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第三章 山岳城塞奪還戦
24 作戦会議
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「よし、集まっとるな」
グレンが宿舎の会議室に入るとすでに小隊長達は全員が着席していた。
「聞いているのも居るだろうが、改めて説明するぞ。決行だ、やはり“バルド城塞”をやるぞ。」
「参加兵力は?」
ヴォルゲンが聞く
「3個師団だ、総兵数9万であの壁を取り返す。」
「かなり大規模だな」
「うちは今回も前衛か?」
続いてガランが聞く
「いや、六十大隊は第二陣に組み込まれた。うちの師団の残りは全部、第一陣に行く」
「・・・何でうちだけ?」
「まあ簡単に言やぁ、第一陣を真正面から敵の火力線に突っ込ませる。俺らは左右どちらかの断崖側から行き、内部に侵入して落とすか、さもなきゃ城門をブチ開け、突入部隊が落とす手助けをする・・・だそうだ。
俺らはこの前の前哨戦でだいぶ活躍したからな、戦う前からすでに消耗している・・・
温存して置きたいという思惑が上にはある。」
説明を聞いた部下達が一様に渋い顔をする。
「一陣は全部囮なの?・・・」
「あの火砲陣の鉄壁を正面から突っ込ませるんですか・・・?」
「一体何人死ぬか分かりませんよ、これ・・・」
「正気かよ・・・」
「よかったなぁ、俺ら二陣で・・・」
部下達が思い思いの感想を述べる。
「勘違いすんじゃねえぞ、別に別働隊だからって安全な訳じゃない・・・どころか一番危険なのはまあ、俺らだ。もう片側も来るが・・・」
なんとも言えない空気が漂ってしまっている。
「まあ、俺もお前らも、誰だって無駄に死にたくはねえ・・・当然だ。
それは他の大隊の他の連中だってそうだ、あいつらはただただ無駄に血を流すわけじゃない
俺達が決め手を作る、ひたすらそれを信じて正面から戦う。
その気概には、絶対に応えなくちゃならねえ」
「ああ、そうだな隊長」
ヴォルゲンが頷く。
「うちの師団にも他所の隊にも、知り合いが、友人が居る奴はこの中にも居るだろ・・・俺は単純にあいつらに死んで欲しくない、また生きて再会したい。
そのためには迅速かつ確実に城塞内部を、前面の火砲陣を潰さなくちゃならん。
さもなければ、第一陣の頭上には“鉄の雨”が降り注ぐことになる・・・
だから上は、最精鋭であるこの大隊を突入部隊に選んだんだ、分かるな?」
先ほどまでの空気は消えた。
もう弱音を吐くものは居ない。
眼に力が籠もり、全員がグレンを見る。
「さぁて、心の準備は出来たな?行くぞ、一つずつ取り返しにな」
全員が立ち上がり、それぞれの小隊に向かったのだった。
グレンが宿舎の会議室に入るとすでに小隊長達は全員が着席していた。
「聞いているのも居るだろうが、改めて説明するぞ。決行だ、やはり“バルド城塞”をやるぞ。」
「参加兵力は?」
ヴォルゲンが聞く
「3個師団だ、総兵数9万であの壁を取り返す。」
「かなり大規模だな」
「うちは今回も前衛か?」
続いてガランが聞く
「いや、六十大隊は第二陣に組み込まれた。うちの師団の残りは全部、第一陣に行く」
「・・・何でうちだけ?」
「まあ簡単に言やぁ、第一陣を真正面から敵の火力線に突っ込ませる。俺らは左右どちらかの断崖側から行き、内部に侵入して落とすか、さもなきゃ城門をブチ開け、突入部隊が落とす手助けをする・・・だそうだ。
俺らはこの前の前哨戦でだいぶ活躍したからな、戦う前からすでに消耗している・・・
温存して置きたいという思惑が上にはある。」
説明を聞いた部下達が一様に渋い顔をする。
「一陣は全部囮なの?・・・」
「あの火砲陣の鉄壁を正面から突っ込ませるんですか・・・?」
「一体何人死ぬか分かりませんよ、これ・・・」
「正気かよ・・・」
「よかったなぁ、俺ら二陣で・・・」
部下達が思い思いの感想を述べる。
「勘違いすんじゃねえぞ、別に別働隊だからって安全な訳じゃない・・・どころか一番危険なのはまあ、俺らだ。もう片側も来るが・・・」
なんとも言えない空気が漂ってしまっている。
「まあ、俺もお前らも、誰だって無駄に死にたくはねえ・・・当然だ。
それは他の大隊の他の連中だってそうだ、あいつらはただただ無駄に血を流すわけじゃない
俺達が決め手を作る、ひたすらそれを信じて正面から戦う。
その気概には、絶対に応えなくちゃならねえ」
「ああ、そうだな隊長」
ヴォルゲンが頷く。
「うちの師団にも他所の隊にも、知り合いが、友人が居る奴はこの中にも居るだろ・・・俺は単純にあいつらに死んで欲しくない、また生きて再会したい。
そのためには迅速かつ確実に城塞内部を、前面の火砲陣を潰さなくちゃならん。
さもなければ、第一陣の頭上には“鉄の雨”が降り注ぐことになる・・・
だから上は、最精鋭であるこの大隊を突入部隊に選んだんだ、分かるな?」
先ほどまでの空気は消えた。
もう弱音を吐くものは居ない。
眼に力が籠もり、全員がグレンを見る。
「さぁて、心の準備は出来たな?行くぞ、一つずつ取り返しにな」
全員が立ち上がり、それぞれの小隊に向かったのだった。
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