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しおりを挟む当時は、私への優しさがもはや怖いぐらいでした。
私の中に少し残っていた再構築の選択肢はこの段階で完全に消え去りました。
そして、私の中で怒りがふつふつと登ってくるのが分かりました。
今になって思い返せば、私はその時点で復讐の計画を始めていたのかもしれません。
しかも、カメラロールを開くとたくさんの浮気相手との写真が出てきました。
私は怒りで頭が真っ白になりながら、ぎりぎり保った理性で、データをパソコンへ保存しました。
そして、眠れない夜を過ごしていると、外が明るくなってきていました。
早朝の4時ぐらいから、もう生活を始めました。
寂しさや、怒り、いろんな感情を抑えるためにただただ家事をしていました。
すると、6時を少し過ぎた頃でしょうか。夫が部屋から出てきました。
「おはよう。」
「おはよう。って、なんかくますごいけどどうしたの?」
変なところだけ、気が使えるようでそう私に聞いてたんです。
ただ、私も適当な言い訳をして言い逃れました。
「ちょっと、出張のための資料を作るのに思ったより時間がかかって。」
「そうか、今日から出張か。A子が家にいないの悲しいな。」
そう言って来たとき、私は正直拳が飛んでいきそうになりました。
ですが、徹夜でそんな体力もなく、無視して家事を続けました。
レス「浮気しといてそんなこと言えるのもはやサイコパスだろ。」
浮気している人の脳内はサイコパスぐらい読めないですね。
レス「いや、サイコパスより上だろ。」
もはや、上にも思えますよね。
そして、私は怒りをひた隠しにしてさっさと用意をし、家を出て行った。
私は首都圏在住なのですが、実家は関西の方なので、新幹線で実家へと帰りました。
無事に実家へと到着することが出来て、親に話をして、一週間実家に止めてもらうことになりました。
ここからは、母親との会話です。
「あんた、大変なことになっていたのね。」
「うん、もう満身創痍なのよね。」
「あんたの部屋まるまる残してあるから、きっと落ち着くわよ。」
「あれ、まだ残ってたの?」
「いや、あんたが帰って来たときにそっちの方がいいかなと思って。」
「確かにめっちゃありがたい。」
母親との会話で、人間として大事な何かを取り戻した気がしました。
レス「やっぱ、母親って偉大やな。」
本当に母には感謝しかないです。
後々の逆襲もお手伝いしてくれたので。
そして、私は関西の方を一週間ほど観光して、いろいろなところに遊びに行きました。
その観光によって私の心は、少し楽になりました。
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