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2巻
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しおりを挟む1 ゴーレムの訓練と周辺の調査
貴族の三男坊として生まれた僕、クロウ・エルドラド。
剣と魔法の世界に転生してきたのに、授かったスキルはこの世界では不遇とされる錬金術。この不遇スキルでは、貴族としては人前に立つことすらはばかられる。そんなわけで、僕の華々しい将来への道はあっさりと途絶えてしまった。
でも、現代日本の知識を持つ僕には、このスキルがそこまで悪いものには思えなかった。
それで、僕についてきてくれることになった執事のセバスと相談しつつ、錬金術師である自分が生きる道を探していたんだけど、無情にも僕は父上から辺境地の開拓を命じられてしまうのだった――
そんな逆境にもめげず、前世の知識や錬金術を駆使して、僕は辺境の地――ネスト村を開拓していく。
しかしながら、ここは「魔の森」が近い土地。頑張って開拓した村にも容赦なく魔物の群れは襲いかかってくるわけで――
凶暴な魔物であるブラックバッファローの大群が村を呑み込まんとした時、僕は超巨大なゴーレム――ギガントゴーレムを錬成した。そのゴーレムのパワーは想定以上で、あっという間に魔物の大群を殲滅してしまったのだ。
その後、ネスト村ではゴーレムの利便性を生かすために、他の錬金術師たちでも操れる小さなゴーレムを錬成していくことになったんだけど……
◇
「すみません、錬金術師様。この作物を広場まで運んでもらいたいのですが……」
「はい、お任せください。ゴーレムを動かす訓練にもなりますので、重い物がある時はいつでも声を掛けてくださいね」
村人のお願いを錬金術師が聞き、ゴーレムにあれこれやらせている。
なぜこんなことをさせているかというと、ゴーレムは村を守る戦力としてそれなりに期待できそうだとわかったから。ゴーレム自体を造ったのは僕だけど、そのゴーレムに各々が魔力を込めれば、僕と同じように操作可能なのだ。
現在ゴーレムの数は十体で、十人の錬金術師が作物の収穫を手伝ったりしている。春にはエルドラド家お抱えの商人であるスチュアートがゴーレムの元となる魔石を持ってきてくれるらしいので、ゴーレムの数も更に増えるだろう。
「――ということで、今日は魔の森へ魔物を討伐しに行きます」
「ま、魔の森ですか……」
僕の宣言に、錬金術師の一人であるジミーが怯えている。
他の錬金術師たちも同じように怖がっているけど、村の広場にあったブラックバッファローの山盛りの骨を見たからだろうな。大量の魔物が棲む魔の森は畏怖の象徴でもあるし。
怖がる気持ちもわかる。けれど、ネスト村防衛の観点からいうと、今後ゴーレム隊は敵を迎え撃つ要となる。だからこそ、それを操ることのできる錬金術師たちの訓練は大事なのだ。
僕は彼らを安心させるように言う。
「錬金術師は今まで戦闘と無縁だったから慣れるまでは大変だと思うけど、自分が戦うわけではないからさ」
「そ、そうですね」
ジミー、怖がりすぎだってば。でも万事において慎重派の彼からしてみたら、とんでもない冒険なのも理解できる。
「今日は深い所までは行かないし、『疾風の射手』の三人が護衛してくれるから安心してよ」
疾風の射手というのは、Bランク冒険者のパーティで、リーダーである弓使いのヨルド、同じく弓使いのネルサス、魔法使いのサイファの三人からなる。任期を延期して、三人ともネスト村に残ってもらっていた。
ちなみに今回の討伐に、僕の幼馴染で、ネスト村に長期滞在しているローズは参加していない。一日休憩するとのことで、朝から子狼のラヴィと広場で遊んでいるのだ。
この前、スチュアートが骨を投げながら、ラヴィと遊んでいたのをうらやましそうに見ていたので、今頃、楽しく骨を投げまくっていることだろう。村の子供たちとも一緒に楽しく遊んでくれていると嬉しいな。
僕には、せっかくの休みの日に早起きするという考えがないため、それはそれで尊敬してしまう。休みなら昼まで寝てればいいのにね。
みんなで歩いていると、ジミーが愚痴っぽく言う。
「魔の森まで歩くのも大変ですね……クロウ様とマリカだけずるい」
「ジミー、錬金術師といえども、少しは体力をつけた方がいいよ」
ポーション作りばかりしていると、部屋に籠もりがちになり運動不足になる。なので、こうして歩くのも悪くないのかもしれないな。
と言いつつ、僕とマリカはギガントゴーレムの肩に乗せてもらっている。マリカは十四歳で、僕もまだ十二歳。ジミーには申し訳ないけど、僕らは成長期だし、あまり激しい運動は体によくないと思うんだよね。
それ以前に僕らのギガントゴーレムに比べて、錬金術師たちが操るゴーレムは小さく、人を乗せることはできない。ゴーレムに馬車を引かせ、それにみんなが乗り込むっていう案もあったけど、これは訓練であり健康のためでもあるので却下する。
「そろそろ魔の森ですので、集中してください」
僕がそう言うと、ヨルドとネルサスが弓を準備し始める。ここに出没する魔物のワイルドファングはスピードが速いので、早めに見つけないと対処できないのだ。
「今日はラリバードの雌を確保しつつ、ワイルドファングを狩っていきます」
「ほ、本当にワイルドファングに勝てるのでしょうか」
ジミーが心配そうに問う。
素手のゴーレムでワイルドファングに勝てるのか。自信がないのはわかるが、やってみればすぐに理解するだろう。普通に動かせれば余裕だ。
もちろん操作の腕次第だろうけど、僕が試した感じではゴーレムは小回りが利く分、扱いやすさは抜群だしそれなりにパワーもある。
「マリカならあっさり倒す気がする。あと、ジミーも自信さえ持てばすぐに慣れると思うよ」
僕がそう言うと、マリカもジミーも安心したようだ。それからマリカは何か思いついたように言う。
「クロウ様、あまり運動に慣れていない錬金術師です。魔の森に入る前に一度休憩しませんか? 私も少し喉が渇きました」
「うん、そうだね。初日だし、緊張をほぐすためにも休憩しつつ、試しに狩ってみたいから、疾風の射手にワイルドファングを連れてきてもらおうか」
僕の言葉に、疾風の射手のリーダー、ヨルドが応える。
「かしこまりました。では、クロウ様。我々は、はぐれのワイルドファングを誘導してきます」
「うん、よろしく。ジミーはゴーレムの戦闘準備を」
「わ、私だけ、休めないのですね……」
落ち込むジミーに続いて、マリカが言う。
「では、私は皆さんにお茶をお配りしてきますね」
「うん。よろしくマリカ」
ん? ネスト村にお茶なんてあったっけ。スチュアートからもらってたのかな。いや、お茶があるなら僕に話ぐらいあるはず。たぶん、ただの水かな。
その後、マリカから渡された水筒から一口飲み、僕はマリカの言うお茶の意味を理解した。
「マリカ、これ、Bランクポーション!」
全員に配られていたのは、薄紅色のBランク回復ポーションだったようだ。
一本いくらするか知っているのか? いや、まあ原価はほとんど掛かってないんだけどさ。
マリカは僕に向かって、無邪気な笑みを見せる。
「はいっ。大事な訓練と聞いたので、ジミーから許可をもらっております」
ドヤ顔でピースサインをするのはやめてもらおうか。ジミーの方に顔を向けると、彼は言い訳するように話す。
「い、いえ。万が一怪我などをした場合に備えてのことだと思ったので、許可を出したのですが、まさか水分補給として使うとは……」
やけに荷物が多いと思っていたが、そういうことだったのか。
僕は嘆息しつつみんなに指示する。
「えーっと、全員そのポーション、半分ぐらいは残しておいてね。万が一に備えるように」
錬金術師たちはBランクポーションを口にし、それぞれ驚いていた。
「そ、それにしても美味しい。これがBランクポーションの味なのですか……」
「はあ? 土下座しなさい。馬鹿なんですか? 違いますよ。これはクロウ様の作るBランクポーションです。普通のポーションがこんなに美味しいわけありません!」
理不尽にマリカに叱られる錬金術師たち。今のどこに怒りポイントがあったのかはわからないけど、きっと逆らわない方がいいな。
「す、すみません、マリカさん」
そして思わず歳下の少女に、さん付けで謝る大人たち。
まあ、錬金術師としての能力では、マリカが頭一つ抜けているのは事実なんだけどね。
「わかればいいのです。私たちが目指す頂がどこにあるのか理解しなさい。ただBランクの物を作ればいいのではありません。この味を目指すのです!」
そんなトラブルがありつつ森の手前で休憩を取っていると、疾風の射手の三人が魔の森から飛び出してくるのが見えた。
僕はジミーに声を掛ける。
「ジミー、準備はできてる?」
「だ、だ、大丈夫です」
とても大丈夫そうには見えないけど……まあ、みんなも見てるし、最初は僕がお手伝いしてあげよう。
森から出てきたのは、ワイルドファングが二頭。
「僕が一頭を受け持つので、残りをよろしくね」
「は、はいっ!」
疾風の射手とすれ違うように、ジミーの操るゴーレムが前に出る。
一応はちゃんと動かせているか。さすがはジミーだ。
僕は錬金術で魔法を繰り出す。
「錬成、アースニードル!」
「ギャウンッ! ギャァン!」
僕のアースニードルは、棘一つだけに抑えられるまで進化した。これで無闇に虐殺することはないはず。うん? これは退化になるのか。
「えっ……」
「ジミー、集中して」
「あっ、はい。すみません」
立ち塞がるジミーのゴーレムに向かって、飛びかかってくるワイルドファング。
スピードは速いが、目で追えない程度ではない。ジミーのゴーレムが左の拳を振り上げ――勝負は一瞬で決まった。
魚臭いゴーレムの左アッパーがワイルドファングを吹き飛ばし、首の曲がった狼が地面に落ちてくる。
ドサッ。
「おおおぉぉ!」
「さすがはジミー氏」
「すごいぞ、このゴーレムなら我々も魔物と戦える」
小さな体の割に力強いゴーレムだ。ギガントゴーレムには敵わないけど、二、三体で囲めばブラックバッファローも倒せるかもしれない。
「ジミー、お疲れ様。疾風の射手もありがとうね」
「思っていた以上にパワーがありますね。これならば十分に戦えそうです。魔力もほとんど減ってませんし」
慎重派のジミーからお墨付きをいただいた。この感じなら他の人でも問題なさそうだね。この活躍を見れば、村人からのお供え物の魚も一段と増えるに違いない。
そのせいで、ジミーのゴーレムは魚臭いんだが……
「それじゃあ、ゴーレム部隊の進軍を開始しようか」
その後はラリバードを捕獲したり、ワイルドファングを吹っ飛ばしたりしながら順調に狩りを進めていった。
ゴーレムはそこまで大きくないので、森の中でも不自由なく動けている。逆にギガントに乗っている僕は奥まで入ることができず、森の浅瀬で降りることになった。
「問題があるとしたら、錬金術師たちの体力だね」
「面目ございません」
魔の森までゴーレムを動かしながら歩いて、慣れない森の中で戦闘経験までしたわけで、ほぼ全員が午前中のうちに体力が切れていた。
そりゃそうなるか。ゴーレムがいるとはいえ、周囲を警戒しなければならないのは精神的にも来るものがあるしね。
「最初の休憩でポーションを半分飲まなかったらもう少し動けたかな」
収穫としては、全員がワイルドファングを倒せたことか。狩人チームと組めば、かなり安全に戦えるし、村の防衛力も相当上がったといえる。
何よりも、ゴーレムは人が直接戦うのと違い、怪我の心配をしなくてもいい。多少壊れたとしてもすぐに僕が直せちゃうからね。ゴーレムを動かすために目で見える範囲にいなくちゃならないけど、弱点はそれぐらいなのだ。
魔力がある限り動き続けるので、農作業の労働力としても期待できる。
あと、今後は村周辺の調査も進めるべきかもしれないな。敵対する可能性のある種族や魔物は早い段階で叩いておきたい。
「それじゃあ、そろそろ戻ろうか」
「すぐに準備させます」
ちなみに本日一番の活躍を見せたのは、予想通りマリカだった。ワイルドファングの群れに突っ込み、操るゴーレムであっさり全滅させてみせた。
やっぱり錬金術の熟練度が、そのままゴーレムの戦闘力になると考えていいのかもしれない。
「マリカ、明日からネスト村周辺の調査をするから、付き合ってもらえるかな」
「ギガントゴーレムに乗れるんですか?」
「うん、ギガントゴーレムとマリカのゴーレムで調査してみるつもり。一応、もう一人護衛を付ける予定だけど」
ヨルドかネルサスのどちらかがいれば、セバスも許してくれるだろう。というか、ギガントゴーレムより上の戦力ってないんだけど、護衛って必要かな。
「かしこまりました。準備はお任せください……」
全然任せられない感じなんだけどたった一日だし、まあいいか。人数も少ないから、ポーションを用意するにしてもやりすぎることはないだろう。
それはさておき、何だかんだ気になるのは、やはり沼リザードマンのことだ。最終的に命は助けてあげたわけだけど……とはいえ、僕たちのことを恨んでいるのは間違いない。
今日の訓練で、たとえ彼らが攻めてきたとしてもゴーレムで圧勝できることはわかった。それでも、二度と関わりたくないぐらいに、最強のギガントゴーレムを見せておいてもいいかなとか思ったりしている。
ギガントゴーレムで動き回ればかなりの範囲を探れるだろうし、沼リザードマンが向かった北方面を中心に探ってみようと思う。
たまにはラヴィも散歩がてら連れていってあげようかな。骨遊びを始めてからかなり体力がついてきた気がする。寝てるよりも走り回っている時間の方が多くなってきているもんね。
◇
「ラヴィも行くんでしょ? それなら私も一緒に行くわ。ヨルド、あなたたちは魔の森へ行ってきなさい。私はラヴィと周辺の調査に行くから」
「では、我々は狩人チームと合同でラリバードの捕獲とワイルドファング狩りに行きますね」
ローズに指示され、ヨルドが何かごめんなさいって感じで僕に頭を下げてくるが、気にしないでいい。ローズがいた方が心強いのは確かなのだ。この子、普通に強いからね。
強いて言うなら、ローズは食いしん坊だから、お弁当に気を使わなければならなくなったぐらいか。
「マリカ、お弁当は僕が準備するからそれ以外の物を頼むね」
「お任せください」
「でも、ローズが魔の森以外に興味を持つなんて珍しいね」
「また沼リザードマンみたいなのがいたら困るでしょ。クロウは、あーいうのを相手するのが苦手っぽいし」
なるほど、十二歳の少女に気を使わせてしまったらしい。うーん、弱みを見せてしまったのは失敗だったかな。曲がりなりにも領主なので少しは強くなっていかないと。
「ありがとう、ローズ」
「ディアナが来たらあんまり無茶できなくなるし、ちょっとした気分転換よ」
ディアナっていうのはローズの従者なんだけど、ローズを溺愛しているから彼女が危ないことをするのをよしとしないのだ。
というわけで、僕、マリカ、ローズ、ラヴィという三人と一匹による周辺調査がスタートすることとなった。三人でギガントゴーレムの肩や手のひらに乗っかり、ラヴィは久々に歩くネスト村の外を満喫するかのように鼻をスンスンさせていた。
お弁当には塩で味付けした玉子焼とラリバード肉のから揚げ、柔らかく焼き上げたパンを準備した。冷めても美味しい料理ってなかなか難しいよね。
「それで、北から調査するのかしら?」
「うん、そうだね。まずは沼リザードマンの状況を確認しておきたい」
沼リザードマンの集落があった場所は、ネスト村から北へ十キロほど進んだあたり。そこから更に川沿いに北上していったはずなので、二十から三十キロ行けば見つかると思っている。
「クロウ様、沼リザードマンを見つけたらどうするんですか?」
「何もしないよ。ギガントゴーレムで顔を出すだけで、十分な精神的圧力を与えられると思うんだ。もちろん、またゴブリンを使役していたり、怪しい行動をしていたりするようなら叩いておくけどね」
「クロウ様、私のゴーレムで偵察とかが必要でしたらおっしゃってくださいね」
「うん。その時は頼むね、マリカ」
「クロウ、結構なスピードで歩いていると思うんだけど、何でそんなに揺れないの?」
「揺れないように操作してるからだよ」
「はあ……」
「ローズ様、クロウ様はこれぐらい居眠り操作でも可能です」
揺れるより揺れない方がいいだろうに、盛大にため息をつかれてしまった。
ギガントゴーレムは僕たちを乗せているので、極力揺れないように膝や足首で揺れを吸収しながら進んでいる。こういう細かい技術は、他の錬金術師たちにも学んでもらいたい。
これぐらい快適なら、馬車に揺られるよりもギガントゴーレムを選んだ方が間違いない。まあ、乗れても四人ぐらいまでだろうけどね。
「結構な高さなのに安定感があるから、本当に寝てしまいそうよね」
「なるほど、枕でも持ってくれば調査のふりしてお昼寝ができるかもしれない。ローズ、その案はいただいたよ」
「セバスさんに話しておくわね」
「ちょっ、それは」
味方だと思っていたら、こやつ敵だったか。
ちなみに散歩に飽きたラヴィは、僕の膝の上でお昼寝をしている。まあ、いつの間にか沼リザードマンがいた元集落が見えてきたので、ラヴィ的にもそれなりの距離を走ったことになるのかな。
「あそこが集落のあった場所ですね……」
沼地だった場所は、今は硬い土で覆われている。何かしらがまた棲み着かないようにサイファに念入りに焼いてもらったのだ。もちろん、僕も一緒に手伝ったけどね。
集落跡地には、焼かれたゴブリンや沼リザードマンの骨が散らばっており、いかにも戦場の跡といった感じに見える。いや、戦場の跡で間違いはないんだけど。
「さて、ここから川沿いに北上していくよ」
泥好きの沼リザードマンだけに、川沿いを進めば簡単に発見できるだろう。彼らは生きるうえで水と泥が必須だ。
そうして川沿いを調査していったけど、結局その姿を発見することはできなかった。
「野垂れ死にしてないだけよかったじゃない。いないということは、どこかで生きてるかもしれないんだから」
「それもそうだね。それにこれだけ北上しても見当たらないということは、もう敵対する気持ちがないと見てもいいだろうから」
ということで、そのまま東に進路を取りつつ周辺の調査を再開することに。
それにしても調査はしてみるもので、結構な頻度でゴブリンを見かける。最初は張りきっていたローズもあまりの頻度に辟易していた。
「村に近寄らないからとはいえ、こんなにもゴブリンがいたことに驚きだわ」
一体見つけたら周辺に三十体はいると言われている。まさに、ゴキブリのごとくたくましい繁殖力だ。
やはり、定期的な駆除は必要に思える。体力のある錬金術師とゴーレム隊を編成しなければならないか。
「ラヴィ、それ汚いからペッしなさい。もうすぐお昼なんだから我慢するの」
斬り伏したゴブリンの腕を咥えて戻ってこようとしたラヴィを、ローズがしつけていた。
この世界ではゴブリンは食べられていない。食料にもならず、討伐アイテムとしても頭の角ぐらいでほとんどお金にもならない。そうか、お前たちも不遇な魔物なのだね。
まったく、ラリバードを見習ってほしいよ。肉となり卵を産み、その羽毛は布団や枕になるんだから。
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