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俺は、家に帰って玄関の戸を開けた。
運動部ではないにしろ、部活を真剣にやるというのはかなり体力を使うものだ。
だが、やはり本当に好きなことをしていると、疲れというのはほぼ半減される。
「ただいま。」いつも通り玄関から叫ぶ。
俺がそういうと母親の「おかえり」という声が家に響いた。
ちなみに、俺は反抗期が今のところないので、両親との関係は良好だ。
俺は疲れているせいかわからないが一歩一歩踏みしめて階段を上った。
自分の部屋の戸を開け、課題の量が多すぎて重たくなったリュックを机の横にゆっくり置いた。
ゆっくり置いたはずなのに、ドンという音がなるほどだ。
制服姿のまま、自分の机に向かってパソコンを起動させた。
やはり、パソコンがないと俺のやりたいことは何もできない。
バンドに入ったという事で、曲を使う機会が増えたので、いっきに曲を作る必要性が増えた。
パソコンが立ち上がったので、曲を作るためのソフトであるDAWを開いた。
そして、Midiと呼ばれるピアノ型のキーボードを打ち込み、製作中の曲のCメロ部分を考えていた。
すると、部屋の戸が叩かれて、「しょう~、ご飯!」という姉の声が聞こえた。
姉は偏差値50前後の普通の大学に通う、いたって普通の大学二年生である。
俺は、大きめの声で「は~い」という返事をして、作業中のところを保存して、下に降りた。
ちなみにほぼ作曲は進まなかった。
母と姉は先に食卓に着いているみたいで、俺を待っている様子だった。
「はやくはやく!」と、姉が小学生のようにせかしてくる。
まあ、こんなに背のデカい小学生が居たら驚くのだが。
俺も普通に席について、父親を待った。
すると、スーツ姿の父が席に着いた。
「すまんすまん。さあ、ご飯を食べよう。」
「いただきまーす。」
全員で、合わせていた手を下へと向かわせて、箸を持った。
すると、今日の夕食の主菜であるハンバーグに橋を向かわせた。
「おいし~!」やはり、姉の反応は明らかに小学生のようだ。
まあ、それぐらいの反応になってもおかしくないほど母のご飯はおいしい。
みんなで、仲良く母親の作った夕食をおいしく食べていると、父親が世間話をしてきた。
「勝太郎は、なんか夢とかあるのか?」父親は結構子どもの夢を結構尊重してくれるので、正直に夢を話した。
「ん~、夢としては今のメンバーと一緒に、メジャーデビューすることかな。」
正直高校、大学の間だけ活動して、もしメジャーデビューできなくても就職をしようとしている。
「じゃあ、音楽系に進みたいんだな。」と、進路を聞くような質問が来た。
まあ、普通に考えて音楽の道に進みたいと聞いたら、専門学校に行くという思考になるだろう。
なので、その勘違いを払しょくするために父に、大学に行くことを伝えた。
「いや、もし進路を聞いてるんだとしたら、普通の大学に行きたい。」
すると、父親は「そうなのか?まあ、普通の大学に行ってくれるならこっちとしてはうれしいんだが。」
と驚いている様子だった。
この返事を聞けばわかるが、父も本心では普通の道に進んで欲しいと考えているみたいだ。
俺としては、普通の大学に進んで、もしメジャーデビューすることに失敗しても就職できた方が良いよなという考えなので、大学自体はほかの受験生と同じように可能な限り上の方の大学に行けたらいいと思っている。
「まあ、お前のやりたいようにやりなさい。二十代ぐらいまでなら養ってやるから。」
という会話をしている横で、姉はご飯を食べながら課題をしていた。
姉は課題を後回しにしてしまうタイプの人間なので、こういうことはざらにある。
「姉ちゃんまたご飯中に課題やってんの?」
姉は、課題の片手間で俺と会話をしてくれた。
「うるさいなあ。間に合ったらいいんだよ。間に合えば。」
「て言ってまた徹夜するんでしょ?」
「残念でした~、もう提出したら終わりです~。」
それに反応するように母が言った。
「前に、今日の23時59分提出って言ってたじゃない。」
「だから、間に合えば大丈夫なんだよ。」
「何言ってるの、早く終わらせるに越したことはないに決まってるじゃない。」
「うぐっ。」
姉は痛いところを突かれたようで、言わなくてもわかるのに、口で表現した。
「ほら、何も言えないじゃないの。」
「ごめんなさい。」
姉は、母に対して敗北宣言を行った。
「しょうはこんな風になるんじゃなくて、前もって課題終わらせておくのよ。」
「は~い。」
「でも、確かにしょうの部屋から流れてくる音楽って、いいやつあるよね。」
課題が終わったのか姉が、急にこんな話を振ってきた。
「え?あ、ありがとう。」普段は、馬鹿にしてきたりする姉が急にこんなことを言ってきたもんだから、かなりびっくりした。父はご飯を食べ終わったようでそれを聞いて、話に区切りをつけようとして、
「まあ、身近にいるやつがこんなこと言ってんだ、気長に頑張りな。」といってくれた。
が、食器をテーブルに置いたままだったので、俺は父と自分の食器をシンクに持って行った。
運動部ではないにしろ、部活を真剣にやるというのはかなり体力を使うものだ。
だが、やはり本当に好きなことをしていると、疲れというのはほぼ半減される。
「ただいま。」いつも通り玄関から叫ぶ。
俺がそういうと母親の「おかえり」という声が家に響いた。
ちなみに、俺は反抗期が今のところないので、両親との関係は良好だ。
俺は疲れているせいかわからないが一歩一歩踏みしめて階段を上った。
自分の部屋の戸を開け、課題の量が多すぎて重たくなったリュックを机の横にゆっくり置いた。
ゆっくり置いたはずなのに、ドンという音がなるほどだ。
制服姿のまま、自分の机に向かってパソコンを起動させた。
やはり、パソコンがないと俺のやりたいことは何もできない。
バンドに入ったという事で、曲を使う機会が増えたので、いっきに曲を作る必要性が増えた。
パソコンが立ち上がったので、曲を作るためのソフトであるDAWを開いた。
そして、Midiと呼ばれるピアノ型のキーボードを打ち込み、製作中の曲のCメロ部分を考えていた。
すると、部屋の戸が叩かれて、「しょう~、ご飯!」という姉の声が聞こえた。
姉は偏差値50前後の普通の大学に通う、いたって普通の大学二年生である。
俺は、大きめの声で「は~い」という返事をして、作業中のところを保存して、下に降りた。
ちなみにほぼ作曲は進まなかった。
母と姉は先に食卓に着いているみたいで、俺を待っている様子だった。
「はやくはやく!」と、姉が小学生のようにせかしてくる。
まあ、こんなに背のデカい小学生が居たら驚くのだが。
俺も普通に席について、父親を待った。
すると、スーツ姿の父が席に着いた。
「すまんすまん。さあ、ご飯を食べよう。」
「いただきまーす。」
全員で、合わせていた手を下へと向かわせて、箸を持った。
すると、今日の夕食の主菜であるハンバーグに橋を向かわせた。
「おいし~!」やはり、姉の反応は明らかに小学生のようだ。
まあ、それぐらいの反応になってもおかしくないほど母のご飯はおいしい。
みんなで、仲良く母親の作った夕食をおいしく食べていると、父親が世間話をしてきた。
「勝太郎は、なんか夢とかあるのか?」父親は結構子どもの夢を結構尊重してくれるので、正直に夢を話した。
「ん~、夢としては今のメンバーと一緒に、メジャーデビューすることかな。」
正直高校、大学の間だけ活動して、もしメジャーデビューできなくても就職をしようとしている。
「じゃあ、音楽系に進みたいんだな。」と、進路を聞くような質問が来た。
まあ、普通に考えて音楽の道に進みたいと聞いたら、専門学校に行くという思考になるだろう。
なので、その勘違いを払しょくするために父に、大学に行くことを伝えた。
「いや、もし進路を聞いてるんだとしたら、普通の大学に行きたい。」
すると、父親は「そうなのか?まあ、普通の大学に行ってくれるならこっちとしてはうれしいんだが。」
と驚いている様子だった。
この返事を聞けばわかるが、父も本心では普通の道に進んで欲しいと考えているみたいだ。
俺としては、普通の大学に進んで、もしメジャーデビューすることに失敗しても就職できた方が良いよなという考えなので、大学自体はほかの受験生と同じように可能な限り上の方の大学に行けたらいいと思っている。
「まあ、お前のやりたいようにやりなさい。二十代ぐらいまでなら養ってやるから。」
という会話をしている横で、姉はご飯を食べながら課題をしていた。
姉は課題を後回しにしてしまうタイプの人間なので、こういうことはざらにある。
「姉ちゃんまたご飯中に課題やってんの?」
姉は、課題の片手間で俺と会話をしてくれた。
「うるさいなあ。間に合ったらいいんだよ。間に合えば。」
「て言ってまた徹夜するんでしょ?」
「残念でした~、もう提出したら終わりです~。」
それに反応するように母が言った。
「前に、今日の23時59分提出って言ってたじゃない。」
「だから、間に合えば大丈夫なんだよ。」
「何言ってるの、早く終わらせるに越したことはないに決まってるじゃない。」
「うぐっ。」
姉は痛いところを突かれたようで、言わなくてもわかるのに、口で表現した。
「ほら、何も言えないじゃないの。」
「ごめんなさい。」
姉は、母に対して敗北宣言を行った。
「しょうはこんな風になるんじゃなくて、前もって課題終わらせておくのよ。」
「は~い。」
「でも、確かにしょうの部屋から流れてくる音楽って、いいやつあるよね。」
課題が終わったのか姉が、急にこんな話を振ってきた。
「え?あ、ありがとう。」普段は、馬鹿にしてきたりする姉が急にこんなことを言ってきたもんだから、かなりびっくりした。父はご飯を食べ終わったようでそれを聞いて、話に区切りをつけようとして、
「まあ、身近にいるやつがこんなこと言ってんだ、気長に頑張りな。」といってくれた。
が、食器をテーブルに置いたままだったので、俺は父と自分の食器をシンクに持って行った。
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