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本編

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左目に傷の奴(クマ)にやられて、死んだはずだった私が目を覚ますと森じゃなかった。
おんぼろ小屋みたいな場所。
どうやら、狩人小屋らしい。

・・・と思ったのだが、それにしては、武器が無い。

人間がクマを連れ込むなら、こう言ったところで解体すると逃げられた仲間から聞いたことがあるのだが、それにしては食料品どころか解体の血の匂いさえしない。それに、手やら足やらがおかしい。

毛が・・・無い。

水が汲んである壺を見つけたので、それに自身を写す。

そこに居たのは人間だった。
あまり見たことが無い部類の人間だ。

恐らく、女の子だ。

なるほど、知り合いの亀が言っていた気がする。
人間には転生なるものがあり、生まれ変わって新たな人生を出発するものもいるんだとか。
亀も14回目の転生だと言っていたので、クマも転生するんだろう。

それにしても、同じ種族ではなく、よりにもよって天敵の人間なんぞに転生するとはとても嫌だなぁ。

と思った。

人間は鉄砲をもって、私たちを殺して、毛皮にしたり、鍋にしたりした。

憎き敵である。

でも、今はそれが私自身になる。

・・・うん。開き直ろう。

人間になったのだから、人間として狩って、食って、寝よう。
狩人はそうだったのだから、きっと、人間になったクマでもそれ位なら可能だろう。

とか考えていたのだが、揉み手で金持ちそうな男を連れて、この体の母親が現れ、あれよあれよと私は奴隷商に売られた。

それからは散々だった。
普通のクマでもサーカスに入れられてもこんな非道なことはされない。

ご飯もないのに、仕事をさせられる。
鞭を振るわれる。
芸を仕込まれる。

しかも、まだ、5歳程度のこの未熟な体を寝所に連れ込もうとしやがった。

私はブチ切れた。
寝所に連れ込んだ金持ちの奴隷商の首を食いちぎり、内臓を引きずりだし、目玉を抉り、食べ散らかした。
下半身丸出しで、後から現れたのは、いつも私に鞭を振るう調教師。
ついでに爪で腕と足を片方ずつ引き裂いて、口に金持ちの陰茎をぶち込んでやった。

ビビって、しょんべんをひっきりなしに流している調教師を放っておいて、金持ちをゆっくり咀嚼する。
とても脂がのって美味しい。

クマはクマでも人食いクマは、徹底的に狩人の敵だ。
でも、人食いクマの気持ちはとてもよくわかる。

だって、この肥え太った人間はとても美味だったのだ。
霜降り加減がとてもいい。

逆に調教師は筋肉も少ないし、肉も少ないし、実に美味しくなさそうだ。
唯一、食べれそうなのはその手と足くらい。

仕方が無いので、手足を両方切り取って、食べて、生きているけど、美味しく無さそうな調教師には興味が失せた。

大分お腹も満足したので、残りの部品は他の奴隷に分けてあげよう。

人間の教会とやらの教えによると、分け合いの精神なるものがあるんだそうだ。同じ牢に居た死んだ奴隷がそう言っていた。一番最下層の奴隷牢に残りの部品と生きているけど泡を吹いている調教師を突っ込んでおいた。

すると目の色を変えて他の奴隷も生肉を頬張り始めた。
あんな美味しく無さそうな調教師も彼らにはごちそうだったようだ。
「やめ、たすけ、あがあぁあああ!!!たゅ、たすぅ、痛い痛い痛い!!」

先程迄手足が無くても痛がらなかったくせに、今頃食まれる恐怖に泣き叫ぶ調教師。
「よく噛んで食べるんだよ。じゃなきゃ、せっかく食べたのに下痢とか嘔吐とかになるって、死んだ奴隷が言っていたよ。」
と言うと、先程迄ガツガツしていた奴隷たちがゆっくり咀嚼してゆっくり食べ始めた。
だから、なお一層悲鳴が長引いていた。

まぁ、もうそんなことはどうでもいい。
人間になり、私は結構頭が良くなったような気がする。

教会の教えとやらを一生懸命に教えてくれたあの死んだ奴隷のおかげかもしれない。

それより、喉が渇いたので、川が無いか探したが、ここは建物の中なので、川が無い。
彷徨っていたら、石造りの滾々と温かい湯が貯まっている池を発見した。
熱いけど、しょうがない。

飲もうとして顔を近づけたのだが、頭が重かったらしい。
ぐるんと回転して、ぼちゃんと温かい池に落ちた。
めんどくさいので、そのまま湯を飲む。
多少赤く染まるけど、無問題。

池から出て体を震わせる。
服は元々貫頭衣だったし、下着もない。色も薄汚れた茶色っぽいのがしっかりしみついているので、血もそうじゃないものも目立たない。
きっとこの服だって、他の死んだ奴隷のお下がりなのだから、そんなもんなんだろう。

肉体は既に人間の物ではあるものの、やはり、クマであることの方が性に合っている。
森に行って、今後は狩りをして過ごそう。

そう思って、建物から出て、私は森に向かうことにした。

のだが、建物から出ても門やら柵やら、一杯障害がある。
鎧を着た男がうろついている。

先程迄の軟弱ものとは違って、簡単に狩ることはできなさそうな者たちばかりだ。
引っ込めていた爪を出してみて、男たちの後ろ姿と交互に見やる。

無理だと結論を出し、遠回りして、外へ目指す。

どのくらい建物の周りをうろついていただろうか?
一台のキラキラしい馬車が門を開けて入って来て、屈強そうな男たちと会話を始めた。
しばらくすると、嫌な感じの水晶を胸元から出して、何やら唱え始めたと思ったら、急にこちらに気付いて、ダッシュで近づいてきやがった。
思わず逃げたのだけど、ギュッと抱かえこまれて、身動きが取れなくなった。

使用人らしき人が私の両手両足に袋を被せ、口には手ぬぐいをよって作ったような物を食まされて、問答無用で馬車に連れ込まされた。
金属製の何かが入った布袋を門番に放り投げた新しき金持ちは同じく馬車に乗り込み、サッサと出発を促した。

すると馬車は先程、入ったばかりの門から出て、街路を走り始めた。

それから色々聞かされる。
まず、私の曽祖父は、この国の現王の曽祖父に当たる人と同じらしい。
証拠がこの緋色の瞳と金髪らしい。

・・・意識が覚醒して今まで髪の毛は茶色だと思っていたのだが、違ったのだろうか?

肩まで伸びた髪をつまんでよく見ると確かに金色っぽいのだが、如何せん汚いので、分からない。
それに今の手はミトンに包まれてるがごとくものを上手につかめない。

そんな状況に戸惑いつつ、説明を聞く。

迎えに来た金持ちの男は伯爵なんだそうだ。
曽祖父が王族なら、王族になるのかと思えば、この伯爵の庶子とやらになるんだそうだ。
勿論、この目の前の男は血縁ではない。
だって、母らしき女は私を売る時に言っていた。

私の父は既に酒に溺れて死んでいると。

母を何度も蹴ったり殴ったりして流産させようとして、失敗したのが私だと。

で、何でこの伯爵はそんな私を自分の子として迎えるのかと言うと、時期を見て王族を保護したとして、王を脅すのが目的なんだそう。こんな子供にそんなことを堂々ときちんと説明するなんて、律儀なんだか頭が花畑の中意味不明である。

他にも廃嫡がどうとかとか離縁だとか言っていたけど、めんどくさくなって、私は眠った。

起きたら、今度は豪奢な物に溢れる部屋のフカフカなベッドの中。
うやうやしく召使いがすべてのあれそれをしてくれる。

狩りをせずとも運ばれてくる食べ物。
肉があまり入っていないことは不満だが、不味くはないので、食べた。

しばらくはそんな暮らしだったのだが、奥様と呼ばれる人が屋敷に帰って来てから、状況が変わった。
食堂でみんなで食べるとか言うのだ。

そこに金髪碧眼の兄弟として紹介された面々。
皆一様に憎々し気に私を睨む。
筆頭は勿論奥様と言われる人。

そして、私は毒を食まされた。

食べたいのに食べれない食べ物を出されて、私は心の底から憎しみを覚えた。
こっそり、召使いと言われる人たちから残飯を貰えるから爪を出すことはしないけど、基本的に食堂の私は腹ペコのまま嫌味を言われる物体Aだ。
よくもまぁ、ここまで嫌味を言えるなと思えるくらい毎日毎日文句を言う。

最近つけられた教師に教えられた礼儀作法。
人間なのだから、マナーは大切と言われた。

ちゃんと覚えている。

目の前の奴らは口にモノを入れたまま喋るし、怒鳴る。

先生が言っていたことと真逆のことをする彼らは、先生の言うには貴族らしくない生き物だと言う。
だから、ギュッと耐えて、表情は出さない。

だが、その血の滴るレア肉は、ぜひ食べたい。
むしろ、この肥え太った兄弟たちを食んでしまいたい。

じっと、ジッとジィーーっと兄弟たちを見る。
心の底から
(「食べたい。」)
と言いたいのを我慢して、ジッと見つめた。

すると初めの1年は根気強く私に文句を言っていた奥様も兄妹も次第に何も言わなくなった。
それどころか目を合わすと逃げ出すようになった。

でも、その滴るような肉の匂いは隠せてはいない。
私は無意識に美味しそうな肉の匂いを奴らが近づいた度に追った。

どのくらいそうしただろうか?

奴らはどんどんとやせ細り、次第にいい匂いも無くなったので、残念、食べる機会を失った。

その間に私は人間らしい行動を身につけていった。
貴族としてのマナーは未だになかなか覚えられないけど、人間の貴族として生まれてきたので、そこは諦めて、頑張って覚えようとした。
正直、スープを飲む方法を紅茶でやったらマナー違反。紅茶の作法をスープでやったらマナー違反とか訳が分からないけど、そう言うものとして頑張って覚えよう。うん。
なんやかんやあって、時は過ぎ、内々に王族とも面談し、私が国王陛下と親戚であると魔石で鑑定されたりもして、正式に血縁も証明された。

伯爵と国王陛下の間で何らかの取引がなされ、その数年後私は学園に通うこととなった。

学園に行くと豪奢な服のドレスの女性が何やら喚く。
ちなみに私は制服で学園に赴いた。

学園の制服はドレスではない。
なのに目の前の女性もその周りのご友人方もドレスを着ている。
周りにもちらほら制服で無いものは居るけど、ごく少数だ。

言葉を口にはせず、どういうことだと目だけで語るが、目の前の女性には勿論伝わらない。

困っていると後ろから金髪緋色目の血縁者がやってきた。

と言っても、陛下と同じ曽祖父を持っている私と今来た王子とはあまり血縁者と言った感じでもない。
会うのは初めてだし、彼が私のことを知っているかは微妙だ。

むしろ伯爵からは黙ってろと言われているので、黙っている。

学園内でも言葉を口にするのは最小限にしろと言われている。

だから、私は我慢する。
その間に豪奢な令嬢と血縁者は喧嘩を始めるが、総無視だ。

ジッとジッと我慢する。

ふと、少女のその可憐な二の腕に目がいった。
フカフカして実に美味しそうである。

あの調教師でさえ、二の腕は柔らかくておいしかった。
きっとあの目の前の女の子たちも美味しいだろう、むしろ、あの女の子たちの方がきっと柔らかい。きっときっと
(「美味しいはずだ。」)
言葉をグッと我慢する。
そう言いたいのを我慢する。

何も言っていないのに、その視線に怯えて硬直した豪奢なドレスの令嬢はそのまま蹲り、お漏らしをした。
あらあらまぁまぁと周りにいた令嬢が唖然。
その隙に私はさっさと退場。

何でか王子とその側近が追ってくるが、無視だ無視。

その後、王子が私の周りをうろちょろし始めた。
教会関係者と呼ばれるものもうろちょろうろちょろ。

そのうちの一人が死んだ奴隷とよく似ていたので、彼とはよく話した。

聞けば、彼はあの奴隷と従兄弟の仲だったらしい。
死んだ理由やら何やらを聞いて、2か月ほど学園を休んでいたけど、帰ってきた時にはすごく晴れやかな笑顔になっていた。

そして、学園に通って半年がたったころ、私は聖女として正式に発表されることになった。
意味が分からん。

何やら、私の魔力は特殊で聖魔法が使えるんだそうだ。
確かに使えるけど、それがどうしたと言うのだろうか?

それに、前回の聖女認定されたのは曽祖父と言うではないか。男なのに。聖女とはこれ如何にだ。

そしたら、更に王子周辺の人間が親し気によって来る。
婚約者の筈の豪奢な服を着て、最初にガンつけに来たご令嬢オリビエ様は私を見ると
「破滅フラグ」
「乙女ゲーム」
「ゲームの強制力」
とか言ってる。

彼女はお漏らしした後、令嬢達の中から距離を置かれている。服も学校指定の制服になった。
友達を自称していた人たちも今は彼女の傍に居ない。

それでも私に対して悪感情を持った自称オリビエ様のご友人は、私に嫌がらせをしてくる。
教科書を破ったり、池に突き落として来たり、影口を叩かれたり。

元クマのせいだろうか?
犯人がオリビエ様じゃないことはわかっている。
犯人ももちろんわかっている。

陰口は誰がと言うわけでは無いので、特定はできないが、壊されたり、隠されたりしたものの臭いなんかで犯人は特定できる。でも、何でか犯人にされているのはオリビエ様。正直、あの二の腕のお嬢さんを怯えさせないで欲しい。
あんなに美味しそうだったのに、どんどん痩せて、普通二の腕なんか痩せない筈なのに、二の腕の肉さえ減ってきているではないか。
逆に自称オリビエ様のご友人たちはくっさい化粧が悪化。肉もなんか薬の臭いが染みついてきていて、美味しく無さそう。肉はついているのに毒肉は好みではない。
腐肉の方がまだ食える。

あれは食えない毒肉だ。
鉄砲玉と同じ臭いがプンプンする。

そして、相変わらず王子とその側近達がうろつく。どんなに冷たくあしらっても追いかけてくる。
花壇に逃げてもいるし、図書室に逃げてもいるし、街に逃げでもいるし。
奴らは一体何をしているんだ?

そうして迎えた卒業式の日。
すっかり鶏がらみたいになったオリビエ様は、げっそりとして美味しくなさそうになってしまった。学園の自称オリビエ様の友人達はふくよかだけど毒肉ドレス。

逃げたのだけど、王子に捕まり、何でか壇上に上がらされた。
そして、王子と側近一行がなんでかオリビエ様を皆が注目している中で吊し上げを行い始めた。
私は何度も王子から逃げようとしたのだが、丸っと無視。

「オリビエ!君の様な醜悪な人間を王族として迎えるなんて、以ての外!君との婚約を破棄し、僕は、聖女マリアと結婚を約束する!」
そして、沸き起こる歓声を卒業生が起こす。
「君は、処置をしたのち、国外に追放処分とする。」
と王子が高らかに言った。

私は私に抱き着き続けている王子を本気で殴った。
王子は1m程上方向に飛んで、そのまま地面に叩きつけられた。
側近の赤髪が剣を抜いた。
正拳突きを喉元に叩きつける。
剣を抜いた男は剣を振り上げることも出来ず、そのまま倒れた。
メガネが腰を抜かして、逃げようとするが動けないようで、お漏らししながら、必死に這いつくばって逃げようとしている。
私はメガネの股間をハイヒールで踏みぬいた。
「ぐぎょ。」
変な声を出して、メガネが泡を吹いて倒れた。

私に対して、先程からファイアーボールを投げつけている少年の攻撃は聖魔法の障壁に砕け散っている。
少年の持っている指輪が根源なので、指輪を聖魔法で破壊する。
少年はガタガタと震え白目になって気絶した。

観衆は唖然とした。
残った側近は震えてお漏らししつつ、何も言わず、何もしないので無視。

「先程、第二王子殿下が言っていたことはほとんど嘘です。」
私は高らかに言った。
「教科書を破ったのは、オリビエ様ではなく、カラクホフ令嬢。」
「池に突き落としたのは、エマニエル令嬢。」
「私を誘拐しようとした犯人はこのメガネ令息。」
「嫌がらせとしてモノを盗んだのはこの赤髪剣士。」
「魔法暴走で嫌がらせしたのはこの少年。」

すると、ところどころ、真っ青になる観衆。
反論する筈だったご令嬢ご令息たちとその親は今、震えて何も言わない。
オリビエ様がそんな中で、ポッカーンとしている。

「卒業式をやる気が無いようですので、これで失礼いたしますわ。」
私はサッサと馬車に乗り込み、伯爵邸に戻った。

伯爵はにっこりいい笑顔。
「予定外のことが非常に多かったけど、概ね満足。それ以上の成果も得られた。実に素晴らしい手腕だ。」
そう言って、美味しそうなお肉のステーキがたくさん出てきた。

気付けば、あの五月蠅かった奥様と言われる人も兄妹もいない。
どうしたことだろうか?

にっこり笑う伯爵と一緒に私は今美味しい肉を食べている。
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