妖精名:解説っ子

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第七話 エリザベート・マキシマム公爵令嬢の現状

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第二王子はマリエットの領と全く逆の辺境伯の土地に移動することになりました。
それに伴って、婚約を解消することになったらしい。
それで、エリザベート・マキシマム公爵令嬢に会うことになった。
本当なら呼び寄せるのが、普通だけど、担い手のこともあったので、王様自ら行くことにしたんだそう。

「それって、いいの?」
って聞いたら、
「それだけ、緊急ってことよ。」
とアリアドネに教えて貰えた。

で、ついたマキシマム公爵邸。
一応、緊急ではあるけど先触れをしたんだけど、なんか、様子がおかしい。

で、妖精同士でちょっとお話してみた。
みんな口が堅かったけど、担い手のことを話した後、ちょっと妖精も慌ただしくなって、時間をある程度必要としたけど、落ち着いて聞いてみたら、ここの公爵邸で、エリザベートは微妙な立ち位置に居た。

マキシマム公爵は入り婿である。
公爵夫人が元々の公爵の地位を持っている。
しかし、マキシマム公爵は、夫人をかなり蔑ろにしていた。
夫人はそれでも公爵のことを愛しており、離さなかったらしいのだが、彼女が妊娠した直後に彼女を毒殺しようと色々策略をしていたらしい。そして、その間、彼自身は別の女と浮気をしていた。
最終的に彼女は命を懸けてエリザベートを産み、命を失った。

そして、幼いエリザベートにお前のせいで妻が死んだと常日頃から言い続けており、マキシマム公爵になる前のカリドット伯爵子息だった頃の伝手で親戚の男の子を養子に迎え、その子を大事に育て、エリザベートは嫁になって出てけって仕向けていた。
そして、半年違いの妹がこの家には居た。
夫人が産んだ子ではない。メイドが産んだ子。

普通、彼女には爵位を名乗る資格はない。
なのに堂々とレベッカ・マキシマム公爵令嬢と名乗った娘が居た。

王様は彼に公爵位を継承させてはいない。
なので、通常通り、一応、死んだマキシマム公爵夫人と呼ばれていた人がマキシマム女公爵で間違いない。
この国は女であっても爵位は継げる。
だから、通常、現在の公爵位は未成年ではあるけど、エリザベートが継ぐ。
第二王子が臣籍降下し、王様の発言を伴って、第二王子が公爵になる予定だったのだけど、多分、マキシマム公爵を名乗る父親は理解していないようだった。
そうじゃなかったら、男の子を養子にする必要はないんだから。

そして、エリザベートは担い手のことを父親に話したけど、むしろ、自分で確保して金儲けするように動いていたとは…。

これらのことを王様に伝えていいかと聞いたら、妖精たちは渋々了承した。
妖精たちは知らなかったのだ、そんな稀なる担い手だとは。
そして、その担い手の重要性を。

王様に伝えた結果、王様、大激怒。
公爵を名乗っていた父親は捕縛。
妹と名乗っていた人、義母を名乗っていた人は外に放り出された。
そして、使用人一同は、一旦全員解雇。
女公爵の殺害に手を貸していた人間のあぶり出しが今後行われるんだそう。
だから、使用人一同は、牢屋に移動。
弟として養子に入っていた男の子はよくは無いけど悪くもない性格だったので、第二王子の話し相手として、辺境の地に移動。養子縁組はその際についていく使用人の一人に契約を変更させた。地位は子爵子息になるけど、公爵子息としての常識が無かったので、問題ないらしい。

エリザベートは宰相が保護することになった。
そして、知る第二王子の暴挙再び。

不遇の立場にあると第二王子は知っていたけど、エリザベートをそのままにして、自分に依存させていたらしい。
一応、彼は彼なりにエリザベートを好きだったけど、やり方がちょっとあくどい。
「不幸なのはエリザベートが悪い子だから仕方ない」
とか
「俺だけが君の味方」
だとか抜かしていたらしい。

絶対、王都に戻らせてやらん。

正義名乗ってて、やっとることがあくどいよ!

ほぼ、洗脳状態にあるエリザベート。
そこからちゃんと回復させることから始めなくてはいけなくなった。

彼女には担い手の保護とかそんなことは無理だと分かったので、彼女には
「君自身が、まず、幸せにならなきゃ。」
と言い聞かせ、精霊も初めキョトンとしてたけど、エリザベートが幸せになる為と言うとフンスフンスと鼻息荒く、エイエイオーとしてた。

エミエルはその様子に苦笑い。
宰相は可哀そうな子を見る目。
王様は頭を抱えて、これからのことを考えている様子。
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