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頭が痛い・・・・身体がだるい・・・・息が苦しい・・・・
ゆっくりと目を開ければ、見た事がある様な無い様な部屋に私は居るようだ。
頭の中で色んな意識が濁流のように流れて、一層頭痛が酷くなり、思わずうめき声が漏れた。
そして冒頭へと戻る。
「少し待ってて。父上と母上を呼んでくるから」
そう言って、安心させるように私の額にキスをひとつ落とし、彼は部屋を出ていった。
改めてゆっくりと視線を巡らせれば、何もかも映画館で見た部屋と同じ。ここは、アリスティアの部屋だ。
考えるのも億劫で目を閉じれば、神様の声が脳内に木霊する。
『君がアリスティアなんだよ』
その声が号令であるかのように、頭の中で好き放題に流れていた意識が、パズルの様にカチッカチッと納まり始め次第に意識がはっきりとしてきて、頭痛も徐々に治まっていった。
・・・・私がアリスティアだという・・・・あれは夢ではなかったのね・・・・
確かに、幼い頃からの彼女の記憶もまだおぼろげだけど、ある。
―――という事は、やっぱりそうなの?本当に、神様の言う通りだったの?
身体は怠いけれど、意識はっきりしてきた。でも、熱がある所為か頭がぼぉっとする。
大きく息を吐き目を閉じたその時、部屋の外が騒がしくなり数人が部屋へと駆け込んできた。
そして、その人達を見た瞬間おぼろげだった彼等と過ごしていた日々が、頭の中で鮮やかに蘇ったのだった。
「アリスティア!・・・・・よかった・・・」
アリスティアと同じ、銀色の髪にエメラルドの様な瞳を持つ四十代位の、妙にキラキラした男性。
ルーベン侯爵家当主でアリスティアの父親でもあるエイデンだ。
その彼が、髪を振り乱し滝の様に涙を流しながら私の右手をにぎり、しきりに頷いていた。
そしてその手を更に包む様に両手を重ねる美しい女性。輝く金髪に青く澄んだ瞳を持つその人が、当主の妻でもありアリスティアの母でもあるイネス。
髪は乱れ化粧もボロボロな状態で涙を流し「良かった」を連呼している。
また、彼等とは反対側の左手を握っているのは、目覚めて一番最初に会った人。
髪の色は何処か温かみのある茶色、瞳の色はぺりドットの様な澄んだ緑色をしていて、どこかくたびれてはいるが優しそうな雰囲気を持っている。
血は繋がっておらず、私しかいないこの家を継ぐために養子に迎えられた六才年上の義兄レンフォードだ。
まるでテロップが流れているかのように、彼等の素性が頭の中に流れた。
色を取り戻した思い出に命を吹き込むかのように、私に溶け込んでいく。
よくよく見れば、周りにいる人たちは、目の下に隈が出来ていて顔色もあまり良くない。そして何よりも疲れ切っているのが見て取れる。
映画の中に出てきた彼等とあまりに様相が違っていて、思わず「だれ?」とも思ったが、「・・・パパ?」とすんなり言葉が出てきて、自分の言葉に驚いた。
だって、日本で生きていたときですら、両親をそんな風に呼んだことはなかったんだもの。
言った本人の私も驚いたが、呼ばれた彼も驚いたように目を見開き「あぁ・・・そうだよ・・・」そう言ったっきり言葉を詰まらせた。
「私の事、分かる?」と化粧がボロボロでも美しい母親が、縋る様に握っていた手に力を込めてきた。
「ママ・・・?」そう呼ぶのが当然のように、言葉が出てくる。
「えぇ、えぇ、そうよ・・・私の可愛い子」
そう言いながら優しく頭を撫でながら、ぐしゃぐしゃの顔でほほ笑んだ。
そうこうしているとお医者様もみえて、「峠は越えました。が、しばらくは安静に」と言って帰って行った。
ほっとしたのか、両親は力が抜けたかのように椅子にへたり込むのを見て、私の左手を握っていた彼、義兄でもあるレンフォードが二人の前に跪き両親の手を握った。
「父上、母上、本日は私が看ていましょう。アリスティアはもう大丈夫です」
「しかし、レンフォード・・・」
言い淀むエイデンにイネスが「旦那様」と首を横に振った。
「ここはレンに任せましょう。今日はゆっくり休んで、明日は私が看病します」
「え?私は?私も娘の看病を・・・・」
「旦那様はゆっくり休んで、明日からはお仕事頑張りましょうね?」
寝不足で化粧もボロボロな所為か、にっこりほほ笑む様は有無を言わせぬ迫力があった。
「それに・・・アリスの今後の事も話し合わなければなりません。話を優位に進めるためには、体調を万全にしていただかないと」
「・・・あぁ・・・そうだね。わかったよ。レン、お前も疲れていると思うが、後は頼んでもいいかい?」
「はい。幸いな事に昨晩は知らぬ間に熟睡しておりましたから」
「ふふふ・・・レンは本当にアリスが大切なのね・・・・」
先ほどの怖い笑顔ではなく、慈愛に満ちた笑みでレンフォードの頭を撫でている。
「は・・・母上・・・私はもう、子供ではありません」
頬を染め照れたように顔を背ければ、エイデンも彼の頭を撫でた。
「この度は私達の力不足でこの様な事になってしまったが、今後は誰が何と言おうとレンの好きなように動くといい。我々もそれを望んでいるし、協力は惜しまないよ」
自分の記憶と彼等を照らし合わせる事に必死だった私は、彼等の会話の意味など理解できるわけもなく何処か虚ろな眼差しを向けていた。
ただ、『王子様』と呼んだ彼が義兄でもあるレンフォードだと言う事と、またこうして会えた事がとても嬉しい。
「アリス、此処はお前を害するものは誰もいないから、安心して休むといい」
「えぇ、容疑者も拘束されているようだから」
え?容疑者?
「マデリーンが?」
「「「え?」」」
私の一言に三人は驚いたようにベッドに寄ってきた。
「確かに愛人達が一番疑わしく、取り調べをしたのだが証拠が見つからなかった。よって、お茶を出した侍女が拘束されているんだ」
「・・・・エミリア・・・・が?」
一瞬にして思考がクリアになり身体は熱くて怠いのに、まるで血の気が引いたように震えがくる。
アーサーはどうしようもないクズだったけど、あのお屋敷で働いている人達は何一つ悪い事はしていない。
むしろ、アリスティアにはアーサーに尽くす以上に尽くしてくれていた。
「エミリアじゃない!犯人はマデリーン」
「マデリーンは確かに怪しいと思っているよ。でも、証拠が見つからないんだ・・・・」
レンフォードも、いや、恐らく誰もがマデリーンが怪しいと思っている。でも、証拠が無い以上、お茶を出した侍女であるエミリアが第一容疑者になってしまうのだ。
それはまずい・・・・アリスティアに優しく接してくれた彼女を、助けなければ・・・・
どうやって?・・・・グルグル回る思考の中で、私はさっきまで見ていた映画を思い出した。
私は、全てを見てきたじゃないか!彼女がどこからアレを出して何処に仕舞ったのかを・・・・
「・・・・・天井裏・・・・」
「え?」
「彼女の部屋の天井裏に、小さな・・・宝石箱の様な物があるはず・・・その中に証拠がある、と思う。処分されていなければ」
私が倒れてから何日も経っている様だから、証拠隠滅されていなければいいのだけれど・・・・
「アリスは何故、そんな事がわかるの?」
母親のイネスが、不安そうに私の手を握る。
えぇ、そうでしょう。今まで危篤状態で眠っていた娘が突然そんな事言うんだもんね。私だったら「何、寝ぼけた事を」って言っちゃうわ。
でも、見てきちゃったんだもの。神様は違うと言っていたけれど、今の私にとってこれは第二の生の様なもの。だから・・・
「だって私、一度死んだんだもの・・・」
そう言って微笑めば、三人は驚いたように目を見開いたのだった。
ゆっくりと目を開ければ、見た事がある様な無い様な部屋に私は居るようだ。
頭の中で色んな意識が濁流のように流れて、一層頭痛が酷くなり、思わずうめき声が漏れた。
そして冒頭へと戻る。
「少し待ってて。父上と母上を呼んでくるから」
そう言って、安心させるように私の額にキスをひとつ落とし、彼は部屋を出ていった。
改めてゆっくりと視線を巡らせれば、何もかも映画館で見た部屋と同じ。ここは、アリスティアの部屋だ。
考えるのも億劫で目を閉じれば、神様の声が脳内に木霊する。
『君がアリスティアなんだよ』
その声が号令であるかのように、頭の中で好き放題に流れていた意識が、パズルの様にカチッカチッと納まり始め次第に意識がはっきりとしてきて、頭痛も徐々に治まっていった。
・・・・私がアリスティアだという・・・・あれは夢ではなかったのね・・・・
確かに、幼い頃からの彼女の記憶もまだおぼろげだけど、ある。
―――という事は、やっぱりそうなの?本当に、神様の言う通りだったの?
身体は怠いけれど、意識はっきりしてきた。でも、熱がある所為か頭がぼぉっとする。
大きく息を吐き目を閉じたその時、部屋の外が騒がしくなり数人が部屋へと駆け込んできた。
そして、その人達を見た瞬間おぼろげだった彼等と過ごしていた日々が、頭の中で鮮やかに蘇ったのだった。
「アリスティア!・・・・・よかった・・・」
アリスティアと同じ、銀色の髪にエメラルドの様な瞳を持つ四十代位の、妙にキラキラした男性。
ルーベン侯爵家当主でアリスティアの父親でもあるエイデンだ。
その彼が、髪を振り乱し滝の様に涙を流しながら私の右手をにぎり、しきりに頷いていた。
そしてその手を更に包む様に両手を重ねる美しい女性。輝く金髪に青く澄んだ瞳を持つその人が、当主の妻でもありアリスティアの母でもあるイネス。
髪は乱れ化粧もボロボロな状態で涙を流し「良かった」を連呼している。
また、彼等とは反対側の左手を握っているのは、目覚めて一番最初に会った人。
髪の色は何処か温かみのある茶色、瞳の色はぺりドットの様な澄んだ緑色をしていて、どこかくたびれてはいるが優しそうな雰囲気を持っている。
血は繋がっておらず、私しかいないこの家を継ぐために養子に迎えられた六才年上の義兄レンフォードだ。
まるでテロップが流れているかのように、彼等の素性が頭の中に流れた。
色を取り戻した思い出に命を吹き込むかのように、私に溶け込んでいく。
よくよく見れば、周りにいる人たちは、目の下に隈が出来ていて顔色もあまり良くない。そして何よりも疲れ切っているのが見て取れる。
映画の中に出てきた彼等とあまりに様相が違っていて、思わず「だれ?」とも思ったが、「・・・パパ?」とすんなり言葉が出てきて、自分の言葉に驚いた。
だって、日本で生きていたときですら、両親をそんな風に呼んだことはなかったんだもの。
言った本人の私も驚いたが、呼ばれた彼も驚いたように目を見開き「あぁ・・・そうだよ・・・」そう言ったっきり言葉を詰まらせた。
「私の事、分かる?」と化粧がボロボロでも美しい母親が、縋る様に握っていた手に力を込めてきた。
「ママ・・・?」そう呼ぶのが当然のように、言葉が出てくる。
「えぇ、えぇ、そうよ・・・私の可愛い子」
そう言いながら優しく頭を撫でながら、ぐしゃぐしゃの顔でほほ笑んだ。
そうこうしているとお医者様もみえて、「峠は越えました。が、しばらくは安静に」と言って帰って行った。
ほっとしたのか、両親は力が抜けたかのように椅子にへたり込むのを見て、私の左手を握っていた彼、義兄でもあるレンフォードが二人の前に跪き両親の手を握った。
「父上、母上、本日は私が看ていましょう。アリスティアはもう大丈夫です」
「しかし、レンフォード・・・」
言い淀むエイデンにイネスが「旦那様」と首を横に振った。
「ここはレンに任せましょう。今日はゆっくり休んで、明日は私が看病します」
「え?私は?私も娘の看病を・・・・」
「旦那様はゆっくり休んで、明日からはお仕事頑張りましょうね?」
寝不足で化粧もボロボロな所為か、にっこりほほ笑む様は有無を言わせぬ迫力があった。
「それに・・・アリスの今後の事も話し合わなければなりません。話を優位に進めるためには、体調を万全にしていただかないと」
「・・・あぁ・・・そうだね。わかったよ。レン、お前も疲れていると思うが、後は頼んでもいいかい?」
「はい。幸いな事に昨晩は知らぬ間に熟睡しておりましたから」
「ふふふ・・・レンは本当にアリスが大切なのね・・・・」
先ほどの怖い笑顔ではなく、慈愛に満ちた笑みでレンフォードの頭を撫でている。
「は・・・母上・・・私はもう、子供ではありません」
頬を染め照れたように顔を背ければ、エイデンも彼の頭を撫でた。
「この度は私達の力不足でこの様な事になってしまったが、今後は誰が何と言おうとレンの好きなように動くといい。我々もそれを望んでいるし、協力は惜しまないよ」
自分の記憶と彼等を照らし合わせる事に必死だった私は、彼等の会話の意味など理解できるわけもなく何処か虚ろな眼差しを向けていた。
ただ、『王子様』と呼んだ彼が義兄でもあるレンフォードだと言う事と、またこうして会えた事がとても嬉しい。
「アリス、此処はお前を害するものは誰もいないから、安心して休むといい」
「えぇ、容疑者も拘束されているようだから」
え?容疑者?
「マデリーンが?」
「「「え?」」」
私の一言に三人は驚いたようにベッドに寄ってきた。
「確かに愛人達が一番疑わしく、取り調べをしたのだが証拠が見つからなかった。よって、お茶を出した侍女が拘束されているんだ」
「・・・・エミリア・・・・が?」
一瞬にして思考がクリアになり身体は熱くて怠いのに、まるで血の気が引いたように震えがくる。
アーサーはどうしようもないクズだったけど、あのお屋敷で働いている人達は何一つ悪い事はしていない。
むしろ、アリスティアにはアーサーに尽くす以上に尽くしてくれていた。
「エミリアじゃない!犯人はマデリーン」
「マデリーンは確かに怪しいと思っているよ。でも、証拠が見つからないんだ・・・・」
レンフォードも、いや、恐らく誰もがマデリーンが怪しいと思っている。でも、証拠が無い以上、お茶を出した侍女であるエミリアが第一容疑者になってしまうのだ。
それはまずい・・・・アリスティアに優しく接してくれた彼女を、助けなければ・・・・
どうやって?・・・・グルグル回る思考の中で、私はさっきまで見ていた映画を思い出した。
私は、全てを見てきたじゃないか!彼女がどこからアレを出して何処に仕舞ったのかを・・・・
「・・・・・天井裏・・・・」
「え?」
「彼女の部屋の天井裏に、小さな・・・宝石箱の様な物があるはず・・・その中に証拠がある、と思う。処分されていなければ」
私が倒れてから何日も経っている様だから、証拠隠滅されていなければいいのだけれど・・・・
「アリスは何故、そんな事がわかるの?」
母親のイネスが、不安そうに私の手を握る。
えぇ、そうでしょう。今まで危篤状態で眠っていた娘が突然そんな事言うんだもんね。私だったら「何、寝ぼけた事を」って言っちゃうわ。
でも、見てきちゃったんだもの。神様は違うと言っていたけれど、今の私にとってこれは第二の生の様なもの。だから・・・
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