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結局、その後4時間ほどカラオケを楽しんだ。
もう、結構日も落ちてきていたので、その場で解散することになった。
そして、家の方向がほぼいっしょなので忍と一緒に帰ることにした。
夏場に近づいているので、すこし暑さを感じている。
すると、忍はなにか暗い顔をしていた。
少し悩むような顔をしていた。
こんなつらそうな顔をしているのを見たのは初めてだ。
悩んでいた様子だったが「ちょっと私の家来て。」と思い切ったように言った。
俺も、重い雰囲気を受け止めて、あえて無言で着いていった。
無言の俺たちの空間は、虫の鳴き声や車の通る音だけが響き渡っていた。
どんな話をされるのか怖い気持ちと少しわくわくした気持ちの混ざった、不思議な気持ちだった。
自分の家から徒歩5分ぐらいのところに忍の家があるので、そこへと向かった。
小学生のころから通った見慣れた家がどんどん近づいてきた。
住宅街によくある、普通の家なのだが、幼馴染の家というだけで
「家入って。」その一言だけを俺に言い放って、家の鍵を開けた。
ガチャ
忍の家は二階建てなのだが、一階は普通のリビングで二階に両親の部屋と忍の部屋がある。
人の気配は一切ない。
「じゃあ、ここに座って待ってて。」
俺は、忍に誘導されて、リビングにおいてある大きめのソファに座った。
「ちょっとお茶出すから待って...。」と言われたので、そのままソファに座って待っていた。
そしたら、忍はお茶を持ってきて俺の左隣に座った。
すると、お茶を一口口にして、「ほぅ~~」と一息ついて、おもむろに話し始めた。
「あのさ、私の父親見たことある?」という忍の問いに対して俺は「あ、ないかも。」と返した。
すると、忍は「でしょ、実は私のお父さん小学3年生の頃に死んじゃったんだ。お父さんが浮気して、夫婦げんかになっちゃって、私のおばあちゃんが『うちの娘を裏切るなんて!』ってナイフで刺しちゃってさ。目の前でお父さんが死んで、その後お母さんと私の二人きりの生活になったんだ。んで、その時のがトラウマになってちょっとずつ心が病むようになってきちゃって、今となってはうつ病持ちのままこうやって生活してるんだ。それで、ちょっとずつ
自信がなくなって...。」忍の眼には徐々に涙が浮かぶようになっていた。
「私にご飯を食べさせるお金のために、ずっと仕事だし、ずっと寂しい思いをしてて...。」
俺は忍の背中をゆっくりとさすりながら、小さな声で『大丈夫、大丈夫。』と言っていた。
「ごめんね、泣きながらで...。聞きずらいだろうけど、泣いてないと話せなくて...。」
俺は声量を抑えて、背中をさすることをやめずに、「辛いのに話してくれてありがとう。きっとつらいことはこれからもあるだろうけど、できることがあるなら俺は絶対手伝うから、辛いときはいつでも相談して。」といった。
だが、この言葉を聞いて忍はより顔をうずめてしまった。
「...ありがとう...」と小さく言って、さらに泣いてしまった。
女の人の扱いに慣れてない俺はどうしたらいいかわからず、そのまま背中をさすっていることしかできなかった。
もう、結構日も落ちてきていたので、その場で解散することになった。
そして、家の方向がほぼいっしょなので忍と一緒に帰ることにした。
夏場に近づいているので、すこし暑さを感じている。
すると、忍はなにか暗い顔をしていた。
少し悩むような顔をしていた。
こんなつらそうな顔をしているのを見たのは初めてだ。
悩んでいた様子だったが「ちょっと私の家来て。」と思い切ったように言った。
俺も、重い雰囲気を受け止めて、あえて無言で着いていった。
無言の俺たちの空間は、虫の鳴き声や車の通る音だけが響き渡っていた。
どんな話をされるのか怖い気持ちと少しわくわくした気持ちの混ざった、不思議な気持ちだった。
自分の家から徒歩5分ぐらいのところに忍の家があるので、そこへと向かった。
小学生のころから通った見慣れた家がどんどん近づいてきた。
住宅街によくある、普通の家なのだが、幼馴染の家というだけで
「家入って。」その一言だけを俺に言い放って、家の鍵を開けた。
ガチャ
忍の家は二階建てなのだが、一階は普通のリビングで二階に両親の部屋と忍の部屋がある。
人の気配は一切ない。
「じゃあ、ここに座って待ってて。」
俺は、忍に誘導されて、リビングにおいてある大きめのソファに座った。
「ちょっとお茶出すから待って...。」と言われたので、そのままソファに座って待っていた。
そしたら、忍はお茶を持ってきて俺の左隣に座った。
すると、お茶を一口口にして、「ほぅ~~」と一息ついて、おもむろに話し始めた。
「あのさ、私の父親見たことある?」という忍の問いに対して俺は「あ、ないかも。」と返した。
すると、忍は「でしょ、実は私のお父さん小学3年生の頃に死んじゃったんだ。お父さんが浮気して、夫婦げんかになっちゃって、私のおばあちゃんが『うちの娘を裏切るなんて!』ってナイフで刺しちゃってさ。目の前でお父さんが死んで、その後お母さんと私の二人きりの生活になったんだ。んで、その時のがトラウマになってちょっとずつ心が病むようになってきちゃって、今となってはうつ病持ちのままこうやって生活してるんだ。それで、ちょっとずつ
自信がなくなって...。」忍の眼には徐々に涙が浮かぶようになっていた。
「私にご飯を食べさせるお金のために、ずっと仕事だし、ずっと寂しい思いをしてて...。」
俺は忍の背中をゆっくりとさすりながら、小さな声で『大丈夫、大丈夫。』と言っていた。
「ごめんね、泣きながらで...。聞きずらいだろうけど、泣いてないと話せなくて...。」
俺は声量を抑えて、背中をさすることをやめずに、「辛いのに話してくれてありがとう。きっとつらいことはこれからもあるだろうけど、できることがあるなら俺は絶対手伝うから、辛いときはいつでも相談して。」といった。
だが、この言葉を聞いて忍はより顔をうずめてしまった。
「...ありがとう...」と小さく言って、さらに泣いてしまった。
女の人の扱いに慣れてない俺はどうしたらいいかわからず、そのまま背中をさすっていることしかできなかった。
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