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第三章 山岳城塞奪還戦
50 本陣にて
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グレン達が本陣の天幕に到着すると、二人の上官であるキリク戦隊長がすでに着席していた。
「お疲れ様です、キリク戦隊長」
「あぁ・・・」
グレンの挨拶に、キリクは小さく頷いた。
「キリク、今回の功労者だ。もっと部下を労ってやれ」
キリクのぶっきらぼうな反応を、ベルフォルト師団長が諌める。
「・・・良くやったグレン」
「ありがとうございます・・・戦隊長」
微妙な空気が流れた。
「・・・報告は以上になります。」
「ご苦労だった、グレン中隊長。隊員共々ゆっくり休んでくれ」
「はっ、それでは失礼します」
“あれ?軍長は?”
疑問を抱えつつ、二人が天幕から退出しようとすると・・・
「すまない、待たせたな」
軍団長ボルドが入幕した。
配下の幕僚は一斉に立ち上がり、胸に手を当てる。
グレン達もそれに倣う。
「グレン中隊長」
「はっ」
「今回は大義だった、この城を奪還できたことの意味は大きい」
「はっ」
「これからも、国家国民の為、隊員と共に励んでくれ」
「ありがたく」
帰路の会話
「やっぱり迫力が違うな・・・大将軍は」
「貴方も頑張って目指してくださいね?」
「いや、お前がなる方が先だろ?」
「私は軍人としての立身出世には興味がないので」
「あ?」
「前にも伝えたはずですよ、グレン」
空気が変わった。
今までの爽やかな青年将校の顔は、完全に一変している。
冷や汗が出てきた。
夏場にも関わらず、酷く寒気がする。
先程まで騒がしく鳴いていた夏虫の声がなにも聞こえない。
「少し強めに“掛けすぎ”ましたかね?」
「なにを・・・」
「ふっ・・・」
何かがおかしい。
何だ?
何かが・・・・・・・・・
「あぁ・・・分かってるよ大隊長、俺はこの國の大将軍になる」
「それは頼もしい」
これでいいんだ
これで
いい
これで
「お疲れ様です、キリク戦隊長」
「あぁ・・・」
グレンの挨拶に、キリクは小さく頷いた。
「キリク、今回の功労者だ。もっと部下を労ってやれ」
キリクのぶっきらぼうな反応を、ベルフォルト師団長が諌める。
「・・・良くやったグレン」
「ありがとうございます・・・戦隊長」
微妙な空気が流れた。
「・・・報告は以上になります。」
「ご苦労だった、グレン中隊長。隊員共々ゆっくり休んでくれ」
「はっ、それでは失礼します」
“あれ?軍長は?”
疑問を抱えつつ、二人が天幕から退出しようとすると・・・
「すまない、待たせたな」
軍団長ボルドが入幕した。
配下の幕僚は一斉に立ち上がり、胸に手を当てる。
グレン達もそれに倣う。
「グレン中隊長」
「はっ」
「今回は大義だった、この城を奪還できたことの意味は大きい」
「はっ」
「これからも、国家国民の為、隊員と共に励んでくれ」
「ありがたく」
帰路の会話
「やっぱり迫力が違うな・・・大将軍は」
「貴方も頑張って目指してくださいね?」
「いや、お前がなる方が先だろ?」
「私は軍人としての立身出世には興味がないので」
「あ?」
「前にも伝えたはずですよ、グレン」
空気が変わった。
今までの爽やかな青年将校の顔は、完全に一変している。
冷や汗が出てきた。
夏場にも関わらず、酷く寒気がする。
先程まで騒がしく鳴いていた夏虫の声がなにも聞こえない。
「少し強めに“掛けすぎ”ましたかね?」
「なにを・・・」
「ふっ・・・」
何かがおかしい。
何だ?
何かが・・・・・・・・・
「あぁ・・・分かってるよ大隊長、俺はこの國の大将軍になる」
「それは頼もしい」
これでいいんだ
これで
いい
これで
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