1本を三人で分けようか。おばさん!1本下さい」
「まいど!みんなで分けるのかい?じゃあ一切れずつにしてやろうかね」
そう言って網の上の1串にタレを塗り、器用に串の肉をばらす。
それぞれに短い串を刺して、ひとつずつ木の皮に乗せて手渡してくれた。
「はい。5万銅貨ね」
あれだ。『はい50万円』っていうお店のおばちゃんだ。
「高いよ!」
笑いながら巾着から銅貨5枚を出して手渡した。
受け取ったお肉はすごく美味しそうな匂いがした。
「ありがとう!」
俺達は広場にある椅子に向かった。
「毎度あり!落とすんじゃないよ!」
「ヒロヤくん、ありがとね」
「ヒロヤ、はい。あーん」
カズミが自分の串焼きを俺の口元に持ってくる。
きたか。主任お得意の『あーん』。前世でもよくこれでからかわれた。
「いや、主任……自分で食べてくださいよ」
つい前世を思い出し、当時の返しそのまんまで答えてしまった。
「あれ?なんで食べれないのかな?私はもうヒロヤの上司じゃないし、年上でもない。ましてや人妻でも無いんだから遠慮する事ないよ?ほら、あーん♪」
いやまぁそうだけど。
「わかった。あーん……」
目の前に差し出された串焼きをひと齧りする。
「うんまっ!」
肉と脂身のバランスがいいのか、意外と柔らかくて甘辛いタレも良い。
「じゃあ私も!あーん……」
はいはい。
俺は自分の肉をカズミに差し出す。
「はむ……美味しっ!もっと臭みがあるかと思ったけど、全然そんなこと無いね!」
カズミは両手を頬に当て、幸せそうにもぐもぐしてる。
「………………」
ふとレナを見ると、恍惚の表情でヨダレまで垂れてますよ!
「レナ、6歳の女の子がそんな顔しちゃだめ」
「いやもう尊み政権樹立ってやつ……」
この恋愛ものオタク女神め。
「レナ、食べないの?あーんしてあげようか?」
カズミが俺のかじった串焼きをレナに差し出す。
「れなもうお腹いっぱい」
「そうなの?食べられない?」
「いや、多分そっちのお腹いっぱいじゃないと思うよ……」
「うん。お腹は空いてる。尊みでいっぱい」
そう言いながら、レナは差し出された串焼きにかぶりついた。
「うん!美味しいね!お肉も尊みもごちそうさまです」
この女神様あかん……
「なんだよヒロヤ、おまえ放課後も女と遊んでるのかよ」
……ジャンだ。同級生三人と女の子ひとりを侍らせている。
「お前も女の子連れてんじゃん」
ジャンに目線もくれてやらないまま、串焼きを頬張る。
「コイツは俺の妹だよ。俺はお前みたいになよなよしてねぇし」
「ふーん」
「なぁお前、俺と勝負しないか?」
ジャンがニヤリと笑う。
「村はずれに『幽霊屋敷』があるんだけどさ……」
広場から少し離れた路地でジャン達と相対する。
「そこで肝試しするんだよ」
「くだらねぇ」
俺はカズミとレナを連れて広場に戻ろうとしたが、カズミは『幽霊屋敷で肝試し』に興味を持った様子。あかん。
「怖いのかよ。だらしねぇな」
「全然怖くないんですけど?寧ろ楽しそうなんですけど?」
カズミが振り返ってジャンを睨みつける。
「じゃあ決まりだな。明日の夜、村はずれの幽霊屋敷に集合な」
「わかったよ。まぁ幽霊がそこに居ようが居まいが全くどうでも良いけどな」
カズミが挑発に乗ったから受けざるを得まい。
「あそこは本当に居るんだよ」
ジャンが意味ありげに笑う。
「さっきギルドで駆け出し冒険者のパーティーが騒いでたんだよ。『仲間のシーフが行方不明になった』ってな。あれは間違いなく幽霊屋敷に食われたんだよ」
「ひとりで幽霊屋敷に行ったのか?そのシーフは」
しまった。ちょっと興味惹かれちまった。
「夜、仲間で酒飲んで宿に帰る時に、そいつだけ『酔いを醒ましてくる』って村はずれの方に歩いて行ったらしいぜ」
……ふむ。それは気になるな。
「当然探しに行ったんだろ?その仲間の事」
「あぁ。朝になっても宿に帰って来てないから探したらしい。幽霊屋敷も調べたらしいけど誰も居なかったって」
ジャンの話を聞いて、カズミとレナを見てみると……あかん。二人とも興味津々だわ。
「明日の夜かぁ。次の日学校休みだけど、家を抜け出すのが大変だな」
昔は俺も良く家を抜け出して友達と夜の探検とかしたもんだが。まぁ俺はなんとかなるとしても……
チラッとカズミとレナを見ると、二人とも俺を見て頷く。え?夜抜け出しちゃうの?
「夜1時に幽霊屋敷集合だ。逃げんなよ」
とりあえずジャンから村はずれの幽霊屋敷の場所を聞いてから別れた。
「ふふふ。肝試し」
カズミがにやけてる。
「本当に幽霊だとしても、れな『浄化』の魔術使えるし大丈夫だよ」
「でも本当にモンスターや魔物が居たら、俺達だけだとヤバいかもよ」
「それもれなに任せて。屋敷ぐらいなら『探知』でモンスター居るかどうか判るから。もし居たら兵舎に連絡しようよ」
「だね。……まぁその時は家抜け出した事バレて怒られるだろうけど」
「子供は大人に怒られてなんぼだよ」
カズミ、肝座ってんな……
「まぁ、どうせジャン達が俺達を怖がらせようと何か仕込んでるだけだと思うけどね」
「うん。れなもそう思う」
「でしょうね。平気な顔して肝試しクリアしてやりましょうよ」
これは俄然楽しみになってきた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「あいつら、絶対ビビらせてやるからな……」
俺はとにかくヒロヤが嫌いだ。
ただでさえ俺の親父は『領主様は凄い。坊っちゃん達もきっと立派になる。ジャンも見習うんだぞ』ってうるせぇんだ。
元々は冒険者で、怪我して引退したところを領主様に呼ばれて、この村のギルド出張所を任された親父。『領主様は俺ら冒険者の憧れだ』ってよ。
ヒロヤみたいな奴のどこが立派になるんだよ。いつも女とつるんでるような奴が。
それに連れてる女ってのが、クラスで1番可愛いんじゃねえかってぐらいのレナと、初めて見て俺が一目惚れしちまったカズミ。
「クソ生意気な奴だぜ」
幽霊屋敷とはいえ、そこには何も居ない事を俺達は知ってる。
何度か冒険者が調べに行って何も無かった事が報告されてるんだ。
だから、俺が仲間を仕込んでアイツらを怖がらせてやる。
ヒロヤがビビりまくって、カズミやレナに愛想尽かされるならザマァだ。
そこで俺の肝っ玉の太さをあの娘たちに見せつけてやるんだ。
「お前ら、明日の夜はうまいことやれよ」
俺は仲間に念押しした。
「ジャン、その……行方不明のシーフって話は……」
身体は細く、背ばかり高いランツが聞く。
「あぁ、あれはホントの話だ。でもまぁ幽霊屋敷は無関係だぞ。仲間の冒険者や他のパーティーも調べて何も無かったらしいし。なんだよ、お前がビビってどうするんだよ」
「いやビビってねぇし」
コイツには屋敷の中に潜んでの『脅かし役』をやらせる予定だ。
ひとりじゃ怖がるだろうけど、妹のアリサを組ませれば、アリサの事が好きなランツは見栄を張って怖がる事なく役を全うするはずだ。
「兄ちゃん、さっきの女の子達可愛かったね。男の子もなんかカッコよかったよ」
ひとつ下の妹アリサが微笑む。
「そうでもねぇよ!アイツが肝試しで腰抜かすところを見たらアリサも幻滅するさ」
アリサの事が好きなランツがやる気になった。
「でも……こういうのあんまり良くないよ?」
「お前、怖いのとか好きだろ?あの幽霊屋敷に入れるんだぞ?」
「うん!それは楽しみ!」
我が妹ながら、コイツの怖いもの知らずにはちょっとビビる。
「俺も『脅かし役』やりたいな。なんかあいつらマジでビビらせたい」
ちびのガズラが手を挙げた。
「そうだな……じゃあ俺とマッシュが屋敷の外であいつらの相手するわ。いいなマッシュ」
デブのマッシュが頷く。
「へっ、楽しくなってきたぜ」
ヒロヤめ。自分の情けなさを思い知らせてやる。
レナの治療院を曲がった先が中央広場になってるんだが、そこに様々な屋台が並んでいた。
そこで冒険者、兵士、村の人が買い物をしている。
大声を上げたカズミが、早速いい香りのする屋台へと走っていく。
「ねぇねぇ!お肉の串焼きだよ!美味しそう!」
俺とレナを手招きする。
「今食べたら晩御飯食べれなくなるよ」
そう言いながら屋台へと向かったが、これは確かに食欲をそそる香りだ。
「ワイルドボアの肉ね。あなた達の世界だと……イノシシ?」
レナが耳元で教えてくれた。
「ヒロヤも稽古でお腹空いたんじゃない?」
「そりゃ空いたけど……カズミが食べたいだけだろ?」
ポケットにおこづかいの入った巾着は持ってる。確か銅貨20枚ほど入ってたはずだ。
値段を見ると……1串3切れ刺さってて銅貨5枚。
「1本50円ってとこかしら」
レナが俺達の分かる貨幣価値で教えてくれる。
1小銅貨が1円、1銅貨10円らしい。ふむ。分かりやすい。
「よし。俺が奢るよ。1本ずつ食べる?」
「食べたいけど……流石に1本食べちゃうと晩御飯やばいね……」
「れなも1本は無理っぽい……」
確かに肉一切れの大きさはなかなかのものだ。今の俺達だと3~4口ぐらいか。ひと口では無理だ。
「じゃあ1本を三人で分けようか。おばさん!1本下さい」
「まいど!みんなで分けるのかい?じゃあ一切れずつにしてやろうかね」
そう言って網の上の1串にタレを塗り、器用に串の肉をばらす。
それぞれに短い串を刺して、ひとつずつ木の皮に乗せて手渡してくれた。
「はい。5万銅貨ね」
あれだ。『はい50万円』っていうお店のおばちゃんだ。
「高いよ!」
笑いながら巾着から銅貨5枚を出して手渡した。
受け取ったお肉はすごく美味しそうな匂いがした。
「ありがとう!」
俺達は広場にある椅子に向かった。
「毎度あり!落とすんじゃないよ!」
「ヒロヤくん、ありがとね」
「ヒロヤ、はい。あーん」
カズミが自分の串焼きを俺の口元に持ってくる。
きたか。主任お得意の『あーん』。前世でもよくこれでからかわれた。
「いや、主任……自分で食べてくださいよ」
つい前世を思い出し、当時の返しそのまんまで答えてしまった。
「あれ?なんで食べれないのかな?私はもうヒロヤの上司じゃないし、年上でもない。ましてや人妻でも無いんだから遠慮する事ないよ?ほら、あーん♪」
いやまぁそうだけど。
「わかった。あーん……」
目の前に差し出された串焼きをひと齧りする。
「うんまっ!」
肉と脂身のバランスがいいのか、意外と柔らかくて甘辛いタレも良い。
「じゃあ私も!あーん……」
はいはい。
俺は自分の肉をカズミに差し出す。
「はむ……美味しっ!もっと臭みがあるかと思ったけど、全然そんなこと無いね!」
カズミは両手を頬に当て、幸せそうにもぐもぐしてる。
「………………」
ふとレナを見ると、恍惚の表情でヨダレまで垂れてますよ!
「レナ、6歳の女の子がそんな顔しちゃだめ」
「いやもう尊み政権樹立ってやつ……」
この恋愛ものオタク女神め。
「レナ、食べないの?あーんしてあげようか?」
カズミが俺のかじった串焼きをレナに差し出す。
「れなもうお腹いっぱい」
「そうなの?食べられない?」
「いや、多分そっちのお腹いっぱいじゃないと思うよ……」
「うん。お腹は空いてる。尊みでいっぱい」
そう言いながら、レナは差し出された串焼きにかぶりついた。
「うん!美味しいね!お肉も尊みもごちそうさまです」
この女神様あかん……
「なんだよヒロヤ、おまえ放課後も女と遊んでるのかよ」
……ジャンだ。同級生三人と女の子ひとりを侍らせている。
「お前も女の子連れてんじゃん」
ジャンに目線もくれてやらないまま、串焼きを頬張る。
「コイツは俺の妹だよ。俺はお前みたいになよなよしてねぇし」
「ふーん」
「なぁお前、俺と勝負しないか?」
ジャンがニヤリと笑う。
「村はずれに『幽霊屋敷』があるんだけどさ……」
広場から少し離れた路地でジャン達と相対する。
「そこで肝試しするんだよ」
「くだらねぇ」
俺はカズミとレナを連れて広場に戻ろうとしたが、カズミは『幽霊屋敷で肝試し』に興味を持った様子。あかん。
「怖いのかよ。だらしねぇな」
「全然怖くないんですけど?寧ろ楽しそうなんですけど?」
カズミが振り返ってジャンを睨みつける。
「じゃあ決まりだな。明日の夜、村はずれの幽霊屋敷に集合な」
「わかったよ。まぁ幽霊がそこに居ようが居まいが全くどうでも良いけどな」
カズミが挑発に乗ったから受けざるを得まい。
「あそこは本当に居るんだよ」
ジャンが意味ありげに笑う。
「さっきギルドで駆け出し冒険者のパーティーが騒いでたんだよ。『仲間のシーフが行方不明になった』ってな。あれは間違いなく幽霊屋敷に食われたんだよ」
「ひとりで幽霊屋敷に行ったのか?そのシーフは」
しまった。ちょっと興味惹かれちまった。
「夜、仲間で酒飲んで宿に帰る時に、そいつだけ『酔いを醒ましてくる』って村はずれの方に歩いて行ったらしいぜ」
……ふむ。それは気になるな。
「当然探しに行ったんだろ?その仲間の事」
「あぁ。朝になっても宿に帰って来てないから探したらしい。幽霊屋敷も調べたらしいけど誰も居なかったって」
ジャンの話を聞いて、カズミとレナを見てみると……あかん。二人とも興味津々だわ。
「明日の夜かぁ。次の日学校休みだけど、家を抜け出すのが大変だな」
昔は俺も良く家を抜け出して友達と夜の探検とかしたもんだが。まぁ俺はなんとかなるとしても……
チラッとカズミとレナを見ると、二人とも俺を見て頷く。え?夜抜け出しちゃうの?
「夜1時に幽霊屋敷集合だ。逃げんなよ」
とりあえずジャンから村はずれの幽霊屋敷の場所を聞いてから別れた。
「ふふふ。肝試し」
カズミがにやけてる。
「本当に幽霊だとしても、れな『浄化』の魔術使えるし大丈夫だよ」
「でも本当にモンスターや魔物が居たら、俺達だけだとヤバいかもよ」
「それもれなに任せて。屋敷ぐらいなら『探知』でモンスター居るかどうか判るから。もし居たら兵舎に連絡しようよ」
「だね。……まぁその時は家抜け出した事バレて怒られるだろうけど」
「子供は大人に怒られてなんぼだよ」
カズミ、肝座ってんな……
「まぁ、どうせジャン達が俺達を怖がらせようと何か仕込んでるだけだと思うけどね」
「うん。れなもそう思う」
「でしょうね。平気な顔して肝試しクリアしてやりましょうよ」
これは俄然楽しみになってきた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「あいつら、絶対ビビらせてやるからな……」
俺はとにかくヒロヤが嫌いだ。
ただでさえ俺の親父は『領主様は凄い。坊っちゃん達もきっと立派になる。ジャンも見習うんだぞ』ってうるせぇんだ。
元々は冒険者で、怪我して引退したところを領主様に呼ばれて、この村のギルド出張所を任された親父。『領主様は俺ら冒険者の憧れだ』ってよ。
ヒロヤみたいな奴のどこが立派になるんだよ。いつも女とつるんでるような奴が。
それに連れてる女ってのが、クラスで1番可愛いんじゃねえかってぐらいのレナと、初めて見て俺が一目惚れしちまったカズミ。
「クソ生意気な奴だぜ」
幽霊屋敷とはいえ、そこには何も居ない事を俺達は知ってる。
何度か冒険者が調べに行って何も無かった事が報告されてるんだ。
だから、俺が仲間を仕込んでアイツらを怖がらせてやる。
ヒロヤがビビりまくって、カズミやレナに愛想尽かされるならザマァだ。
そこで俺の肝っ玉の太さをあの娘たちに見せつけてやるんだ。
「お前ら、明日の夜はうまいことやれよ」
俺は仲間に念押しした。
「ジャン、その……行方不明のシーフって話は……」
身体は細く、背ばかり高いランツが聞く。
「あぁ、あれはホントの話だ。でもまぁ幽霊屋敷は無関係だぞ。仲間の冒険者や他のパーティーも調べて何も無かったらしいし。なんだよ、お前がビビってどうするんだよ」
「いやビビってねぇし」
コイツには屋敷の中に潜んでの『脅かし役』をやらせる予定だ。
ひとりじゃ怖がるだろうけど、妹のアリサを組ませれば、アリサの事が好きなランツは見栄を張って怖がる事なく役を全うするはずだ。
「兄ちゃん、さっきの女の子達可愛かったね。男の子もなんかカッコよかったよ」
ひとつ下の妹アリサが微笑む。
「そうでもねぇよ!アイツが肝試しで腰抜かすところを見たらアリサも幻滅するさ」
アリサの事が好きなランツがやる気になった。
「でも……こういうのあんまり良くないよ?」
「お前、怖いのとか好きだろ?あの幽霊屋敷に入れるんだぞ?」
「うん!それは楽しみ!」
我が妹ながら、コイツの怖いもの知らずにはちょっとビビる。
「俺も『脅かし役』やりたいな。なんかあいつらマジでビビらせたい」
ちびのガズラが手を挙げた。
「そうだな……じゃあ俺とマッシュが屋敷の外であいつらの相手するわ。いいなマッシュ」
デブのマッシュが頷く。
「へっ、楽しくなってきたぜ」
ヒロヤめ。自分の情けなさを思い知らせてやる。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる