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104 ワイルドファングガチャ
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大量にワイルドファングを狩っているということはもちろん出るよね、ワイルドファングガチャ。
明日からは再び聖都に向けた旅がスタートするので、その前にガチャを回しておいてもいいかなとは思っている。
特訓が終わって大浴場で汗を流して部屋に戻ろうとしたところ、ルイーズから呼び止められた。
「ちょっと、ちょっと、ニールさんや」
「なんですか、ルイーズさんや」
「そろそろ、あれが出る頃合いかと思ってさー。ほらー、あれ、出てるんでしょー」
そう言って僕がガチャガチャを回すときの仕草を真似てくるルイーズ。どうやら、久しぶりのガチャ鑑賞会をご所望らしい。
「ふふ、実はね、新ガチャは出ているのだよ。ルイーズの予想通りワイルドファングガチャがね」
「おおー、やはり。つまり、かわいいワイルドファングちゃんが出てくるんだねー」
「どうだろうね。まあ、そっち系が出たらルイーズにあげるけど」
「うん、うん。ありかとねー」
魔物のきもかわグッズにすっかりはまってしまったルイーズのバッグにはぬいぐるみや缶バッジが付けられている。
魔物ガチャの場合、高確率でハズレの景品みたいなグッズが出てくるので、今回も何かしらのワイルドファンググッズが出るのではないかと思われる。
「アドリーシャにはまだ内緒だからねー、日中はガチャの話ができないしー」
日中はアドリーシャの特訓をしているので、もちろんガチャの話はしていない。目隠しはしててもさすがに耳まではふさげないからね。
ちなみに、目隠しはアドリーシャの集中力を高めるためでもあり、また僕がスピード解体をするのを見られないようにするためでもあった。
まあ、討伐に慣れていないアドリーシャは解体のスムーズさや綺麗さを全く気にしていなかったんだけどさ。
「よし、じゃあ、今夜はワイルドファングガチャを回してみようか。少しはポーション類も増やしておきたいしね」
となると、お借りしている部屋の鍵をしめて誰も入らないようにしたうえでガチャチャレンジだ。なるべく静かにしていれば扉近くに控えている神官さんに気づかれないと思う。
部屋に戻ってその話をしたら、もちろんみんな乗り気だ。ガチャガチャは見えないけど、不思議アイテムが出る可能性を秘めているだけに興味は高い。
「それで、ワイルドファングガチャはいくらのガチャなの?」
アルベロも我慢できずに質問してくる。ガチャは金額によってそのポテンシャルが変わってくるからね。
「小銀貨一枚だね」
「まあ、そうよね。ワイルドファングだものね」
ワイルドファングのランクはD。ランクDに銀貨ガチャも金貨ガチャも期待してはいけない。運が良くて魔法のスクロールだろう。
大きな広間のソファスペースにみんな集まってガチャの状況を気にしている。そして、現れたガチャガチャの前に陣取っているのはルリカラだ。
通常ガチャじゃないガチャは久し振りなので僕も少しだけ緊張している。
「では、はじめるね」
ソファに座っているみんなもテーブルの上にいるルリカラをじっとみつめている。ガチャは見えないけどガチャを見ているルリカラを通じて何かを感じようとしているのだろう。
ガチャガチャはワイルドファングの頭をモチーフにしたウルフカットのかっこいいガチャだ。そして回すハンドル部分は肉球デザインになっている。
小銀貨を一枚を投入すると、ワイルドファングの目が紅く光り、ワオオーンっと遠吠えをしてみせる。その遠吠えに反応するかのようにルリカラも吠える。
「何かなー、いい感じなのが来てるのー」
ルリカラの反応に一喜一憂するみんな。
すると、ルリカラの願いが通じたのか、それとも僕のガチャ運が最高潮に上向いているのか、今までになかった奇跡が起こる。
ガチャのウルフの髪は逆立ち、稲光の演出が入ると、ガチャガチャの上に暗雲がたちこめる。ワイルドファングが再びワオオーンと遠吠えをすると、何と頭が二つに分かれるではないか。
「こ、これは、オルトロスガチャに進化した!」
ガチャガチャにはワイルドファングと書かれていた場所が消されてオルトロスと上書きされている。
「えっ、どういうこと。ワイルドファングじゃなくてオルトロス!?」
まさかのワイルドファングからオルトロスガチャへの進化。小銀貨ガチャが進化することなんてあるのか。となると、このガチャのランクは一体どうなるのか。銀貨ガチャレベルの景品を期待してもいいのだろうか。
しかしながら僕のガチャ運はとどまるところを知らないらしく、信じられない奇跡が再び起こってしまう。
オルトロスの頭上に漂う暗雲から光が差してくる。
そう、これはレインボー。
アンビリーバボー、レインボー。
ここで、ガチャの最高峰ともいえる虹色演出がやってきたのだ。
ガチャガチャは虹色に包まれると、オルトロスの頭は更にもう一つ追加されていく。
ガチャに書かれているオルトロスの文字は消されて、そこへ新たな文字が浮かび上がる。
「こ、これは、ケルベロスガチャだ……」
明日からは再び聖都に向けた旅がスタートするので、その前にガチャを回しておいてもいいかなとは思っている。
特訓が終わって大浴場で汗を流して部屋に戻ろうとしたところ、ルイーズから呼び止められた。
「ちょっと、ちょっと、ニールさんや」
「なんですか、ルイーズさんや」
「そろそろ、あれが出る頃合いかと思ってさー。ほらー、あれ、出てるんでしょー」
そう言って僕がガチャガチャを回すときの仕草を真似てくるルイーズ。どうやら、久しぶりのガチャ鑑賞会をご所望らしい。
「ふふ、実はね、新ガチャは出ているのだよ。ルイーズの予想通りワイルドファングガチャがね」
「おおー、やはり。つまり、かわいいワイルドファングちゃんが出てくるんだねー」
「どうだろうね。まあ、そっち系が出たらルイーズにあげるけど」
「うん、うん。ありかとねー」
魔物のきもかわグッズにすっかりはまってしまったルイーズのバッグにはぬいぐるみや缶バッジが付けられている。
魔物ガチャの場合、高確率でハズレの景品みたいなグッズが出てくるので、今回も何かしらのワイルドファンググッズが出るのではないかと思われる。
「アドリーシャにはまだ内緒だからねー、日中はガチャの話ができないしー」
日中はアドリーシャの特訓をしているので、もちろんガチャの話はしていない。目隠しはしててもさすがに耳まではふさげないからね。
ちなみに、目隠しはアドリーシャの集中力を高めるためでもあり、また僕がスピード解体をするのを見られないようにするためでもあった。
まあ、討伐に慣れていないアドリーシャは解体のスムーズさや綺麗さを全く気にしていなかったんだけどさ。
「よし、じゃあ、今夜はワイルドファングガチャを回してみようか。少しはポーション類も増やしておきたいしね」
となると、お借りしている部屋の鍵をしめて誰も入らないようにしたうえでガチャチャレンジだ。なるべく静かにしていれば扉近くに控えている神官さんに気づかれないと思う。
部屋に戻ってその話をしたら、もちろんみんな乗り気だ。ガチャガチャは見えないけど、不思議アイテムが出る可能性を秘めているだけに興味は高い。
「それで、ワイルドファングガチャはいくらのガチャなの?」
アルベロも我慢できずに質問してくる。ガチャは金額によってそのポテンシャルが変わってくるからね。
「小銀貨一枚だね」
「まあ、そうよね。ワイルドファングだものね」
ワイルドファングのランクはD。ランクDに銀貨ガチャも金貨ガチャも期待してはいけない。運が良くて魔法のスクロールだろう。
大きな広間のソファスペースにみんな集まってガチャの状況を気にしている。そして、現れたガチャガチャの前に陣取っているのはルリカラだ。
通常ガチャじゃないガチャは久し振りなので僕も少しだけ緊張している。
「では、はじめるね」
ソファに座っているみんなもテーブルの上にいるルリカラをじっとみつめている。ガチャは見えないけどガチャを見ているルリカラを通じて何かを感じようとしているのだろう。
ガチャガチャはワイルドファングの頭をモチーフにしたウルフカットのかっこいいガチャだ。そして回すハンドル部分は肉球デザインになっている。
小銀貨を一枚を投入すると、ワイルドファングの目が紅く光り、ワオオーンっと遠吠えをしてみせる。その遠吠えに反応するかのようにルリカラも吠える。
「何かなー、いい感じなのが来てるのー」
ルリカラの反応に一喜一憂するみんな。
すると、ルリカラの願いが通じたのか、それとも僕のガチャ運が最高潮に上向いているのか、今までになかった奇跡が起こる。
ガチャのウルフの髪は逆立ち、稲光の演出が入ると、ガチャガチャの上に暗雲がたちこめる。ワイルドファングが再びワオオーンと遠吠えをすると、何と頭が二つに分かれるではないか。
「こ、これは、オルトロスガチャに進化した!」
ガチャガチャにはワイルドファングと書かれていた場所が消されてオルトロスと上書きされている。
「えっ、どういうこと。ワイルドファングじゃなくてオルトロス!?」
まさかのワイルドファングからオルトロスガチャへの進化。小銀貨ガチャが進化することなんてあるのか。となると、このガチャのランクは一体どうなるのか。銀貨ガチャレベルの景品を期待してもいいのだろうか。
しかしながら僕のガチャ運はとどまるところを知らないらしく、信じられない奇跡が再び起こってしまう。
オルトロスの頭上に漂う暗雲から光が差してくる。
そう、これはレインボー。
アンビリーバボー、レインボー。
ここで、ガチャの最高峰ともいえる虹色演出がやってきたのだ。
ガチャガチャは虹色に包まれると、オルトロスの頭は更にもう一つ追加されていく。
ガチャに書かれているオルトロスの文字は消されて、そこへ新たな文字が浮かび上がる。
「こ、これは、ケルベロスガチャだ……」
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