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49話 後日談

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 その日魔道具研究所で起こった出来事は、すぐにテレビ中継された。港近くとはいえ、都心からほど近い場所での大爆発。

 まだデビューをしていないリリカが顔を出すわけにはいかないし、御剣家の人間である僕が本土で見つかるわけにもいかない。

 ということで、月野さんとも話し合いをした結果、朔丸に再び魔法少女サクラちゃんとして活躍してもらうこととなった。

「藍之助様、これは貸しですからね」

「すまないな、サクラちゃん。いくぞ、リリカ、瞬間移動!」

「あっ!」


※※※


 旧大山派閥の議員達も月野さんの働きで一網打尽にすることが出来たとのこと。

 複数の現役大臣が含まれていたことからも政権に大きなダメージとなったのだが、黒川総理はここで勝負に出た。

 野党から大臣の任命責任を問われたのを機に、なんと解散総選挙にうって出たのだ。

 そして、見事に三分の二の議席を確保。
 再び総理に返り咲いた。

 これには月野さんが出馬したことが大きな要因となっている。自らが魔法省の改革を進めていくことを公約として世論を巻き込んでいったのだ。

 もともと人気の高かった魔法少女シズクちゃん、そして、今回の魔道具研究所事件を一人で解決してしまった妹のサクラちゃんフィーバー。

 世論は月野家を信頼し、メディアもここぞとばかりに後押しをした。この人気絶頂の中、サクラちゃん引退出来るのかな……。

「月野さんもついに大臣か」

「Sランク級の魔法少女は人気も高いのです。エリーゼにも輝かしい未来が見えるですよ!」

「それなら、私の方が実力も可愛さも上。SSランク級の私なら総理も夢ではない」

「リリカ、総理になりたいのか?」

「う、うーん、やっぱりなりたくない。今は、フレデリカ先生に強くしてもらうことが一番」

「そうか、僕もそろそろエビルゲートの管理は外れてもいいよな。フレデリカにエリーゼ、リリカまでいるんだ。過剰戦力すぎる」

「ボスは大事なことを忘れてるです。異界の門の管理はあくまでも政府と御剣家との共同事業。あきらめるですよ!」

「そんな話もあったな……。フレデリカはうちの客人として招いているから、それじゃダメなのか?」

「ダメです。フレデリカはドラゴンですから。契約にドラゴンに委託可能とか書いてあれば大丈夫ですが、勿論書いてないです」

 いや、そもそも、ドラゴンがいるとか政府にバレたらどえらい問題になること必至だから。

「お兄さま、ゲートの管理はしなくてはなりませんが、手が空いたのは事実です。なので、また本土に遊びに連れて行ってください」

 何がなのでなのかはわからないが、星那の頼みともあれば叶えてあげたい。あまりお願いをすることのない妹だ。本土に興味がないと思っていた妹だけに、趣味の幅は広げてもらいたい。

「星那だけズルいです。エリーゼもついていくです」

「それなら、私が案内するわ。ルリカといろいろな所へ行ってたから。それに……お墓参りにも行かなきゃね」

 なるほど。これは、フレデリカに一日ゲートの管理をお願いしなくてはならないか。

 いや、結界が完成しているから全員で遊びに行くのも悪くないかもしれないな。御剣家的にも、魔法少女に対する福利厚生をしっかり見せていく必要がある。

「たまにはみんなで羽を伸ばしに行くか……」

「やったです!」
「お兄さま、私は二人で行きたいのです」
「まあまあ、みんなで楽しく行こうよ」
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