皇國の防戦記

長上郡司

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第四章 亡霊少女

58 エイミーとメルル

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「お久し振りです、若様」




「若様じゃない、当主」




「どう違うの~」




「若様だと上に誰かいるけど、当主は一番上」




「ふ~ん?」




「メルル、口の聞き方には気を付けなさい」




「あんたもいい加減若様呼ばわり止めとくれんか?・・・」










ハイザーの孫娘達とグレンが会話をしている。




上の娘がエイミー 




下の娘がメルル




10才と13才の姉妹である。




二人はこの地区設立されている軍幼年学校の学生兵である。










「エイミーは、来年卒業になるのか?」




「はい、順調に行けば」




「メルルは今は・・・三年兵か?」




「は~い」




「そうか、来年からちょっと辛くなるかもしれんが・・・まあ、大丈夫だろ」




「頑張ります~」







グレンの会話を横目で見ながら、エリア達は密やかに話していた。










「隊長、あの子達達には偉く優しいですね」




「何故・・・同じく年下なのに」




「自分より強い女は嫌なんじゃないですか?」




「いや、そんなまさか・・・・・・はっ!まさか」




「何ですか?」




何かに気づいたのかアイラがワナワナと震えている。




「隊長・・・・・・少女趣味?」




「あ~成る程、それでエレナさんにもあんなに冷たいんですね」




「何が成る程じゃ!テメエらみてえな不良部下に誰が気を使うかボケェ!!」




二人の碌でもない密談はしっかりと聞こえていたようだ。




罰として二人は夕飯抜きとなった。
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