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悪魔な旦那様と暮らしてます。

その12 夏があんまり暑かったから・・・2★

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「し、師匠! こういう所は私の天敵の温床です!」
「対処法は前に教えただろう」
「そういう問題じゃありません!」
「……またお前が慣れるまで特訓してやろうか?」
「師匠の意地悪!」

 私は涙目でアーロンの腕をポンポン叩くが全く効いてない。

「嘘だ嘘だ。ほら。俺のローブの中に入ってろ」

 嬉しそうに笑いながら、そう言ってアーロンが自分のローブの前を開けた。ローブの内側に私を入てれ、顔だけ出した状態で包み込む。そのままローブの上から片腕で抱きかかえた。

「……これは悪くないな」
「師匠、何かお尻に当たってます!」
「気にするな。自然現象だ」

 うわ、もう目の色が変わっちゃった。

「こ、ここは駄目ですよ。皆に聞こえちゃいますから」
「お前が声を我慢すればいいだろ」
「無理です! 師匠すぐ激しくするんですから」

 逃げるようにちょっとだけ身体を離そうとしたら、逆に強く引き寄せられて押し付けられた。

「このままで我慢しろって言うのか?」
「はい。我慢です」

 ブスッとしながらも私が嫌だと言う前に我慢してくれる。
 アーロンはどうやら私に『嫌だ』と言われるのがよっぽど堪えるらしい。私もそれが分かってきたので、その一言はなるべく使わないように気をつけてる。

「仕方ない、始めるぞ。後でブリジットに謝っておけ」
「へ?」

 訳がわからず聞き返そうと思った瞬間、キッチンで一番大きい、私でも丸々入りそうなサイズの銅鍋がパッと目の前の床に現れた。
 私を抱えたままアーロンがそれに屈み込む。伸ばした指先から電撃魔法を出して、その鍋の薄い底に器用に排出陣を描いていく。こちらは私の知っている魔法陣そのままだ。

「これでこちらから魔法陣に魔力を流せば、勝手に向こうの摂取陣にも魔力が流れてこの通り」

 アーロンが一回魔力を通すとすぐその円陣から水が溢れ出す。

「し、師匠すごい!」
「後は城から配管人を呼んで部屋を整えさせれば終わりだ」

 あ、そうか。いくらアーロンの魔法でも配管までは難しいのか。
 触ってみると鍋の中の水はひんやりと冷たい。

「これでプールとか入れたら最高に気持ち良さそうですね」
「プール?」
「あ。あの、えっと、前に吟遊詩人さんが異国で水を張ったプールなる物に入って夏を涼しむ所があるって言ってました」

 うう、苦しい言い訳だ。
 実は私、ある事情でまだアチラのことをアーロンに切り出せないでいる。
 何やら疑わしそうに目を細めたアーロンがボソリと呟く。

「そんなの、浴場に水を張れば良いだけだろ」
「そんなの、喉が渇いて無理です」
「だからお前の水魔法はおかしいんだよ」

私の文句に文句をつけたアーロンは、そのまま話しながら流れるようにパッと庭に一旦転移して、浴場に向かって歩き出した。

「多分お前の水魔法は転移魔法を一部、同時発動している。体内の水分を提供することを先にイメージで覚えてしまったんだろう。仕方ない、今度精霊界の実習をするまで、イメージを切り替えて今日見てきたあの地下水源から水を取り出すようにしてみろ」

 あ、何かそれは出来そうだ。

「やってみます」

 そう返事を返して地下水源を遠見で確認し、手の平から初級の水魔法をチョロチョロ出してみた。確かに喉が渇かない。思い切って水魔法を中級以上まで引き上げる。

「お前一人だと時間が掛かるな。仕方ない、俺も手伝おう」

 そう言ってアーロンも手から水を放出し始めた。二人で入れたお陰で湯船はあっという間に水で満たされ、我が館に簡易プールが出現した。

 以前自分で掃除した時は半分諦めてたけど実現しちゃったよ。

「アエリア、エリーに俺とお前二人分の着替えとタオルを用意してもらってこい」
「え? 師匠も入るんですか?」
「……お前俺を追い出す気だったのか?」
「だって師匠、別に暑くないんですよね?」
「お前が水浴びするのになんで俺が出てかなきゃならない?」

 あ。この人目的が全く違うぞ。

「師匠、今日はもう夜までなしでお願いします」
「なぜだ? 涼しくなれば良かったんじゃないのか?」
「涼しくなったからって一日中そればっかりしたくないです」
「俺はずっとやり続けても別に構わないが」
「だから! 師匠と私では体力が全然違うんです。これ以上するならプールは諦めます」

 アーロンは渋々と頷く。

「分かった。俺からはしない」

 ん?
 何か引っかかる言い方だけど、まあ納得したみたいだし良しとするか。
 私はエリーさんたちにプールのことを伝えて、着替えとタオルを頼んだ。
 こっちのタオルってこんな良質の物でもなんかゴワゴワしてるんだよねぇ。
 あー、こういう時に日本のタオルが懐かしい。
 エリーさんたちは喜んで他にも簡単な軽食やら飲み物まで用意してくれた。なんか即席高級リゾートっぽくなってきたよ。

「ほら脱いで入ってみろ」

 そう言ってアーロンもとっとと裸になる。
 いい加減見慣れてきたとは言え、あまりに整い過ぎたアーロンの裸はやっぱり心臓に良くない。
 私も服を脱ぎ始めたが、アーロンがじっとこちらを見つめていることに気が付いた。

「師匠ちょっと向こう向いててください!」
「何でだ?」
「何でだっていいですから! 見られてると脱げません!」

 何を今更、とぶつぶつ言いながらも後ろを向いてくれた。
 アーロンにこう言う私の恥じらいはストレートには伝わらない。下手をすると、俺を煽ったとわけの分からない理由でから情事にもつれ込まされてしまう。
 それでもプールの誘惑には無論勝てない。潔くとっとと全て脱ぎ捨てて、喜び勇んで飛び込んだ。

「あ、馬鹿。かなり冷たいぞ!」
「ひぎゃ!」
「大丈夫か!?」

 飛び込んだ水はガチガチと歯の音が鳴るほど冷たかった。すぐにアーロンが私の身体を引きあげてくれる。

「ちょっと待ってろ」

 震える私の身体をさすりつつ、アーロンが手を水に向けて魔力を流し始めた。
 あ、熱だけの火魔法だ。私も無詠唱で出来るけど調整が難しい。未だにお湯を沸かさずに温めるのが出来ないままだ。

「一度触ってみろ」

 言われて水に手を入れてみれば温水プールみたいでちょうどいい。
 今度は慎重にゆっくりと身体を水に沈めて、パシャパシャと水を足で蹴り上げた。

「師匠、最高です! 気持ちいい!」

 私のはしゃぎようを眩しそうに目を細くして眺めてたアーロンが、のっそりと自分も水に浸かる。

「確かにこれは気持ちいいな」

 そう言って水の中に頭を沈めた。長い髪がぺたりとくっついたのを、髪紐を解いてもう一度水で流して掻き上げる。

 うわ、アーロンすごく色っぽい。

 ちょっと赤くなってしまう。これだけ一緒にいるのに、それでも時々アーロンが綺麗すぎて心臓が痛くなる。
 慌てて誤魔化すために全く違うことを聞いてみた。

「師匠の髪って真黒で擬態前の私みたいですよね。もしかして勇者の血も入ってるんですか?」
「馬鹿、これも擬態だと言っただろう」
「ああ、それで一番竜王とはかけ離れた勇者の特徴を模したんですね」
「……まあ、そんなもんだ」

 なんでかアーロンが明後日のほうを見ながら答える。

「それよりさっきっから何やってんだ?」
「へ? これですか? 水鉄砲をやろうと。ほら師匠、えいっ!」

 私の水鉄砲は避けもしなかったアーロンの顔のど真ん中に命中した。水鉄砲だからほんとに大した威力もなく、軽くアーロンの顔をチョロっと濡らしただけだったのだけど、アーロンが思いっきりキョトンとした顔でこちらを見てる。

「なんだ? 今のは」
「え? だから水鉄砲ですよ」
「みずでっぽう?」

 あ、やば。こっちに鉄砲はなかったのか。

「こ、公衆浴場で前に外国のお姉さんに教わったんです。ほら、こうやって手を組んでこう!」
「こうやって…こう。……飛ばないぞ」
「それは手をちゃんと組まないから空気が入って水が上がってこないんです。ちゃんと手の間の隙間をこうやって塞いで……」

 アーロンの大きな手を覗き込み、指で角度を整えて教えてあげる。

「それで手の平の間に引き上げた水をここから一気に押し出すんです」
「お! 飛んだぞ」

 アーロンが子供のように嬉しそうに笑って何度も水鉄砲を飛ばしてる。
 うう、可愛すぎる。ちょっとだけ、アチラの私の目線でアーロンが子供っぽく見えてしまった。
 チョット油断した隙にアーロンから水鉄砲を食らう。

「なんだ、簡単だな」

 そりゃあ一度覚えてしまえばこんな物、もちろん簡単だろう。
 だけど魔法でいくらでも水を飛ばせるアーロンが、ここまで水鉄砲を気に入るとは思わなかった。

「そうか。これは手の中の水をこの細い隙間から放出することで、手で押す僅かな力量を水を出す力に変換するのか。しかも空気を入れずに手に水を入れることでこの位置まで水を引き上げられると。ならばこれを木材で行えば簡単に水を組み上げることも可能か。いや木材より銅か鉄だな。いや待てよ、同じことは空気でも出来るんじゃないか?」

 あれ? なんかアーロンが速攻、違うほうに論理を拡げ始めちゃったぞ。

「まずは明日配管の奴と話して試してみるか」

 ……私もしかしてマズいこと教えちゃった?

「お前は面白いことを知ってるな。この前も竜王白の湯で泳いでなかったか? あれも公衆浴場で覚えたのか?」

 いや無理だから。こっちの公衆浴場はスチームサウナがメインだ。
 風呂上がりのかけ湯用に、小さな風呂に水が張ってある程度で、泳げるような水はどこにもない。

「お、泳いでなかったかっと思いますよ? 師匠の気のせいです」

 私があたふたと答えるのをアーロンがちょっと首を傾げて見ていたが、すぐに膝の上に引き寄せ後ろから抱きすくめられる。
 最近、何かと言うとこうやって私を膝に乗せたがる。

「そろそろ出ませんか? ちょっと冷えてきてません?」
「こうやってくっついていれば温かいだろ」

 そう言いながらアーロンがピットリと身体を寄せて来た。こうすると確かに重ねられた素肌から直接アーロンの体温が私に移ってくるけれど、同時に私の中に別の熱が生まれてしまう。

 まるで私の反応を見透かしたかのように、アーロンの手がゆっくりと動き出した。私の二の腕をさすり、肘を撫で上げ、指先までいって私の指を絡め取る。
 それをまた外して、次は腰の辺りからサワサワと脇を撫であげ後ろから私の胸を揉み上げた。

「んんっ…師匠、しないって、言った……」
「別にするとはいってないぞ。触ってるだけだ」

 ずるい。

 ゆるゆると胸を揉み上げていた指の一本が私の乳首を転がし始める。

「あぅ…んんっ……」

 自分の小さな呻きが浴室に響きだし、恥ずかしくて身が縮こまる。するとアーロンの腕が伸びてきてそのまま軽く前にかがまされ、アーロンの唇が私の首筋と背中を這い回り始めた。
 すぐに私の声のほうが我慢できなくなってくる。

「師匠、アーロン、声が出ちゃう」
「我慢すればいいだろ」
「そんなの、痛いっ!」

 突然、アーロンが私の二の腕に噛みついた。

「痛いのと気持ちいいの、どっちがいい?」

 間近に顔を寄せて、とんでもないことを平然と聞いてくる。

「そんなの、なんで選ばなきゃならないんですか!」
「選ばなきゃ両方やるからだ」

 目に意地悪な光を湛えたアーロンが、今度は反対の二の腕に歯を立てて、甘噛みしつつ私の乳首を捏ねくり回しはじめた。
 広がり始めた快感と、二の腕に当てられたアーロンの犬歯に催される恐怖の間で身体が熱を持って痺れだす。
 そのまましばらく私の腕を甘噛みして私の反応を楽しんでから、私の身体を水から引き上げて湯船の縁に腰掛けさせた。

「足を開け」
「嫌です」
「……じゃあ仕方ない」

 すんなり諦めたのかと思えば、少し下がって私の足首を掴んで水から引き上げて、私の目の前でこちらを見ながら舐め始めた。
 突然のアーロンの行動に、一瞬何をされるのか頭が追い付かない。全くの無防備な所にアローンの舌と唇が足の甲から足首まで一気に舐め上げる感触をモロに受けてしまい、その快感に悶えてしまう。

「ひゃぁぁん! 師匠そんなのしなくていいからだめ……ああん!」
「足を開いてくれないんだろ。なら閉じていられなくするだけだ」

 私の静止を無視して意地悪な笑みを浮かべたアーロンが、唇に今度は私の足の指を口に含んでネロネロと舐め始めた。

「し、師匠そんなの…ああっ、ダメ……」

 ヌルっと滑る舌が足の指の間を這うたびに、頭の中に電撃が走るような痺れと快感が押し寄せる。
 アーロンはそんな私の様子をじっと見上げつつ、そのまま私の足の指を順番に嬲り、音を立てて吸い上げ、口の中で甘噛みしてく。
 アーロンが私の目線より下に跪いて私の足を舐め回してるっていう構図だけでもノックアウト物なのに、それに加えて、今まで知らなかった新しい快感が加わって腰から力が抜けて膝がガクガク言いだした。

「お許しが出たみたいだな」

 両足の指をしっかりと舐め上げたアーロンはそう言って非常に満足そうな顔で私の力の入らなくなった膝の間に顔を寄せて来る。

「師匠、良いなんて言ってない……」
「お前の身体がそう言ってる。ほら見ろ、糸を引いてるぞ」

 そう言って私の足の間に指を走らせてすでに太ももまで垂れてきていた私の蜜を掬って見せる。
 そのたった一撫でで身体が火がついたように燃え上がってしまった。
 いつも思うけどアーロンとするのはまるで媚薬を入れられるようだ。薬なんか使わなくても、すぐに身体が勝手に燃え上がってしまう。

 アーロンは私の足の間を間近に見ながら、開いた太ももの内側を舐め上げ、少しずつ足の付け根に迫ってくる。

「裸で一緒に風呂に入って何もされないとは思ってないよな」
「そんなの変です、水遊びのはずだったのに……」

 私はなんとか声が出ないように唇を噛みながらアーロンに答えた。

「言われてみればこれも水遊びだな。ほら」

 そう言って私の蜜の溢れ出ている入り口を、わざとぴちゃぴちゃ音を立てて撫でまわした。

「ハンンッ……ウッ……ン!」
「声が漏れてるぞ。ここの音と一緒によく響くな」

 意地悪!

「ほら痛いのと気持ちいいのどっちがいい? 答えないとお前の敏感な所に噛み付くぞ」
「それはだめ! き、気持ちいいのがいいです」
「気持ちよくしてほしいか?」
「……はい、気持ちよくしてください」

 結局言わされてしまった。

「よし。そこに横になれ。どうせ座ってられなくなるだろ」

 そう言って私の上体を支えてゆっくりと床に寝かせてくれる。結局アーロンはすごく優しいのだ。
 一旦私が横になると、まだ水に浸かっている足を開いて私の花芯にリップ音を鳴らして何度も口付けをする。それがすごく甘くて、お腹の中がグルグル言うほど感じてしまう。立ち上がった私の花芯をゆっくりと唇で挟み、根本から優しく喰みはじめた。
 擦り上げられたり舐められたりするのとはまた違う、ズクンと鈍い快感が奥のほうに響いてくる。
 でもその刺激は甘いばかりで物足りなく、決して追い上げてこない。その間にアーロンの長い指が溢れた蜜をすくっては、優しく入り口の周りを撫で回す。じれったい愛撫がいつまでも続いて、奥が疼いて勝手に入り口が締まりだす。

「アーロンそれじゃいけない……」
「誰がいかせてやるって言った?」

 そう言いながらアーロンが長い指を熟した私の蜜口に埋め込んでいく。だけど指がゆっくりと中に挿し込まれ、私の入り口が素直に反応して締まると、すぐにスッと抜き取られてしまう。
 一旦中に入った指が抜けてしまうと、物足りなさに自分の身体がはしたなく蠢く。

「そう物欲しそうに動かすな。入れたくなるだろ」

 そう言いながら、でもまたゆっくりと指を一本挿し入れて、花芯の裏側をなで上げるようにして抜かれてしまった。つい、私の腰が追いかけるように波打ってしまう。

「どこまで我慢できる?」

 とうとうアーロンが指一本で挿入を繰り返し始める。でも私の中が締まり始まると動きを止めて抜かれてしまい、あと少しの所でいかせてもらえない。

「ううう、うっ、あう、はうぅ、」

 途中から全身に変な汗が浮かび始め、体中の筋肉がガチガチに緊窮を繰り返し、涙が溢れて獣のように低い呻き声が漏れるようになってしまった。

「も、もう、ゆるして、いきたい、いきたいよ」
「何が欲しい?」
「アーロンのを挿れて。中に欲しい……」
「……もう一度俺を見て言ってくれ」

 アーロンが水から身体を引き上げて私に覆いかぶさる。あんなに意地悪を繰り返したのに、私を見下ろすアーロンの瞳は、まるで私の慈悲を乞うように眇められてる。
 そんな目で見られちゃったら、私だって素直になるしかないよ。

「アーロンのが中に欲しい」

 私の返答に呼応するように、そのままズルリとアーロンの物が半開きになっていた私の足の間に挿し込まれた。
 散々焦らされ出来上がってしまってた私の身体は、アーロンに挿れられた衝撃だけで身体が波打って達してしまう。

「本当にお前は……どうしてこんなになるまで粘るんだ。お陰でまた長く持たなくなっちまう」

 私の身体の痙攣が終わると、私を掬い上げて腕に抱え込みながらアーロンが呟くように私の耳に囁く。
 そんなのは絶対、私のせいじゃないと思う。
 中に入れたままアーロンが体勢を入れ替えて、向かい合わせに私を膝の上に抱えてお風呂の縁に腰を下ろした。

「背中痛くなかったか?」
「大丈夫です」

 大丈夫だと言っているのに、いつまでも優しく背中を撫でてくれる。するとつい、うっとりとアーロンの胸に頬を寄せて弛緩してしまう。
 中に入ったままなのにこれをしてしまうと動かされ始めが辛いのだがしょうがない。

「また自分で動くか? 俺が始めるとすぐ激しくなるぞ」
「え、じゃ、じゃあ私が先に動きます」

 膝立ちはさっきもやって結構痛かったので、今度は自分の足を前に投げ出してアーロンの腰に巻きつけてみる。
 すると真っ直ぐ座るのが難しくなって、仕方なくアーロンの膝に手を付いて身体を支えた。
 そのまま、アーロンの腰に回した足で引き付けるようにしてゆっくりと腰を前後に揺らし始めた。

 中に挿れられた物は出たり入ったりしないのに、私が腰を揺らすたびに当たる角度が変わって甘い刺激を送り出す。
 花芯がアーロンの身体で擦れて、その両方の刺激で中を含めて全体がどんどん熱くなり腰の動きが止まらない。アーロンの物が中で時々勝手に動く。
 堪えられなくなって痙攣しながら締め付けて腰を押し付けて達した途端、アーロンが私の腰を掴んでそのまま前後に揺らし始めた。

「アーロン、今いったばっか、むり……」
「もっといけ。もっといくところを見せてみろ」

 そのまま前に滑って中の奥の方に当たるたびにアーロンの腰がクイッと押しあげてきて、もう一歩奥まで押し付けられる。そのせいで一度いった身体がまたもや快感の波に揺れ始めた。

「そろそろ動くぞ」
「今までも、動いてたじゃ、ひゃっ!」

 文句が飛んじゃうほど強く腰が跳ねる。しかも私の腰をしっかりと掴んで一番奥まで刺さったまま。
 腰に当てられていた手がそのままお尻の方に伸びてきて、私を下から持ち上げると腰を振り上げるのに合わせて落とされる。

「ヒャァッ、ヒャァッ!」

 勢い良く自重でアーロンの物に突き抜かれ、頭が真っ白になった。
 ピストンを数回繰り返されたところで私の意識は切れかかる。

「気を失ったら起きるまでやり続けるぞ!」

 とんでもない脅しになんとか意識をつなぎ留めて返事を返す。

「アーロン、お願い、もういって、終わらせて、意識、なくなるの、怖い……」
「ああ、こっちも、そうは持たない。ちょっと我慢してろ」

 私はもう限界なのに、アーロンはいつもの如くちょっと眉根を寄せてるだけで余裕の表情に見える。
 悔しい。いつか私がアーロンを鳴かせてみたい。いっそ勇者の力で……って駄目だから。こんなことに使っちゃ。

 なんとか意識をそらし、アーロンが気持ちよくなってくれるのを待つ。
 自分でも少し腰を揺らして迎えちゃうけど、下手に良いところに当たると意識が先に飛んじゃいそう。

「いくぞ。受け止めろ」

 苦しげに宣言したアーロンが、また滅茶苦茶に腰を叩きつけて追い上げて来た。もう少しで私の意識が焼ききれるって直前で、アーロンのものが私の中でビクビクと痙攣をくり返す……

 最後に意識にのぼったのは「何とか意識をつなぎ留められた」だったのに、そのまま私はコテンと後ろに倒れ、水に沈んでしまった。


「馬鹿か! どうやったら風呂場で、しかも俺の目の前で溺れられるんだお前は!」

 目が覚めるとアーロンの罵声が飛んできた。どうやら私はやっぱり意識を手放したらしい。

 アーロンはアーロンで達したばかりで反応が遅れ、私が水に落ちても一瞬対応が遅れたらしい。
引き上げてみれば私の意識がなくて焦ったそうだ。

「だから師匠のはキツすぎなんですよ。もう少し手加減を覚えてください。後回数も減らす努力しましょう?」
「どちらも願い下げだ」

 拗ねたように答えるアーロンのそれが、怒っているんじゃなくて本当に拗ねているのだと分かるようになってからはこれが可愛いと思えるようになった。
 私も成長したよね。

 結局次の日お城に行ったアーロンは、ピピンさんからタイラーさんと配管のできる人を数人借り受けて帰ってきた。
 屋根裏に置かれた、使っても使っても水が溢れ出る鍋を見て全員の顔が引きつってた。

 一週間とせずに全ての配管が完了し、邸で雇われた土木工から屋敷の配水機能を聞きつけた町の人たちが押しかけ、結局同様の原理で街に配水用のタンクを作ったり、排水路を付けたりとアーロンが辺境伯の仕事をするハメになったのはまだしばらく後のこと。
 無論、あの水鉄砲を元にアーロンが原始的な魔法で作動するポンプを作ってしまったのもあり。

 お陰様で、辺境伯領はこの国でも唯一、上下水道のしっかり完備された領地へと変貌してしまったのだった。
 それが全部、アーロンが夏の暑い日に私とイチャイチャしたかったからだというのは歴史に残らない私達だけの秘密。



夏があんまり暑かったから・・・ (完)
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