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落花流水 1
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その日のうちに新幹線に滑りこんで、朧月夜の下で玄関の扉をひらくと、太郎が眉を曇らせて待っていた。心配そうな影をさして、顔に憂色を漂わせている。
「裕さん、おかえりなさい……」
「ただいま」
「……大丈夫でしたか?」
「ああ、上手くいったよ。太郎、森さんを紹介してくれてありがとう。やっぱりあの人は優秀で敏腕弁護士だったよ」
「いえ、それもそうですけど、その……。へんなこと、されませんでしたか? 叔父さんとか……」
太郎は不安そうに目を何度もしばたたく。その顔をみただけで緊張が安堵に変わり、張り詰めていた空気がふっとゆるんだ。
「ないない。あの人、都内に一泊してハムハムショップに寄って帰るって、さっ……たろ?」
おかしそうに肩を揺すって笑うと、あらん限りの力で抱きよせられ、ぎゅぎゅうと締め上げられた。
「よかった。本当によかった。ずっと心配でたまらなかった」
「……心配し過ぎだよ」
「心配ぐらい、……させてください!」
押しつぶされるくらい力をこめられ、裕は分厚い胸の中で申し訳なさそうに呟いた。
リビングは消灯されて、暗い。もしかしたらずっとここで待っていたのかもしれない。
「……太郎、あのさ、一つお願いがあるんだけど」
「へ?」
――それから数週間後。
太郎は宮古島の海岸を歩いていた。
あまりにも唐突な裕の願いに、二人で残っていた有給も消化し、南へむかって四人は飛行機で飛んだ。
到着すると予約したクルージング船に乗って、十分ほど西へ揺られながら目的地へ案内された。船が止まると、ちいさな箱を取り出して、一つまみほどの白い粉をまく。
百合の花を献花して酒をふり、粉は渦をつくって、水面に浮いた泡とともに丸い波紋を落として消えていく。子供を抱えながら、裕たちは雅也の骨がなくなるのを見届けた。
泡のような白波がよせてはかえし、涼しげな波音が耳朶をくすぐるように響いていた。
それが先ほどのことで、散骨が終わると、家族でホテルのビーチを散歩しようと太郎が提案した。長い渚が白く弧を描いて、子供たちが笑いながら波打ち際を歩いている。
慌ただしい四十九日も終わり、煩雑な税も納めた。百合子からの慰謝料もすべて支払われ、お腹の子は突合させたが一致しなかった。
「まさか、携帯のロックが裕さんの誕生日だなんて……」
砂浜の上をのんびりした足取りで歩いて、ふと立ち止まって足を休める。横にいた太郎が溜息をもらした。
太郎が何気なく裕の誕生日をもじってみたところ、すぐにロックは解除された。目を背けたいほどの逢瀬が散りばめられたデータは不貞行為を示すのに優位たる証拠だった。ただ、待ち受け画面だけは愛が残っていたのか、皮肉なのか家族写真だった。誕生日の数字を押しながら、不倫相手へ愛してると打っていたのは変わらない。
「……クズな夫に感謝かな」
「まだ、愛してます?」
「……どうだろうな。でも、家族としては愛してた」
「たろ、たろ」
子達は楽しそうに白い砂をすくってみせた。さらさらと小さな指の隙間から白砂がこぼれ落ちる。
笑って見守ると波が砕けて、子供達の足もとまで近づいた。
「ばーばい」
「ばいばい」
章太郎と千秋が波に手を振っている。雅也の欠片が瞼に浮かんで、波がひいていくのを眺めた。
一度は添い遂げたいと愛していた。どうしようもないほど憎んでも好きだった。
「しかし、驚きました。どうして、ここなんですか?」
「生活が落ち着いたら来ようって、二人で約束していたんだ」
「そうなんですか……」
キャッキャと楽しく遊んでいる兄妹を尻目に、裕は肩をすくめて小さく笑った。
「はは、でも、よかった。これから雅也に会いに来るたびに遊んで帰れる」
「……裕さんってたまに突拍子もないですよね」
「そうかな?」
「そうですよ。たまに心配です」
波の音が響いて、心地よい。ふわふわと雲のなかにいるような優しい気分になる。裕は大きく息をゆっくりと吸いこんで吐き出すように一言言う。
「……太郎、好きだ」
「ゆ、ゆうさん!?」
「好きだ。愛してる」
「え、え、え」
「ずっと、そばにいて欲しい。あ、これも突拍子ないか」
裕は太郎を見上げ、まっすぐ琥珀色の瞳を捉えて微笑んだ。
太郎は驚いたように口をぱくぱくとひらいて、闇討ちを食った目つきになっていた。
「……夢かな。いや、ゆめだ」
「夢のほうがいいか?」
「いやです」
太郎は袖をひっぱり、目尻に涙を浮かばせて裕を抱きすくめた。
「で、ナニコレ?」
その夜、初めて二人だけでベッドにはいると、一枚の紙をひらりと手渡された。子供たちは隣の部屋の和室に布団を敷いてすやすやと寝ており、裕は視線を落としてじっと瞳を凝らす。
注意事項
一、セックスの前にたっぷり食事をとらない。
二、食後の数時間内に行うのがベスト
三、二人の体から緊張がとけてきたら、愛撫をゆっくりと始める。
四、性器が濡れてきたら、陰部を触れあわせて、徐々に深い結合に向かっていく。
五、挿入は必ずは必要としない。大事なのは性的、情動的、精神的エネルギーの相互挿入とする。
「あ、あの、調べた本に書いてあったのをまとめてみました」
「いや、まとめたってさ……」
注意事項ってなんだよ。しかも夕食は少なめにしてください、と口を酸っぱく言っていた意味がなんとなく鏡を映すようにわかった。
「ポリネシアンセックスです」
「は? もういっかい言って?」
「五日に一度だけする、ポリネシアンセックスです」
頭が混乱してわけが分からない。太郎のとんちんかんな返答に裕は頭を抱えそうになった。とうとう気が狂ったのかとさえ思った。
「意味がわからないんだけど……」
「その、めちゃくちゃに抱いてしまいそうで、裕さんを大事にしたいんです。拒絶反応とか、裕さんの心の準備もあるし……。とにかく、ゆっくりと触れたい」
たしかに抑制剤も飲んだが、心には濃い不安が翳を落としてひろがる。森のように、はやく終わってくれと思ってしまうかもしれない。いや、触れないで欲しいとさえ太郎に願うかもしれない。あのときの恐怖がまだ胸の底に固い塊のようにわだかまる。
太郎は訴えるような目つきで裕に向かい合った。声を尖らせようとしたが、何を言っても無駄にみえる。
「わかった」
裕は諦めたように頷いた。
一日目 全裸で横たわり、向き合う。
「きょうは見つめ合うだけです」
「……わかったから」
「なんだか、恥ずかしいですね」
二人はキスすらしていない。裕の裸は見たことがあるが、服を脱ぎ落して素肌をさらすなんて初めてだ。
「太郎、緊張してる?」
「そ、そりゃしますよ。あ、話したらだめです。三十分無言ですよ」
「ふっ、わかった。こんなに近くにいるのになんかおかしいな」
「裕さん、しっ」
太郎は鼓動すら聞こえそうで裕から視線を外してしまう。橙色のライトが裕の灼けた肌を照らし、太郎の胸板が美しく白磁のように引き締まってみえた。
少し長めの前髪が裕の汗ばむ額にぱらりと落ちかかる。安堵の色を瞳ににじませ、触れそうなくらい近い指先が愛おしい。肌触りのよい夜具に柔肌をのせて、二人の視線は吸いつけられたようにぴたっと止まり、濃く絡みついた。柔らかな息遣いが耳の奥にまで届いて、恥じらいに耳たぶが熱くなる。
裕は恥ずかしそうに太郎を窺う。匂やかに艶つやしい胸元、筋肉質のたくましい体つき。穴があくほど見つめ合い、蒸されるような熱気が二人を包み込んだ。
うるんだ目を見開いて、ぼうっとした頭で考える。出会ってからずっとそばにいた。みじめな姿もみられたし、本音もぶつけてしまった。それでも一番に自分と子供を心配してくれて、気遣ってくれる。優しくて、愛おしい年下の男。太郎と過ごすうちに自分の気持ちが膨らんでいくのを見過ごせなかった。
どれほど経ったのだろうか、二人の目に異様な熱が宿る。
皮膚が溶けてしまいそうなくらい溢れでる幸福感と妄想が膨らむ。微熱を持ったように躰の芯が疼いて、まるで挿入でもしている感覚に下半身がじんと痺れ、全身が燃え上がる。
抱きたい、と太郎はつよく思った。
太郎の雄はすでに透明な液を垂らして、なかへはいりたいと願っている。
「裕さん……」
「……たろ」
「明日、たくさん触ってあげますね」
「我慢してるんだろ? 俺は、してもいいとおもってる……」
甘い吐息を洩らしながらも、骨まで溶そうな興奮にふたりの肌は熱を発している。ただ互いの目を見ているだけなのに満たされ、もやもやと熾き火のようになにかが燃え上がる。ただ、まだあの時の記憶がこびりついて残っているだけだ。
太郎は首を横にふって微笑んだ。
「我慢しましょう。裕さん、愛してる」
「……太郎、ごめんな。色々とありがとう」
「そんな……」
「裕さん、おかえりなさい……」
「ただいま」
「……大丈夫でしたか?」
「ああ、上手くいったよ。太郎、森さんを紹介してくれてありがとう。やっぱりあの人は優秀で敏腕弁護士だったよ」
「いえ、それもそうですけど、その……。へんなこと、されませんでしたか? 叔父さんとか……」
太郎は不安そうに目を何度もしばたたく。その顔をみただけで緊張が安堵に変わり、張り詰めていた空気がふっとゆるんだ。
「ないない。あの人、都内に一泊してハムハムショップに寄って帰るって、さっ……たろ?」
おかしそうに肩を揺すって笑うと、あらん限りの力で抱きよせられ、ぎゅぎゅうと締め上げられた。
「よかった。本当によかった。ずっと心配でたまらなかった」
「……心配し過ぎだよ」
「心配ぐらい、……させてください!」
押しつぶされるくらい力をこめられ、裕は分厚い胸の中で申し訳なさそうに呟いた。
リビングは消灯されて、暗い。もしかしたらずっとここで待っていたのかもしれない。
「……太郎、あのさ、一つお願いがあるんだけど」
「へ?」
――それから数週間後。
太郎は宮古島の海岸を歩いていた。
あまりにも唐突な裕の願いに、二人で残っていた有給も消化し、南へむかって四人は飛行機で飛んだ。
到着すると予約したクルージング船に乗って、十分ほど西へ揺られながら目的地へ案内された。船が止まると、ちいさな箱を取り出して、一つまみほどの白い粉をまく。
百合の花を献花して酒をふり、粉は渦をつくって、水面に浮いた泡とともに丸い波紋を落として消えていく。子供を抱えながら、裕たちは雅也の骨がなくなるのを見届けた。
泡のような白波がよせてはかえし、涼しげな波音が耳朶をくすぐるように響いていた。
それが先ほどのことで、散骨が終わると、家族でホテルのビーチを散歩しようと太郎が提案した。長い渚が白く弧を描いて、子供たちが笑いながら波打ち際を歩いている。
慌ただしい四十九日も終わり、煩雑な税も納めた。百合子からの慰謝料もすべて支払われ、お腹の子は突合させたが一致しなかった。
「まさか、携帯のロックが裕さんの誕生日だなんて……」
砂浜の上をのんびりした足取りで歩いて、ふと立ち止まって足を休める。横にいた太郎が溜息をもらした。
太郎が何気なく裕の誕生日をもじってみたところ、すぐにロックは解除された。目を背けたいほどの逢瀬が散りばめられたデータは不貞行為を示すのに優位たる証拠だった。ただ、待ち受け画面だけは愛が残っていたのか、皮肉なのか家族写真だった。誕生日の数字を押しながら、不倫相手へ愛してると打っていたのは変わらない。
「……クズな夫に感謝かな」
「まだ、愛してます?」
「……どうだろうな。でも、家族としては愛してた」
「たろ、たろ」
子達は楽しそうに白い砂をすくってみせた。さらさらと小さな指の隙間から白砂がこぼれ落ちる。
笑って見守ると波が砕けて、子供達の足もとまで近づいた。
「ばーばい」
「ばいばい」
章太郎と千秋が波に手を振っている。雅也の欠片が瞼に浮かんで、波がひいていくのを眺めた。
一度は添い遂げたいと愛していた。どうしようもないほど憎んでも好きだった。
「しかし、驚きました。どうして、ここなんですか?」
「生活が落ち着いたら来ようって、二人で約束していたんだ」
「そうなんですか……」
キャッキャと楽しく遊んでいる兄妹を尻目に、裕は肩をすくめて小さく笑った。
「はは、でも、よかった。これから雅也に会いに来るたびに遊んで帰れる」
「……裕さんってたまに突拍子もないですよね」
「そうかな?」
「そうですよ。たまに心配です」
波の音が響いて、心地よい。ふわふわと雲のなかにいるような優しい気分になる。裕は大きく息をゆっくりと吸いこんで吐き出すように一言言う。
「……太郎、好きだ」
「ゆ、ゆうさん!?」
「好きだ。愛してる」
「え、え、え」
「ずっと、そばにいて欲しい。あ、これも突拍子ないか」
裕は太郎を見上げ、まっすぐ琥珀色の瞳を捉えて微笑んだ。
太郎は驚いたように口をぱくぱくとひらいて、闇討ちを食った目つきになっていた。
「……夢かな。いや、ゆめだ」
「夢のほうがいいか?」
「いやです」
太郎は袖をひっぱり、目尻に涙を浮かばせて裕を抱きすくめた。
「で、ナニコレ?」
その夜、初めて二人だけでベッドにはいると、一枚の紙をひらりと手渡された。子供たちは隣の部屋の和室に布団を敷いてすやすやと寝ており、裕は視線を落としてじっと瞳を凝らす。
注意事項
一、セックスの前にたっぷり食事をとらない。
二、食後の数時間内に行うのがベスト
三、二人の体から緊張がとけてきたら、愛撫をゆっくりと始める。
四、性器が濡れてきたら、陰部を触れあわせて、徐々に深い結合に向かっていく。
五、挿入は必ずは必要としない。大事なのは性的、情動的、精神的エネルギーの相互挿入とする。
「あ、あの、調べた本に書いてあったのをまとめてみました」
「いや、まとめたってさ……」
注意事項ってなんだよ。しかも夕食は少なめにしてください、と口を酸っぱく言っていた意味がなんとなく鏡を映すようにわかった。
「ポリネシアンセックスです」
「は? もういっかい言って?」
「五日に一度だけする、ポリネシアンセックスです」
頭が混乱してわけが分からない。太郎のとんちんかんな返答に裕は頭を抱えそうになった。とうとう気が狂ったのかとさえ思った。
「意味がわからないんだけど……」
「その、めちゃくちゃに抱いてしまいそうで、裕さんを大事にしたいんです。拒絶反応とか、裕さんの心の準備もあるし……。とにかく、ゆっくりと触れたい」
たしかに抑制剤も飲んだが、心には濃い不安が翳を落としてひろがる。森のように、はやく終わってくれと思ってしまうかもしれない。いや、触れないで欲しいとさえ太郎に願うかもしれない。あのときの恐怖がまだ胸の底に固い塊のようにわだかまる。
太郎は訴えるような目つきで裕に向かい合った。声を尖らせようとしたが、何を言っても無駄にみえる。
「わかった」
裕は諦めたように頷いた。
一日目 全裸で横たわり、向き合う。
「きょうは見つめ合うだけです」
「……わかったから」
「なんだか、恥ずかしいですね」
二人はキスすらしていない。裕の裸は見たことがあるが、服を脱ぎ落して素肌をさらすなんて初めてだ。
「太郎、緊張してる?」
「そ、そりゃしますよ。あ、話したらだめです。三十分無言ですよ」
「ふっ、わかった。こんなに近くにいるのになんかおかしいな」
「裕さん、しっ」
太郎は鼓動すら聞こえそうで裕から視線を外してしまう。橙色のライトが裕の灼けた肌を照らし、太郎の胸板が美しく白磁のように引き締まってみえた。
少し長めの前髪が裕の汗ばむ額にぱらりと落ちかかる。安堵の色を瞳ににじませ、触れそうなくらい近い指先が愛おしい。肌触りのよい夜具に柔肌をのせて、二人の視線は吸いつけられたようにぴたっと止まり、濃く絡みついた。柔らかな息遣いが耳の奥にまで届いて、恥じらいに耳たぶが熱くなる。
裕は恥ずかしそうに太郎を窺う。匂やかに艶つやしい胸元、筋肉質のたくましい体つき。穴があくほど見つめ合い、蒸されるような熱気が二人を包み込んだ。
うるんだ目を見開いて、ぼうっとした頭で考える。出会ってからずっとそばにいた。みじめな姿もみられたし、本音もぶつけてしまった。それでも一番に自分と子供を心配してくれて、気遣ってくれる。優しくて、愛おしい年下の男。太郎と過ごすうちに自分の気持ちが膨らんでいくのを見過ごせなかった。
どれほど経ったのだろうか、二人の目に異様な熱が宿る。
皮膚が溶けてしまいそうなくらい溢れでる幸福感と妄想が膨らむ。微熱を持ったように躰の芯が疼いて、まるで挿入でもしている感覚に下半身がじんと痺れ、全身が燃え上がる。
抱きたい、と太郎はつよく思った。
太郎の雄はすでに透明な液を垂らして、なかへはいりたいと願っている。
「裕さん……」
「……たろ」
「明日、たくさん触ってあげますね」
「我慢してるんだろ? 俺は、してもいいとおもってる……」
甘い吐息を洩らしながらも、骨まで溶そうな興奮にふたりの肌は熱を発している。ただ互いの目を見ているだけなのに満たされ、もやもやと熾き火のようになにかが燃え上がる。ただ、まだあの時の記憶がこびりついて残っているだけだ。
太郎は首を横にふって微笑んだ。
「我慢しましょう。裕さん、愛してる」
「……太郎、ごめんな。色々とありがとう」
「そんな……」
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