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第10章 エルフの試練
2 与えられた部屋
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イリヤさんに連れられて私たちはいくつもの階段を上がってかなり上階の奥の一室に通された。黒猫君曰くここは2階の北側になるらしい。この上のどこかに前に黒猫君が戦った謁見の間があるんだって。
「こちらがお二人の部屋になります。必要な時にはこちらのベルでいつでもお呼び下さいませ」
そう言って深々とお辞儀をしたメイド長のイリヤさんが部屋を出ていくとそこには黒猫君と私の二人だけが残された。部屋は今まで泊まったことのあるどんなホテルよりも豪華だ。扉を開いて入った所は応接間のようになってて素敵なソファーセットの向こう側の細長く開いた背の高い窓にはカーテンがかけられていた。
コーヒーテーブルの上には可愛らしい花のブーケが飾られ、窓際には飾り棚まである。中にはいくつかの真鍮細工とそして──
「本だ、黒猫君この部屋本まである!」
私が黒猫君に降ろしてもらって杖をつきながら壁際の飾り棚に飛びつくと黒猫君が苦笑いしながら右奥に続く扉の先を覗いてる。
部屋に置かれていたのは『ナンシー街歩き』って本と『建国王物語』、そしてもう一冊にはタイトルがない。私はまず『ナンシー街歩き』を手に取ってぺらぺらとページを繰りながら軽く目を通していく。不思議なものでそのほとんどは日本語で読めるのにたまに人名なんかだけが英語表記になってた。
「あゆみちょっと来い」
しばらくして黒猫君が隣の部屋から声を掛けてきた。
「待って今行くから」
取り敢えず本はそのまま戻して黒猫君の声がした部屋に向かうと黒猫君がベッドの上でごろ寝してる。
「あゆみ、これすげえ。来てみろ」
ベッドに転がった黒猫君が少し目を輝かせてた。
すごいのは見ただけで分かる。部屋に置かれたそれはそれは大きなベッドが奥の部屋の殆どを占めていた。兵舎のベッドがセミダブルくらいのサイズがあると思ってたけどこれ、その倍近くない!?
しかも白を貴重にしたベッドメイキングが目に痛いほどで天井からも淡い緑の布が左右に垂れている。一種の天蓋って言う奴なのかな?
ベッドのせいで狭いと思ったけどそれでも部屋にはワードローブがあった。ワードローブ。うわ、こっちで初めて見た。引き出しもついてる。
「凄いお部屋だね。これ私たちだけで使うのもったいない気がするよ」
横にもう一つ扉が付いてるのはどうやらそこの先にまだ部屋があるらしい。ちょっと開けて見ると──
「黒猫君! この部屋お風呂とトイレがついてる!」
「いいからこっちに来いって」
「だってお風呂とトイレだよ!?」
「分かったからこのベッド乗ってみろって」
なんだかやたらベッドに固執する黒猫君に怪訝な思いで振り返りベッドに乗ってみると!
「へ、何これ?」
「だから言っただろう、こっち来いって」
普通のベッドを想像して杖をベッドの端に立てかけてベッドの端に乗っかった私はついた膝と手の下のすごく不思議な感触に素っ頓狂な声を上げた。ズルズルとベッドの上を這って黒猫君の所まで行くと黒猫君がベッドの上で身体を揺らせてる。
「これまるでウォーターベッドだな。あれだろ、前に兵舎にあったスライムのソファー。あれのベッド版だな」
「ああ、あれね。だからなんか既視感があったんだ」
私も黒猫君の横でちょっと身体を弾ませてみる。ポヨンポヨンと身体の振動ごとベッドが上下に揺れて体の衝撃を全部包み込んだ。
「これって寝心地いいのかな?」
「好き好きはあるんじゃねーの? ま、寝て見りゃ分かるだろ」
「でもいくら休んでろって言われたからってこんな時間から寝ちゃうのはダメだよね?」
「だからってイアンのおっさんの所に今から行くのは嫌だぞ」
「賛成。私もそれは嫌だ」
来たばっかりでそこまで頭を使うのはご遠慮したい。私が賛成して手をあげると黒猫君がちょっとニヤリとして横向きに寝っ転がりながら私を見た。
「珍しいな。優等生のあゆみが仕事したくないってのは」
「別に優等生してるつもりはないよ。やらなきゃいけないことはやらないと……目立つから」
そう。私は決して正義感でなんでもやってるわけじゃない。人としてしなければいけないことをするのは当たり前だと思うけど、その当たり前の理由はしなかった時に受ける周りからの目なんだと思う。私はそれに耐えられないんだよね。
「そっか。じゃあ俺と一緒にさぼるなら目立たねーからいいな」
「え、それはダメだよ。キールさんの秘書官が二人していつもさぼってるとか目立つから」
私の言葉に黒猫君がニヤニヤしてる。
「そんなのはあいつの人選が悪かったって思わせときゃいい。大体俺だってやらなきゃならないことほったらかすつもりはねーぞ。ただ、たまにはこうやってお前と二人でゴロゴロしてんのだって大事だってだけだ」
そう言って。黒猫君の顔が近づいてくる。ごく自然にキスされて。うーん、マズい。私全然嫌じゃなくなっちゃったよ。それどころか結構嬉しい。黒猫君が凄く自然で。当たり前に私に甘いのがかなり気持ちよくなってきちゃってる。
黒猫君のキスを抵抗もなく私が受け入れてると、フッとキスを離した黒猫君の顔がすぐ近くで私を見つめてた。
「あゆみ、あのな。折角時間もあるし、本当だったらもう少しこう、一緒に楽しみたいんだけどな」
ちょっとなんかイライラした様子の黒猫君がそこで言葉を止めて。突然身をひるがえしたかと思うとベッドのすぐ横の壁に思いっきり蹴りを入れた。
「ギャッ!」
「いい加減にしろよ!」
「え!?」
突然の事に一体何が起きたのか分からない。黒猫君が思いっきり蹴り込んだ壁がベコンと後ろに下がって壁の一部が扉みたいに開いてた。その後ろはなんかちょっと暗闇担ってる。そこから頭を撫でながら短い金髪の見慣れた顔が現れた。
「え、エミールさん!?」
「お前、このまま覗くつもりだったろ、いい加減にしろよな」
「あ~あ。ネロ君が相手じゃ見つかっちゃうか。折角二人がどのくらい進展してるのか見せてもらおうと思ってたんだけどね」
扉の向こうから現れたエミールさんは今のドタバタがまるっきり存在しなかったような優美な仕草で部屋に入ってくる。
「前にここで攻防戦やった時にここ通っただろうが。お前の事だからまさかって思ったが本気でやられるとは思わなかったぞ」
「そんな細かいことすぐに忘れればいいのに」
「の、覗くつもりだったんですか?」
「いや、あわよくば入れてもらおうかなあって」
テヘペロ顔で言うけど何考えてるのエミールさん!
「俺も大概倫理観に欠けてるとは思うけどな、お前には負けるぞ」
黒猫君が呆れた顔で腰に手を当ててエミールさんを睨んでる。
「この通路今すぐ閉じろ。もっと部屋の手前から両側だ。今すぐ!」
「わ、分かったよ。今人を呼んでやらせるから君たちはまあ遠慮なく続けたまえ」
「そう言って部屋の椅子に座って居座ろうとするな! 出てけ!」
「酷いなぁ。これでもこの城の主だよ僕は。君たちのこの部屋を準備したのだって僕なんだからな」
「領主がのぞきのまねなんてしてんじゃねー!」
「エミールさん、私も流石にこれは良くないと思います」
私も流石に今回は文句言っておく。こんなの何回もされたらここに住むの絶対やだ。それを聞いたエミールさんが突然ショックに打たれたように顔を歪ませてベッドの横に跪いた。
「ああ僕の小鳥ちゃん。君を驚かせるつもりじゃなかったんだよ。このネロ君が見つけなければ僕は誰にも知られずに退散するはずだったんだから」
「エミールさん、それよっぽどひどいから。もうしないって約束してください」
「うん、僕の可愛い小鳥ちゃんのスウィートなお願いだ。もちろん約束するよ。じゃあネロ君、小鳥ちゃん、後でまた会おうね。アデュ!」
「待て! そこから出てくな、あっちのドアから出てけ!」
黒猫君に追い立てられてエミールさんが部屋の入り口から出ていった頃、私はつい好奇心に駆られて開いた部屋の隠し扉から中を覗き込んでた。
「あゆみ、まさかお前までそこから出入りする気じゃねーよな」
「あ、黒猫君。うんうん、ただちょっとこれ誰か全部どこに繋がってるか知ってるのかなぁって。折角の通路だから閉じちゃうよりは使い道を考えた方がいいかもね」
「……お前変な所現実的なのな」
「だってお城で抜け道だよ? なんか楽しそうだし」
「俺はこっちの方が楽しそう」
そう言った黒猫君はいつの間にか私のすぐ横に立って扉を片手で閉めながら私を一緒に壁際に押し付けた。黒猫君と壁に挟まれて見上げる黒猫君の顔に少しドキドキしてしまう。
「まあ、他にもやること結構あるし今はちょっとだけな」
そう言って黒猫君の顔が下りてきて。壁と黒猫君に挟まれながら私はその狭い世界も結構幸せだなどと思いながらキスを受け取った。
「こちらがお二人の部屋になります。必要な時にはこちらのベルでいつでもお呼び下さいませ」
そう言って深々とお辞儀をしたメイド長のイリヤさんが部屋を出ていくとそこには黒猫君と私の二人だけが残された。部屋は今まで泊まったことのあるどんなホテルよりも豪華だ。扉を開いて入った所は応接間のようになってて素敵なソファーセットの向こう側の細長く開いた背の高い窓にはカーテンがかけられていた。
コーヒーテーブルの上には可愛らしい花のブーケが飾られ、窓際には飾り棚まである。中にはいくつかの真鍮細工とそして──
「本だ、黒猫君この部屋本まである!」
私が黒猫君に降ろしてもらって杖をつきながら壁際の飾り棚に飛びつくと黒猫君が苦笑いしながら右奥に続く扉の先を覗いてる。
部屋に置かれていたのは『ナンシー街歩き』って本と『建国王物語』、そしてもう一冊にはタイトルがない。私はまず『ナンシー街歩き』を手に取ってぺらぺらとページを繰りながら軽く目を通していく。不思議なものでそのほとんどは日本語で読めるのにたまに人名なんかだけが英語表記になってた。
「あゆみちょっと来い」
しばらくして黒猫君が隣の部屋から声を掛けてきた。
「待って今行くから」
取り敢えず本はそのまま戻して黒猫君の声がした部屋に向かうと黒猫君がベッドの上でごろ寝してる。
「あゆみ、これすげえ。来てみろ」
ベッドに転がった黒猫君が少し目を輝かせてた。
すごいのは見ただけで分かる。部屋に置かれたそれはそれは大きなベッドが奥の部屋の殆どを占めていた。兵舎のベッドがセミダブルくらいのサイズがあると思ってたけどこれ、その倍近くない!?
しかも白を貴重にしたベッドメイキングが目に痛いほどで天井からも淡い緑の布が左右に垂れている。一種の天蓋って言う奴なのかな?
ベッドのせいで狭いと思ったけどそれでも部屋にはワードローブがあった。ワードローブ。うわ、こっちで初めて見た。引き出しもついてる。
「凄いお部屋だね。これ私たちだけで使うのもったいない気がするよ」
横にもう一つ扉が付いてるのはどうやらそこの先にまだ部屋があるらしい。ちょっと開けて見ると──
「黒猫君! この部屋お風呂とトイレがついてる!」
「いいからこっちに来いって」
「だってお風呂とトイレだよ!?」
「分かったからこのベッド乗ってみろって」
なんだかやたらベッドに固執する黒猫君に怪訝な思いで振り返りベッドに乗ってみると!
「へ、何これ?」
「だから言っただろう、こっち来いって」
普通のベッドを想像して杖をベッドの端に立てかけてベッドの端に乗っかった私はついた膝と手の下のすごく不思議な感触に素っ頓狂な声を上げた。ズルズルとベッドの上を這って黒猫君の所まで行くと黒猫君がベッドの上で身体を揺らせてる。
「これまるでウォーターベッドだな。あれだろ、前に兵舎にあったスライムのソファー。あれのベッド版だな」
「ああ、あれね。だからなんか既視感があったんだ」
私も黒猫君の横でちょっと身体を弾ませてみる。ポヨンポヨンと身体の振動ごとベッドが上下に揺れて体の衝撃を全部包み込んだ。
「これって寝心地いいのかな?」
「好き好きはあるんじゃねーの? ま、寝て見りゃ分かるだろ」
「でもいくら休んでろって言われたからってこんな時間から寝ちゃうのはダメだよね?」
「だからってイアンのおっさんの所に今から行くのは嫌だぞ」
「賛成。私もそれは嫌だ」
来たばっかりでそこまで頭を使うのはご遠慮したい。私が賛成して手をあげると黒猫君がちょっとニヤリとして横向きに寝っ転がりながら私を見た。
「珍しいな。優等生のあゆみが仕事したくないってのは」
「別に優等生してるつもりはないよ。やらなきゃいけないことはやらないと……目立つから」
そう。私は決して正義感でなんでもやってるわけじゃない。人としてしなければいけないことをするのは当たり前だと思うけど、その当たり前の理由はしなかった時に受ける周りからの目なんだと思う。私はそれに耐えられないんだよね。
「そっか。じゃあ俺と一緒にさぼるなら目立たねーからいいな」
「え、それはダメだよ。キールさんの秘書官が二人していつもさぼってるとか目立つから」
私の言葉に黒猫君がニヤニヤしてる。
「そんなのはあいつの人選が悪かったって思わせときゃいい。大体俺だってやらなきゃならないことほったらかすつもりはねーぞ。ただ、たまにはこうやってお前と二人でゴロゴロしてんのだって大事だってだけだ」
そう言って。黒猫君の顔が近づいてくる。ごく自然にキスされて。うーん、マズい。私全然嫌じゃなくなっちゃったよ。それどころか結構嬉しい。黒猫君が凄く自然で。当たり前に私に甘いのがかなり気持ちよくなってきちゃってる。
黒猫君のキスを抵抗もなく私が受け入れてると、フッとキスを離した黒猫君の顔がすぐ近くで私を見つめてた。
「あゆみ、あのな。折角時間もあるし、本当だったらもう少しこう、一緒に楽しみたいんだけどな」
ちょっとなんかイライラした様子の黒猫君がそこで言葉を止めて。突然身をひるがえしたかと思うとベッドのすぐ横の壁に思いっきり蹴りを入れた。
「ギャッ!」
「いい加減にしろよ!」
「え!?」
突然の事に一体何が起きたのか分からない。黒猫君が思いっきり蹴り込んだ壁がベコンと後ろに下がって壁の一部が扉みたいに開いてた。その後ろはなんかちょっと暗闇担ってる。そこから頭を撫でながら短い金髪の見慣れた顔が現れた。
「え、エミールさん!?」
「お前、このまま覗くつもりだったろ、いい加減にしろよな」
「あ~あ。ネロ君が相手じゃ見つかっちゃうか。折角二人がどのくらい進展してるのか見せてもらおうと思ってたんだけどね」
扉の向こうから現れたエミールさんは今のドタバタがまるっきり存在しなかったような優美な仕草で部屋に入ってくる。
「前にここで攻防戦やった時にここ通っただろうが。お前の事だからまさかって思ったが本気でやられるとは思わなかったぞ」
「そんな細かいことすぐに忘れればいいのに」
「の、覗くつもりだったんですか?」
「いや、あわよくば入れてもらおうかなあって」
テヘペロ顔で言うけど何考えてるのエミールさん!
「俺も大概倫理観に欠けてるとは思うけどな、お前には負けるぞ」
黒猫君が呆れた顔で腰に手を当ててエミールさんを睨んでる。
「この通路今すぐ閉じろ。もっと部屋の手前から両側だ。今すぐ!」
「わ、分かったよ。今人を呼んでやらせるから君たちはまあ遠慮なく続けたまえ」
「そう言って部屋の椅子に座って居座ろうとするな! 出てけ!」
「酷いなぁ。これでもこの城の主だよ僕は。君たちのこの部屋を準備したのだって僕なんだからな」
「領主がのぞきのまねなんてしてんじゃねー!」
「エミールさん、私も流石にこれは良くないと思います」
私も流石に今回は文句言っておく。こんなの何回もされたらここに住むの絶対やだ。それを聞いたエミールさんが突然ショックに打たれたように顔を歪ませてベッドの横に跪いた。
「ああ僕の小鳥ちゃん。君を驚かせるつもりじゃなかったんだよ。このネロ君が見つけなければ僕は誰にも知られずに退散するはずだったんだから」
「エミールさん、それよっぽどひどいから。もうしないって約束してください」
「うん、僕の可愛い小鳥ちゃんのスウィートなお願いだ。もちろん約束するよ。じゃあネロ君、小鳥ちゃん、後でまた会おうね。アデュ!」
「待て! そこから出てくな、あっちのドアから出てけ!」
黒猫君に追い立てられてエミールさんが部屋の入り口から出ていった頃、私はつい好奇心に駆られて開いた部屋の隠し扉から中を覗き込んでた。
「あゆみ、まさかお前までそこから出入りする気じゃねーよな」
「あ、黒猫君。うんうん、ただちょっとこれ誰か全部どこに繋がってるか知ってるのかなぁって。折角の通路だから閉じちゃうよりは使い道を考えた方がいいかもね」
「……お前変な所現実的なのな」
「だってお城で抜け道だよ? なんか楽しそうだし」
「俺はこっちの方が楽しそう」
そう言った黒猫君はいつの間にか私のすぐ横に立って扉を片手で閉めながら私を一緒に壁際に押し付けた。黒猫君と壁に挟まれて見上げる黒猫君の顔に少しドキドキしてしまう。
「まあ、他にもやること結構あるし今はちょっとだけな」
そう言って黒猫君の顔が下りてきて。壁と黒猫君に挟まれながら私はその狭い世界も結構幸せだなどと思いながらキスを受け取った。
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