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婚姻編
婚姻編4 魔王様は我慢した(カーティス視点)
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「マズイ」
俺は自分の部屋に向かいつつ、今やらかした失態を思い返していた。
この一ヶ月、徐々に慣らしてやっと俺が隣で寝ることにリザが慣れてきたところだ。
なんとしても、あいつのベッドで寝る楽しみを奪われるのだけは避けたい。
だからなるべく警戒されないように、今までずっと気をつけてきたのだが。
昨夜ノーラが余計な真似をするから気づけば結構手が出ていた。
情けない、ちょっと気が緩んでいた。
色々始末したあと、服を着るのも忘れてまたベッドに潜り込んでしまったらしい。
俺は朝は弱いんだ。あんな顔で見られたら普通に抱きたくなる。
「全く。あんな匂いさせやがって」
リザは本当に厄介だ。
俺の血を大量に与えすぎて、もう花嫁として熟成しすぎている。
だからこそまだ早い。
俺が今リザを抱いてしまったら、即色々面倒なことになる。
リザの心がこちらを向いてもいないのに、あの娘に手を出すわけには絶対いかん。
ああだが。
「せめてキスがしたい」
……情けない。
大魔王の俺の目標が、たかだかキスとか。
「さて、今日の獲物を探すとするか」
あまり自分から獲物を探すのは嫌だったんだが、リザが喜ぶから仕方がない。
あの娘、あんなにかわいい顔して血まみれの筋肉が好きだとか危なすぎるだろう。
普通、人間の女は血を見たら倒れるものだと思っていた。
まあ、俺たち魔族ならばそれを好む者も少なくないから分からなくもないのだが。
今日の狩り場は北方ライム高原。
もちろん、リザのいる王都からも俺の別邸からもはるか遠い場所。
あの忌々しい魔法円のせいで、好きなようには移動できないが、ちょっと手間をかければ移動が全くできないわけではない。
ここは主に邪蛇の生息地だ。
人間なら一匹で数人一度に絞め殺すし、子猫くらいなら丸呑みにするが、コイツラが何十匹、何百匹集まったところで俺の敵ではない。
だからこのままではなんの役にもたちやしない。
「じゃ、寝るか」
俺はもっとも生存競争の激しい、森の中心の空き地でゴロンと地面に横になる。
突然現れた俺を警戒して、すぐには何も寄ってこない。
が、しばらくすれば──
「シャァァァァ!」
──ほら来た。
十匹、二十匹、ああ、百匹超えたか。
そいつらが俺の肉を競い争って死闘を始めた。たまに抜きん出たやつが俺に牙を剥く。だが、俺の皮膚は固くてそうそう簡単に歯がたたない。
それをそのまま放置して、噛むに任せてしばらく寝る。
昼寝が終わると、いい感じに齧られてた。今日は腹と肩、それに太ももか。
俺の皮膚片を食った邪蛇が、一段と力を増して残りの奴らを食い散らかしたらしく、周りには邪蛇の死体が塚のように積み上がっている。
「さて片付けるか」
その残った奴らを俺の影が一瞬で食いつくした。
「まあ、これも一種のマッチポンプか?」
今日は三箇所か。これなら一時間はねばれるな。
こうでもしなければ、リザは夕食の時間以外、あの屋敷にさえいようとしない。というか、俺と一緒にいてくれない。
あそこまで完全に自分の趣味に没頭してる女は初めてだ。
金もある。力もある。地位だってある。
だがそれのどれよりこの俺の体がいいくせに、それさえ触ろうともしてこない。
「今朝のあれはよかったな」
俺の胸筋を触っただけであんなに真っ赤になって。
本来俺は相手に望まれなければ全く楽しめない。なんせ悪魔だからな。
傷だってそうだ。リザ好みに傷をつけるのは本当に難しい。
血が出ていながらも、決して動けなくなるようではいけない。
浅すぎると薬だけ渡されて帰されるし、ある一定レベルを超えると今度は近寄っても来なくなる。
「俺の身体が好きなくせに」
……言っていて情けなくなってきた。
今はとにかくノーラの店に戻って列に並ばねば。
リザが店先に出るようになって以来、実は午後だけ店の裏に列が出来るようになっていた。
荒くれ者の多い兵舎の責任者が仕切って決めたことらしい。
裏に呼び出されて、リザに迷惑をかけないためだと筋を通されては、俺も一緒に並ばない訳には行かない。
適度に汚れを落とした俺は、いつもの小瓶を振って王都への帰路へとついた。
* * *
「ま、またあなたは! わざと怪我してくるのやめなさいよ!」
ああ、やっぱりバレていたか。
「だって大好きだろう。こういうのが」
そう言って、少しばかり皮膚が抉れて血の滴る脇腹を捲ってコイツが大好きな俺の腹筋を見せつけてやる。
途端、間違いなく頬が紅潮し、目が俺の腹部に釘付けになったくせに、
「や、だ、ダメ! 怪我はわざとするもんじゃないでしょ!」
口だけはやたら文句ばかり並べてくる。
折角こんなに苦労して怪我してくるのに、なんで俺の怪我だけは喜ばない?
「これ蛇? 蛇って普通齧らないと思ってたけど、一体どんな蛇なのよ。ノーラこれ薬は何つければいいのかしら」
口でなんと言おうとも、リザはちゃんと治療を始める。
最近はノーラに習って、自分でも薬を作っているらしい。
だがノーラの薬の知識は本来この辺りじゃ大した役には立たんのだがな。
リザは乾物になってからしか見てないから気づいてないようだが、なんせ、材料にしてるものの半分以上がこの大陸に生息してない動植物だ。
「あー、カーティスかい。水でもかけとけば治るだろ。ここの薬を無駄にすることないよ」
「ノーラ、それじゃ幾らなんでも……」
馬鹿ノーラ。
確かに放っておけばすぐ治っちまうのは本当だが、それではわざわざ怪我してきた意味がないだろうが!
「フン。じゃあこの一番安い毒消しと消毒液でもぶっかけておやり」
魔王の殺気を込めて睨んでいるのに、ノーラが鼻で笑いやがった。
その上、待て、その二つはこの蛇の毒と混ぜると反応して肉が溶けるやつじゃないか?
クソ、無論分かってて選びやがったな。ノーラがニヤニヤしながらこっち見てやがる。
「これとこれね。じゃあカーティス、そっちの長椅子に横になって」
何もわかっていないリザが、俺の肉を溶かす薬を手にこっちに来やがる。
この俺様だって、肉が溶けるのはそれなりに痛い。齧られるよりは痛い。
だが、これを断るということは、俺がこの店の薬を知り尽くしていて、しかも自分で十分治療可能なのを証明するだけだ。
仕方なく、シャツを脱いで長椅子に横になってやれば、リザが蕩けた顔で俺の身体に見惚れやがった。
「じゃ、じゃあ染みるかもしれないけど、動かないでね」
そう言って、目の前で毒消しと消毒液を混ぜて布に染み込ませ、それを俺の脇腹に押し当てる。
「ッ!!」
リザの惚けた顔に見惚れて、危なく声が出るかと思った。
押し当てられた布の下で、俺の脇腹の肉がドロドロと溶け始める。それを全力で魔力を腹部に集中させて急速再生するが、ノーラの薬は出来がよすぎて再生がなかなか間に合わない。巨大化した邪蛇でさえ食いつけなかった真皮まで溶かした溶解液が、とうとう俺の脇腹の肉を徐々に溶かし始めやがった。
皮膚はまだしも、筋肉が溶ける痛みは尋常じゃない。なのに俺の魔力をしても、その侵食は簡単には止められぬ。全身から冷たい汗が滲み始めた。
痛みに耐えかね、いい加減やめさせよう、そう思ってリザを見上げれば。
トロンと目を潤ませて、真っ赤に顔を紅潮させ、半開きになった口元からは今にもヨダレが落ちそうに……なっているのだが、その目が見てるのは俺は俺でも、俺の血まみれで汗だくの腹だった。
なんだこれは?
新手の拷問か?
それでも……コイツが喜ぶのでは仕方がない。
痛覚を切るのも考えたが、ダメだ。コイツ、俺が痛がりはじめてから、余計目を潤ませて見つめていやがる。
それからゆうに十分ほどの間。毒と毒消しと消毒液が全て反応しきって溶解が治まるまで、俺は必死に自分の身体の再生を頑張った。
「あぁ……」
やがて痛みも消えて俺が思わず声を漏らし一息ついたのを見て、リザがやっと薬の塗られていた布を外してくれた。
きれいに傷の消え去った俺の腹を見て、リザが驚いたようにノーラを振り返る。
「流石、ノーラの薬はすごいわね。傷がすっかり消えてしまったわ!」
違う! それは俺が必死で急速再生したからだ!
……とは言わない。言えない。
「……そうだな」
ただ、平坦な声で、相槌を打つのでやっとだった。
「じゃあ次は肩ね」
そんな俺の気も知らず、リザがいい笑顔で新しい薬を取りに行った。
……今日はまだまだ長い戦いになりそうだ。
俺は自分の部屋に向かいつつ、今やらかした失態を思い返していた。
この一ヶ月、徐々に慣らしてやっと俺が隣で寝ることにリザが慣れてきたところだ。
なんとしても、あいつのベッドで寝る楽しみを奪われるのだけは避けたい。
だからなるべく警戒されないように、今までずっと気をつけてきたのだが。
昨夜ノーラが余計な真似をするから気づけば結構手が出ていた。
情けない、ちょっと気が緩んでいた。
色々始末したあと、服を着るのも忘れてまたベッドに潜り込んでしまったらしい。
俺は朝は弱いんだ。あんな顔で見られたら普通に抱きたくなる。
「全く。あんな匂いさせやがって」
リザは本当に厄介だ。
俺の血を大量に与えすぎて、もう花嫁として熟成しすぎている。
だからこそまだ早い。
俺が今リザを抱いてしまったら、即色々面倒なことになる。
リザの心がこちらを向いてもいないのに、あの娘に手を出すわけには絶対いかん。
ああだが。
「せめてキスがしたい」
……情けない。
大魔王の俺の目標が、たかだかキスとか。
「さて、今日の獲物を探すとするか」
あまり自分から獲物を探すのは嫌だったんだが、リザが喜ぶから仕方がない。
あの娘、あんなにかわいい顔して血まみれの筋肉が好きだとか危なすぎるだろう。
普通、人間の女は血を見たら倒れるものだと思っていた。
まあ、俺たち魔族ならばそれを好む者も少なくないから分からなくもないのだが。
今日の狩り場は北方ライム高原。
もちろん、リザのいる王都からも俺の別邸からもはるか遠い場所。
あの忌々しい魔法円のせいで、好きなようには移動できないが、ちょっと手間をかければ移動が全くできないわけではない。
ここは主に邪蛇の生息地だ。
人間なら一匹で数人一度に絞め殺すし、子猫くらいなら丸呑みにするが、コイツラが何十匹、何百匹集まったところで俺の敵ではない。
だからこのままではなんの役にもたちやしない。
「じゃ、寝るか」
俺はもっとも生存競争の激しい、森の中心の空き地でゴロンと地面に横になる。
突然現れた俺を警戒して、すぐには何も寄ってこない。
が、しばらくすれば──
「シャァァァァ!」
──ほら来た。
十匹、二十匹、ああ、百匹超えたか。
そいつらが俺の肉を競い争って死闘を始めた。たまに抜きん出たやつが俺に牙を剥く。だが、俺の皮膚は固くてそうそう簡単に歯がたたない。
それをそのまま放置して、噛むに任せてしばらく寝る。
昼寝が終わると、いい感じに齧られてた。今日は腹と肩、それに太ももか。
俺の皮膚片を食った邪蛇が、一段と力を増して残りの奴らを食い散らかしたらしく、周りには邪蛇の死体が塚のように積み上がっている。
「さて片付けるか」
その残った奴らを俺の影が一瞬で食いつくした。
「まあ、これも一種のマッチポンプか?」
今日は三箇所か。これなら一時間はねばれるな。
こうでもしなければ、リザは夕食の時間以外、あの屋敷にさえいようとしない。というか、俺と一緒にいてくれない。
あそこまで完全に自分の趣味に没頭してる女は初めてだ。
金もある。力もある。地位だってある。
だがそれのどれよりこの俺の体がいいくせに、それさえ触ろうともしてこない。
「今朝のあれはよかったな」
俺の胸筋を触っただけであんなに真っ赤になって。
本来俺は相手に望まれなければ全く楽しめない。なんせ悪魔だからな。
傷だってそうだ。リザ好みに傷をつけるのは本当に難しい。
血が出ていながらも、決して動けなくなるようではいけない。
浅すぎると薬だけ渡されて帰されるし、ある一定レベルを超えると今度は近寄っても来なくなる。
「俺の身体が好きなくせに」
……言っていて情けなくなってきた。
今はとにかくノーラの店に戻って列に並ばねば。
リザが店先に出るようになって以来、実は午後だけ店の裏に列が出来るようになっていた。
荒くれ者の多い兵舎の責任者が仕切って決めたことらしい。
裏に呼び出されて、リザに迷惑をかけないためだと筋を通されては、俺も一緒に並ばない訳には行かない。
適度に汚れを落とした俺は、いつもの小瓶を振って王都への帰路へとついた。
* * *
「ま、またあなたは! わざと怪我してくるのやめなさいよ!」
ああ、やっぱりバレていたか。
「だって大好きだろう。こういうのが」
そう言って、少しばかり皮膚が抉れて血の滴る脇腹を捲ってコイツが大好きな俺の腹筋を見せつけてやる。
途端、間違いなく頬が紅潮し、目が俺の腹部に釘付けになったくせに、
「や、だ、ダメ! 怪我はわざとするもんじゃないでしょ!」
口だけはやたら文句ばかり並べてくる。
折角こんなに苦労して怪我してくるのに、なんで俺の怪我だけは喜ばない?
「これ蛇? 蛇って普通齧らないと思ってたけど、一体どんな蛇なのよ。ノーラこれ薬は何つければいいのかしら」
口でなんと言おうとも、リザはちゃんと治療を始める。
最近はノーラに習って、自分でも薬を作っているらしい。
だがノーラの薬の知識は本来この辺りじゃ大した役には立たんのだがな。
リザは乾物になってからしか見てないから気づいてないようだが、なんせ、材料にしてるものの半分以上がこの大陸に生息してない動植物だ。
「あー、カーティスかい。水でもかけとけば治るだろ。ここの薬を無駄にすることないよ」
「ノーラ、それじゃ幾らなんでも……」
馬鹿ノーラ。
確かに放っておけばすぐ治っちまうのは本当だが、それではわざわざ怪我してきた意味がないだろうが!
「フン。じゃあこの一番安い毒消しと消毒液でもぶっかけておやり」
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クソ、無論分かってて選びやがったな。ノーラがニヤニヤしながらこっち見てやがる。
「これとこれね。じゃあカーティス、そっちの長椅子に横になって」
何もわかっていないリザが、俺の肉を溶かす薬を手にこっちに来やがる。
この俺様だって、肉が溶けるのはそれなりに痛い。齧られるよりは痛い。
だが、これを断るということは、俺がこの店の薬を知り尽くしていて、しかも自分で十分治療可能なのを証明するだけだ。
仕方なく、シャツを脱いで長椅子に横になってやれば、リザが蕩けた顔で俺の身体に見惚れやがった。
「じゃ、じゃあ染みるかもしれないけど、動かないでね」
そう言って、目の前で毒消しと消毒液を混ぜて布に染み込ませ、それを俺の脇腹に押し当てる。
「ッ!!」
リザの惚けた顔に見惚れて、危なく声が出るかと思った。
押し当てられた布の下で、俺の脇腹の肉がドロドロと溶け始める。それを全力で魔力を腹部に集中させて急速再生するが、ノーラの薬は出来がよすぎて再生がなかなか間に合わない。巨大化した邪蛇でさえ食いつけなかった真皮まで溶かした溶解液が、とうとう俺の脇腹の肉を徐々に溶かし始めやがった。
皮膚はまだしも、筋肉が溶ける痛みは尋常じゃない。なのに俺の魔力をしても、その侵食は簡単には止められぬ。全身から冷たい汗が滲み始めた。
痛みに耐えかね、いい加減やめさせよう、そう思ってリザを見上げれば。
トロンと目を潤ませて、真っ赤に顔を紅潮させ、半開きになった口元からは今にもヨダレが落ちそうに……なっているのだが、その目が見てるのは俺は俺でも、俺の血まみれで汗だくの腹だった。
なんだこれは?
新手の拷問か?
それでも……コイツが喜ぶのでは仕方がない。
痛覚を切るのも考えたが、ダメだ。コイツ、俺が痛がりはじめてから、余計目を潤ませて見つめていやがる。
それからゆうに十分ほどの間。毒と毒消しと消毒液が全て反応しきって溶解が治まるまで、俺は必死に自分の身体の再生を頑張った。
「あぁ……」
やがて痛みも消えて俺が思わず声を漏らし一息ついたのを見て、リザがやっと薬の塗られていた布を外してくれた。
きれいに傷の消え去った俺の腹を見て、リザが驚いたようにノーラを振り返る。
「流石、ノーラの薬はすごいわね。傷がすっかり消えてしまったわ!」
違う! それは俺が必死で急速再生したからだ!
……とは言わない。言えない。
「……そうだな」
ただ、平坦な声で、相槌を打つのでやっとだった。
「じゃあ次は肩ね」
そんな俺の気も知らず、リザがいい笑顔で新しい薬を取りに行った。
……今日はまだまだ長い戦いになりそうだ。
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