皇國の防戦記

長上郡司

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第三章 山岳城塞奪還戦

29 急襲

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ブラド隊が急襲降下を開始した。




時を置かずして帝国兵もその行動に気づく。




「急報!左翼崖上より敵部隊の急襲です!敵数2000から3000!」




「何!?」




「じゃあ正面の敵は囮か!くそっ!」




「馬鹿な!あれだけでも3万はいるぞ!それが全て囮だと!?」




「ええい!状況整理は後で良い!至急左翼に造園予備隊を送れ!敵を殲滅しろ!」




「はっ!直ちに!」




帝国軍城塞内の幕僚達が、届けられた知らせに対し大声で指示を飛ばす。




正面軍の攻撃を囮だと見破り、左翼崖上から急襲を仕掛けてきたブラド隊を本命と考えたようだ。




「ブラドさん、迎撃が来ます」




「応戦準備、❝本命❞までの時間を稼げ」




「はっ!全員行くぞォ!!」




「オオッ!!!」




帝国軍迎撃部隊と、ブラド右翼攻略隊の間で激戦が始まった。

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