ゆめも

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女嫌いの悪役令嬢

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氷の公爵令嬢。

~第二王子ライオネルside~



俺には婚約者がいる。

5ヶ月くらいしか年齢に差は無いのに、3歳の頃には既に才女と謳われ、誰に対しても冷淡で表情一つ変えない婚約者テレシア・ヘルゼバーグ公爵令嬢。

5歳のお披露目の時に、初顔合わせに行った時お人形かと思った。

白い肌。赤い瞳。プラチナブロンドの髪。雰囲気は何気に色っぽく感じはするのだが、何より体温を感じさせない無表情さ。顔立ちがやたら整っているせいで人と思えない。

それに何もかもマニュアル通りに動くし、発する言葉も教科書のお手本通りなんじゃないかと思えるような感じだった。後で、確認したら、一言一句同じ言葉だったので、間違いない。

受け答えもすべてお手本通り。

お手本にない言葉を言ったつもりで意地悪したんだけど、後で確認したら、それに対する対応もなんでか教科書にあった。そして、彼女はそれ通りに対応していた。

父である王は大変このテレシア公爵令嬢を気に入っている。

だから、彼女は第二王子の婚約者でありながら、王妃教育を受けているのだ。

最悪の場合、彼女は俺の義母になるんだろうと思われる。



自分の父親であるのだが、吐き気がする。

彼女のことは好きでも嫌いでもない。

だって、人形に感情を向ける男なんて自分的にはいないのだ。父がおかしいだけなのだとそう思う。



俺は形だけでもあのテレシア公爵令嬢と婚約関係にある。それまで、自分の為にも彼女を父から守ろうと思った。だって、気分が悪いではないか。本当、わが父ながら吐き気がする。



****

5歳になりました!

いやー、本当に快適。

ロジャーは、私の筆頭執事になりました。

私は離れに移動しました。



本邸から移動した理由は知りませんが、ここには必要最低限の人員しか補充されていません。幸運なことに料理人も派遣されず、他の従業員も昼間来て、仕事が終わったら速攻で本邸に戻るので、夜中は誰もいません。いや、護衛の人とかは多分いると思うけど。

だから、私はメイドさんの着る服を勝手に着て、料理やら洗濯やらをシレっとしてます。

庭師も派遣されていなかったから、庭木も整頓してます。

ロジャーは既に私の本性を知っているので、何も言わないし、幼馴染よろしく一緒にご飯を庭で食べたりしています。

気付けば、3歳を過ぎたあたりから両親とも兄とも会っていない気がしますが、些細なことです。

なんとなく、前世のゲーム仲間がそれっぽいこと言っていたし、予想していたので、無問題です。唯一、大変なのは王妃教育位。それの時間帯だけは真面目にやってます。

と言っても、この体は優秀だったらしく、ほとんど教育は完了状態。10年かかる王妃教育だけど、既に6年分は済んでいるらしいので、ここからはスローで行うらしい。なにやら婚約者のライオネル様が助言したのだとか。ほとんど会ったこと無いけど、意外に良い人だと思う。乙女ゲームでは正義感で潔癖ってゲーム仲間も言っていたし、そう言うことなんだろう。ありがたい。

そうそう、最近知ったのですが、妹が生まれていたらしいです。4年前に。

妹の方は本邸で大事に大事に育てられているらしい。

会ったこと無いけど、金髪美人らしい。

ロジャーに聞いたら、「多分、そんな感じ。」と言葉少なに答えてくれました。

ロジャーは無口です。

会話らしい会話はあまりしたことが無いけど、まぁ、無問題。

会話しなくても、生活は可能です。

前世の記憶はこういうところでは便利。忘れたい記憶はあるけど、それ以外はほとんど不満は無い。

何より女が近くにほとんどいない。本当、幸せ。



****

~筆頭執事ロジャー・エインside~



本来、5歳の公爵令嬢に侍従ならまだしも執事がつくことは稀らしい。よくは知らない。しかも、何の知識も持っていない5歳児の子供がつくことは皆無。でも、そうなった。

なんか、公爵家の使用人で男爵夫人の母からこういう身分の者が出るのもおかしいらしいとか母がなんか騒いでいたけど、五月蠅いから耳塞いでいたし、よくわからない。

唯一分かること。

それは、テレシアは、それで良いらしいと言うこと。

むしろ、俺以外の人間皆嫌いだと雰囲気が言っているので、俺としても無問題。

俺はテレシアの思っていることがなんとなくわかる。合っているかは分かんないけど、多分あっていると思う。

皆はテレシアのことを不気味だと言う。

優秀過ぎだし、見目も相まって、人間と思えないんだそうだ。

でも、それは、テレシアのことを見ていないだけだと思う。

テレシアは、カスミソウが好きで、バラは苦手。アリッサムとか芝桜とかなんとなく地味っぽいのが好きな気がする。料理洗濯が好きだし、大工仕事も好きだ。小物なんかのものづくりにも積極的だ。勉強は好きでも嫌いでもない。でも、なんとなく成果が見えた時嬉しそうにしているので、目に見えて成果が見える勉強については好きだと思える。

正直、普通の平民の女の子と大差ない。公爵令嬢と言われても疑問符がたまに出るレベル。まぁ、人前に出るときはちゃんと教科書通りに動いているせいじゃないかと思うけど。

俺は口下手だ。だから、他の人に誤解されやすい。母にも誤解されている気がする。

でも、対応できるほど、俺は言葉を持っていない。いや、母国語は話せるけど、上手く言葉にできないだけ。表情も作れない。どう顔を動かしたらいいか分からないのだ。

母はテレシアのせいって言うけど、多分違うと思う。

だって、父もなんか同じだし、遺伝だと思う。

テレシアは異性なんだけど、雰囲気は同性。いや、男らしい行動はしないんだけど、なんとなくそう感じる。

だから、なんか兄弟な感じ。不器用な弟な感じ。

実際は、器用だ!天才だ!って皆言っているけど、テレシアは俺より不器用だと思う。

何が不器用なのかは、よくわからないけど。

そして、本当、なんとなくではあるがテレシアは王様から目をつけられているようだ。第二王子はそれが嫌らしい。それは、テレシアを慮っての感情ではないと思うが、有難い。本当、いざという時が来たならば、俺はテレシアを連れてどこかの森にでも逃げようと思う。

正直、俺は母が嫌いだ。

貴族も嫌いだ。

特にこの公爵家の面々は大嫌いだ。

俺の家族が一番下の男爵家のせいもあるんだろう。大半の使用人は爵位を継げない3男とか次女以降が来ているんだけど、皆伯爵以上のところから来ている。平民は全くいない。

そして、仕事は基本的に疎かだ。まだ5歳のテレシア以下だし、俺以下だ。

本邸にいた頃も思ったけど、掃除洗濯料理ぜーんぶいい加減。よくこれで回っているなと思えるレベル。

テレシアの家族とか本当ザ貴族って感じで意地悪な感じでもっと嫌い。

だから、別館に移されたとき、実はちょっと喜んだ。テレシアも喜んでた。

テレシアは肌も髪も白っぽい。俺は肌も髪も目も黒っぽい。だから、白黒コンビ。見目は全然似てないと思うけど、テレシアと俺は結構似た者同士な気がする。

出来れば、このままのんびり暮らせたらいいのにと思う。

むしろ、今から逃げれたらいいんだけど、今はまだ無理だ。

陛下と第二王子がつけた護衛兼見張りがいるから、俺にはそれらの目をかいくぐるのはまだ無理だ。

少しずつ力をつけて行こうと思う。



取り合えず、なんか暗殺者っぽいのがこの前来たので、処理しておいた。

意外に心が動かないもんで、自分でも驚いた。本邸の方にポイっと捨てといたけど、大丈夫だよね。

ちなみに師匠は、公爵家の人間ではない。

やはりこの家に来た暗殺者の人。

多分異国の人。

なんか、俺とテレシアを気に入ったらしく、みんなに内緒で訓練してくれている。

変な人だ。

なんか、師匠は

「18歳になったら悲しいことが起こるけど、めげずにがんばれ。」

って言うけど、何なんだろう?



ちなみにテレシアは師匠のことに気付いていない。なんで、師匠はテレシアのことを知っているんだろうか?



まぁ、18歳になったらどうなるかは知らないけど、猶予はあるんだからしっかり堅実に力をつけようと思う。



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