326 / 406
第11章 北の森
37 砦の扉
しおりを挟む
「おい誰か、ここの責任者表に出てこーーい!」
黒猫君の大声が森の間をこだましてく。
私は前もって言われた通り、耳を手で塞いでそれに耐えてた。
今私たち、橋を渡った砦の目の前まで来てたりする。それは広大な敷地を何本もの木の柱で隙間なく囲った、かなり頑丈そうな砦。一本一本が多分私の背の三倍くらいはある。それをこんなに切り倒して砦の壁に使ってる。
なんてもったいない。
私たちが立ってるのはその一角、高い物見やぐらを左右に備え付けた扉の前。しっかりと下ろされたそれは、ナンシーの領城の城門のように引き上げたり下ろしたりする仕組みのやつみたい。今はしっかりと下ろされてて、まるっきり中の様子が見えない。物見やぐらにも人影はなく、どうやら内側からこちらの様子をうかがってるみたい。
これ、今にも攻撃されそうで怖いんだけど。
黒猫君曰く、こんな相手の場所が分かりやすい場所での攻撃は、避けるだけなら全く問題ないそうな。
黒猫君、いったい君なんでそんなに戦い慣れてるの?
あれから黒猫君がドラゴンを後ろに引き連れてここに向かって歩きだしたんだけど、橋のこっち側に陣取ってた人たちがそれを見て一斉にワーっと砦の中へと逃げ込んでしまった。
そりゃ、この大きなドラゴンがドスドス音を響かせて歩いてきたら、普通逃げるよね……。
お陰で黒猫君も私もここまですんなり来れてしまったのだ。
でもアルディさんたち軍隊は黒猫君に言われた通り、橋の向こう側で待機してもらった。これ以上誰か連れてきちゃったら、誰も砦から出て来てくれないだろうってことらしい。バッカスとシモンさんも黒猫君になんだか言付けられて向こうで待ってる。まあ、あっちは何となく分かってるけど。
「おーい、聞いてるのか? 出てこねーとドラゴンがここを踏み潰すってさ」
「おい人混じり、ワシをダシに使う気か?」
黒猫君がドラゴンを指さして叫ぶと、当のドラゴンがギロリと黒猫君を睨む。
「なんだよ、さっき自分で言ってたんだろ。だったら少しは協力しろよ」
ああ、黒猫君たらドラゴンの威を借りて無理やり交渉する気だったのか。
でも、どうやらドラゴンはあまり乗り気じゃないらしい。器用に後ろ脚で首の後ろをボリボリと掻きながらあらぬ方向を見る。
「ワシは人に指図されるような軽い存在ではない。人間同士のいざこざは自分たちで何とかしろ」
そう言ってその場にとぐろを巻くようにして寝そべってしまった。
どうもこれは黒猫君にとっても予想外だったみたい。大きくため息をついてから、今度はチロリと私の顔を見て言葉を続けた。
「仕方ねえな。じゃあ、ここにいる巫女がまた魔力を暴発させるぞ!」
「へ?」
「ほら、あゆみもなんか言ってやれ」
突然話を振られてポケッと黒猫君を見返してしまった。
聞いてないよそんな話!
「待って黒猫君、私の魔法、使っちゃダメって自分で言ってたよね?」
「いいから。言うだけ言っときゃいいんだよ」
ぼそりと耳元で勝手なこと言うけど、それならそうと前もって言っておいてほしい。心構えも何にもないところでそんな事言われたって、なんて言えばいいのやら。
「えー、えーっと……」
真っ白になった頭に浮かんだ言葉を口だけいっぱいに開いてそのまんま叫んでみた。
「怖い魔法、出しちゃうぞ~」
あ……。黒猫君に白い目で見られた……
そ、そんな、突然無理言われても他に言葉なんか出てこないよ……。
すぐに軽く頭を振って気を取り直した黒猫君が、私に耳をふさぐように言ってまた先を続けた。
「いいか、あんたらがオークけしかけたあの丘の上がどうなったか、あんたらも知ってんだろ! こいつノーコンだから砦ついでにどこまで消滅するか分かんねーぞ!」
最後の一言はかなり効いたみたい。中でわたふたするような音がしてからやっと砦の中から返事が返ってきた。
「お、お前たち! ここが国王軍の砦と知ってやってるのか? す、すぐに中央からキーロン殿下の兵が応援に──」
「そんなもん来るわけねーだろ!」
焦って叫び出した誰かの言葉を遮って、黒猫君が被せるように言い放つ。
「俺たちがキールの、そのキーロン陛下の秘書官だ。あっちで控えてる軍がキールの近衛隊。それとヨークの連中が一緒に待ってる。一度出てきて俺たちの話をしっかり聞け!」
だけど砦の中からは明らかに馬鹿にするような笑いがいくつも漏れてきた。それを代表するようにさっきと同じ声が答える。
「は? 何を笑わせる。馬鹿なことを。キーロン殿下はまだ辺境で狼人族とやりあってらっしゃる──」
「そんなの、とっくに終わったよ」
またも被せるように黒猫君がバッサリと切り捨てた。
「その証拠に狼人族のバッカスも一緒にいるの、あんたらも見ただろ」
途端、シーンと中にいる人間たちの声が収まってしまう。それを見逃さず、追い打ちをかけるように黒猫君が説明を続けた。
「こんなへき地だと情報が来ねーんだな。キールはすでにナンシー城に入ったぞ。あそこで戴冠して今、新国王として采配を振るってる。俺たちはあの町から連れ去られた農民と、狼人族の連中をキールの命令で連れ帰しに来ただけだ」
怒りも、同情も、感慨さえもなさそうな、ただ、事実を告げるだけのしっかりとした黒猫君の言葉がわんわんと響く。しばらくの間、砦からは一言の声も聞こえなかった。やがて、さっきまで喋ってたのと同じ男の乾いた声がこだましだす。
「そ、そんな、そんな出まかせ、誰が信じるか!!??」
んー、この声の主さん、本気で自分の言ってることを信じてるのかな。切羽詰まって言い返してるだけみたいな気もするんだけど。このままじゃ話し合いは平行線?
そうこうする間も扉は一向に開く様子がない。
そしてそんな私たちの後ろからドラゴンの退屈そうなアクビが聞こえてきた。振り返ってチロッと見上げたら、あちらからもチロッと見返されてしまった。
どうもこのドラゴン、巨体も言動も怖いんだけど実は結構愛嬌あるよね。人間臭いっていうか。私の顔見てニカっと笑った顔がなんだか黒猫君っぽい。
「仕方ねーな。あゆみ、この前の奴、もっと弱い力で空に一発上げられるか?」
「え、だって使っちゃダメって……」
「威嚇射撃なら大丈夫だろ。いいか、上に向かって真っすぐだぞ」
黒猫君、結構勝手だよね。あれだけ使うなって言うからもう絶対使わないって決めてたのに、今度は使えっていったり。
「いいけど、弱めって言ったって私どれくらい調節できるか分からないからね」
そう言いおいて、私は手を真っすぐ空に向ける。そうしておいて、今回はとにかく神経を手に集中して、出す場所を細ーく細ーく絞ってみた。途端「うををを!!」って黒猫君が叫んで、私の手から空の中心に向かって真っすぐ、白い光の柱が駆け抜けていく。一瞬の出来事でよく分からないけど、その行き着いた先、すっごい上空でまるで何かがそれを反射したようにキラッて輝いた気がする。
「……なんか今当たったか?」
「え、知らないよ、黒猫君がやれって言ったからやったんだから──」
一瞬の沈黙ののち、砦の中から揺らぐような大騒ぎが響いてきて私たちの会話を飲み込んだ。振り返れば後ろのドラゴンも真上を見たまま薄っすらと口を開けて固まってる。
「うーん、黒猫君、やっぱりこれ使っちゃ駄目だと思う」
「ああ、言われなくても分かってる。俺が馬鹿だった。弱くしろって言ってこれじゃ──」
あきれた声でそんなこと言うけどね、私がノーコンなのは知ってたはずでしょ。
私たちが二人でそんなやり取りを続けてるすぐ目の前で、今までびくともしなかった砦の門がゆっくりと上がりだした。
「何はともあれ、これでようやく話し合いになりそうだな」
腕の中の私へともドラゴンへともなくそう言うと、黒猫君は門のすぐ向こう側に立つ男をジッと見据えた。
黒猫君の大声が森の間をこだましてく。
私は前もって言われた通り、耳を手で塞いでそれに耐えてた。
今私たち、橋を渡った砦の目の前まで来てたりする。それは広大な敷地を何本もの木の柱で隙間なく囲った、かなり頑丈そうな砦。一本一本が多分私の背の三倍くらいはある。それをこんなに切り倒して砦の壁に使ってる。
なんてもったいない。
私たちが立ってるのはその一角、高い物見やぐらを左右に備え付けた扉の前。しっかりと下ろされたそれは、ナンシーの領城の城門のように引き上げたり下ろしたりする仕組みのやつみたい。今はしっかりと下ろされてて、まるっきり中の様子が見えない。物見やぐらにも人影はなく、どうやら内側からこちらの様子をうかがってるみたい。
これ、今にも攻撃されそうで怖いんだけど。
黒猫君曰く、こんな相手の場所が分かりやすい場所での攻撃は、避けるだけなら全く問題ないそうな。
黒猫君、いったい君なんでそんなに戦い慣れてるの?
あれから黒猫君がドラゴンを後ろに引き連れてここに向かって歩きだしたんだけど、橋のこっち側に陣取ってた人たちがそれを見て一斉にワーっと砦の中へと逃げ込んでしまった。
そりゃ、この大きなドラゴンがドスドス音を響かせて歩いてきたら、普通逃げるよね……。
お陰で黒猫君も私もここまですんなり来れてしまったのだ。
でもアルディさんたち軍隊は黒猫君に言われた通り、橋の向こう側で待機してもらった。これ以上誰か連れてきちゃったら、誰も砦から出て来てくれないだろうってことらしい。バッカスとシモンさんも黒猫君になんだか言付けられて向こうで待ってる。まあ、あっちは何となく分かってるけど。
「おーい、聞いてるのか? 出てこねーとドラゴンがここを踏み潰すってさ」
「おい人混じり、ワシをダシに使う気か?」
黒猫君がドラゴンを指さして叫ぶと、当のドラゴンがギロリと黒猫君を睨む。
「なんだよ、さっき自分で言ってたんだろ。だったら少しは協力しろよ」
ああ、黒猫君たらドラゴンの威を借りて無理やり交渉する気だったのか。
でも、どうやらドラゴンはあまり乗り気じゃないらしい。器用に後ろ脚で首の後ろをボリボリと掻きながらあらぬ方向を見る。
「ワシは人に指図されるような軽い存在ではない。人間同士のいざこざは自分たちで何とかしろ」
そう言ってその場にとぐろを巻くようにして寝そべってしまった。
どうもこれは黒猫君にとっても予想外だったみたい。大きくため息をついてから、今度はチロリと私の顔を見て言葉を続けた。
「仕方ねえな。じゃあ、ここにいる巫女がまた魔力を暴発させるぞ!」
「へ?」
「ほら、あゆみもなんか言ってやれ」
突然話を振られてポケッと黒猫君を見返してしまった。
聞いてないよそんな話!
「待って黒猫君、私の魔法、使っちゃダメって自分で言ってたよね?」
「いいから。言うだけ言っときゃいいんだよ」
ぼそりと耳元で勝手なこと言うけど、それならそうと前もって言っておいてほしい。心構えも何にもないところでそんな事言われたって、なんて言えばいいのやら。
「えー、えーっと……」
真っ白になった頭に浮かんだ言葉を口だけいっぱいに開いてそのまんま叫んでみた。
「怖い魔法、出しちゃうぞ~」
あ……。黒猫君に白い目で見られた……
そ、そんな、突然無理言われても他に言葉なんか出てこないよ……。
すぐに軽く頭を振って気を取り直した黒猫君が、私に耳をふさぐように言ってまた先を続けた。
「いいか、あんたらがオークけしかけたあの丘の上がどうなったか、あんたらも知ってんだろ! こいつノーコンだから砦ついでにどこまで消滅するか分かんねーぞ!」
最後の一言はかなり効いたみたい。中でわたふたするような音がしてからやっと砦の中から返事が返ってきた。
「お、お前たち! ここが国王軍の砦と知ってやってるのか? す、すぐに中央からキーロン殿下の兵が応援に──」
「そんなもん来るわけねーだろ!」
焦って叫び出した誰かの言葉を遮って、黒猫君が被せるように言い放つ。
「俺たちがキールの、そのキーロン陛下の秘書官だ。あっちで控えてる軍がキールの近衛隊。それとヨークの連中が一緒に待ってる。一度出てきて俺たちの話をしっかり聞け!」
だけど砦の中からは明らかに馬鹿にするような笑いがいくつも漏れてきた。それを代表するようにさっきと同じ声が答える。
「は? 何を笑わせる。馬鹿なことを。キーロン殿下はまだ辺境で狼人族とやりあってらっしゃる──」
「そんなの、とっくに終わったよ」
またも被せるように黒猫君がバッサリと切り捨てた。
「その証拠に狼人族のバッカスも一緒にいるの、あんたらも見ただろ」
途端、シーンと中にいる人間たちの声が収まってしまう。それを見逃さず、追い打ちをかけるように黒猫君が説明を続けた。
「こんなへき地だと情報が来ねーんだな。キールはすでにナンシー城に入ったぞ。あそこで戴冠して今、新国王として采配を振るってる。俺たちはあの町から連れ去られた農民と、狼人族の連中をキールの命令で連れ帰しに来ただけだ」
怒りも、同情も、感慨さえもなさそうな、ただ、事実を告げるだけのしっかりとした黒猫君の言葉がわんわんと響く。しばらくの間、砦からは一言の声も聞こえなかった。やがて、さっきまで喋ってたのと同じ男の乾いた声がこだましだす。
「そ、そんな、そんな出まかせ、誰が信じるか!!??」
んー、この声の主さん、本気で自分の言ってることを信じてるのかな。切羽詰まって言い返してるだけみたいな気もするんだけど。このままじゃ話し合いは平行線?
そうこうする間も扉は一向に開く様子がない。
そしてそんな私たちの後ろからドラゴンの退屈そうなアクビが聞こえてきた。振り返ってチロッと見上げたら、あちらからもチロッと見返されてしまった。
どうもこのドラゴン、巨体も言動も怖いんだけど実は結構愛嬌あるよね。人間臭いっていうか。私の顔見てニカっと笑った顔がなんだか黒猫君っぽい。
「仕方ねーな。あゆみ、この前の奴、もっと弱い力で空に一発上げられるか?」
「え、だって使っちゃダメって……」
「威嚇射撃なら大丈夫だろ。いいか、上に向かって真っすぐだぞ」
黒猫君、結構勝手だよね。あれだけ使うなって言うからもう絶対使わないって決めてたのに、今度は使えっていったり。
「いいけど、弱めって言ったって私どれくらい調節できるか分からないからね」
そう言いおいて、私は手を真っすぐ空に向ける。そうしておいて、今回はとにかく神経を手に集中して、出す場所を細ーく細ーく絞ってみた。途端「うををを!!」って黒猫君が叫んで、私の手から空の中心に向かって真っすぐ、白い光の柱が駆け抜けていく。一瞬の出来事でよく分からないけど、その行き着いた先、すっごい上空でまるで何かがそれを反射したようにキラッて輝いた気がする。
「……なんか今当たったか?」
「え、知らないよ、黒猫君がやれって言ったからやったんだから──」
一瞬の沈黙ののち、砦の中から揺らぐような大騒ぎが響いてきて私たちの会話を飲み込んだ。振り返れば後ろのドラゴンも真上を見たまま薄っすらと口を開けて固まってる。
「うーん、黒猫君、やっぱりこれ使っちゃ駄目だと思う」
「ああ、言われなくても分かってる。俺が馬鹿だった。弱くしろって言ってこれじゃ──」
あきれた声でそんなこと言うけどね、私がノーコンなのは知ってたはずでしょ。
私たちが二人でそんなやり取りを続けてるすぐ目の前で、今までびくともしなかった砦の門がゆっくりと上がりだした。
「何はともあれ、これでようやく話し合いになりそうだな」
腕の中の私へともドラゴンへともなくそう言うと、黒猫君は門のすぐ向こう側に立つ男をジッと見据えた。
0
お気に入りに追加
439
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる