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第十一話 目からウロコな解決方法(後)
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いったいどれだけの時間が経ったのでしょう。
「カーティス卿、それは本当ですか?」
私と視線を外さずに、でもお父様がボソリと尋ねます。
と。それまで薬師然と姿勢よく座っていたカーティスが、突然態度をガラリと変えて、大きく足組をして口を開きました。
「ああ、本当だ。リザ嬢から昨晩、セドリック殿下との婚約が破棄されると伺い、私から新たに結婚を申し込ませていただいた」
しれっとした顔でそう言ったカーティスは、いつの間に用意したのか、婚姻の申し込みによく使われる、おもちゃのように小さなティアラをテーブルの上に置きました。
「まあ!」
それを見た途端、窓辺に座っていたお母様が声を上げて首を伸ばしてきました。
私も実は目が離せません。
例え相手がカーティスであっても、その白銀に輝く華奢で繊細な造りのティアラを見れば、こんな私でも乙女心が疼きます。
しかも、これが生まれて初めて頂く婚約申し込みのティアラなのですからなおさらです。
実はこれ、私はセドからもらっていません。
私達の婚約は物心つくよりも前でしたし、正式なやり取りは成人してからとなっていたのです。
「私にしても、幼い時分からずっと診てきたリザ嬢は、もうすでに娘のようなものだ。こんな婚約解消問題で彼女の外聞を汚すのは忍びない。私のような年寄で申し訳ないが、これでも一応独り身で子爵の爵位は持つ身だ。彼女の名誉は充分守ることができるだろう」
ティアラに目が釘付けの私達三人を前に、カーティスが突然貴族然とした口調で話し始めました。
ああ、このひとは今、薬師の立場を捨てたのだわ。
これまでは立場上、王室派遣の薬師として控えめな態度を崩しませんでしたが、ここにきて私に婚約を申し込むに相応しい子爵という地位のカーティス卿として話しているのです。
悪魔のクセに、しっかりこの国の社交の手管をご存知だこと。
見ればテーブルに置かれたティアラにも、彼の子爵家の紋章を象った貴石が輝いています。
お父様にとって、この交渉方法はかなり効くはず。
現に、カーティスの説明を聞いたお父様は、グッと言葉を詰めて座り直し、私の横でブツブツと、
「かたや相続権のない第三王子、かたや王室付きの子爵家薬師……」
なんて言って唸ってるもの。
これは後ひと押し。
「セドのカミラへの想いはとても純粋ですもの。きっと王様も最後は理解してくださるわ。二人の関係に影を落とさぬように、私もなるべく早く身を固めたほうがいいと思いますの──」
『──社交界で私が捨てられただの、出し抜かれただのと陰口を言われないうちに』
という私の言葉の続きは、きっと口に出さずともお父様にはちゃんと伝わっているでしょう。
どうやらそれで踏ん切りがついたらしいお父様が、コホンとわざとらしい咳をひとつして、机に置かれたティアラを私の前に移動させました。
「仕方ありませんな。二人の意思は硬いようですし、カーティス殿もすっかり娘を気に入ってらっしゃる様子であるし」
やったわ。
ティアラを私の前に移動したのは、このロワール子爵家が正式にカーティスの申し出を受けたことになります。
「では、正式な結婚の約定を交わすにあたり……」
やっとこれで話が落ち着く、そう思って気が緩んだその時。
「両家の格式とこの国の伝統に則り、カーティス卿からは白金貨五枚の祝い金を出していただきましょうか」
カーティスを見下した態度のお父様が、とんでもないことを言い出しました。
待ってそれはいくらなんでも法外だわ。
それは私もセドに十倍の違約金なんてふっかけたけれども、それはセドとの婚約期間の長さと、周然の事実だった私達の婚約破棄の影響の大きさ、そして彼の罪悪感に付け込んだからこその金額だったのに。
昨日の今日で、こんな付け焼き刃で婚約を申し込んでるカーティスが、私との婚約にそんな大金を用意するわけないじゃない。
ここはいっそ、あとでセドが私に支払った違約金の残りを払うからってカーティスにお願いすべき?
でもそうすると、昨日の借金の支払いとこの新たな婚約費用で、セドにもらったお金がそのまま消えてしまいます。
白金貨五枚。
白金貨五枚。
白金貨五枚。
うーーーー、白金貨五枚!
どう考えてみても、やっぱり背に腹は代えられません。
本っっっ当に、もったいないけど、お金なんてまたあのお店で頑張って儲ければいいのだもの。
瞬時の熟考のすえ、私が断腸の思いでカーティスに影で申し出ようとしたその時。
「構わん。受け取りたまえ」
驚いたことに、私が口を開くよりも早く、カーティスが白いローブの内側から黒いビロードの小袋を取り出して、ストンとお父様の前のテーブルに置きました。
うわ、袋からして高価そう。
この国であんなになめらかで美しく輝くビロードなんて、今まで一度も見たことがありません。
袋に手を伸ばしたお父様の目の色も、欲の色にギラギラ輝いています。
「こ、これは! いまだ取引の少ない西大陸帝国の白金貨……」
え。
待って、『西大陸帝国』って、確か『プリ・エタ』の次のシーズンで出るって言っていた先進国だったはず。
舞台が広がって、より変わった国々のプリンスたちが学園に通うようになり、よりカラフルな攻略対象が増えるって……
あれ?
そう言えばその中に、大陸の魔王様ってスチールがあった気が……
「しかもこれは王家の製造番号入り……」
白金貨の裏を返したお父様が、あまりの驚きに声を震わせています。
「ご存知の通り、あの国とは少々縁があるゆえ」
周知の事実のようにカーティスは言っていますが。
え、そうなの?
そんな設定、ゲームでもラノベでも一度も出てきていません。
今世でも、今まで誰からも聞かされたことがありませんでした。
ま、まさか、カーティスって次シーズンで活躍する攻略対象だったりしたの??
そう考えると、色々辻褄が合う気がしてきます。
よーく見れば、見た目も結構キラキラしていますし。
お父様は知っていたのかしら?
そう思って様子を見ても、すっかり手の中の白金貨に魅入られたお父様からはもう金欲以外読み取れません。
「喜んで娘の新しい門出を祝わせて頂こう」
ほとんど上の空でそう呟いて、セドリック王子のことも忘れてカーティスにだけ挨拶をした父は、フラフラと部屋を出ていきました。
もちろん、白金貨入りの袋をしっかり手に持って。
ほんの一瞬こちらを不安げに見たお母様も、すぐにその後を追って出ていきます。
「これで良かったのかな」
すっかり二人に忘れられていたセドが、困ったようにそう言って立ち上がり、短い挨拶をしてやはり部屋を出ていきました。
使用人が部屋を片付け、気を利かせてカーティスと私を部屋にのこして出ていってくれたところで、
「やったわ!」
思わず小さく飛び上がってしまいました。
喜びを分かち合おうとカーティスを見ると、まだ同じ椅子に座ったまま、こちらをジッと見ています。
「これで正式に俺の妻にもらうことになるが、本当にそれでいいのだな」
言われてみて、今更ながら改めてその事実を実感します。
セドとの結婚から逃げ出したい。
最終的にはただその一心で、あまり考えもせずに乗ってしまったこの婚約。
果たして私は正しい選択をしたのかしら?
ちょっとだけ考えました。
でも結果は同じです。
「結婚なんて、どうせ私とは関係ないところで決まってしまうものですもの。少なくとも、あなたは私があの薬局で暮らすことを許してくれるのでしょう?」
「昨日言ったとおりだ。お前が望む小さな幸せとやらに満足するなり、飽きるまでは好きにすればいい。その時点で俺を召喚したあのクソ忌々しい魔法円も発動するだろう」
「なら問題は何もないわ。ああ、これでやっと私、自由になれるのね」
喜ぶ私を他人事のように見ていたカーティスが、突然立ち上がって真っ直ぐ私に歩み寄り、驚く私の肩を引き寄せました。
ええ! 待って。
確かに結婚の約束はしてしまったけど、私、この人とそういう事になるつもりはないんですが。
まさかそう思ってるのは私だけ?
驚きのあまり、私を抱き寄せたカーティスの顔をマジマジと見てしまいます。
申し訳ないけれど、私にはこういうときにトキメキを感じてしまうような、いわゆる乙女らしい感性は足りません。
じゃあなぜ「プリ・エタ」なんかプレーしてたかですか?
……血まみれになってヒロインを守る騎士団員のスチールに殺られたからです。
「まだ早い。まずはあの家に行くぞ」
ジッと見上げていた私の腰をそのまま抱き寄せたカーティスが、もう片方の手でローブの中から小瓶を取り出し、シャッと中身を私達のまわりに振りまきました。
小瓶から放たれた液体は、そのままゆっくりと気化し、薄い緑の煙が私達を包みこみます。
思ったよりも濃くなっていく煙の中、私は自分達がいた客間が煙の向こう側でゆっくりと揺らいで消えていくのを見たのでした。
「カーティス卿、それは本当ですか?」
私と視線を外さずに、でもお父様がボソリと尋ねます。
と。それまで薬師然と姿勢よく座っていたカーティスが、突然態度をガラリと変えて、大きく足組をして口を開きました。
「ああ、本当だ。リザ嬢から昨晩、セドリック殿下との婚約が破棄されると伺い、私から新たに結婚を申し込ませていただいた」
しれっとした顔でそう言ったカーティスは、いつの間に用意したのか、婚姻の申し込みによく使われる、おもちゃのように小さなティアラをテーブルの上に置きました。
「まあ!」
それを見た途端、窓辺に座っていたお母様が声を上げて首を伸ばしてきました。
私も実は目が離せません。
例え相手がカーティスであっても、その白銀に輝く華奢で繊細な造りのティアラを見れば、こんな私でも乙女心が疼きます。
しかも、これが生まれて初めて頂く婚約申し込みのティアラなのですからなおさらです。
実はこれ、私はセドからもらっていません。
私達の婚約は物心つくよりも前でしたし、正式なやり取りは成人してからとなっていたのです。
「私にしても、幼い時分からずっと診てきたリザ嬢は、もうすでに娘のようなものだ。こんな婚約解消問題で彼女の外聞を汚すのは忍びない。私のような年寄で申し訳ないが、これでも一応独り身で子爵の爵位は持つ身だ。彼女の名誉は充分守ることができるだろう」
ティアラに目が釘付けの私達三人を前に、カーティスが突然貴族然とした口調で話し始めました。
ああ、このひとは今、薬師の立場を捨てたのだわ。
これまでは立場上、王室派遣の薬師として控えめな態度を崩しませんでしたが、ここにきて私に婚約を申し込むに相応しい子爵という地位のカーティス卿として話しているのです。
悪魔のクセに、しっかりこの国の社交の手管をご存知だこと。
見ればテーブルに置かれたティアラにも、彼の子爵家の紋章を象った貴石が輝いています。
お父様にとって、この交渉方法はかなり効くはず。
現に、カーティスの説明を聞いたお父様は、グッと言葉を詰めて座り直し、私の横でブツブツと、
「かたや相続権のない第三王子、かたや王室付きの子爵家薬師……」
なんて言って唸ってるもの。
これは後ひと押し。
「セドのカミラへの想いはとても純粋ですもの。きっと王様も最後は理解してくださるわ。二人の関係に影を落とさぬように、私もなるべく早く身を固めたほうがいいと思いますの──」
『──社交界で私が捨てられただの、出し抜かれただのと陰口を言われないうちに』
という私の言葉の続きは、きっと口に出さずともお父様にはちゃんと伝わっているでしょう。
どうやらそれで踏ん切りがついたらしいお父様が、コホンとわざとらしい咳をひとつして、机に置かれたティアラを私の前に移動させました。
「仕方ありませんな。二人の意思は硬いようですし、カーティス殿もすっかり娘を気に入ってらっしゃる様子であるし」
やったわ。
ティアラを私の前に移動したのは、このロワール子爵家が正式にカーティスの申し出を受けたことになります。
「では、正式な結婚の約定を交わすにあたり……」
やっとこれで話が落ち着く、そう思って気が緩んだその時。
「両家の格式とこの国の伝統に則り、カーティス卿からは白金貨五枚の祝い金を出していただきましょうか」
カーティスを見下した態度のお父様が、とんでもないことを言い出しました。
待ってそれはいくらなんでも法外だわ。
それは私もセドに十倍の違約金なんてふっかけたけれども、それはセドとの婚約期間の長さと、周然の事実だった私達の婚約破棄の影響の大きさ、そして彼の罪悪感に付け込んだからこその金額だったのに。
昨日の今日で、こんな付け焼き刃で婚約を申し込んでるカーティスが、私との婚約にそんな大金を用意するわけないじゃない。
ここはいっそ、あとでセドが私に支払った違約金の残りを払うからってカーティスにお願いすべき?
でもそうすると、昨日の借金の支払いとこの新たな婚約費用で、セドにもらったお金がそのまま消えてしまいます。
白金貨五枚。
白金貨五枚。
白金貨五枚。
うーーーー、白金貨五枚!
どう考えてみても、やっぱり背に腹は代えられません。
本っっっ当に、もったいないけど、お金なんてまたあのお店で頑張って儲ければいいのだもの。
瞬時の熟考のすえ、私が断腸の思いでカーティスに影で申し出ようとしたその時。
「構わん。受け取りたまえ」
驚いたことに、私が口を開くよりも早く、カーティスが白いローブの内側から黒いビロードの小袋を取り出して、ストンとお父様の前のテーブルに置きました。
うわ、袋からして高価そう。
この国であんなになめらかで美しく輝くビロードなんて、今まで一度も見たことがありません。
袋に手を伸ばしたお父様の目の色も、欲の色にギラギラ輝いています。
「こ、これは! いまだ取引の少ない西大陸帝国の白金貨……」
え。
待って、『西大陸帝国』って、確か『プリ・エタ』の次のシーズンで出るって言っていた先進国だったはず。
舞台が広がって、より変わった国々のプリンスたちが学園に通うようになり、よりカラフルな攻略対象が増えるって……
あれ?
そう言えばその中に、大陸の魔王様ってスチールがあった気が……
「しかもこれは王家の製造番号入り……」
白金貨の裏を返したお父様が、あまりの驚きに声を震わせています。
「ご存知の通り、あの国とは少々縁があるゆえ」
周知の事実のようにカーティスは言っていますが。
え、そうなの?
そんな設定、ゲームでもラノベでも一度も出てきていません。
今世でも、今まで誰からも聞かされたことがありませんでした。
ま、まさか、カーティスって次シーズンで活躍する攻略対象だったりしたの??
そう考えると、色々辻褄が合う気がしてきます。
よーく見れば、見た目も結構キラキラしていますし。
お父様は知っていたのかしら?
そう思って様子を見ても、すっかり手の中の白金貨に魅入られたお父様からはもう金欲以外読み取れません。
「喜んで娘の新しい門出を祝わせて頂こう」
ほとんど上の空でそう呟いて、セドリック王子のことも忘れてカーティスにだけ挨拶をした父は、フラフラと部屋を出ていきました。
もちろん、白金貨入りの袋をしっかり手に持って。
ほんの一瞬こちらを不安げに見たお母様も、すぐにその後を追って出ていきます。
「これで良かったのかな」
すっかり二人に忘れられていたセドが、困ったようにそう言って立ち上がり、短い挨拶をしてやはり部屋を出ていきました。
使用人が部屋を片付け、気を利かせてカーティスと私を部屋にのこして出ていってくれたところで、
「やったわ!」
思わず小さく飛び上がってしまいました。
喜びを分かち合おうとカーティスを見ると、まだ同じ椅子に座ったまま、こちらをジッと見ています。
「これで正式に俺の妻にもらうことになるが、本当にそれでいいのだな」
言われてみて、今更ながら改めてその事実を実感します。
セドとの結婚から逃げ出したい。
最終的にはただその一心で、あまり考えもせずに乗ってしまったこの婚約。
果たして私は正しい選択をしたのかしら?
ちょっとだけ考えました。
でも結果は同じです。
「結婚なんて、どうせ私とは関係ないところで決まってしまうものですもの。少なくとも、あなたは私があの薬局で暮らすことを許してくれるのでしょう?」
「昨日言ったとおりだ。お前が望む小さな幸せとやらに満足するなり、飽きるまでは好きにすればいい。その時点で俺を召喚したあのクソ忌々しい魔法円も発動するだろう」
「なら問題は何もないわ。ああ、これでやっと私、自由になれるのね」
喜ぶ私を他人事のように見ていたカーティスが、突然立ち上がって真っ直ぐ私に歩み寄り、驚く私の肩を引き寄せました。
ええ! 待って。
確かに結婚の約束はしてしまったけど、私、この人とそういう事になるつもりはないんですが。
まさかそう思ってるのは私だけ?
驚きのあまり、私を抱き寄せたカーティスの顔をマジマジと見てしまいます。
申し訳ないけれど、私にはこういうときにトキメキを感じてしまうような、いわゆる乙女らしい感性は足りません。
じゃあなぜ「プリ・エタ」なんかプレーしてたかですか?
……血まみれになってヒロインを守る騎士団員のスチールに殺られたからです。
「まだ早い。まずはあの家に行くぞ」
ジッと見上げていた私の腰をそのまま抱き寄せたカーティスが、もう片方の手でローブの中から小瓶を取り出し、シャッと中身を私達のまわりに振りまきました。
小瓶から放たれた液体は、そのままゆっくりと気化し、薄い緑の煙が私達を包みこみます。
思ったよりも濃くなっていく煙の中、私は自分達がいた客間が煙の向こう側でゆっくりと揺らいで消えていくのを見たのでした。
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