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だって我々最強チームですから!!!

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「ヒナタさん!準備出来ました!」

ティナに促されて向き直ると上手く集められてる。

ってか物理攻撃聞くのね。なんて今更ながら思いながら…

「ティナどれだっけ」

「これです。これ」

「ホイホイありがとう」

スキル画面を一瞥して杖槍を構える。ティナは何故か怪訝そうな顔。

「冥府の門より蘇り荒れ狂う御霊よ。転生の輪廻より外れし霊魂よ。我が名において永遠の安らぎを我が名において新たなる門出を与えん!」

何様だって感じだ。詠唱してるの私だけど


「響け!聖なる鎮魂歌。ホーリーレクイエム!」

一瞬音が止み世界が真っ白に染る


その直後。禍魂はきれいさっぱり消えている。

生きてる時は助けてあげられなかった。せめて死後の世界で安らぎを。新たなる世界に祝福を…

なんてカッコつけてる背後でルカとシャリアが激突してる


「いいわねぇ。まるで!ホントの娘と勝負してる見たいよ!」

その時の悲しそうなルカの表情にカチンときて、文句言いかけたその時。

「ふざけんなぁぁぁ!ルカはあんたの娘じゃんかぁぁぁ」


その言葉に一瞬。隙が生まれた。

そこを見逃すほどルカはポンコツでは無い。


炎を纏った大鎌の一突きがシャリアの胴にヒットして壁に激突する。

「私は…まだ…娘をシェリアを」

「死人は蘇らない…どんな事をしても。死人は蘇らせてはいけない。どんな理由があっても」

静かに語るユオン

「…人狼の末裔。貴女にはいないのか。全てを投げ出し蘇らせたい命は。」

「…ない。」

「半妖の娘…お前は…」

「…そうだね。いるよ?けどそしたらきっと悲しむ。だから。いないって答える」

「エルフ族…」

「私は今いる仲間と今ある時を精一杯行きたいです」


「ヒナタ シキガミ。お前はここの誰かが死んでもなお。平気というのか。私と同じ事を犯さないと言えるのか」

難しい事を聞いてくる。これだから頭がいいやつは苦手だ。

多分。耐えられないだろ。ここの誰かが死ぬなんて考えたくもない。

けど。ここの誰も、私が禁忌を冒して蘇らせたなんて知ったらそれこそ罪悪感で苦しめそうだ。


だから…

「言える。だって。私がみんなを守るから」

.
.
.

「いやーさっすがぁ。助けてくれてありがとう」

「それでですね。マリア様…退学届けを…」

「退学届けは1度受け取ったら基本返せないんだよね。」

そりゃそうか。さて。交換条件でも再試験でもどんと…

「そう言えばお手紙貰ってたなぁ。」

退学届けである。

「あぁ!しまったぁ!誰かにもらったお手紙が風にさらわれてしまったぁ」

なんという棒読み

ヒラヒラ窓の外に落ちる

「大変じゃぁん!拾わなきゃ!」

「サキさん危ないですよぉ!」

おバカと純粋が窓枠に走りよる

下では


「おー。芋焼けたぞぉ食うかぁ?」

「美味しいよ?」

ミナトさんとアシュさんが焚き火してる

そこで燃えてる退学届け

「あーお手紙見なかった?」

「あ!さっきなんか降って来たっすよ?燃えちゃいましたァ」

「あちゃぁ燃えちゃったか。しまったなぁ中身まだみてないんだよなぁ。」

嘘つけ。第一見てなかったとしても退学届けなんだから退学届けだろう

「もしかしてラブレターだったかもよ」

アシュさんまで…

「無くなったものはしかたないねぇ。おっと君たちなんの話しだけっけ?」

「いえ。 シャリア殿が逮捕されたとのご報告です」

「そ言えばマリア様って飛び級なんですか?」

サキが戻って来ながら尋ねる

「え?なんで?」

「シャリアさんの事後輩って言ってたので、気になって」


ティナが遠慮気味に補足する

ちなみにマリア様は25歳。シャリアは30後半…

「マリア様は特殊部隊の元隊長っす」

火を片付けたミナトさんとアシュさんが芋を持ってきた。

そいやーシャリアも元特殊部隊とかなんとか


「7年前の他国軍大進撃の時に一緒の隊だったの私が隊長シャリアは隊員さ」

もしやその時からこの人…こんな強さなんですかね


話も終わり部屋を出る前。全員で深々とお辞儀をする。これで通じるだろう。

パタリと扉を閉めた瞬間。

「やたぁぁぁぁ!よーくわかんないけど!ルカの退学届けは無しなんだよね!」

「ちょっ!こえおおきいですよ!内緒なんですから」

「よかったね。ルカちゃん」

「う、ん…ごめん…みんな。迷惑かけたし。その…」

「じゃ。学食のカフェオレ奢りで。」

「はぁ!そんなもんじゃ到底…」

「僕、ココア」

「キャラメルマキアートがいいです!」

「はいはい!私ミルクティー!!」

「でも」

「家出なら、ヒナタも経験あるもんね」

「そそ。心配したお詫びってことでちょうどいいよ」

「ルカさんは普段優しいですからたまの我儘は大目に見ますよ」

「いこ?ルカちゃん」

だってルカは一瞬たりともこのパーティから離れてないって学園長自ら言ってくれたのだ。だったらうちのパーティーだ!

「ルカ。とんだ家出だったね。お帰り。」

「ただ…ぃま」

勢いよくでも優しく飛びついてくるルカ。


もし、文句があるやついるなら受けて立とう、


返り討ちにしてあげます。

だって我々最強チームですから!!!
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