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九月、まずは文化祭
15話 なんかむず痒いよ?
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ホラー喫茶は教室の半分以上が黒いカーテンでジグザグの細い通路に切り分けられてて、そこにホラーっぽい演出がある、そんなセッティングらしい。
どこが喫茶なんだろう。
入り口から漏れる頼りない明かりを頼りに、真っ直ぐ教室の反対側まで歩いて行くと、窓が板と布できれいに目張りされてるのが見えた。
「暗闇にこだわったんだって」
先輩が他人事のように説明してくれる。
確かにそこで折り返すと、次の通路はほぼ真っ暗闇だった。
そこで突然、私の腰の後ろに先輩の腕が回された。
驚いて飛び上がると、先輩の顔があるはずの辺りから変に優しい声が降ってきた。
「暗いから危ないでしょ、運動神経ないんだし」
当たり前とでも言うように、そのまま私の腰を押して歩きだす。
ナンデスカこれ。
腰に腕を回すって、普通にするの?
なんか恥ずかしいしむず痒いよ?
別にそんな強く触られてる訳じゃない。
これは単に、腕が腰の後ろを支えてて、添え物みたいに手が腰の辺りに添えられてるだけだ。
多分。
実際のところは暗いからよく見えない。
え、これって、こういう趣向なの?
焦りと戸惑いと気恥ずかしさと、なんかちょっぴりドキドキと。
ごっちゃ混ぜでパニクってたその時の私は、次に襲って来たものに全くの無防備だった。
どこが喫茶なんだろう。
入り口から漏れる頼りない明かりを頼りに、真っ直ぐ教室の反対側まで歩いて行くと、窓が板と布できれいに目張りされてるのが見えた。
「暗闇にこだわったんだって」
先輩が他人事のように説明してくれる。
確かにそこで折り返すと、次の通路はほぼ真っ暗闇だった。
そこで突然、私の腰の後ろに先輩の腕が回された。
驚いて飛び上がると、先輩の顔があるはずの辺りから変に優しい声が降ってきた。
「暗いから危ないでしょ、運動神経ないんだし」
当たり前とでも言うように、そのまま私の腰を押して歩きだす。
ナンデスカこれ。
腰に腕を回すって、普通にするの?
なんか恥ずかしいしむず痒いよ?
別にそんな強く触られてる訳じゃない。
これは単に、腕が腰の後ろを支えてて、添え物みたいに手が腰の辺りに添えられてるだけだ。
多分。
実際のところは暗いからよく見えない。
え、これって、こういう趣向なの?
焦りと戸惑いと気恥ずかしさと、なんかちょっぴりドキドキと。
ごっちゃ混ぜでパニクってたその時の私は、次に襲って来たものに全くの無防備だった。
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