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76 レア採掘ガチャ1
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場所を応接室に移してガチャを回す。やはり、みんなそこまで酔ってはいない。みんなガチャに興味津々なのだ。
多分、ガチャガチャの機械は僕とルリカラしか見えないだろう。
それでも、ガチャの景品は見れるから参加してる感じは楽しめるだろう……と思う。
さて、採掘ガチャ頼むよ。スケルトンガチャだけは勘弁願いたい。マハリトをいっぱい出すんだ。
「おおお、こ、これは……」
「どうしましたか、ニールさん」
大量の小銀貨を僕の近くに持ってきたカルメロさんが僕の驚きを気にしている。
「いえ、それが、予想外の新しいガチャだったので」
「新しいガチャですか。そ、それは」
「レア採掘ガチャです」
「レア採掘ガチャ!」
レアという言葉に他のみんなも反応している。昨日回した採掘ガチャの一段階上のものと考えていいだろう。これならマハリトも出そうだよね。
採掘量や金額からしたら昨日のミスリル鉱石の方が圧倒的に高いはず。しかしながら、ガチャにレアの文字がついているということはアダマンタイトのレア度が反映されてのガチャということだ。
「そうなると、小銀貨ガチャではないのですか?」
頑張って運び入れた小銀貨が無駄になってしまうのかと思ったカルメロさんはちょっと残念そうな顔をしている。
「いえ、このガチャは小銀貨二枚で回すガチャのようです」
現れたガチャガチャの機械は昨日の採掘ガチャと同じ形をしていながら、そのボディはシルバーに輝いている。
投入口には小銀貨のマークと枚数二枚との表記。コインを二枚入れて回すパターンははじめてだ。つまり、二千円ガチャということか。
「小銀貨二枚ということは、その分、昨日のガチャよりもいいということよね?」
そう確かめるように言ったのはアルベロだ。きっとマハリトの出る確率を気にしているのだろう。それは僕も気になるところ。
「どうだろうね。とりあえず十回分を回してみようか」
カルメロさんが用意してくれた小銀貨を使わせてもらいガチャを回していく。
お金を気にすることなくガチャを回すのははじめてのことだ。ここは何とかして結果を出したい。
マハリト、マハリト、マハリト。とにかく、この十回で一つはマハリトのスクロールを出したい。そうすればこのガチャに負けはないのだ。最悪二十回で一つでもプラマイゼロ。
今回のガチャでは、マハリト一本を銀貨二枚でカルメロさんが交換してくれる。
十回まわすと小銀貨十枚、つまり銀貨一枚分になるので、マハリトが出れば銀貨一枚分のプラスになるのだ。目の前には五百回は回せる小銀貨が山のように積んである。
十回までにマハリト。十回までにマハリトを。
コイン投入口に小銀貨を二枚入れると、ガチャの採掘場から昨日と同様に入口が光ると何かが現れる。人型ではあるが、これはスケルトンではない。
グールなのだろう。腐った体を引きずるように血走った紅い目をしながら歩いてくる。片方の目玉は飛び出していて、ぶらんぶらんと揺れている。
グールの実物をまだ見ていないけど、結構えぐい容姿をされてらっしゃる。暗闇から急にこんなのが現れたら絶対にこわいよ。
スケルトンと違って悪臭もするって聞くし、このまま出会わずに王都へ戻りたいと思う。
そしてガチャから何かが現れると気になるのはルリカラだ。僕とガチャガチャの機械の間に立ち臨戦態勢をとっている。
とってはいるものの、その肉球は動かない。グールを凝視してその手? いや、足は止まっている。
「ルリカラちゃんどうしたのー?」
「あっ、いや、ガチャからグールが出てきてね……」
「ガチャからグール!?」
「あっ、違う違う。その演出的なやつで、本物のグールじゃないんだ」
「そ、そうなのー。あっ、ルリカラちゃん、スケルトンは大丈夫なんだけどー、グールは臭いが苦手みたいでずっと隠れてたよー」
「なるほど、だからかー」
スケルトン相手には遊んでいたものの、相手が臭いグールとなると躊躇しているらしい。
しかしながら、ガチャから出てきたグールから特に変な臭いは感じない。そもそも演出であって魔物とは違うと思うんだよね。
まあ、ここはルリカラの邪魔が入らないということで、ガチャを進めさせてもらおうか。
「では、回します」
みんなが注目する中、一回、二回と回すとグールが寸劇を始めだす。これはスケルトンの時と同じようだ。
一体の魔法使いっぽいマントをまとったグールが呪文を唱えながら杖を振るう。
すると、まるで爆発に巻き込まれたかのように吹き飛ぶグール。肉は吹き飛び、骨が剥き出しとなり、何なら骨も吹き飛ぶ。ん? い、いや、これは、グールではなくスケルトンだ!
何と吹き飛んだのはグールの衣装を着たスケルトンだったのだ。
カタカタカタカタと騙されただろと言わんばかりに笑っているような気がする。
これには、グールはちょっと触りたくないと思っていたルリカラも大興奮。勢い余って全てのスケルトンを弾き飛ばしてみせた。
ガチャからある程度離れるとスケルトンたちはポフンっと煙になって消えてしまい、再び採掘ガチャの入り口から現れる。仕組みがよくわからないけど、一応は無事らしい。
急に動きはじめたルリカラを見て「何が起こっているの。解説してよ」というアルベロの強い視線を感じるけど、この寸劇をどう説明すればいいのか僕にはわからない。
しかしながら、目の前にアイテムが現れたら何が起ったのか理解する。カルメロさんは突如現れたスクロールにものすごく興奮している。
「そ、それは、スクロールですか!」
「あっ、はい。いきなり大当たりでした。マハリトです」
「とんでもないスキルですね! 本当にお金と引き換えにスクロールが出てくるなんて……」
ということで、その後連続で回した十回分の結果発表といこうか。
●マハリトのスクロール×二本
●清浄のスクロール×三本
●光玉のスクロール×三本
●聖水×一本
●スケルトン必中の石×一個
さすがはレア採掘ガチャだ。回した限り、ただの採掘ガチャよりも圧倒的にいい。マハリトのスクロールが二本も出てしまった。
これは本当に一銭も払わずに全部回せそうだよ。
多分、ガチャガチャの機械は僕とルリカラしか見えないだろう。
それでも、ガチャの景品は見れるから参加してる感じは楽しめるだろう……と思う。
さて、採掘ガチャ頼むよ。スケルトンガチャだけは勘弁願いたい。マハリトをいっぱい出すんだ。
「おおお、こ、これは……」
「どうしましたか、ニールさん」
大量の小銀貨を僕の近くに持ってきたカルメロさんが僕の驚きを気にしている。
「いえ、それが、予想外の新しいガチャだったので」
「新しいガチャですか。そ、それは」
「レア採掘ガチャです」
「レア採掘ガチャ!」
レアという言葉に他のみんなも反応している。昨日回した採掘ガチャの一段階上のものと考えていいだろう。これならマハリトも出そうだよね。
採掘量や金額からしたら昨日のミスリル鉱石の方が圧倒的に高いはず。しかしながら、ガチャにレアの文字がついているということはアダマンタイトのレア度が反映されてのガチャということだ。
「そうなると、小銀貨ガチャではないのですか?」
頑張って運び入れた小銀貨が無駄になってしまうのかと思ったカルメロさんはちょっと残念そうな顔をしている。
「いえ、このガチャは小銀貨二枚で回すガチャのようです」
現れたガチャガチャの機械は昨日の採掘ガチャと同じ形をしていながら、そのボディはシルバーに輝いている。
投入口には小銀貨のマークと枚数二枚との表記。コインを二枚入れて回すパターンははじめてだ。つまり、二千円ガチャということか。
「小銀貨二枚ということは、その分、昨日のガチャよりもいいということよね?」
そう確かめるように言ったのはアルベロだ。きっとマハリトの出る確率を気にしているのだろう。それは僕も気になるところ。
「どうだろうね。とりあえず十回分を回してみようか」
カルメロさんが用意してくれた小銀貨を使わせてもらいガチャを回していく。
お金を気にすることなくガチャを回すのははじめてのことだ。ここは何とかして結果を出したい。
マハリト、マハリト、マハリト。とにかく、この十回で一つはマハリトのスクロールを出したい。そうすればこのガチャに負けはないのだ。最悪二十回で一つでもプラマイゼロ。
今回のガチャでは、マハリト一本を銀貨二枚でカルメロさんが交換してくれる。
十回まわすと小銀貨十枚、つまり銀貨一枚分になるので、マハリトが出れば銀貨一枚分のプラスになるのだ。目の前には五百回は回せる小銀貨が山のように積んである。
十回までにマハリト。十回までにマハリトを。
コイン投入口に小銀貨を二枚入れると、ガチャの採掘場から昨日と同様に入口が光ると何かが現れる。人型ではあるが、これはスケルトンではない。
グールなのだろう。腐った体を引きずるように血走った紅い目をしながら歩いてくる。片方の目玉は飛び出していて、ぶらんぶらんと揺れている。
グールの実物をまだ見ていないけど、結構えぐい容姿をされてらっしゃる。暗闇から急にこんなのが現れたら絶対にこわいよ。
スケルトンと違って悪臭もするって聞くし、このまま出会わずに王都へ戻りたいと思う。
そしてガチャから何かが現れると気になるのはルリカラだ。僕とガチャガチャの機械の間に立ち臨戦態勢をとっている。
とってはいるものの、その肉球は動かない。グールを凝視してその手? いや、足は止まっている。
「ルリカラちゃんどうしたのー?」
「あっ、いや、ガチャからグールが出てきてね……」
「ガチャからグール!?」
「あっ、違う違う。その演出的なやつで、本物のグールじゃないんだ」
「そ、そうなのー。あっ、ルリカラちゃん、スケルトンは大丈夫なんだけどー、グールは臭いが苦手みたいでずっと隠れてたよー」
「なるほど、だからかー」
スケルトン相手には遊んでいたものの、相手が臭いグールとなると躊躇しているらしい。
しかしながら、ガチャから出てきたグールから特に変な臭いは感じない。そもそも演出であって魔物とは違うと思うんだよね。
まあ、ここはルリカラの邪魔が入らないということで、ガチャを進めさせてもらおうか。
「では、回します」
みんなが注目する中、一回、二回と回すとグールが寸劇を始めだす。これはスケルトンの時と同じようだ。
一体の魔法使いっぽいマントをまとったグールが呪文を唱えながら杖を振るう。
すると、まるで爆発に巻き込まれたかのように吹き飛ぶグール。肉は吹き飛び、骨が剥き出しとなり、何なら骨も吹き飛ぶ。ん? い、いや、これは、グールではなくスケルトンだ!
何と吹き飛んだのはグールの衣装を着たスケルトンだったのだ。
カタカタカタカタと騙されただろと言わんばかりに笑っているような気がする。
これには、グールはちょっと触りたくないと思っていたルリカラも大興奮。勢い余って全てのスケルトンを弾き飛ばしてみせた。
ガチャからある程度離れるとスケルトンたちはポフンっと煙になって消えてしまい、再び採掘ガチャの入り口から現れる。仕組みがよくわからないけど、一応は無事らしい。
急に動きはじめたルリカラを見て「何が起こっているの。解説してよ」というアルベロの強い視線を感じるけど、この寸劇をどう説明すればいいのか僕にはわからない。
しかしながら、目の前にアイテムが現れたら何が起ったのか理解する。カルメロさんは突如現れたスクロールにものすごく興奮している。
「そ、それは、スクロールですか!」
「あっ、はい。いきなり大当たりでした。マハリトです」
「とんでもないスキルですね! 本当にお金と引き換えにスクロールが出てくるなんて……」
ということで、その後連続で回した十回分の結果発表といこうか。
●マハリトのスクロール×二本
●清浄のスクロール×三本
●光玉のスクロール×三本
●聖水×一本
●スケルトン必中の石×一個
さすがはレア採掘ガチャだ。回した限り、ただの採掘ガチャよりも圧倒的にいい。マハリトのスクロールが二本も出てしまった。
これは本当に一銭も払わずに全部回せそうだよ。
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