皇國の防戦記

長上郡司

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第四章 亡霊少女

53 老人の真心

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部下二人が食事が足りないと、信じられない文句を付けてきた。



老夫婦は追加で作ると進言したが、グレンが止めさせた。



グレンは二人に小遣いを渡し、屋敷から放り出した。



「そういや、エイミーとメルルはどうした?」



「学校ですよ」



「・・・ああ、もうそんな年か」



「若様から援助を頂いているお陰で、あの子達をまともに学校に通わせる事が出来ております」



「奨学金制度、偉く厳しくなったでな」



「兵士の数が足りていない状況で、何ともはや・・・」



老人は、国の制度改革を嘆く。



「・・・ハイザー、あんたは自分の孫娘が軍人になることに何か思う事は無いのか?」



「・・・はい?」



「このまま行けば、あんたの孫娘は誰かを殺すか、殺される事になる」



「そうなりますね・・・」



「良いのか?それで・・・」



「それも・・・あの子達の定めでございましょう」



「定め・・・」



「はい」



「・・・」



「私どもに出来ることは、あの子達が学業に集中出来る環境を作る・・・それだけです」



「そうだな・・・」



二人の会話で満たされた屋敷の中は、静かに時間が過ぎる。
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