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5話 それって本当に彼氏?
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気を取り直してアッコちゃんを見る。
アッコちゃんは大人しいけど、これで長年お付き合いしてる婚約者がいるのだ。
エッちゃんの話で不安になった私は、お付き合いの大先輩であるアッコちゃんに話を振った。
「アッコちゃん、アッコちゃんの彼氏さんはどんな感じ?」
「どんな感じとは?」
アッコちゃんが真顔でこちらを振り向く。
アッコちゃん美人さんなのに、口の上にミルク髭ができてるよ。
思わず自分のハンカチを差し出すと、アッコちゃんは当たり前のようにそれを受け取って口元を押さえた。
「えっと、どんなことを一緒にするの?」
「なにも」
「え?」
「だからなにも」
「……えっと会ってるんだよね?」
「会ってるわよ、年に一度は新年会の席で」
「「え???」」
最後の「え?」はエッちゃんと重なった。
そして立ち直りはエッちゃんのが早かった。
「それって本当に彼氏?」
「そうよ。いないと困るもの。断る時に」
「「あー……」」
アッコちゃんはかなりモテる。
ちょっとお嬢様だし、見た目黒髪ストレートのサラサラで、顔ちっさいし、可愛いいし。バイオリンやってる時とか絵になるし。
言い寄って来る男子は少なくない。
「なんだ、虫よけかよ」
比べてエッちゃんは身長も高めだし、髪はショート、部活のせいか活発で口調も大雑把。
私はと言えば、可もなく不可もない。きっと五分で忘れられる顔、髪はボブ、性格も普通、だと思う。
身長だけははっきり言って低い。今時158センチでもう伸びないとか、両親の遺伝に物申したい。
「悦子にだけは言われたくないわ。須藤君お気の毒に」
……と言ってアッコちゃんがお嬢様ぜんとして大人しい訳じゃないけど。
「それは言わないであげようよ、須藤君帰って来にくくなるし。エッちゃんも言い方よくないよ」
二人ともはっきりものを言うタイプだから、結果的に私は二人の仲裁役をすることが多い。
間に入った私に、ふと二人が同時にこっちを見た。
「それで抜けがけして一人だけ彼氏が出来たご感想は?」
言われて気づく。
あれ、私、はやまった?
アッコちゃんは大人しいけど、これで長年お付き合いしてる婚約者がいるのだ。
エッちゃんの話で不安になった私は、お付き合いの大先輩であるアッコちゃんに話を振った。
「アッコちゃん、アッコちゃんの彼氏さんはどんな感じ?」
「どんな感じとは?」
アッコちゃんが真顔でこちらを振り向く。
アッコちゃん美人さんなのに、口の上にミルク髭ができてるよ。
思わず自分のハンカチを差し出すと、アッコちゃんは当たり前のようにそれを受け取って口元を押さえた。
「えっと、どんなことを一緒にするの?」
「なにも」
「え?」
「だからなにも」
「……えっと会ってるんだよね?」
「会ってるわよ、年に一度は新年会の席で」
「「え???」」
最後の「え?」はエッちゃんと重なった。
そして立ち直りはエッちゃんのが早かった。
「それって本当に彼氏?」
「そうよ。いないと困るもの。断る時に」
「「あー……」」
アッコちゃんはかなりモテる。
ちょっとお嬢様だし、見た目黒髪ストレートのサラサラで、顔ちっさいし、可愛いいし。バイオリンやってる時とか絵になるし。
言い寄って来る男子は少なくない。
「なんだ、虫よけかよ」
比べてエッちゃんは身長も高めだし、髪はショート、部活のせいか活発で口調も大雑把。
私はと言えば、可もなく不可もない。きっと五分で忘れられる顔、髪はボブ、性格も普通、だと思う。
身長だけははっきり言って低い。今時158センチでもう伸びないとか、両親の遺伝に物申したい。
「悦子にだけは言われたくないわ。須藤君お気の毒に」
……と言ってアッコちゃんがお嬢様ぜんとして大人しい訳じゃないけど。
「それは言わないであげようよ、須藤君帰って来にくくなるし。エッちゃんも言い方よくないよ」
二人ともはっきりものを言うタイプだから、結果的に私は二人の仲裁役をすることが多い。
間に入った私に、ふと二人が同時にこっちを見た。
「それで抜けがけして一人だけ彼氏が出来たご感想は?」
言われて気づく。
あれ、私、はやまった?
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