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短編 山口さんと私の新しい関係(ロス編)1 ★

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 ディ〇ニーランドにユニ〇ーサルスタジオ、ロデオドライブにサンタモニカ・ビーチ。
 ロサンゼルスの陽気な観光場所は確かに楽しいよ。
 だけどさ、独りで来ても面白かないですよ。
 山口さんは自分の忙しい3日間、私が飽きることが無いようにツアーに入れてくれたのだけど、こんな新婚だらけのツアーバスに若い女の子が一人ってすごく目立つし物悲しい。
 まだ5月なのに燦々さんさんと輝く太陽の下で、サングラスを持ってくればよかったと後悔しながら集合の時間まで砂浜に腰を下ろして時間を潰す。
 日差しの強さに反して、海風は結構冷たい。
 それでも海で泳いでいるお兄さんたちやその周りではしゃぐビキニのお姉さんたちに言ってやりたい。
 私だって婚約者はいるのだー!


   --- ・ ---


「今日の観光はどうだった?」
「ディ〇ニーランドはなんかちっこくて、ユニ〇ーサルスタジオは広告がすごくて、ロディオドライブは高くて手が出なくて、サンタモニカ・ビーチは外人さんのプロポーションの良さにへこみました」

 私の全然楽しそうではない報告に山口さんがむーんと唸っている。

「申し訳ない。今回のカンファレンスで業務提携している企業から他社にM&Aをかけられている恐れがあると聞かされて急遽対策に追われる事になってしまった」

 そうなのだ。
 折角今回は山口さんと初めての旅行で張り切って準備してきたし、山口さんだってどうせ4時にはカンファレンスは終わるから夜は一緒にいられるってなんか違う意味で張り切ってたのに、来てみれば初日から山口さんは午前様で気力体力が追いついていないのだ。
 私だってその状態の山口さんを誘ったり出来ず、結局一緒のベッドで寝ているだけと言うのが今日までの所で。
 飛行機の時間を抜いて実質5泊6日の旅で2日までこの調子だとやっぱり少し膨れてしまう。

「明日はどうする? 他のツアーも行ってみるか? グランドキャニオンかラスベガス日帰りツアーがまだあっただろ」
「いくらツアーでも私の語学力で一人でそんな遠くまで行くのはちょっと……」
「後はホテルのスパ位だしな」

 そう、この会社で取ってもらったホテルには色々付いてるんだけど、やっぱりサービスは英語で、日本人のコンソルジュさんはいてもスパずっと付いてきてもらえる訳じゃないし、私みたいな元二次元限定にはスパみたいな近距離接近がありえる状況はそうでなくてもあまり嬉しくないのだ。

 山口さんは自分である程度英語が喋れるのでいいけれど、山口さんがいないと私、殆ど何もできない。

「どの道明後日には両親が来るんですし、明日は一人で大人しくしてます」

 結局時間の無い私たちがニューヨークに行くのは無駄だと言って両親がロサンジェルスに来てくれる事になったのだ。
 よっぽど私が寂しそうだったのか、山口さんがなだめる様に付け加える。

「明日の午後は何とかして空けるから」

 その代わり朝メチャクチャ早くから行っちゃうんですよね……
 とは言えない。
 実は一緒に寝るだけだって嬉しいのだ。
 朝が本当に起きられない私は基本この年でも10時間睡眠が必要なので仕事のある時はお隣なのに恐くて山口さんの家にお泊りできない。
 週末だって山口さんの週末出勤やら原稿やらの邪魔が出来ないから結局まだお泊りは2日しかした事が無かったのだ。
 ベッドで疲れた山口さんに後ろから抱きついて寝るのは私にとって凄く幸せな時間なのに、それさえも山口さんがベッドにいられる時間で限られてしまう。
 文句は言うまい。
 全てこの短期間で私の両親に挨拶しようという無茶の為だ。
 すぐに寝落ちしちゃった山口さんの寝息が響きだした。
 疲れて寝落ちする山口さんのお陰でここ数日山口さんの寝顔だけはいっぱい堪能してる。
 しかも眼鏡なしの寝顔解禁で勝手に見るのが許された。
 早速覗き込んでゆっくりと寝顔を堪能する。
 あ、眼鏡の跡みっけ。
 ちょっとお疲れのようで眉根が寄ったまま寝てる。
 もみもみしとこう。
 あれ、もっと寄っちゃった。
 触っちゃいけなかったみたいだ。
 ほっぺに髭が少し出てる。
 髭はあまり濃い方ではないらしい。
 最初に会った日以来無精髭さえお目にかかっていない。
 まつ毛カールしてる。いいなー。
 唇はちょっとカサついちゃってる。
 ホテルのエアコンのせい?
 顔にかかった髪の毛をかき上げてあげる。
 あ、少し眉間のシワが緩んだ。
 気持ちいいのかな。

 昨日もそうだったけどこんなことしていると私だけモヤモヤしてきちゃう。
 明日はもう少し一緒にいられるといいな。


   --- ・ ---


 朝早くに出ていってしまう山口さんをなんとか起きだして見送った。
 朝が弱い私がそれでも起きれるなんて我ながら偉いと思う。
 それでも山口さんが出ていったのを確認して二度寝を敢行する。
 別にロスに来てまですることではないと思うんだけど、結局昨日はなんかモヤモヤしたまま寝付けなかった。
 パタンと眠りについて、次に目を覚ましたのはもう昼だった。
 ちょっとお腹が空いて目を覚ます。
 一度ベッドを出てトイレに行って顔を洗い何とかどこかに出かけようかと思案するが、もう一人でどこかに行くのには嫌気がさしていた。
 結局ベッドに戻って布団に潜りこむ。
 ベッドの中に入ると山口さんの脱ぎ捨てたパジャマから山口さんの匂いが漂ってきた。
 それを嗅いでいると余計モヤモヤしてきてしまう。
 どうしよう、私かなりきてる。
 私の身体は山口さんに出会ってからすっかり開発されてしまったらしく、結構簡単に感じてしまうのだ。
 山口さんのパジャマに顔を寄せて布団にもぐって丸くなる。
 ジンジンと体の中心が熱くなってくる。
 寂しくて自分のパジャマの中に手を伸ばして山口さんがしてくれたみたいに乳首を転がしてみる。
 甘くて切ない痺れがゆっくりと胸の先から流れだす。
 そのままもう一方の手を下着の中に入れて花芯をこすってみる。
 今まで自分でしてきたのとは違う、山口さんがしてくれるような優しいゆっくりとした動き。
 同じようで違う。
 どうしても同じように気持ち良くなれない。
 何かが足りない。
 どうしても足りない。
 ちょっとだけ涙が出てきてしまう。
 山口さんには言えないけど、こんな事ならロスに付いてこなければ良かった。
 指を中に差し込んでみる。
 ゆっくりと入り口をかき回すと少しだけ山口さんに触られている時を思い出せた。
 その時ひゅぅっと布団の中に風が吹き込んだ。

「彩音ちゃん、寂しくて自分で始めちゃったのか」
「きゃぁぁ!」

 下から布団を捲られて、スーツ姿の山口さんが赤くなって片手で口元を覆いながら私の痴態を見つめているのが目に入って思いっきり心臓が飛びあがった。

「な、なんでいるの?」

 私は慌てて布団を引っ張って体に巻き付けて山口さんを睨んだ。

「やっと仕事に切りがついた。っていうか一人東京から呼び出して押し付けた」

 そう言いながらネクタイの内側に指を差し込んで襟元を緩め、脱いだジャケットを椅子に掛けて私の横に腰を下ろす。
 スーツ姿の山口さんは出会う前のようでカッコイイんだけど、何だか知らない人みたいでちょっと怖い。
 でも仕草一つで凄く色っぽく見えてやっぱりカッコ良くて見とれてしまう。

めちゃだめだ。そのまま続けて」

 そ、そんなの無理ー!

「む、無理、です。お願いだから見たの忘れて!」

 私は恥ずかしくて頭を掻きむしりそうになりながら布団に頭を突っ込んで答えた。

「折角可愛いところが見れたのに忘れるわけない。ほら、布団から出てきてここで見せて」

 そう言って布団を引きはがされてしまった。
 それでもまだ丸くなって固まっている私を、スーツのままベッドヘッドに寄りかかるように座った山口さんが優しく引き寄せて膝の間に抱え込む。

「ほら、これなら僕が見えないだろ。少しは手伝ってあげるから続けよう」

 そう言って私の手を掴んでさっきまでいじっていた胸と足の間に差し込ませる。

「まだだめ? じゃあもう少し手伝ってやろうか」

 その呟きは直接私の耳に囁かれて、耳にかかった山口さんの吐息と低い声でいやが上にも体が燃える様に熱くなる。
 おずおずと私が自分の胸を触りだすと、山口さんは手を離して代わりに反対の手で掴んでいた私の手の上に自分の手を添えて、私の指で私の花芯をこね始める。

「あ…んんっ」

 途端広がった快感に声が漏れだした。
 一瞬自分の声に驚いて指が止まる。
 でもすぐまた山口さんが指を動かし始める。

「自分で気持ちよくなるところを見せて」

 そう言って私の指から手を放し、私のパジャマのボタンを全て外していく。
 折角パジャマで隠れていた自分の手が、しっかりと目の前に見えてしまうと、一瞬正気が戻って目がさまよってしまう。

「僕に寄りかかって上を見て」

 私の様子を見ていた山口さんの声が上から降ってきた。
 見上げると、目に欲情をともした山口さんの目と合ってしまう。
 すぐにその顔が落ちてきて、私の唇を奪った。
 ゆっくりと山口さんの舌が差し込まれ、また抜かれてしまう。
 私が追いかけるように身体を浮かすとそのすきにパジャマのズボンも下ろされてしまった。
 山口さんは自由になった両手で私の両方の太腿を掴んで持ち上げる。
 膝に引っかかっていたパジャマのズボンは山口さんに引き抜かれて投げ捨てられる。
 そのまま私の足首を引き寄せて私が足を閉じれない様に開かれてしまう。
 M字に足を開かれて、ますます隠せなくなった体を持て余しながらも、今までになく自分の指から広がる快感に頭が酔ったみたいにクラクラしてくる。
 折角始めたキスはそれっきり貰えず、山口さんは時々私の額にキスをしてくれるだけで私の顔をじっくりと見つめてくる。
 山口さんに見られてるのに止められない。
 見られているだけでもう一方の乳首まで立ってしまう。
 見られている緊張と自分の指の拙い動きのせいでなかなか達することが出来なくて、苛立ちでつい指の動きばかりが早くなっていく。

「焦らないで。ちゃんと最後まで見ててあげるから」

 山口さんの言葉に身体が震えた。

「イ、イけない。イけないよ山口さん。自分じゃ上手くイけないの」

 私がとうとう本音をこぼしたのに山口さんはただ嬉しそうに微笑んで私の一部始終を見守っている。

「じゃあちょっとだけ助けてあげよう」

 そう言って山口さんは足首を#掴__つか__んでいた一方の手を離して、私のももの内側を爪を立てて撫で上げ始めた。
 一気に鋭い快感が背中を貫く。
 途端自分の指で撫でていた花芯がより敏感になって身体が上り詰め始めた。
 山口さんの指に与えられる快感に合わせて自分の指を動かす。

「山口さん、イけそう。イきそう」
「いって、彩音ちゃん。僕の腕の中で自分でいじっていって見せて」

 山口さんの言葉が私の耳を犯す。
 頭が真っ白になって体中から冷たい汗が噴き出して、私は山口さんの見守る中、自分の指でイってしまった。



「ひ、酷いよ、山口さん」
「僕が帰ってくるまで待っていられなかった彩音ちゃんが悪い」

 イったあとの余韻でまだ震えの残っている私の横で山口さんがスーツのまま涼しい顔をして半分裸の私を見下ろして頭を撫でてくれている。
 自分だけ半裸で震えているこの状態が凄く居た堪れない。

「もう、服着させて」
「駄目だ。もう少しこのまま」

 そう言って力の入らない私から服を剥ぎ取って逆に裸にしてしまう。

「凄くいい眺めだ。乳首が立ってて全身赤みを帯びてて」

 そのまま私の胸に手を伸ばし揉みしだく。
 いったばかりの敏感な身体がそれだけで少し跳ね上がった。

「まだいけるかな。もう少し自分でやってみる?」
「もうヤダ。山口さんが居るのに何で自分でしなきゃならないの」
「それは彩音ちゃんが自分でしている所を僕がもっと見たいから?」

 そんな事、可愛く笑って言われたって全然嬉しくない……
 片手で私の胸をもみ続けながら山口さんが続ける。

「彩音ちゃんのイキ顔見るのはこれで何回目だろうな。もう恥ずかしい事もないだろ」

 胸を揉んでいた指がいつの間にか私の乳首を弄び始めた。
 優しい快感がいつの間にか淫靡なそれに取って代わられて、今イったばかりの身体がもう熱くなってくる。

「今度は道具を貸してあげようか」
「ヤダ。って言うか、まさか持ってきちゃったの!?」
「だって今回の旅行はご挨拶とこっちがメインのはずだったんだからそれ位当たり前」

 すっと立ち上がって入り口近くのラックに広げてあるトランクから何やら色々持ち出してくる。

「今回は少し新しい事を覚えようね。ほらうつ伏せになって」

 そう言って軽々と私の身体を持ち上げて力の入らない身体をベッドの真ん中でうつ伏せにさせられた。
 山口さんが視界から消えたと思ったら後ろ手に何かで拘束されてしまう。

「え? 何してるの?」
「前に彩音ちゃん、拘束に興味があるみたいだったから。どう? これで自分で出来なくなっちゃったね」

 そう言われた途端、下半身が疼いた。
 ズクンと疼きが広がる。
 見えない位置にいる山口さんの視線を感じる……

「私だけ裸なのずるい……」
「だって彩音ちゃん、僕のスーツ姿、好きでしょ」

 すっと手が伸びてきて私の片方のお尻を揉み上げ始めた。
 尾てい骨の辺りがムズムズしてくる。
 そのまま山口さんの手が私の足を開く。
 すぐに足を閉じようとすると、既に山口さんの身体が間にあってもう閉じられない。

「よく見えるよ。まださっきの余韻があるのかな。濡れて少し口を開いてる」

 山口さんの指がそっと入り口を開いてくる。
 突然与えられた快感に体が少し震える。

「こっちも赤く充血してるね」

 山口さんの指が花芯に触れる。身体がビクンと跳ねたけど山口さんはすぐにやめてしまう。

「彩音ちゃんのここパクパクして欲しがってるよ」

 そう言って私の入り口をツンツンと軽く突く。
 突かれるたびにそれに反応して中が締まり、動いてしまうのが自分でも分かって恥ずかしい。

「大陰唇が少し伸びてきてる。中もヒダが立ってきた。彩音ちゃんのここはどんどんエッチになってくるな」

 言われていることはなんとなくわかるけどそんな事詳しく知りたくなかった。

「もう見るのやめて」

 恥ずかしいのを我慢して言っているのに山口さんは聞き入れてくれない。

「何を今更。じゃあちょっと冷たいけど我慢して」
「ひゃ!」

 なんか凄く冷たくてヌルヌルした物が尾てい骨の辺りから花芯に向けて垂れてくる。

「や、山口さん、何これ??」
「ローションだよ。滑りを良くしてくれる」

 そんなの無くてももう結構濡れちゃってるのに……
 いぶかしんだ私は山口さんの目的がわかってなかった。

「今日はこっちも少しいじってみよう」
「ひゃぁぁ……い……や……!」

 山口さんは零したローションを塗りつけるようにして私のお尻の穴を撫で回したのだ。
 声を上げて止めさせようとするよりも早く細い指が中に勝手に入り込んでいた。
 そこから信じられないほどゾワッっと違和感が這い上がってくる。
 排泄感ともちがう変な感じ。
 肩の辺りに鳥肌が立って声も出せない。
 ただ真っ赤になって息を殺す。

「……彩音ちゃんの中、暖かい」

 私が声を出せない間に山口さんの指がローションを潤滑油にして奥まで入って来た。

「この前舐めようとしたら凄く嫌がってた時からやってみたかったんだ」

「ひゅい……ひっ……」
「声も出せない? まだすごく硬いから小指一本しか無理みたいだね」

 その入れた一本を中でゆっくりと前後に抜き差ししてローションを中に入れられる。

「少し動かしていくよ」

 言葉通り山口さんの指が中を撫で回し始める。

 ねじったり曲げたり揺らしたりされて、その度に訳の分からない寒気と微かな快感が背筋を駆け上がってくる。

「…も、もう……やっ…!」
「いや? でも前はグジョグジョに溢れてきてるよ」

 そんな筈ない、だってこれは快感じゃないはず。
 混乱している私を他所よそに山口さんの動きが一旦止まった。

「そろそろ慣れてきたからこっちに変えるよ」

 ニュっと指が抜き取られてもまだそこに何か入っている気がしてムズムズする。
 そんなことを思ったのもつかの間、さっきの指と同じくらい細くて冷たい物が入っちゃいけない所にするりと入り込んでくる。
 今度はさっきよりもかなり奥まで入り込まれて足のつま先から頭の天辺まで寒気が走った。
 でも同時に子宮の辺りが熱くなる。
 何で?

「いやぁぁ……も…や……えて……」
「結構奥まで入るんだな」

 たっぷりとローションを付けていたらしく中でなんの抵抗もなく滑るように動く。
 その度に足の付け根のあたりからザワザワと寒気と快感を足して2で割った様な感じが這い上がってくる。
 山口さんは私のお尻を片手で揉みながら中に入れたものをゆっくりと出し入れし始めた。
 寒気と快感が動きに合わせて引きずり出される。

「や、山口さん、へ、変、やめて、変!」

 一旦中に慣れてしまうと声は出せるようになったが頭がおかしくなってきて口が回らない。

「これでスイッチ入れたらどうなっちゃうかな」
「へ? ひゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 信じられない事に私は一気に上りつめた。
 強制的な排泄感に似た快感が腸内を戦慄かせ、身体が全てを押し出そうと勝手に反応する。
 終わりの無い排泄のように穴の内側から身体が勝手に全てを押し出し、入り口が飛び出してる気さえする。
 同時に前の穴の中も痙攣を起こし腸の動きに合わせてせり出してくる。
 両方の中が引きつって下腹が痙攣し始めた。
 それでも山口さんが出し入れを辞めてくれない。
 焼ききれそうな快感で頭が真っ白になって身体が仰け反っている。

「もしかしてイってるの?」

 なんか身体の下が冷たい。
 声が出ない、と言うか喉が貼り付いてる。息ができない。
 そこでやっと山口さんがゆっくりと引き抜いてくれた。

「かっ、ハァア、ハァ、」

「ごめん、いきなりイっちゃうから分からなかった」

 私の身体を引きあげて自分に寄りかからせて拘束を解いて背中をさすってくれる。
 それでもしっかり顔を覗き込まれた。
 でも私は今それどころじゃない。
 やっと吸い上げられた空気が美味しい。
 下腹部の痙攣もやっと収まって息も整った所で山口さんを睨みつけた。

「山口さんの馬鹿!」

 涙が思いっきり滲んでる。

「死んじゃうかと思った!」
「……そんなに良かった?」
「違う! ち、違わないけど違うの! これはもう駄目! 絶対ダメ!」

 私の剣幕に流石に山口さんもやり過ぎたと感じたようで私の肩を抱きながらいい子いい子と頭を撫でてくれる。

「悪かった、今回はちょっとやり過ぎたな」
「も、もうしないって約束して下さい!」
「んー、もう暫くはしない」

 なんか余計な修飾子が入ってなかったか?

「次やったら山口さんにも入れちゃいますからね! BL読者を甘く見ないでください!」

 この脅しはちょっと効いたようだ。
 ピクリと片眉を上げて嫌な顔をされた。

「……彩音ちゃんの力じゃまあ無理だな」

 悔しい、今に見てろ。

「因みに僕もそろそろ彩音ちゃんの中に入りたい」

 すっかり自分の事だけで頭がいっぱいだった私は山口さんのスーツの下が大きくなっているのに気付かなかった。
 今イっちゃったばかりの身体でこれを受け入れるの?
 欲しいけど、欲しかったけど、今は絶対ダメ。
 さっき強制的にされた時に少し漏らしちゃった気がする。
 ローションも残っているし、何より山口さんに後ろを狙われている気がして怖い。
 このまま続けるのは絶対やだ。
 でもここまで大きくなっちゃってるのに嫌だだけじゃ酷いよね。
 私はそっと手を伸ばして山口さんのズボンのボタンを外し、ジッパーを下ろして前を開く。
 押し出されて起立した山口さんの物を下着からも引き出した。

「彩音ちゃん、何する気?!」

 ちょっと驚く山口さんを無視して屈み込んでそれを頬張った。

「あぅっ!」

 上で山口さんが身を固くして喘いだ。
 初めて口に含んじゃったけど、これどうしたらいいんだろう?
 なんか先っちょに割れ目があってそこから少しヌルヌルする物が漏れていた。
 それを舌で舐め取ると山口さんの物がビクンと跳ねる。
 口の中で動かれると微かに欲情が湧いてくる。
 山口さんのものは長すぎて私の口の奥まで入れても全部口に含むのは無理みたい。
 一旦引き出して手で抑えて先の段になっている所を舐め回してみる。

「あ、彩音…ちゃん……」

 気持ちいいらしい。
 今度は裏側の線みたいになっている所に舌を這わせて一番上まで舐めあげてみる。
 すると山口さんの物がビクンビクンと波打った。
 なんかさっきよりも大きくなっちゃった気がする。
 ここも気持ちいいみたいだけど口の中でするとここまで舌が届かない。
 確かこの前山口さんは下の方を私の手に擦りつけてたよね。
 私は山口さんの物を軽く握って上下にしごいてみる。
 皮みたいにズルズルとずれる感触とともに手の中で山口さんのものが反り上がった。

「はっ…んっ…」

 山口さんのすごく色っぽい声が漏れてる。
 山口さんは諦めたのか、両手を腰の後ろに付いて足をベッドの下に投げ出した。
 さっきよりもスペースが出来て私もやりやすい。
 そのまま上の段になっている所までをゆっくり何度も扱きながらまた一番上の部分を口に含む。丸くなった頂上の部分を舌で舐めあげると全体がまた一段と硬くなった。
 こんなに色々変わるんだ……
 そんな事を思いながらも舐め続けると口の間から漏れた唾液で指の滑りが良くなってきた。
 思い切っていっぱいこすり上げてみる。
 口の中も忙しく舌で舐めあげて先を吸い上げてみた。

「うあっくっ、はっ、あぁっ…!」

 山口さんのモノがビクンビクンと震えながら私の口の中いっぱいにちょっと苦い精液を吐き出した。
 勢い良く吹き出されたそれはでも思っていたよりも多くなくて、何とか口の中に収まる。
 見上げると顔を真っ赤にした山口さんと目があった。

「こっちを見るな! その口の中の物をとっとと吐いてきてくれ」

 山口さんの慌てた反応がすごく可愛くてつい頬がニマっと笑ってしまった。
 途端口の横から白い山口さんの精液が漏れてしまう。
 山口さんのスーツにこぼれちゃう!
 慌てて私は口の中の物を飲み込んで口の端に溢れた分を舌で舐め上げた。
 うわ、喉に貼り付いて美味しくない。
 それを見ていた山口さんは信じられない物を見たという表情で目を見開いていたけど、じきにもっと真っ赤になって私を抱え上げた。
 ドシドシと足音を立ててシャワールームに私を入れて自分もすぐに服を脱ぎ捨てて一緒に入ってくる。
 熱いお湯がシャワーから流れ出すと裸の私をその下に立たせて無言で私の口に指を突っ込み、ゴシゴシと洗われてしまった。

「が、ふが、やああぐひはん! くふふうい!」

 喉に近いところまで洗われて少しえづいてしまう。

「そんなもん飲んじまった彩音ちゃんが悪い!」

 なんかもうやけになったように聞こえる。
 暫くして気が済んだ山口さんはそのまま私の唇を自分の唇で塞ぐ。
 乱暴に口内を山口さんの舌が蹂躙して喉の奥まで伸ばされる。
 またえづきそうになる私を無視して、最低限息継ぎのとき以外離してくれない。
 いつの間にか両手が私の乳房を揉み上げている。浅いバスタブに落ちるシャワーの下で山口さんは私を壁に押し付けながら自分の身体で私の身体をこすりあげる。
 すぐに片膝を持ち上げられ、さっきいったばかりの山口さんのモノが私の中に押し込まれた。
 いつになく性急で乱暴な挿入に、だけど私の身体は喜んで応える様に戦慄わなないた。
 そのまま力いっぱい下から突き上げられる。

「ふぁ、アアァ、アンッ、あっ……」
「クッ、ンンッ、ンンッ、くぅっ」

 私と山口さんのいやらしい声と息遣いとシャワーの水音が響いて耳まで犯されている気がする。
 胸を強く揉み上げられ乳首を指で摘んで引き上げられると、私は最初の絶頂を迎える。
 私がイってすぐ今度は山口さん、私の身体の向きを変えさせて尻を引き出して後ろから突き上げ始めた。

「あああぁぁ、アアン、アアン」

 私の口から自分の物とは思えない程やらしい声が山口さんの腰の動きに合わせて上がりだす。
 ガクンと落ちそうになる膝に山口さんの手がしっかりと私の腰を抱え込んで持ち上げられる。
 与え続けられる快感に頭がボーッとしてもう何も考えられない。
 冷たかったタイル張りの壁がいつの間にか自分の体温で温まってしまっている。
 ツルリとした表面には指をかける場所さえ無くてただただ手の平を広げて力無くしがみつく。

 むさぼられている。
 奪われている。
 与えられている。
 その全てが嬉しくて、怖くてでももう何も考えられなくて。
 頭も心もピュアな欲望と快感と歓喜で埋め尽くされた頃、山口さんが私の中で果てた。
 一番奥を山口さんの精子に洗われる感触は今まで感じたどの行為よりも私の身体を満足させてくれる。
 子宮が熱い。
 壁に私を押し付ける様にして私の後ろで倒れ込んでいた山口さんが私の身体を抱き締めながらやっと息を整えて私の耳元で話しかける。

「ごめん、もう待てなかった。ご両親に挨拶するまではゴム無しでもうしないって決めてたのに」

 そうだったんだ。
 二人で雪崩込むようにバスタブに座り込む。
 まだ余韻で体の震えが収まらない私は山口さんの体温にすがりついてしまう。
 そんな私を見て私の二の腕をさすりながら山口さんはシャワーを切り替えてお風呂にお湯を溜め始めた。
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