56 / 68
第四章 亡霊少女
外伝 エリアとアイラのまちさんぽ
しおりを挟む
「隊長、いくらくれた?」
「ん~?ん~・・・・・・ぼちぼちです」
グレンが投げ渡した銭袋の中を改めるエリア。
「じゃあ、とりあえずあそこ行こ」
アイラは、一番近場の店を指差す。
「・・・あそこ高いんですよ、録に食べれず味も・・・」
エリアは渋い顔で伝える。
「あっちは?高くなさそう」
アイラは次の店を指す。
「値段相応の味です、お勧めは出来ません」
エリアは、やはり苦い顔を見せる。
「詳しいね、エリア」
「・・・以前、少しだけ滞在していたので」
「ふ~ん?」
「美味しい」
「高いですがね、この甘味」
「隊長、ありがとう」
「素晴らしい上司を持ったものです」
「はっくしょん!」
「風邪ですか若様」
「なんか、誰かに心にもない事言われた気が・・・」
「ぼちぼち帰りますかね」
「あ~薄暗くなってきた」
「今日は、夕焼けがずいぶんと・・・」
「紅いね、綺麗・・・」
二人か見つめる夕陽は、紅い光を艶やかに発していた。
「アイラ、ご存じですか?」
「紅い夕陽は死者が蘇る前触れ?だっけ?」
「どこで聞いたんですかそれ・・・」
「あれ?違う?」
「違いますよ、僕が言いたかったのは・・・」
ふっと鼻で笑うエリアが語り出す。
皇國の伝承の中には死者の復活伝説が残る。
“紅い夕陽に照らされし大地に亡霊戦士は降り立つ。
紅い戦士は幾千万の無念を糧に、故郷を侵す者を討ち滅ぼす”
「っと言った伝説が在るのですが」
「当ってるじゃん、謝ってよ」
「何でそんな攻撃的何ですか?続きがあるんですよ」
“紅い戦士は、黄泉の國に帰る事無く現世に留まり続けた。
紅い戦士は夥しい怨念を身に纏い、黒き鎧兜を身に帯びた。
黒き悪魔は紅き炎龍を従え、我が故郷を怨念の怨嗟と共に
焼き滅ぼした。”
「あれ?どっちも死んだの?」
「ええ、いつの間にか戦士から悪魔になって、討ち滅ぼしたらしいですよ。」
「何でだろ」
「“怨念の怨嗟を身に帯びた”と在りますから、殺しに殺され過ぎて精神が崩壊したっていうのが通説です。」
「通説?・・・実話なの?この話」
「さあ・・・まあ伝承という物は、何かしら真実が含まれているものですから」
「ふ~ん・・・」
「近しい者が現れるのは、その先触れだそうです。」
「詳しいね、エリア」
「昔話、結構好きなんですよ」
「それで休みの度に図書館行ってるんだ」
「はははっ・・・まあ、そんな感じです」
グレンの屋敷の前に差し掛かっても、二人の会話は続く。
「ん~?ん~・・・・・・ぼちぼちです」
グレンが投げ渡した銭袋の中を改めるエリア。
「じゃあ、とりあえずあそこ行こ」
アイラは、一番近場の店を指差す。
「・・・あそこ高いんですよ、録に食べれず味も・・・」
エリアは渋い顔で伝える。
「あっちは?高くなさそう」
アイラは次の店を指す。
「値段相応の味です、お勧めは出来ません」
エリアは、やはり苦い顔を見せる。
「詳しいね、エリア」
「・・・以前、少しだけ滞在していたので」
「ふ~ん?」
「美味しい」
「高いですがね、この甘味」
「隊長、ありがとう」
「素晴らしい上司を持ったものです」
「はっくしょん!」
「風邪ですか若様」
「なんか、誰かに心にもない事言われた気が・・・」
「ぼちぼち帰りますかね」
「あ~薄暗くなってきた」
「今日は、夕焼けがずいぶんと・・・」
「紅いね、綺麗・・・」
二人か見つめる夕陽は、紅い光を艶やかに発していた。
「アイラ、ご存じですか?」
「紅い夕陽は死者が蘇る前触れ?だっけ?」
「どこで聞いたんですかそれ・・・」
「あれ?違う?」
「違いますよ、僕が言いたかったのは・・・」
ふっと鼻で笑うエリアが語り出す。
皇國の伝承の中には死者の復活伝説が残る。
“紅い夕陽に照らされし大地に亡霊戦士は降り立つ。
紅い戦士は幾千万の無念を糧に、故郷を侵す者を討ち滅ぼす”
「っと言った伝説が在るのですが」
「当ってるじゃん、謝ってよ」
「何でそんな攻撃的何ですか?続きがあるんですよ」
“紅い戦士は、黄泉の國に帰る事無く現世に留まり続けた。
紅い戦士は夥しい怨念を身に纏い、黒き鎧兜を身に帯びた。
黒き悪魔は紅き炎龍を従え、我が故郷を怨念の怨嗟と共に
焼き滅ぼした。”
「あれ?どっちも死んだの?」
「ええ、いつの間にか戦士から悪魔になって、討ち滅ぼしたらしいですよ。」
「何でだろ」
「“怨念の怨嗟を身に帯びた”と在りますから、殺しに殺され過ぎて精神が崩壊したっていうのが通説です。」
「通説?・・・実話なの?この話」
「さあ・・・まあ伝承という物は、何かしら真実が含まれているものですから」
「ふ~ん・・・」
「近しい者が現れるのは、その先触れだそうです。」
「詳しいね、エリア」
「昔話、結構好きなんですよ」
「それで休みの度に図書館行ってるんだ」
「はははっ・・・まあ、そんな感じです」
グレンの屋敷の前に差し掛かっても、二人の会話は続く。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
最弱能力「毒無効」実は最強だった!
斑目 ごたく
ファンタジー
「毒無効」と聞いて、強い能力を思い浮かべる人はまずいないだろう。
それどころか、そんな能力は必要のないと考え、たとえ存在しても顧みられないような、そんな最弱能力と認識されているのではないか。
そんな能力を神から授けられてしまったアラン・ブレイクはその栄光の人生が一転、挫折へと転がり落ちてしまう。
ここは「ギフト」と呼ばれる特別な能力が、誰にでも授けられる世界。
そんな世界で衆目の下、そのような最弱能力を授けられてしまったアランは、周りから一気に手の平を返され、貴族としての存在すらも抹消されてしまう。
そんな絶望に耐えきれなくなった彼は姿を消し、人里離れた奥地で一人引きこもっていた。
そして彼は自分の殻に閉じこもり、自堕落な生活を送る。
そんな彼に、外の世界の情報など入ってくる訳もない。
だから、知らなかったのだ。
世界がある日を境に変わってしまったことを。
これは変わってしまった世界で最強の能力となった「毒無効」を武器に、かつて自分を見限り捨て去った者達へと復讐するアラン・ブレイクの物語。
この作品は「小説家になろう」様にも投降されています。
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる