49 / 49
49話 後日談
しおりを挟む
その日魔道具研究所で起こった出来事は、すぐにテレビ中継された。港近くとはいえ、都心からほど近い場所での大爆発。
まだデビューをしていないリリカが顔を出すわけにはいかないし、御剣家の人間である僕が本土で見つかるわけにもいかない。
ということで、月野さんとも話し合いをした結果、朔丸に再び魔法少女サクラちゃんとして活躍してもらうこととなった。
「藍之助様、これは貸しですからね」
「すまないな、サクラちゃん。いくぞ、リリカ、瞬間移動!」
「あっ!」
※※※
旧大山派閥の議員達も月野さんの働きで一網打尽にすることが出来たとのこと。
複数の現役大臣が含まれていたことからも政権に大きなダメージとなったのだが、黒川総理はここで勝負に出た。
野党から大臣の任命責任を問われたのを機に、なんと解散総選挙にうって出たのだ。
そして、見事に三分の二の議席を確保。
再び総理に返り咲いた。
これには月野さんが出馬したことが大きな要因となっている。自らが魔法省の改革を進めていくことを公約として世論を巻き込んでいったのだ。
もともと人気の高かった魔法少女シズクちゃん、そして、今回の魔道具研究所事件を一人で解決してしまった妹のサクラちゃんフィーバー。
世論は月野家を信頼し、メディアもここぞとばかりに後押しをした。この人気絶頂の中、サクラちゃん引退出来るのかな……。
「月野さんもついに大臣か」
「Sランク級の魔法少女は人気も高いのです。エリーゼにも輝かしい未来が見えるですよ!」
「それなら、私の方が実力も可愛さも上。SSランク級の私なら総理も夢ではない」
「リリカ、総理になりたいのか?」
「う、うーん、やっぱりなりたくない。今は、フレデリカ先生に強くしてもらうことが一番」
「そうか、僕もそろそろエビルゲートの管理は外れてもいいよな。フレデリカにエリーゼ、リリカまでいるんだ。過剰戦力すぎる」
「ボスは大事なことを忘れてるです。異界の門の管理はあくまでも政府と御剣家との共同事業。あきらめるですよ!」
「そんな話もあったな……。フレデリカはうちの客人として招いているから、それじゃダメなのか?」
「ダメです。フレデリカはドラゴンですから。契約にドラゴンに委託可能とか書いてあれば大丈夫ですが、勿論書いてないです」
いや、そもそも、ドラゴンがいるとか政府にバレたらどえらい問題になること必至だから。
「お兄さま、ゲートの管理はしなくてはなりませんが、手が空いたのは事実です。なので、また本土に遊びに連れて行ってください」
何がなのでなのかはわからないが、星那の頼みともあれば叶えてあげたい。あまりお願いをすることのない妹だ。本土に興味がないと思っていた妹だけに、趣味の幅は広げてもらいたい。
「星那だけズルいです。エリーゼもついていくです」
「それなら、私が案内するわ。ルリカといろいろな所へ行ってたから。それに……お墓参りにも行かなきゃね」
なるほど。これは、フレデリカに一日ゲートの管理をお願いしなくてはならないか。
いや、結界が完成しているから全員で遊びに行くのも悪くないかもしれないな。御剣家的にも、魔法少女に対する福利厚生をしっかり見せていく必要がある。
「たまにはみんなで羽を伸ばしに行くか……」
「やったです!」
「お兄さま、私は二人で行きたいのです」
「まあまあ、みんなで楽しく行こうよ」
まだデビューをしていないリリカが顔を出すわけにはいかないし、御剣家の人間である僕が本土で見つかるわけにもいかない。
ということで、月野さんとも話し合いをした結果、朔丸に再び魔法少女サクラちゃんとして活躍してもらうこととなった。
「藍之助様、これは貸しですからね」
「すまないな、サクラちゃん。いくぞ、リリカ、瞬間移動!」
「あっ!」
※※※
旧大山派閥の議員達も月野さんの働きで一網打尽にすることが出来たとのこと。
複数の現役大臣が含まれていたことからも政権に大きなダメージとなったのだが、黒川総理はここで勝負に出た。
野党から大臣の任命責任を問われたのを機に、なんと解散総選挙にうって出たのだ。
そして、見事に三分の二の議席を確保。
再び総理に返り咲いた。
これには月野さんが出馬したことが大きな要因となっている。自らが魔法省の改革を進めていくことを公約として世論を巻き込んでいったのだ。
もともと人気の高かった魔法少女シズクちゃん、そして、今回の魔道具研究所事件を一人で解決してしまった妹のサクラちゃんフィーバー。
世論は月野家を信頼し、メディアもここぞとばかりに後押しをした。この人気絶頂の中、サクラちゃん引退出来るのかな……。
「月野さんもついに大臣か」
「Sランク級の魔法少女は人気も高いのです。エリーゼにも輝かしい未来が見えるですよ!」
「それなら、私の方が実力も可愛さも上。SSランク級の私なら総理も夢ではない」
「リリカ、総理になりたいのか?」
「う、うーん、やっぱりなりたくない。今は、フレデリカ先生に強くしてもらうことが一番」
「そうか、僕もそろそろエビルゲートの管理は外れてもいいよな。フレデリカにエリーゼ、リリカまでいるんだ。過剰戦力すぎる」
「ボスは大事なことを忘れてるです。異界の門の管理はあくまでも政府と御剣家との共同事業。あきらめるですよ!」
「そんな話もあったな……。フレデリカはうちの客人として招いているから、それじゃダメなのか?」
「ダメです。フレデリカはドラゴンですから。契約にドラゴンに委託可能とか書いてあれば大丈夫ですが、勿論書いてないです」
いや、そもそも、ドラゴンがいるとか政府にバレたらどえらい問題になること必至だから。
「お兄さま、ゲートの管理はしなくてはなりませんが、手が空いたのは事実です。なので、また本土に遊びに連れて行ってください」
何がなのでなのかはわからないが、星那の頼みともあれば叶えてあげたい。あまりお願いをすることのない妹だ。本土に興味がないと思っていた妹だけに、趣味の幅は広げてもらいたい。
「星那だけズルいです。エリーゼもついていくです」
「それなら、私が案内するわ。ルリカといろいろな所へ行ってたから。それに……お墓参りにも行かなきゃね」
なるほど。これは、フレデリカに一日ゲートの管理をお願いしなくてはならないか。
いや、結界が完成しているから全員で遊びに行くのも悪くないかもしれないな。御剣家的にも、魔法少女に対する福利厚生をしっかり見せていく必要がある。
「たまにはみんなで羽を伸ばしに行くか……」
「やったです!」
「お兄さま、私は二人で行きたいのです」
「まあまあ、みんなで楽しく行こうよ」
0
お気に入りに追加
27
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
孤独の魔女と独りの少女
徒然ナルモ
ファンタジー
遥かな昔、凡ゆる魔術 凡ゆる法を極め抜き 老いや衰退すらも超克した最強の存在 魔女達の力で、大いなる厄災は払われ 世界は平穏を取り戻してより 、八千年 …避けられぬと思われていた滅びから世界を救った英雄 又は神として、世界は永遠を生きる七人の魔女達によって統治 管理 信仰され続けていた…
そんな中 救った世界を統治せず、行方をくらませた 幻の八人目の魔女が、深い森の中で 一人の少女を弟子にとったと言う
神話を生きる伝説と 今を生きる少女の行く末は、八千年前の滅びの再演か 新たな伝説の幕開けか、そんなものは 育ててみないと分からない
【小説家になろうとカクヨムにも同時に連載しております】
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる