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第8章 ナンシー
90 魔術試験1
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「お二人ともくれぐれも余計な事は喋らないでくださいね」
ここは魔術安全管理局の二階、魔術試験の待合スペース、ただ今アルディさんからいくつかお小言を授けられてるところ。
今朝は朝一番でアルディさんに連れられて黒猫君と一緒に魔術試験場にやってきた。
予約した日に貰った木片を片手に朝から列に並んで獲得出来たのは結局今日のお昼の試験の順番だった。まあ、待ってる間に新政府でキールさんの新しい勅令書の正式発酵手続きやってきたからいいけどね。やっとその時間が来た私たちはアルディさんの付き添いつきで試験を受けることになってる。実際は付き添いじゃなくて見張り番なんだよね、きっと。
でもどうやら付き添いなんて付くのは小さな子供くらいらしくそれだけでも周囲の視線が痛い。しかもその付き添いのアルディさんも黒猫君も今日はちゃんと軍服来てるもんだから余計目立っちゃう。どうもこの試験って結構正式な物だから第一装がある人はそれを身に着けなければいけないらしい。
他にその部屋で待っているのは子供と保護者の組み合わせが数組と数人のガタイのいいお兄さんたち、それにいかにも研究者っぽい人が数人。みんな街の基準からすると決して貧しくない服装をしていた。
「待ち受け番号24から31の皆さん、こちらに集まってください」
待合スペースの奥の扉が開いてそこから私たちの番号を呼んだのは黒いローブに身を包んだ小柄な女性だった。赤みがかった紫色の髪を乱雑に後ろに束ね耳の上にペンを刺してるせいかなんか事務のお姉さんっぽい。でもそばかすを散らした顔は幼く、私より少し年下に見えた。
「ほらあゆみ行くぞ」
そう言って黒猫君が私を抱えてアルディさん共々彼女の方に向かった。
「それでは魔力放出試験を開始します。まずは初級を受ける方こちらへどうぞ」
彼女の後について入ってきた試験場はいわゆる室内競技場みたいな場所で、広さは多分学校の校庭くらいある。
片側には観戦できるようなベンチがいくつも並んでて、私たちがいるのはその大半を占める広場の部分だった。
どうもこのお姉さんが試験官もするらしい。
部屋に入りながら黒猫君がそのお姉さんに質問した。
「こいつは俺が抱えたままでもいいか?」
「お二人とも試験は受けられるのですか?」
「ああ」
「それでしたら魔力移動をされない事を証明するためにも試験中は別々に立っていて下さい」
ああ、そっか、そんなズルもあり得るのか。私は躊躇う黒猫君にお願いして降ろしてもらって杖をついて列に向かう。
「では番号順に並んでください。保護者の方は受験者のすぐ後ろに立ってお待ちください」
言われてアルディさんが私のすぐ後ろに立った。そりゃそうだよね、まさか黒猫君の付き添いっていうわけにもいかないもんね。私が25番、黒猫君が30番だから私たちの間には数人のガタイのいいお兄さんたちが立っていた。私の左にいる24番はまだ幼い子供でこちらも後ろに保護者の人が立ってる。上等そうな服を身に着けた男の子は緊張で真っ赤になってた。
「よお片足のネーちゃん。こっち来て俺に寄りかかれよ」
坊やを見てたら直ぐ後ろから声がかかった。返事をしようと振り返ると私のすぐ隣に立ったってたガタイのいいお兄さんの一人がニタっと笑いながら私に手を伸ばそうとしてる。でも私がお礼とお断りを言うより早く、アルディさんが後ろから彼の手を遮って私の腕を軽く支えて声をかけた。
「失礼ですが試験中は一人ずつで立ってないといけないようですよ。危ないようでしたら僕が支えますからご心配なく」
アルディさんの声に一瞬驚いたその人はでもブスっとして前を向いた。アルディさん、なんか今の態度ちょっときつかった気がする。
「はい、次は25番」
私がぼーっとそんな事を考えてる間に私の左側にいた24番の子の試験は終わってしまったらしい。気づいた時にはもうベンチに向かってた。
「え、あ、あの、すみません、私何をしたらいいんですか?」
私の間抜けな質問に試験官のお姉さんが眉を寄せてる。
「説明を聞いてませんでしたね。もう一度だけ説明しますよ。いいですか、真っすぐに手を前に突き出して、貴方が放出できる下級魔法を放出してください。もし一種類以上認可されたいようでしたら順次それも放出して下さって結構です。もし魔力的に一度に放出が出来ないのでしたら最後まで順番が回った後に戻ってきます。それでも魔力が回復しない場合は再度予約を入れなおして再試験になります」
「あ、はい分かりました」
そう言って私は手を前に突き出して火、水、風のそれぞれの下級魔法を放出していった。
「あら、3種しかも属種以外を放出できるなんて珍しい。ただ放出出力は残念ながら下級2位ですね。それではベンチに戻ってください」
お姉さんがニッコリ笑ってくれて私もつい嬉しくてニッコリ笑い返した。すぐにアルディさんが私を抱えてベンチに向かってくれる。ベンチに下ろして一緒に座るとアルディさんが小声で話しかけてきた。
「上出来ですよあゆみさん。後はネロ君ですね」
言われて広場を見ればさっきのガタイのいいお兄さんたちがこっちを指さして笑ってるのが見えた。「お嬢ちゃん全然足りてねー」とか「お付きに抱っこされて記念受験かよ」とか言ってるのが聞こえてくる。
あ、マズい。黒猫君がその横でお兄さんたちをすごい顔で睨んでる。お、お願いだから今は問題起こさないでね。私は慌てて黒猫君に見えるようにブンブンと手を振った。ぎょっとしてそれを見た黒猫君がちょっと赤くなって前を向く。
「あゆみさんがいるとネロ君も大人しくなりますね」
アルディさんがやけに感心して私を見る。
「そ、そうでしょうか?」
私はなんか照れて誤魔化すように早口に答えた。
ガタイのいいお兄さんたちはそれぞれ簡単に下級3位の魔法を放出できたらしい。
昨日黒猫君が訓練受けてる時に聞いたんだけど、次の級に行くのには下の級の最上位ぴったりの魔力がまず出せなきゃダメなんだって。だから昨日黒猫君は必死でその調節を訓練してた。
黒猫君の番が来て私はちょっと心配だったんだけど何の問題もなくパスしてた。
「では引き続き中級のテストに入ります」
私の左にいた坊やも初級で終わったらしく、残ったのはさっきのガタイのいいお兄さんたちたち、黒猫君ともうひとり学者っぽい人が一番右に立ってる。
ガタイのいい四人はそれぞれ中級一位と二位に収まったみたいだ。因みに私に声をかけて来た人が一位。黒猫君は本当はここで二位を出して終わらせるはずなんだけど。
「はい、きっちり三位出てますね。ではこのまま残ってください」
あれ? 黒猫君、残っちゃったよ?
「マズいですね。ネロ君、ちょっと意地になったかな?」
アルディさんが口調以上に難しい顔で前を見た。戻ってくるガタイのいいお兄さんたちがちょっと悔しそうに「軍人なんだしあれくらい出来なきゃ嘘だよな」とか愚痴ってるのが聞こえてくる。ああ、黒猫君はもしかして試験前に囃やし立てられてつい出し過ぎちゃったのかな。
「それでは高位の下級の試験に移ります、30番どうぞ」
結局黒猫君の他にも学者っぽい人が一緒に試験場に残った。黒猫君がまたも手を前に突き出して魔法を放出する。今回は火魔法だけで行くみたい。
「はい、ちょっと下級にしては弱めですが下級はパスでいいでしょう。ベンチでお待ちください。では31番の方どうぞ」
最後に残った学者っぽい人が黒猫君の背中を見ながらすぐに前に向き直って両手を突き出した。途端、ポスってとっても聞き覚えのある音がして煙が上がる。あ、あの人やっちゃった。私と同じだ。
ちょっと親近感がわいて笑っちゃった。
「ああ、魔力が底を突いてしまいましたか。では続きは次の試験でそこから始めてください。なお再試験は再度予約を取ってくださいね」
学者っぽい人はそれを聞いてがっくりと肩を落とす。
可哀想にまた一週間から待たされるんだね、きっと。
さあ、これで全部終わったと思って立ち上がった私たちに慌てたように試験管の彼女が声を上げた。
「お待ちください。試験はまだ続きますよ。この度やっと導入された魔力テスト機を使って今から魔力量テストを始めます」
「え?」
驚いて声を上げたのはアルディさん。どうもアルディさんの知っていた予定にはなかった話らしい。慌てて試験管のお姉さんに声をかけてる。
「待って下さい、そんな試験の話は聞いたことありませんよ」
文句をいうアルディさんに彼女は何をどう取ったのか嬉しそうに説明を続けた。
「もちろんご存じないでしょう。なんせこのテスト機、今日王立研究所から届いたばかりですから」
「「「え?」」」
今度声を上げたのは主に私。え、聞いてないよ?
あ、ちょっと待って。
この前魔力検査機作った時に誰かがなんか似たようなの欲しいって言ってた気がする。しかも今朝ピートルさんがなんか出荷するって言ってた気がする。それで、私何となくそれに頷いちゃってた気がする。
突然背中の方からゾクゾクと寒気がして横を見ると黒猫君とアルディさんが凄い形相で私を睨んでた。私はそれに謝る言葉も見つからず良い言い訳も出てこなくて、急いで二人から視線を逸らした。
ここは魔術安全管理局の二階、魔術試験の待合スペース、ただ今アルディさんからいくつかお小言を授けられてるところ。
今朝は朝一番でアルディさんに連れられて黒猫君と一緒に魔術試験場にやってきた。
予約した日に貰った木片を片手に朝から列に並んで獲得出来たのは結局今日のお昼の試験の順番だった。まあ、待ってる間に新政府でキールさんの新しい勅令書の正式発酵手続きやってきたからいいけどね。やっとその時間が来た私たちはアルディさんの付き添いつきで試験を受けることになってる。実際は付き添いじゃなくて見張り番なんだよね、きっと。
でもどうやら付き添いなんて付くのは小さな子供くらいらしくそれだけでも周囲の視線が痛い。しかもその付き添いのアルディさんも黒猫君も今日はちゃんと軍服来てるもんだから余計目立っちゃう。どうもこの試験って結構正式な物だから第一装がある人はそれを身に着けなければいけないらしい。
他にその部屋で待っているのは子供と保護者の組み合わせが数組と数人のガタイのいいお兄さんたち、それにいかにも研究者っぽい人が数人。みんな街の基準からすると決して貧しくない服装をしていた。
「待ち受け番号24から31の皆さん、こちらに集まってください」
待合スペースの奥の扉が開いてそこから私たちの番号を呼んだのは黒いローブに身を包んだ小柄な女性だった。赤みがかった紫色の髪を乱雑に後ろに束ね耳の上にペンを刺してるせいかなんか事務のお姉さんっぽい。でもそばかすを散らした顔は幼く、私より少し年下に見えた。
「ほらあゆみ行くぞ」
そう言って黒猫君が私を抱えてアルディさん共々彼女の方に向かった。
「それでは魔力放出試験を開始します。まずは初級を受ける方こちらへどうぞ」
彼女の後について入ってきた試験場はいわゆる室内競技場みたいな場所で、広さは多分学校の校庭くらいある。
片側には観戦できるようなベンチがいくつも並んでて、私たちがいるのはその大半を占める広場の部分だった。
どうもこのお姉さんが試験官もするらしい。
部屋に入りながら黒猫君がそのお姉さんに質問した。
「こいつは俺が抱えたままでもいいか?」
「お二人とも試験は受けられるのですか?」
「ああ」
「それでしたら魔力移動をされない事を証明するためにも試験中は別々に立っていて下さい」
ああ、そっか、そんなズルもあり得るのか。私は躊躇う黒猫君にお願いして降ろしてもらって杖をついて列に向かう。
「では番号順に並んでください。保護者の方は受験者のすぐ後ろに立ってお待ちください」
言われてアルディさんが私のすぐ後ろに立った。そりゃそうだよね、まさか黒猫君の付き添いっていうわけにもいかないもんね。私が25番、黒猫君が30番だから私たちの間には数人のガタイのいいお兄さんたちが立っていた。私の左にいる24番はまだ幼い子供でこちらも後ろに保護者の人が立ってる。上等そうな服を身に着けた男の子は緊張で真っ赤になってた。
「よお片足のネーちゃん。こっち来て俺に寄りかかれよ」
坊やを見てたら直ぐ後ろから声がかかった。返事をしようと振り返ると私のすぐ隣に立ったってたガタイのいいお兄さんの一人がニタっと笑いながら私に手を伸ばそうとしてる。でも私がお礼とお断りを言うより早く、アルディさんが後ろから彼の手を遮って私の腕を軽く支えて声をかけた。
「失礼ですが試験中は一人ずつで立ってないといけないようですよ。危ないようでしたら僕が支えますからご心配なく」
アルディさんの声に一瞬驚いたその人はでもブスっとして前を向いた。アルディさん、なんか今の態度ちょっときつかった気がする。
「はい、次は25番」
私がぼーっとそんな事を考えてる間に私の左側にいた24番の子の試験は終わってしまったらしい。気づいた時にはもうベンチに向かってた。
「え、あ、あの、すみません、私何をしたらいいんですか?」
私の間抜けな質問に試験官のお姉さんが眉を寄せてる。
「説明を聞いてませんでしたね。もう一度だけ説明しますよ。いいですか、真っすぐに手を前に突き出して、貴方が放出できる下級魔法を放出してください。もし一種類以上認可されたいようでしたら順次それも放出して下さって結構です。もし魔力的に一度に放出が出来ないのでしたら最後まで順番が回った後に戻ってきます。それでも魔力が回復しない場合は再度予約を入れなおして再試験になります」
「あ、はい分かりました」
そう言って私は手を前に突き出して火、水、風のそれぞれの下級魔法を放出していった。
「あら、3種しかも属種以外を放出できるなんて珍しい。ただ放出出力は残念ながら下級2位ですね。それではベンチに戻ってください」
お姉さんがニッコリ笑ってくれて私もつい嬉しくてニッコリ笑い返した。すぐにアルディさんが私を抱えてベンチに向かってくれる。ベンチに下ろして一緒に座るとアルディさんが小声で話しかけてきた。
「上出来ですよあゆみさん。後はネロ君ですね」
言われて広場を見ればさっきのガタイのいいお兄さんたちがこっちを指さして笑ってるのが見えた。「お嬢ちゃん全然足りてねー」とか「お付きに抱っこされて記念受験かよ」とか言ってるのが聞こえてくる。
あ、マズい。黒猫君がその横でお兄さんたちをすごい顔で睨んでる。お、お願いだから今は問題起こさないでね。私は慌てて黒猫君に見えるようにブンブンと手を振った。ぎょっとしてそれを見た黒猫君がちょっと赤くなって前を向く。
「あゆみさんがいるとネロ君も大人しくなりますね」
アルディさんがやけに感心して私を見る。
「そ、そうでしょうか?」
私はなんか照れて誤魔化すように早口に答えた。
ガタイのいいお兄さんたちはそれぞれ簡単に下級3位の魔法を放出できたらしい。
昨日黒猫君が訓練受けてる時に聞いたんだけど、次の級に行くのには下の級の最上位ぴったりの魔力がまず出せなきゃダメなんだって。だから昨日黒猫君は必死でその調節を訓練してた。
黒猫君の番が来て私はちょっと心配だったんだけど何の問題もなくパスしてた。
「では引き続き中級のテストに入ります」
私の左にいた坊やも初級で終わったらしく、残ったのはさっきのガタイのいいお兄さんたちたち、黒猫君ともうひとり学者っぽい人が一番右に立ってる。
ガタイのいい四人はそれぞれ中級一位と二位に収まったみたいだ。因みに私に声をかけて来た人が一位。黒猫君は本当はここで二位を出して終わらせるはずなんだけど。
「はい、きっちり三位出てますね。ではこのまま残ってください」
あれ? 黒猫君、残っちゃったよ?
「マズいですね。ネロ君、ちょっと意地になったかな?」
アルディさんが口調以上に難しい顔で前を見た。戻ってくるガタイのいいお兄さんたちがちょっと悔しそうに「軍人なんだしあれくらい出来なきゃ嘘だよな」とか愚痴ってるのが聞こえてくる。ああ、黒猫君はもしかして試験前に囃やし立てられてつい出し過ぎちゃったのかな。
「それでは高位の下級の試験に移ります、30番どうぞ」
結局黒猫君の他にも学者っぽい人が一緒に試験場に残った。黒猫君がまたも手を前に突き出して魔法を放出する。今回は火魔法だけで行くみたい。
「はい、ちょっと下級にしては弱めですが下級はパスでいいでしょう。ベンチでお待ちください。では31番の方どうぞ」
最後に残った学者っぽい人が黒猫君の背中を見ながらすぐに前に向き直って両手を突き出した。途端、ポスってとっても聞き覚えのある音がして煙が上がる。あ、あの人やっちゃった。私と同じだ。
ちょっと親近感がわいて笑っちゃった。
「ああ、魔力が底を突いてしまいましたか。では続きは次の試験でそこから始めてください。なお再試験は再度予約を取ってくださいね」
学者っぽい人はそれを聞いてがっくりと肩を落とす。
可哀想にまた一週間から待たされるんだね、きっと。
さあ、これで全部終わったと思って立ち上がった私たちに慌てたように試験管の彼女が声を上げた。
「お待ちください。試験はまだ続きますよ。この度やっと導入された魔力テスト機を使って今から魔力量テストを始めます」
「え?」
驚いて声を上げたのはアルディさん。どうもアルディさんの知っていた予定にはなかった話らしい。慌てて試験管のお姉さんに声をかけてる。
「待って下さい、そんな試験の話は聞いたことありませんよ」
文句をいうアルディさんに彼女は何をどう取ったのか嬉しそうに説明を続けた。
「もちろんご存じないでしょう。なんせこのテスト機、今日王立研究所から届いたばかりですから」
「「「え?」」」
今度声を上げたのは主に私。え、聞いてないよ?
あ、ちょっと待って。
この前魔力検査機作った時に誰かがなんか似たようなの欲しいって言ってた気がする。しかも今朝ピートルさんがなんか出荷するって言ってた気がする。それで、私何となくそれに頷いちゃってた気がする。
突然背中の方からゾクゾクと寒気がして横を見ると黒猫君とアルディさんが凄い形相で私を睨んでた。私はそれに謝る言葉も見つからず良い言い訳も出てこなくて、急いで二人から視線を逸らした。
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