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21話 新生エリーゼちゃん1
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「あなた達も迷惑をかけたのですから、ちゃんと謝りなさい。政府の指示とはいえ、条約を破っていることは理解していたはずです」
寛人おじさんに連れられてきた信号機トリオはこれにて無事に引き渡しとなった。
食費と宿泊代を請求しないだけ、ありがたいと思ってもらいたい。
「ご、ごめんなさい」
「ご飯はとても美味しかったわ。また来てもいいかな」
「あの部屋、全然魔法使えなかったの。どうなってるのよ?」
高校生ぐらいの女の子達がキャッキャと騒いでいる。信号機トリオの変身前姿ということか。
「変身してないと誰が誰だかわからないな。それでも、おまえ達が捕虜になってくれたおかげで有意義な交渉になったと思う。門を開いたことは許さないが、ほんの少しだけ感謝しよう」
こちらとしては、ゆくゆくはエリーゼ一人に門の管理をさせて、魔力回復が可能な魔法の種が手に入ればまずまずの成果といえる。
門から出てくるモンスターが強力だったら、そうもいかなかったと思うのでとりあえずホッとしている。
「つ、月野様、コイツです! ミルキーとリリスを殴ったの」
「言葉をつつしみなさい。私は謝りなさいと言ったはずです。言うことを聞けないのであれば、問答無用で魔法監獄に投獄します」
「も、申し訳ございませんでした。って、あれっ、私ちゃんと謝ったのにー」
「す、すみませんでした」
「うぅ、何でこんなに怒られるのよ。あ、謝るわよ。ご、ごめんなさいってば」
そして、どうやらパイロットのことについては特段触れられていない。情報がまだ入っていないのかもしれない。
昨日のことだし、朱里姉さんもまだ魔道飛行機の情報をとれていないだろうし、とりあえず黙っておく方向っぽいな。父さんも何も言わないし。
そもそも彼女は島まで空中浮遊で来ている。パイロット回収を考えているなら船か飛行機になるだろう。
「それでは門へ向かいましょうか」
「ええ、ご案内お願いします」
魔法少女達も変身すると、大人しく後ろをついてくる。月野さんが居れば大人しくしてそうなので面倒くさいことにはならなそうだ。
ゆっくりと飛びながら、早速もらった魔法の種を手のひらで魔法を使って煎じていく。これを水筒のお湯と混ぜ合わせることで、いとも簡単に魔力ポーションの完成となる。
鑑定結果からも、ちゃんと魔力ポーションとなっているので、多分魔力がほぼ無いであろうエリーゼに飲ませよう。どのくらい回復するのか調べなくてはならない。
「到着しました。あそこに見えているのが異界の門です」
「あれがそうなのね。見た感じは内海の門と同じような感じかしら」
どうやらこちらの姿を見つけたらしいエリーゼが両手をブンブン振って挨拶をしている。月野は直属の上司にあたるのだろうし、憧れの先輩と話していたっけか。
「月野様、エリーゼ頑張ってミッションを成功させてるですよ」
「そうね。問題を起こした三人組の魔法少女とは雲泥の差だわ。あなたには新しい魔法のステッキをプレゼントするわ」
「ブーブー!」
「や、やめなってば」
月野さんに聞こえないように悪態をついているのは赤い衣装のリリス。黄色のミルキーが一生懸命なだめている。
「こ、これは、シズクちゃん仕様限定オーロラステッキじゃないですか!? こ、こんな大事なものをエリーゼがもらって良いですか?」
「今回あなたには苦労をかけてしまったからそのお詫びよ。それに御剣家との関係もとても良いようで安心しました」
「はいです! こちらは友達になった星那です。藍之助の妹です」
「あら可愛らしい子ね。星那さん、エリーゼのことよろしくお願いしますわ」
僕はエリーゼにこっちに来るように合図を送る。とりあえず魔力ポーションを飲ませて、サラマンダーをエリーゼでも倒せる所をみせてあげようと思うのだ。そうすれば月野さんも安心するはずだからな。
「な、なんですかボス」
お前のボスになったつもりはない。が、まあいい。
「エリーゼ、これを飲め。それから、サラマンダーが出てきたら倒してみせるんだ」
「こ、これは、新しい薬ですか。エリーゼ、強くなるためには多少の中毒なら厭わないですよボス」
迷いもせずに、ごきゅごきゅと飲んでいくエリーゼを見ると少しだけ不安にさせられるが、特に悪いことをしている訳でもないので別にいいだろう。
これがきっと信頼関係の構築というやつなのだと思うんだ。
「あ、あれ、魔力が!? むがふむっ!」
「エリーゼ、余計なことを喋るな」
「ふが、ふぉす!」
敬礼ポーズで事情を察知したらしいエリーゼ。とりあえず、大丈夫だろう。
「ここで、戦える姿をみせて魔女を安心させるといい。エリーゼも、もう少しここで強くなりたいだろう?」
「ふぇい、ふぉす!」
そして、タイミングよく異界の門が開いていく。少しだけ開いて、出てくる小さな前足。よし、サラマンダーだ。
「よし、行け、エリーゼ」
「新生エリーゼちゃんの力をみせつけてやるです!」
寛人おじさんに連れられてきた信号機トリオはこれにて無事に引き渡しとなった。
食費と宿泊代を請求しないだけ、ありがたいと思ってもらいたい。
「ご、ごめんなさい」
「ご飯はとても美味しかったわ。また来てもいいかな」
「あの部屋、全然魔法使えなかったの。どうなってるのよ?」
高校生ぐらいの女の子達がキャッキャと騒いでいる。信号機トリオの変身前姿ということか。
「変身してないと誰が誰だかわからないな。それでも、おまえ達が捕虜になってくれたおかげで有意義な交渉になったと思う。門を開いたことは許さないが、ほんの少しだけ感謝しよう」
こちらとしては、ゆくゆくはエリーゼ一人に門の管理をさせて、魔力回復が可能な魔法の種が手に入ればまずまずの成果といえる。
門から出てくるモンスターが強力だったら、そうもいかなかったと思うのでとりあえずホッとしている。
「つ、月野様、コイツです! ミルキーとリリスを殴ったの」
「言葉をつつしみなさい。私は謝りなさいと言ったはずです。言うことを聞けないのであれば、問答無用で魔法監獄に投獄します」
「も、申し訳ございませんでした。って、あれっ、私ちゃんと謝ったのにー」
「す、すみませんでした」
「うぅ、何でこんなに怒られるのよ。あ、謝るわよ。ご、ごめんなさいってば」
そして、どうやらパイロットのことについては特段触れられていない。情報がまだ入っていないのかもしれない。
昨日のことだし、朱里姉さんもまだ魔道飛行機の情報をとれていないだろうし、とりあえず黙っておく方向っぽいな。父さんも何も言わないし。
そもそも彼女は島まで空中浮遊で来ている。パイロット回収を考えているなら船か飛行機になるだろう。
「それでは門へ向かいましょうか」
「ええ、ご案内お願いします」
魔法少女達も変身すると、大人しく後ろをついてくる。月野さんが居れば大人しくしてそうなので面倒くさいことにはならなそうだ。
ゆっくりと飛びながら、早速もらった魔法の種を手のひらで魔法を使って煎じていく。これを水筒のお湯と混ぜ合わせることで、いとも簡単に魔力ポーションの完成となる。
鑑定結果からも、ちゃんと魔力ポーションとなっているので、多分魔力がほぼ無いであろうエリーゼに飲ませよう。どのくらい回復するのか調べなくてはならない。
「到着しました。あそこに見えているのが異界の門です」
「あれがそうなのね。見た感じは内海の門と同じような感じかしら」
どうやらこちらの姿を見つけたらしいエリーゼが両手をブンブン振って挨拶をしている。月野は直属の上司にあたるのだろうし、憧れの先輩と話していたっけか。
「月野様、エリーゼ頑張ってミッションを成功させてるですよ」
「そうね。問題を起こした三人組の魔法少女とは雲泥の差だわ。あなたには新しい魔法のステッキをプレゼントするわ」
「ブーブー!」
「や、やめなってば」
月野さんに聞こえないように悪態をついているのは赤い衣装のリリス。黄色のミルキーが一生懸命なだめている。
「こ、これは、シズクちゃん仕様限定オーロラステッキじゃないですか!? こ、こんな大事なものをエリーゼがもらって良いですか?」
「今回あなたには苦労をかけてしまったからそのお詫びよ。それに御剣家との関係もとても良いようで安心しました」
「はいです! こちらは友達になった星那です。藍之助の妹です」
「あら可愛らしい子ね。星那さん、エリーゼのことよろしくお願いしますわ」
僕はエリーゼにこっちに来るように合図を送る。とりあえず魔力ポーションを飲ませて、サラマンダーをエリーゼでも倒せる所をみせてあげようと思うのだ。そうすれば月野さんも安心するはずだからな。
「な、なんですかボス」
お前のボスになったつもりはない。が、まあいい。
「エリーゼ、これを飲め。それから、サラマンダーが出てきたら倒してみせるんだ」
「こ、これは、新しい薬ですか。エリーゼ、強くなるためには多少の中毒なら厭わないですよボス」
迷いもせずに、ごきゅごきゅと飲んでいくエリーゼを見ると少しだけ不安にさせられるが、特に悪いことをしている訳でもないので別にいいだろう。
これがきっと信頼関係の構築というやつなのだと思うんだ。
「あ、あれ、魔力が!? むがふむっ!」
「エリーゼ、余計なことを喋るな」
「ふが、ふぉす!」
敬礼ポーズで事情を察知したらしいエリーゼ。とりあえず、大丈夫だろう。
「ここで、戦える姿をみせて魔女を安心させるといい。エリーゼも、もう少しここで強くなりたいだろう?」
「ふぇい、ふぉす!」
そして、タイミングよく異界の門が開いていく。少しだけ開いて、出てくる小さな前足。よし、サラマンダーだ。
「よし、行け、エリーゼ」
「新生エリーゼちゃんの力をみせつけてやるです!」
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