灰色の子

ゾーイ

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魔法学校 3年生編

ある魔法使いの子供

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 自分が呼び出されている理由は、分かっていた。
 つい昨日、街で強い魔法を使ってしまったからだ。怖くて、よく見ずに立ち去ったが、もしかしたら殺してしまっていたのかもしれない。
 カンナハの目の前にいるのは、カンナハとそこまで年が離れているようには見えない青年。ウェーブしたクリーム色の髪で、薄緑の瞳。
 青いエンブレムは、魔法使いの管理組織・ゴールダッハの上級官僚の証だ。
 ああ、やっぱり、殺しちゃったのかな。
 言い訳をするとしたら、逃げようにも逃げられなかったのだ、あの時は。学校で習った防御魔法を簡単に破ってくる奴だった。アニェスとキーラが一緒にいた。
 でも、殺すのは駄目だよね。
 カンナハは全部諦めて、官僚と向かい合ってソファに腰を下ろした。
「私、退学ですよね」
「まだ何も言っていないが」
「え?停学ですか?」
「何を言っているんだお前は」
 え?何って・・・え?
「私はただ、代表として礼をしにきただけだ」
 ・・・
「え?」
「は?」
 


 昨日────────
 カンナハは、週末を利用して友達のアニェス、キーラと最寄りの街であるアゴスティーノに来ていた。
 カンナハが通うメーリスヴァング魔法学校は全五学年、全寮制で、平日は座学(薬学、歴史、魔法語学etc.)と実技(試合、薬草採集、実験etc.)に明け暮れる。試験で、定められた以上の落第をすれば、留年どころか退学だ。
 両親を亡くしたカンナハを育て、魔法を教えてくれた魔法使いのために、カンナハは好成績で卒業して立派な魔法使いになりたいところだ。だが、座学はともかく、実技は好成績どころか毎度のように落第すれすれだった。
「本当に、不思議だよねえ」
 魔法雑貨店にて。
 キーラがおまじないに近い、様々な魔法がついたビーズを物色しながら言った。
「空気を操る魔法とか、5年生でも出来ないような魔法が得意なのに、なんで決めた場所に火を付けることはできないんだろうね」
「水は操れるのに、火はつけられないんだよねー」
 アニェスも言う。
「器用なんだか不器用なんだか」
 はい、そうですね、しょっちゅう外して何故か自分の髪を燃やしていたり木々を燃やしていたりするから、片手で火を出す準備をしながら、もう片手ですぐに消せるように水を操っている器用だか不器用だかわからないことをやってるのは私だけですね。
 少々やけくそになるカンナハ。
 カンナハの、「簡単な魔法が何故かとっても下手」という特徴はメーリスヴァングの全教師が警戒していることであり、それは担任の教師を誰にするか、カンナハのことだけで三十分も会議するという噂が立つほどだった。
 あながち、噂じゃ無いかもな・・・
 ちなみに、カンナハの担任教師は1年からずっと、若く有能で人気がある、ノエル先生である。
 キーラが買い物を終え、次はカンナハの行きたい店に行く。
「今日は何買うの?」
「空を飛ぶ魔法のコツの本・・・」
 ついでに応用も覚えたいし・・・
「天候は変えられるのに、空は飛べないんだ」
「飛ぶって言うより、カンナハは吹っ飛んでる」
 はいはい・・・
 これでも、目的の場所までは行けるようになったカンナハ。ただ、まだ上手く止まれない。アニェスの言う通り、吹っ飛び、そして激突することで止まる。
 衝撃を防ぐためにクッションの魔法はなんとか覚えたけど・・・。試験に出ないものばかり習得している気がするなあ。
「そういえば、キーラは何を買ったの?この前不幸避けの魔法がついているやつが欲しいって言ってたけど」
「あ、それはカンナハにやってもらったほうが効果しっかりしてるからやめた。あそこのは、お手頃だけど効果切れやすいから。虫除けにした」
「不幸よけって・・・5年生の上位生が使うようなやつじゃなかった?」
 うん、それも試験範囲外の魔法。
 話しながら、魔法学校共通の教科書書店に続く、店と店の間の狭い道に入った。
 少し暗いんだよね、ここ・・・
 前後に長い二つの店の間の道は、結構長い。一列になって進んでいると、一番前にいたキーラが突然足を止めた。
「どうしたの?」
「・・・あれ、なんだろう」
 とても小さなキーラの声は、少し震えていた。息を呑む音さえも聞こえるほど、静かになる。
 あれ?
 二人に挟まれて歩いていたカンナハは、まるで、他の人に見られまいとしている、キーラが小さく指差す方向を見た。
 狭い道を防ぐようにして、何かがしゃがみこんでいた。
 上半身に真っ黒の布をかぶっていて、その顔は見えない。
「近づかないほうが、いいんじゃない?遠回りする?」
 後ろにいたアニェスがそう言ったとき、その何かが動いた。
 静かな道で、ポンと何かの栓を開ける音が響いた。
 何を、しているんだろう。
 何かが仰いだ。
 ・・・飲んでいる?
 カンッ。
 小瓶が、落ちた。カンナハたちの方に転がってくる。小瓶の口から、赤黒い煙が細く立ちのぼった。
「・・・駄目」
 カンナハは片手でキーラを引っ張って、片手でアニェスを押した。
「戻って」
 これ、知ってる。
 あの人が、倒したあの「悪徳魔法使い」も同じものを使っていた。
「─────ァァァア」
 ふらりと、何かが立ち上がる。こちらを向いた。
「ひっ・・・っ」
 悲鳴を上げそうになったキーラの口を、カンナハは慌てて塞いだ。
 ああいうのは、刺激、しないこと。
 防御を張って、静かに、遠ざかること。
 「何か」は、恐ろしい形相をした男だった。大男、といったほうが正しいのかもしれない。どこを見ているのかよくわからない目はギョロリとしていて、口は、よだれが垂れるほど大きく開いて荒い息をしている。
 ─────来る!
 カンナハはキーラをめいいっぱい引っ張り、無理矢理すり抜けて前に出た。
 魔力の塊にして、性能を高めた防御魔法を展開させた。
 大男が手を伸ばして、何かを飛ばしたのと同時だった。
 鋭い音がして、防御魔法が弾け飛ぶ。破片はカンナハたちには透け、大男には突き刺さった。もちろん大したダメージにはならず、大男はカンナハたちに向かってくる。
「逃げっ──」
 間に合わない!
 あれを・・・!
 その魔法の形に、手をつくる。

 
『カンナハ、この魔法はとても強力だ。術者本人でさえ制御が難しい。だから、ほんの少しだけだ。それだけで、十分な威力だから』
 

 だから。
 少しだけ。
 人差し指を動かしただけだった。
「あがっ・・・」
 なんとも言えない音がして、大男の首がグチャリと曲がった。
「え・・・」
 少し体が持ち上がったかと思うと、大男はそのまま倒れた。
 やはり、やってみないとわからない。
 恐ろしい魔法。
「え・・・」
 衝撃を予想してとっさにかがんでいたキーラとアニェスは、予想外の状態に立ち尽くしている。
 大男はピクリともしない。
「なに、なにがあったの?」
「・・・私も、よくわからない」
 カンナハはそれ以外、言いようがなかった。
「・・・え、死んでるの?そいつ」
「わからない・・・」
 死んでいる?
 だとしたら、どうしよう。私が、殺した?
 黙ったままのカンナハを見て、キーラはそっとその肩を抱いた。
「よく分かんないけど、守ってくれたんでしょ?カンナハ」
「もう、帰ろうか、カンナハ。私が警備魔法使いに適当に言っておくから。嘘をつくわけじゃないよ。私たちにとっては、本当に、知らない間にこうなったんだし」
「まあ、もしかしたら後で呼び出されるかもしれないけど・・・今は、ここから離れよう」
 アニェスは警備魔法使いを探して広場の方へ行き、カンナハはキーラに手を引かれて学校に戻った。

 そして、今に至る。
 呼び出した担任のノエルは、上級官僚からの指示で席を外している。
 さっそく呼び出されたから・・・てっきり、いろいろ問い詰められるのかと思ったけれど・・・違うの?
 過去にも、昨日ほどでは無いが似たようなことに巻き込まれたことがあるカンナハ。その時は店の売り子を助けた為、3日ほどして感謝状が来た。
 緊急性があるからこんなにも早く、しかも上級官僚が来たのではないのか。
「私、殺しましたよね?」
「死んでいない」
 礼、と聞き、半信半疑のカンナハを、上級官僚の青年は面倒くさそうに見た。
「あの男は、指名手配されていた悪徳魔法使いだ。死刑になっても当然だったから、殺したところでどちらにせよお前に非は無い」
 え、そんなに危険な奴だったの?
「まず、お前に指名手配犯退治での感謝状を渡す」
「はい・・・」
 まず?
 カンナハは2枚目となる、魔法使いの管理組織・ゴールダッハのエンブレムがはいった感謝状を受け取った。
「で、」
 あ、やっぱりそれだけじゃないんですね。
「ここからは個人的に聞きたいことだ」
 上級官僚は手指を組み、前のめりになってカンナハを見た。
 ・・・個人的?
「カンナハ、お前、一体なんの魔法を使った?」
 ・・・。
「指名手配犯が倒れていたということで、並の警備の手には負えず、私が現場に向かった。妙な攻撃の跡だった」
 妙。
 そうであろう。
 攻撃魔法として使われているどの魔法でも、出来ない負傷だった。
 カンナハが黙っていると、上級官僚は仕方なさそうに手を軽く振った。
 上級官僚とカンナハを一緒に覆うように、魔力の膜が出来る。防音魔法だ。
「単刀直入に聞こう。カンナハ、黒魔法をどこで覚えた?」
 ───え?
「くろ、まほう?」
 あまり馴染みの無い言葉だった。
 歴史の授業で、かつて黒魔法使いという邪悪な存在がいて、今使われている魔法は「白魔法」の類だというのは習った。だが、禁術扱いされている黒魔法はその内容を習わないし、そもそも資料となるものも残っていないらしい。
 確かに、カンナハにこの魔法を教えた人はいる。だが、黒魔法という言葉は一度もその人の口から出たことが無かった。
「そうだ。教えた魔法使いがいるだろう」
「い、」
 いる。
 だけど・・・。


『カンナハ、私は世の中にそこまで認知されている魔法使いじゃない。今まで返り討ちにした悪徳魔法使いたちが、私のことを話しているかもしれないから、ゴールダッハの官僚たちも名はわからなくとも、私の存在を、噂に近いが知っているだろう。だが、それだけだ。ゴールダッハが管理する魔法使いのリストに、私の名前は無いからね。カンナハも、私のことは話さないでおきなさい。悪徳魔法使いばかり相手にしている私は相当恨まれているだろうから、カンナハに危険が迫ったら困る』


 言えない。
「・・・カンナハ」
 いつの間にか、上級官僚がカンナハのすぐ横に座っていた。
「話せないなら、いい。そういうものに関わっている人間が危ない立場にあることは知っている。ただ、あの魔法はもう絶対に使ってはいけない。それを約束してくれ」
「・・・それが、個人的なことですか?」
「ああ。お前が使った魔法云々に関しては、報告していない。ゴールダッハもどこまでまともかまだわからないからな」
 え?
「何故俺が、カンナハが使ったそれを黒魔法だと知っているのか、不思議ではないか?」
 ・・・ああ、そういえば。内容は教わらないし、資料も無いのに。
 頭がこんがらがって、上手く話についていけなくなっていた。
「黒魔法に触れる環境にいる、もしくはいた、というのは、その後の人生にも永遠に危険がつきまとう。俺は触れたことがあったから、カンナハが使った魔法が黒魔法だと分かった。そして触れたことがあるから、それを人に話し、自分が更に危険にさらされるというのも分かっている。だから、報告しなかった。・・・ここまで理解できるか?」
 ああ、はい。
 カンナハはなんとか頷いた。
 そうだ。
 あれは・・・黒魔法とは言われなかったけど、
「体をねじ切る魔法、です」
「そうなのか?」
「はい。私に教えた人は、そう言っていました」
「・・・そうか。他にも、何か教わっているか?」
「・・・多分。黒魔法と言われたことはなかったから、どれがそうなのかは分からないけれど・・・」
 黒魔法。


『カンナハは、もう危険にさらされているから。ただ使うだけでは加減されている、普通の魔法では身を守りきれない。だから、もともと威力の高い魔法も教えておこう』


 あの人は、そう言った。
 悪徳魔法使いが身を潜めに来るくらいしか、人が入ってこない、深い森の中。たまに市場に行く以外、外の人との交流は一切して来なかった。学校に入学して、初めて同年代の子と遊んだ。
 両親がどうして死んだのかもわからない。もしかしたら、何か危険な事に巻き込まれていたのかもしれない。それを知っていて、あの人は私を守る為にあの森の中で一緒に住ませていたのかもしれない。
「カンナハ」
 上級官僚がまっすぐカンナハを見つめていた。
「黒魔法に触れているからと言って、それが悪だとは限らない。黒魔法の歴史そのものも殆ど分かっていないんだ。俺も触れたくて触れたわけではない。だから、逃げ出して、今も危険がすぐそばにある。それはカンナハも同じだ。カンナハに危険が来るということは、この学校そのものも巻き込まれるということだ。俺も、在学中に二度襲われた。そうならないためにも、できる限りのことはするが、俺をすぐに信用するのも難しいだろう」
 カンナハは素直に頷いた。
「名乗っていなかったな。俺はアラスターだ」
「・・・よろしくお願いします」
 とにかく、私が黒魔法を使えて、それ以前に危険にさらされていて、学校にもそれが来るかもしれないことは分かった。とにかく、この人を頼る必要があることも。
 アニェスとキーラも、巻き込んでしまうかもしれないのだから。
「───あ」
「どうした?」
「あの、今回の件、その場にいた私の友人も危険にさらされるんじゃ無いかと思って・・・」
 すると、アラスターはカンナハを安心させるように微笑した。
「それは問題無い。既に俺が記憶を消してある。あの二人には、何かが現れて、そばにいた警備魔法使いによって対処された、という記憶を付けておいた。あの指名手配犯は、ショックで前後の記憶が消えた、ということにしておいた。もちろん、俺が故意に消したということは内密に」
 ・・・ああ、良かった。
 その辺りは、私が、上手く話を合わせる必要があるけれど・・・これで二人から少しでも危険が遠のくなら、手間でもなんでもない。
「ありがとうございます」
「ああ。・・・ところで、カンナハ。一応報告書に記載するためにも、形として聞いておくが、何故あそこにいたんだ?」
 あ、それは、
「その先の教科書書店に行きたくて・・・。友人二人は付き合いです」
「教科書書店に?」
 アラスターが怪訝そうな顔つきになった。
「空を飛ぶ魔法のコツの本が欲しかったんです。結局、買えなかったけれど・・・」
「・・・」
 あれ?
 どうも、そこまで細かく話さないほうが良かったようだ。
 アラスターの表情が固まっている。
「カンナハ、今何年生だ?いや、知っているが」
「3年生です」
「だよな」
「はい」
 ・・・え?
「カンナハ、外に出るぞ」
「え?」
 なんで?
「俺が1から教える。メーリスヴァングの3年が空を飛ぶ魔法で手こずるだと?」
「私、なんでか簡単だって言われている魔法が下手で・・・」
「いいから行くぞ」
「え、官僚って忙しいんでしょう?」
「私は予備だ。どうしても人手が足りないときだけ出勤すれば良い」
「え?そんな役職名聞いたことが・・・」
「予備で良いから働いてほしいとスカウトがしつこかったから、給料は常勤の奴らと同じ事を条件に引き受けた。俺の本職はどこの団体にも所属しない、独立した魔法使いだ」
「ええ!?」
「ほら、行くぞ。メーリスヴァングの上位卒業生の俺が教えてやる」
  え、なんか、逆に怖い。
 あ、でも拒否権無しだ、絶対。
 身を守るために、もっと強くならないとだし・・・。
「でも怖い」
「早くしろ」

 気が付かない内に黒魔法を使っていたカンナハ。そして、どうも自分が思っている以上に自分は危険らしいと知った。
 こうしてカンナハの、アラスターと、その周囲を巻き込み巻き込まれる日々が始まった。
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