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57 王都へ帰ろう
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とりあえずアダマンタイトについてはおいおい考えることにして、僕たちは翌日の馬車で王都へと戻ることにした。
というのも、宵の月亭のおかみさんに伝えていた日付がそろそろ近づいていたからだ。もちろん、いろいろなことがあったので多少遅れても大丈夫だとは思う。
シーデーモンが現れたり、それで僕が寝込んだりとかイレギュラーがあったものの、その僕も回復したし、昨日から冒険者の行き来も解除されたので、まぁ、帰ろうかとなった。
「それで、何か用かにゃ?」
「あっ、はい。いろいろとお世話になったキャットアイさんに贈り物といいますか」
「お金はいらないにゃ」
お金が一番喜びそうなキャットアイさんにしては珍しい。しかしながら、後輩からお金をもらうほど昼寝はしないということなのだろうか。
「いえ、お金じゃなくてですね」
「何にゃ?」
「ちょっと入手先は言えないんですけど、猫人族専用の装備を手に入れたでよかったらと思って」
「これはブーツかにゃ?」
「はい。プジョーブーツといって敏捷アップに持久力アップが付いています」
「ちょっと履かせてもらうにゃ」
ブーツはキャットアイさんの足のサイズにぴったりの大きさにフィットしていく。これも魔法の恩恵とかなのだろうか。
「どうですか?」
「これを貰っていいにゃ?」
「はい。いろいろとお世話になっているので」
「売ったら白金貨数枚はくだらない代物にゃ。これをどこで手に入れたのかは教えないにゃ? アルベロの弓もルイーズのレイピアもにゃ?」
す、するどいな。アルベロの弓については目の前で見ていたからわかるけど、ルイーズは後方で連絡役をやっていたわけで知っているとは思わなかった。
「はい、秘密です」
「残念にゃ。では、このプジョーブーツはありがたく頂くとするにゃ。でも、これでは貰いすぎだから、貸しを一つあげるにゃ」
「貸し一つですか」
「ニールが困った時に手を貸すにゃ」
バブルラグーンに移籍をするような話もあったと思うんだけど。
「キャットアイさんはバブルラグーンに移籍しないんですね」
「しばらくは王都のギルドと契約が残っているにゃ。それが終わったら考えてみるにゃ」
なるほど。キャットアイさんクラスの冒険者ともなると冒険者ギルドと契約を結ぶらしい。
しかしながら、今回のような魔物の襲来があったことを考えると、高ランクの冒険者と冒険者ギルドが契約を結ばざるを得ないのは当たり前のことのように思える。
まあ、僕には無縁の話だと思うけどね。可能性があるとしたらアルベロだろうか。彼女もBランクが近づいてきている気がしないでもない。
「また面白い装備が手に入ったら是非教えてほしいにゃ」
「そうですね。了解しました」
アルベロと僕は新しい指輪を手に入れたわけだけど、パーティメンバーでもないキャットアイさんにわざわざ教える必要はないだろう。
ガチャの装備は性能もそうだけど、切り札にもなる。
「ニールたちはいつ帰るにゃ?」
「僕たちは明日の馬車で戻ることにしました。キャットアイさんは?」
「もう一日ゆっくりするにゃ」
「そういえば海鮮を満喫してないって言ってましたもんね」
キャットアイさんがバブルラグーンに到着してすぐに緊急事態になってしまったので、屋台もほとんど閉まっていたからね。
今日あたりからほとんどの屋台が開いているし、カニ料理もたっぷり堪能できるだろう。
「それでは、先に王都に戻っていますね」
「またにゃ」
今夜はまたしても僕のランクアップを二人がお祝いしてくれるとのことで、バブルラグーンで一番人気のレストランを予約してくれた。
本当に数日でDランクになってしまった。今ならダンパーも楽に倒せるだろう。
魔素が馴染んできてから体はとても軽く、身体能力が自分でもわかるほどに上昇している。
早く魔物と戦ってみたいという、今までの僕からしたら考えられないような気持ちが沸々と沸き起こっている。
こういうのが慢心というのだろうね。僕一人だったらきっと調子に乗っちゃうところだけど、仲間がいるからまだ自制できる。
そもそも二人の方が僕よりランクが上だからね。でも、その二人に少しだけど近づいていることがやっぱりうれしい。
魔物と戦いたいというより、二人の足を引っ張らないで戦えるようになりたいということなのかもしれない。
インベントリだけでなく、戦闘面でも力になれていると実感することで、はじめてこのパーティにおける自分の居場所を手に入れられた気がするんだ。
だから、僕は戦いたいのかもしれない。
二人はきっとそんなことは思ってないだろうけど。
ちなみに、夜に食べたお祝いのバブルクラブのステーキはとても美味しかった。値段はそれなりにしたけど、お金に困っていない僕たちは散財した。翌日は移動だけだからとお酒もいっぱい飲んだ。
馬車の移動で何度も吐くことになるとは思わずに。
というのも、宵の月亭のおかみさんに伝えていた日付がそろそろ近づいていたからだ。もちろん、いろいろなことがあったので多少遅れても大丈夫だとは思う。
シーデーモンが現れたり、それで僕が寝込んだりとかイレギュラーがあったものの、その僕も回復したし、昨日から冒険者の行き来も解除されたので、まぁ、帰ろうかとなった。
「それで、何か用かにゃ?」
「あっ、はい。いろいろとお世話になったキャットアイさんに贈り物といいますか」
「お金はいらないにゃ」
お金が一番喜びそうなキャットアイさんにしては珍しい。しかしながら、後輩からお金をもらうほど昼寝はしないということなのだろうか。
「いえ、お金じゃなくてですね」
「何にゃ?」
「ちょっと入手先は言えないんですけど、猫人族専用の装備を手に入れたでよかったらと思って」
「これはブーツかにゃ?」
「はい。プジョーブーツといって敏捷アップに持久力アップが付いています」
「ちょっと履かせてもらうにゃ」
ブーツはキャットアイさんの足のサイズにぴったりの大きさにフィットしていく。これも魔法の恩恵とかなのだろうか。
「どうですか?」
「これを貰っていいにゃ?」
「はい。いろいろとお世話になっているので」
「売ったら白金貨数枚はくだらない代物にゃ。これをどこで手に入れたのかは教えないにゃ? アルベロの弓もルイーズのレイピアもにゃ?」
す、するどいな。アルベロの弓については目の前で見ていたからわかるけど、ルイーズは後方で連絡役をやっていたわけで知っているとは思わなかった。
「はい、秘密です」
「残念にゃ。では、このプジョーブーツはありがたく頂くとするにゃ。でも、これでは貰いすぎだから、貸しを一つあげるにゃ」
「貸し一つですか」
「ニールが困った時に手を貸すにゃ」
バブルラグーンに移籍をするような話もあったと思うんだけど。
「キャットアイさんはバブルラグーンに移籍しないんですね」
「しばらくは王都のギルドと契約が残っているにゃ。それが終わったら考えてみるにゃ」
なるほど。キャットアイさんクラスの冒険者ともなると冒険者ギルドと契約を結ぶらしい。
しかしながら、今回のような魔物の襲来があったことを考えると、高ランクの冒険者と冒険者ギルドが契約を結ばざるを得ないのは当たり前のことのように思える。
まあ、僕には無縁の話だと思うけどね。可能性があるとしたらアルベロだろうか。彼女もBランクが近づいてきている気がしないでもない。
「また面白い装備が手に入ったら是非教えてほしいにゃ」
「そうですね。了解しました」
アルベロと僕は新しい指輪を手に入れたわけだけど、パーティメンバーでもないキャットアイさんにわざわざ教える必要はないだろう。
ガチャの装備は性能もそうだけど、切り札にもなる。
「ニールたちはいつ帰るにゃ?」
「僕たちは明日の馬車で戻ることにしました。キャットアイさんは?」
「もう一日ゆっくりするにゃ」
「そういえば海鮮を満喫してないって言ってましたもんね」
キャットアイさんがバブルラグーンに到着してすぐに緊急事態になってしまったので、屋台もほとんど閉まっていたからね。
今日あたりからほとんどの屋台が開いているし、カニ料理もたっぷり堪能できるだろう。
「それでは、先に王都に戻っていますね」
「またにゃ」
今夜はまたしても僕のランクアップを二人がお祝いしてくれるとのことで、バブルラグーンで一番人気のレストランを予約してくれた。
本当に数日でDランクになってしまった。今ならダンパーも楽に倒せるだろう。
魔素が馴染んできてから体はとても軽く、身体能力が自分でもわかるほどに上昇している。
早く魔物と戦ってみたいという、今までの僕からしたら考えられないような気持ちが沸々と沸き起こっている。
こういうのが慢心というのだろうね。僕一人だったらきっと調子に乗っちゃうところだけど、仲間がいるからまだ自制できる。
そもそも二人の方が僕よりランクが上だからね。でも、その二人に少しだけど近づいていることがやっぱりうれしい。
魔物と戦いたいというより、二人の足を引っ張らないで戦えるようになりたいということなのかもしれない。
インベントリだけでなく、戦闘面でも力になれていると実感することで、はじめてこのパーティにおける自分の居場所を手に入れられた気がするんだ。
だから、僕は戦いたいのかもしれない。
二人はきっとそんなことは思ってないだろうけど。
ちなみに、夜に食べたお祝いのバブルクラブのステーキはとても美味しかった。値段はそれなりにしたけど、お金に困っていない僕たちは散財した。翌日は移動だけだからとお酒もいっぱい飲んだ。
馬車の移動で何度も吐くことになるとは思わずに。
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