ゆめも

toyjoy11

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人形姫と言われるのなら人形で良いでしょう?

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~国王陛下side2~

人形愛の変態として、そこそこ名の売れてしまったクリスティアンは、母ババロアの死後、今までしなかった剣術も勉強も必死に頑張るようになった。
人形愛と魔力なしと言う点以外では素晴らしい才能を見せたクリスティアン。

この状況なら、人形と結婚してもらい、伯爵位くらいあげて良い気がし始めていた。
ぽっちゃりと可愛いクリスティアンから今は昔の俺に少し面影が似た少年に成長してきた。

そんな彼は、あっと言う間に学園入学の12歳となった。

母の死後は特に人形と同衾するのが当然のようになり、その度洗濯が忙しいのだが、それ以外では他の女に目もくれないので、とても安心する。
このままで居て欲しいとつい、願ってしまう。

人の話を聞かないと言う欠点はあるものの私にとって可愛い我が子なのだから。

そんな平和な日々を過ごしていた時、それは起こった。
それは、彼が13歳となった頃だった。

一人の少女が自分のクラスでもない高位貴族の教室に堂々と入り浸り、クリスティアンにちょっかいをかけ始めたと言うものだった。

頭を抱えた。
少なくとも彼女は妊娠できる体を持っている。
しかし、0にいくら掛けても0なのだ。
だから、彼女とクリスティアンとの交際はとても許しがたい。
どうにか出来ないかとクリスティアンの側近に無理矢理している者たちに言ってみたら、
「無理です。」
「無理ですねぇ。」
と返事が返ってきた。

どうやら、既に忠告はしたのだが、上手くいかなかったようだ。
そして、今度は朗報。

件の男爵令嬢マリア・ヒローニアは、ババロア様を彷彿させる魔力持ちと言うことだった。
ならば、臣籍降下するにしても、彼女にはクリスティアンにその魔力を譲渡してもらいたい。

そう願ってしまう。

そう思っていたある日、クリスティアンは致命的ギリギリなことをした。
マリア・ヒローニアの誘拐である。

泣きたくなった。
お前はマリアに嫌われたら、今後どうなるかかなり危うかったと言うのに、自ら地雷を踏み入った。

事前に監視の物をマリアにもクリスティアンにもつけていたため、事なきを得た。
マリアにはそのまま、城の地下に待機してもらい、事情を聴くこととなった。
そして、クリスティアンにはマリアの人形を作ろうと言うことになった。ある意味、人形愛者としては当然の行先となった。


そして、あんまりいい気分では無いのだが、クリスティアンはマリアの人形に…まぁ、ナニをナニした訳だ。今はすやすやと眠りこけているらしい。

あぁぁぁあああ!呑気な子だ。
でも、寝顔はとても可愛い我が子。
本当にどうして、こうも、出来の悪い子程可愛く感じてしまうのだろうか?

そして、城の地下に待機…まぁ、要するに地下牢に入れているマリア嬢のところに行った。
側近の報告通りにマリアは何でかリセーナ嬢を敵視しており、人形のリセーナ嬢に虐められたと公言し続けている大馬鹿者(きょうじんしゃ)だった。

頭が痛くなる。
クリスティアンと別のベクトルで頭がおかしい。
しかも、実は閑職となっているクリスティアンの側近たちにも粉をかけ、自分が一番可愛いなどと言って、こんなところに来るようなことはしていないと牢の鉄棒を何度もガシャガシャと揺らした。

あぁ、品が無い。
私が王として聞きに来たと言うのを理解していない。

俺としてじゃなくて、私として聞きに来たと言うのに。

彼女は何度も
「この世界は私の為の世界。」
とか
「私はヒロインなのよ!愛されて当然。」
とか言うんだが、どうしたらいいんだろうか?

やることは決まっているんだが、話の通じなさが半端ない。
正直、これ以上ここにいることも不愉快だ。

さっさと退出し、契約魔術師に
「『不敬罪甚だしく、王子に嘘をつき、王子とその側近を貶め、加えて、エリイク公爵家の長子に罪を擦り付けた罪により、魔力を奪う』と言う旨をアレに伝えてくれ。聞いていなくても別に良い。取り合えず、そう伝えろ。
そして、これを使って、魔力譲渡の書類に血判を押させろ。」
そう言って、金色の指輪を渡した。
これはもう片方の銀の指輪に金の指輪を装着者の魔力回路を譲渡するときに使う魔道具で、本人または近しい親族の急所から作られる魔道具である。銀の指輪の材料はババロア。金の指輪の材料は彼女の心臓が後払いで使われるようになるものである。
勿論、禁呪であるのだが、クリスティアンのためなので、仕方が無い。

それに、アレ、この国に在っても不利益しか生まない気がするから、丁度いい。

まぁ、でも、クリスティアンに、魔力が生まれたら、あれらの人形を人形だと自覚するだろう。
しかし、今は困る。

元々後払いなのだ。

装着して、金の指輪が体に馴染むまでは、クリスティアンに魔力回路は移動しない。
それまでに可哀想なリセーナ嬢には夫を準備させよう。

我が王国の公爵家も俺の息子もリセーナ嬢には、迷惑をかけっぱなしだから、結婚の世話くらいはしてあげなくてはな。

クリスティアンに魔力があれば、結婚をすること自体はやぶさかではないが、息子は愚か過ぎるので、臣下降格はやはり変えない方が良いだろう。クリスの側近たちは勿論そのことを理解している者を選んだ。

皆が皆、3男以降で家を継ぐ可能性がほぼ皆無の者たちを選んでいる。
偶然にも容姿が整ったものになったのは、後々驚いたが、まぁ、見目的には見ごたえがあるからいいだろう。

既に愚かさを増長させていたババロアは指輪になったことだし、これ以上クリスティアンは馬鹿にならないだろう。

_______





仕方ないが非常に怖いのは、王族特権だろうと思う今日この頃。
_______

***
最近、あの男爵令嬢の噂を聞かないなぁーとか思っていたら、左手の薬指に金の指輪をつけてニヤニヤしている。
なんでか、下級貴族教室に戻ってきているし。

・・・まぁ、まともな行動になったと言うだけではあるのだが。

何度注意されても、高位貴族の教室に入り浸っていたし、下級貴族教室に戻ってこなかったのに、どういう吹き回しなのかと周りは騒いでいるが、まぁ、気にしない。

下級貴族の教室のいいところは、教室内で内職してても怒られないことだ。
ここの教室の生徒は大なり小なり魔力があるが、金銭があると言うことではない。

むしろ、義務教育で子供を全員一定期間拘束されてしまう為、収入が減る家もあるくらい。
その為、学校で出来る内職に関しては、誰も口出しすることは無い。
だって、それはその子たちにとっても生活ラインを維持するのに必要なことだからだ。

まぁ、日本に居た私から考えれば、義務で働き手を国が拘束しているんだから、補助金くらい出してやれよと思わなくも無いが、ここは日本では無いのだから諦めるよりほかない。

糸をあみあみして、レースのバラのハンカチを作り上げた。
広げて大満足。

うん素晴らしい。

そう言えば、第三王子はあれから学校に来ていない。
噂を聞けば、再教育とか何とか。

何か式典もあったらしいし。

それに、例のごとく私の席には私の人形が設置されていたようだし。
いい加減、6歳児の人形は止めた方が良い気がするんだけど、だって、既に私たちは13歳なのだから。

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