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第十五話 そしてさよなら王城
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さっきの一喝でその場を掌握したお后様は、改めて陛下を含むこの部屋にいる全ての人間を見下ろすようにゆっくりと玉座の前に立ち上がり、部屋を見渡して堂々と口を開きます。
「結婚も妊娠も、殿方の政治の道具ではありません。それでも子のため国のためと思えばこそ、今まで長い間我慢してまいりましたが……もう充分です」
壇上からお后様が発せられる言葉は、計り知れない重みを持って降ってきます。
それは多分、今までお后様がひとり積み重ねてきた想いの嵩なのでしょう。
「カーティス卿の出自は今この場では問いません。ですが、そんな怪しい者の血をこの王家の尊き血脈に引き込もうとは、一体どういうおつもりだったのですか?」
鋭いお后様の求罪の声が、壇上から重く響きました。
どうやらお后様は、カーティスと国王陛下の契約のことを知らなかったみたいです。
お后様の追及を一身に受けた国王陛下は、それまでの威厳が嘘のように焦った様子で言い募ります。
「だ、だが、しかし国を三倍にも五倍にもしようという力だぞ!? それさえあれば今度こそ列強にだって──」
「それがなんですか! 全く、血の繋がりもないのに、どうしてあなたはこうもお祖父様に似てらっしゃるんでしょう……権力にすがり、無駄に敵を作り、国を損なうことばかりされて」
しかしそんな陛下の答えを予想していたのでしょう、お后様が呆れたようにそれを遮りました。
そしてため息とともに陛下を見据えて、諭すように口を開きます。
「よく考えてご覧なさい。貴方が欲してやまぬほど強大な力を持つ存在を脅し、無理やりこのような契約を強制して、それで何もなく済むと思っていたのですか? 例え思い描いた形で成ったとして、それがどれほど大きな危険を生むことになるか、貴方は考えたことがありましたか?」
静かに語るお后様の声とは裏腹に、その内容には全く容赦がありません。
今正にカーティスに裏切られたばかりの国王陛下が、それに反論できるわけもなく、徐々に力なく俯いていきます。
「だが、セドリックはどうせ王家を継がせる器ではないと、お前が──」
「おだまりなさい!」
それでもまだ縋るように続けた国王陛下を、とうとうお后様が厳しい一喝で黙らせました。
「たとえ王座を継がずとも、セドリックは私の大切な息子です。我が子一人を幸せに出来なくて、どうして国を栄えさせられるとお思いですか?」
凛と響くその声を聞くうちに、自然とその場にいる皆が静かに頭を垂れていきました。
ええ、そうですよね!
陛下を見下ろすお后様の顔は厳しいままですが、ふとセドを見る瞳には間違いない温かさが感じ取れて。
それが、彼女がお后様である以前に、間違いなく血の通った一人の女性だと伝えてくれます。
そんな当たり前のことが、この場では本当に貴重で嬉しくて、思わずうんうんと頷いてしまいました。
でもその優しい顔に再び陰りが広がり、失望を滲ませながらこぼします。
「最後まで添い遂げると誓いましたのに、本当に残念ですわ」
悲しげにそう告げたお后様は、俯く国王陛下を見下ろして、その顔に深い哀れみを浮かべました。
その声につられて顔を上げた国王陛下に、一瞬悲しげに微笑んで。
それを最後に、哀れみも慈しみも全て消しさったお后様は、ためらうことなく横で控えていた兵士に命じます。
「我が元夫は気の病を悪化させ、玉座を任す能力がなくなりました。我が祖父同様、北の塔にて静かな療養が必要です」
「そんな、待ってくれ、お前もう一度──」
「連れていきなさい」
お后様の一言で、すぐ横に控えていた偉そうな騎士が直ちにその場の兵士たちに指示を始めました。
「おい! やめろ!」
指示を受けた数人の兵士が進み出て、騒ぐ元国王陛下を引きずるようにして部屋の外へと連れ立っていきます。
「ワシに逆らうか! ワシが国王じゃ!」
扉が閉められたあとも、国王陛下は騒ぐのをやめません。
だけどそれを聞いても、もうここにはそれに従おうという人はいませんでした。
これって、このまま国王様が強制引退させられちゃうってこと?
まさか私達の婚約解消が、ここまで大きな話になってしまうなんて……。
驚きの展開にカーティスを見上げれば、ムスッとしたままあらぬ方向を見ています。
「クソ。契約分の絶望を回収しそこねた」
ボソボソ言ってますが、どうやら折角自分が追い詰めていた獲物を横取りされたのが気に入らないみたい。
扉の外から響く元国王陛下の叫び声が徐々に小さくなっていきます。それでもお后様がそちらを見ることはありません。
部屋の外から聞こえる声が途絶えるのを待って、お后様が優雅な仕草でノーラたちに顔を向けました。
「そこの兵士、もうその令嬢と老女を控えさせる必要はありません。直ちに解放なさい」
お后様の言葉ですぐにノーラとカミラを抑えていた兵士たちが一歩下がります。
お后様の言葉に逆らう人は、もうここには誰もいません。
まあ、今のやり取りを見てしまえば、仕方ない気もしますが、すっかり皆お后様を新しい女王様として受け入れてしまっているようです。
解放されたカミラがノーラを起こしあげ、肩を支えながらこちらへ連れてきてくれました。
その間も、お后様は目前のセドリックに温かい視線を向けて語りかけます。
「セドリック、貴方とカミラの今後については後でゆっくりとお話を聞きましょう。まだ何も約束は出来ませんが、そこのロワール子爵家令嬢エリザベスとの婚約は、本日をもって正式に解消とします」
そして、次にその強い視線は真っ直ぐ私達のほうへ向けられました。
「カーティス卿。もうこの場で貴方の出自や存在については問いません。貴方の今までの功績を尊重し、貴方の子爵位はそのままとしましょう。その代わり、二度とこの国には足を踏み入れ──」
「それは不可能だ」
そこまで言ったお后様の言葉を先回りして、カーティスが遮りました。
無論遮られたお后様はムッとしてこちらに厳しい視線を送ってきます。
巻き込まれて一緒に睨まれる私にすれば、正にヘビに睨まれたネズミの心地です。
なのにそんな空気をものともせずに、カーティスが淡々と続けます。
「我が次の契約主の望みは、この王都に彼女が購入した家で静かに暮らすことだそうだ。それが叶わぬ限り、あの忌々しい魔法円の制約により我々はこの地を動けぬ」
「……そう言えばエリザベスがその場所を買ってしまったのでしたね」
カーティスの言葉を静かに聞いていたお后様は、少し考えてからまた口を開きました。
「ならば貴方がたがその場所に留まることは認めましょう。ただし、エリザベスはロワール家から離れ、その新たな誓願が叶えられるその日まで、決してセドリックには近づかず、学園にも城にも踏み入ることなりません」
「へ、え?! あ、ありがとうございます……?」
突然お后様にきっぱりと言い渡された私は、思わず変な声を上げてしまいました。
でもこれはえっと、多分私が願った通りになったのではないでしょうか?
お城と学園に入れなくても別に困りませんし、セドと全く会えなくなるのは寂しいですが、婚約を解消した以上、それは仕方ないのかもしれません。
でも、お后様の言葉はまだ続きます。
「今後わたくしが生きている限り、我が国は貴方がたの平穏を侵さぬと誓いましょう。その代わりにカーティス卿、貴方も間違いなくその娘の誓願を叶え、エリザベス共々この地から去ると誓いなさい」
「いいだろう、問題ない」
「え、私もですか!」
思わぬとばっちりについ声を上げてしまいました。
そんな私を見て、お后様が目を細めます。
「エリザベス。貴女の望んだことではないにしろ、貴女はもう『人ではあり得ない』魔力があるのでしょう。そのような者を制約もなくこの国に留めおくわけには行きません」
うう、お后様は優しいけれど容赦ない!
厳しいお后様の言に声も出ない私をおいて、今度はカーティスを見据えたお后様が念を押すように続けます。
「カーティス卿、くれぐれもその娘から目を離すのではありませんよ? 貴方の監視の届かない場所で、二度とその娘がこの地を歩かぬように」
「俺がこの娘から目を離すことなどない。これまでも、これからも、決してない」
言い返したカーティスの答えも、まるっきり安心出来ません。
これって私、もうあの薬局から一歩も外に出れないってことでしょうか?
いえカーティスと一緒なら出れる……ってことは今後、私の自由はカーティス次第ってことでしょうか?
痛し痒しの決着点に、うーんと唸る私の腰を、またもカーティスが横から攫うように抱え込みます。
「あ、待って最後にセドにお別れを──」
──しようと声を上げた私の周りをもう緑の煙が包み込み。
「ではさらばだ!」
そしてカーティスのやっぱり中二病っぽいセリフを最後に、私の最初で最後のお城訪問は終わりを告げたのでした。
「結婚も妊娠も、殿方の政治の道具ではありません。それでも子のため国のためと思えばこそ、今まで長い間我慢してまいりましたが……もう充分です」
壇上からお后様が発せられる言葉は、計り知れない重みを持って降ってきます。
それは多分、今までお后様がひとり積み重ねてきた想いの嵩なのでしょう。
「カーティス卿の出自は今この場では問いません。ですが、そんな怪しい者の血をこの王家の尊き血脈に引き込もうとは、一体どういうおつもりだったのですか?」
鋭いお后様の求罪の声が、壇上から重く響きました。
どうやらお后様は、カーティスと国王陛下の契約のことを知らなかったみたいです。
お后様の追及を一身に受けた国王陛下は、それまでの威厳が嘘のように焦った様子で言い募ります。
「だ、だが、しかし国を三倍にも五倍にもしようという力だぞ!? それさえあれば今度こそ列強にだって──」
「それがなんですか! 全く、血の繋がりもないのに、どうしてあなたはこうもお祖父様に似てらっしゃるんでしょう……権力にすがり、無駄に敵を作り、国を損なうことばかりされて」
しかしそんな陛下の答えを予想していたのでしょう、お后様が呆れたようにそれを遮りました。
そしてため息とともに陛下を見据えて、諭すように口を開きます。
「よく考えてご覧なさい。貴方が欲してやまぬほど強大な力を持つ存在を脅し、無理やりこのような契約を強制して、それで何もなく済むと思っていたのですか? 例え思い描いた形で成ったとして、それがどれほど大きな危険を生むことになるか、貴方は考えたことがありましたか?」
静かに語るお后様の声とは裏腹に、その内容には全く容赦がありません。
今正にカーティスに裏切られたばかりの国王陛下が、それに反論できるわけもなく、徐々に力なく俯いていきます。
「だが、セドリックはどうせ王家を継がせる器ではないと、お前が──」
「おだまりなさい!」
それでもまだ縋るように続けた国王陛下を、とうとうお后様が厳しい一喝で黙らせました。
「たとえ王座を継がずとも、セドリックは私の大切な息子です。我が子一人を幸せに出来なくて、どうして国を栄えさせられるとお思いですか?」
凛と響くその声を聞くうちに、自然とその場にいる皆が静かに頭を垂れていきました。
ええ、そうですよね!
陛下を見下ろすお后様の顔は厳しいままですが、ふとセドを見る瞳には間違いない温かさが感じ取れて。
それが、彼女がお后様である以前に、間違いなく血の通った一人の女性だと伝えてくれます。
そんな当たり前のことが、この場では本当に貴重で嬉しくて、思わずうんうんと頷いてしまいました。
でもその優しい顔に再び陰りが広がり、失望を滲ませながらこぼします。
「最後まで添い遂げると誓いましたのに、本当に残念ですわ」
悲しげにそう告げたお后様は、俯く国王陛下を見下ろして、その顔に深い哀れみを浮かべました。
その声につられて顔を上げた国王陛下に、一瞬悲しげに微笑んで。
それを最後に、哀れみも慈しみも全て消しさったお后様は、ためらうことなく横で控えていた兵士に命じます。
「我が元夫は気の病を悪化させ、玉座を任す能力がなくなりました。我が祖父同様、北の塔にて静かな療養が必要です」
「そんな、待ってくれ、お前もう一度──」
「連れていきなさい」
お后様の一言で、すぐ横に控えていた偉そうな騎士が直ちにその場の兵士たちに指示を始めました。
「おい! やめろ!」
指示を受けた数人の兵士が進み出て、騒ぐ元国王陛下を引きずるようにして部屋の外へと連れ立っていきます。
「ワシに逆らうか! ワシが国王じゃ!」
扉が閉められたあとも、国王陛下は騒ぐのをやめません。
だけどそれを聞いても、もうここにはそれに従おうという人はいませんでした。
これって、このまま国王様が強制引退させられちゃうってこと?
まさか私達の婚約解消が、ここまで大きな話になってしまうなんて……。
驚きの展開にカーティスを見上げれば、ムスッとしたままあらぬ方向を見ています。
「クソ。契約分の絶望を回収しそこねた」
ボソボソ言ってますが、どうやら折角自分が追い詰めていた獲物を横取りされたのが気に入らないみたい。
扉の外から響く元国王陛下の叫び声が徐々に小さくなっていきます。それでもお后様がそちらを見ることはありません。
部屋の外から聞こえる声が途絶えるのを待って、お后様が優雅な仕草でノーラたちに顔を向けました。
「そこの兵士、もうその令嬢と老女を控えさせる必要はありません。直ちに解放なさい」
お后様の言葉ですぐにノーラとカミラを抑えていた兵士たちが一歩下がります。
お后様の言葉に逆らう人は、もうここには誰もいません。
まあ、今のやり取りを見てしまえば、仕方ない気もしますが、すっかり皆お后様を新しい女王様として受け入れてしまっているようです。
解放されたカミラがノーラを起こしあげ、肩を支えながらこちらへ連れてきてくれました。
その間も、お后様は目前のセドリックに温かい視線を向けて語りかけます。
「セドリック、貴方とカミラの今後については後でゆっくりとお話を聞きましょう。まだ何も約束は出来ませんが、そこのロワール子爵家令嬢エリザベスとの婚約は、本日をもって正式に解消とします」
そして、次にその強い視線は真っ直ぐ私達のほうへ向けられました。
「カーティス卿。もうこの場で貴方の出自や存在については問いません。貴方の今までの功績を尊重し、貴方の子爵位はそのままとしましょう。その代わり、二度とこの国には足を踏み入れ──」
「それは不可能だ」
そこまで言ったお后様の言葉を先回りして、カーティスが遮りました。
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巻き込まれて一緒に睨まれる私にすれば、正にヘビに睨まれたネズミの心地です。
なのにそんな空気をものともせずに、カーティスが淡々と続けます。
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「……そう言えばエリザベスがその場所を買ってしまったのでしたね」
カーティスの言葉を静かに聞いていたお后様は、少し考えてからまた口を開きました。
「ならば貴方がたがその場所に留まることは認めましょう。ただし、エリザベスはロワール家から離れ、その新たな誓願が叶えられるその日まで、決してセドリックには近づかず、学園にも城にも踏み入ることなりません」
「へ、え?! あ、ありがとうございます……?」
突然お后様にきっぱりと言い渡された私は、思わず変な声を上げてしまいました。
でもこれはえっと、多分私が願った通りになったのではないでしょうか?
お城と学園に入れなくても別に困りませんし、セドと全く会えなくなるのは寂しいですが、婚約を解消した以上、それは仕方ないのかもしれません。
でも、お后様の言葉はまだ続きます。
「今後わたくしが生きている限り、我が国は貴方がたの平穏を侵さぬと誓いましょう。その代わりにカーティス卿、貴方も間違いなくその娘の誓願を叶え、エリザベス共々この地から去ると誓いなさい」
「いいだろう、問題ない」
「え、私もですか!」
思わぬとばっちりについ声を上げてしまいました。
そんな私を見て、お后様が目を細めます。
「エリザベス。貴女の望んだことではないにしろ、貴女はもう『人ではあり得ない』魔力があるのでしょう。そのような者を制約もなくこの国に留めおくわけには行きません」
うう、お后様は優しいけれど容赦ない!
厳しいお后様の言に声も出ない私をおいて、今度はカーティスを見据えたお后様が念を押すように続けます。
「カーティス卿、くれぐれもその娘から目を離すのではありませんよ? 貴方の監視の届かない場所で、二度とその娘がこの地を歩かぬように」
「俺がこの娘から目を離すことなどない。これまでも、これからも、決してない」
言い返したカーティスの答えも、まるっきり安心出来ません。
これって私、もうあの薬局から一歩も外に出れないってことでしょうか?
いえカーティスと一緒なら出れる……ってことは今後、私の自由はカーティス次第ってことでしょうか?
痛し痒しの決着点に、うーんと唸る私の腰を、またもカーティスが横から攫うように抱え込みます。
「あ、待って最後にセドにお別れを──」
──しようと声を上げた私の周りをもう緑の煙が包み込み。
「ではさらばだ!」
そしてカーティスのやっぱり中二病っぽいセリフを最後に、私の最初で最後のお城訪問は終わりを告げたのでした。
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