73 / 97
―煽動編―
激震!復活のヤギ男
しおりを挟む
空から、翼の生えた悪魔の首のような、飛翔する謎の生き物が現れた。
まさか……あれは!? 間違いない、あの夜、僕のことを窓の外から覗き込んでいた生首! ヤギ男と、深夜に見た生首の謎が、よもやこんなところで解明されるとは!
「行け! 偵察者!」
空から突如として現れた、『サーちゃん』? と呼ばれていたような気がする悪魔の首は、猛烈な勢いでヤギ男に向かって飛んでいく。
突進攻撃だけなのだろうか? 見た感じ、そこまで強くはなさそうだ。
「雑魚、お前の相手は俺がしてやるよ。今度は、トドメまで刺してやるからよ!」
久慈は、その片手に抱えていたミィコを放り投げ、ドロドロとした赤黒いオーラを纏った拳を構えて、僕に向かってくる。
「ミィコ!」
僕は放り投げられたミィコを心配しつつ、久慈の攻撃を肉球ぷにぷにロッドで受け止める。
な、なんだこれ!? 僕はその魔法付与された肉球ぷにぷにロッドの性質に驚きを隠せなかった!
これは、いわゆる、物体の質量を変化させているのだろうけど、軽いのに重い、重いのに軽いという、矛盾がそこに生じていた。おそらく、久慈からはコンクリートの塊を殴っているような感覚なのだろう。逆に、僕からは、肉球ぷにぷにロッドの軽さで、コンクリートの塊を振り回しているという、まさに頭がバグる状況となっていた。
「クソッ! お前まさか! あの女と同じような武器を! こんなわけがわからない武器を使いやがって! お前ら、マジで反則だろ!」
「そうだよ! あの錫杖でやられた傷が、また痛み始めたか!?」
僕は虚勢を張る! ナメられてはおしまいだ。 僕の方が格上だと、相手に思わせなければ。
「クソが! お前の構えは、ガードがガラ空きなんだよ!」
虚勢を張る僕に、久慈はそう言って連続攻撃を仕掛けてくる!
防戦一方になってたまるか……!
――魔法付与された肉球ぷにぷにロッドは、驚くほど僕の手に馴染み、僕の脳裏に、幾何学的楽園での経験が鮮明によみがえってくる。
僕は完全に心の安らぎを取り戻し、そうして精神が安定していくのを感じた。僕の中で、あの自信に満ち溢れた僕が僕になり、僕は僕でなくなる――そんな、不思議な感覚に僕は陥っていく。
感情が高ぶる――今なら、使える! 僕の能力が!
「光爆発!」
僕は、自分の能力を肉球ぷにぷにロッドに込めて、一気に撃ち放った!
甲高い爆発音とともに、久慈が吹き飛ばされる。
謎の質量と光爆発の相乗効果により、久慈が身に纏っていた謎のオーラは完全に消え去っていた。
「て、てめえ……雑魚が、小賢しい真似をしやがって……」
久慈は爆発の衝撃で動けなくなっているようだ。
「僕を、雑魚呼ばわりするな。次に雑魚呼ばわりしたら、その時は――」
気分の高揚は、僕の言動にまで影響していた。それは、普段の僕ではとてもじゃないけど言えないような、そんな大胆な発言をすることができる。
僕が勝利の余韻に浸っていると……ふと、ミィコと目が合う――
「サトリ!」
ミィコが駆け寄ってきて――そのまま僕に飛びかかり、抱き着いてきた。
「よしよし、怖かったよな……」
「サトリ、サトリが、来てくれて……本当に、よかったです……あと、ゴーティモが助けてくれました……ありがとうございます、ゴーティモ」
「そうだね、ゴーティモ……」
いや、あれは、ゴーティモじゃない――と、言いたかったのだが、ミィコにこれ以上のショックを与えないように、彼はゴーティモなのだということに、僕はしておいた。
サーちゃんとかいう変な悪魔の首を完膚なきまでに叩きのめした、ゴーティモ――じゃなくて、ヤギ男、いや、ゴーティモ? その彼が僕らのもとへとやってきた。
「君、強いんだね」
「いえ、そんな……貴方のおかげです。ありがとうございました」
本当に、彼がいなかったら今頃ミィコは連れ去られてしまっていたかもしれない。本当に感謝感激だ。
「ゴーティモ! ありがとうございました! 本当に助かりました!」
ミィコは相変わらず彼のことをゴーティモと呼んでいる。
「いやいや、ゴーティモだなんて……まあ、そう呼ばれて悪い気はしないがね。それはともかく、君たちのお役に立てたようでなによりだ。最近は異能超人とやらで物騒な世の中になってしまったからね……かくいう私も、この通り、その異能超人の一人なのだがね」
ヤギ男はワッハッハと大声で豪快な笑いを見せた。
――僕とヤギ男は、久慈を拘束し、ミィコが携帯電話で三ケ田さんに連絡している。
「リッカさん、今から来てくださるそうです! 大体、15分くらいかかるって仰ってました」
到着まで15分か……三ケ田さん、かなり急いできてくれるのだろう。
今のうちに、愛唯と藍里にも連絡を取っておこう。
僕は愛唯に電話をかける――
「さとりん!」
まさかの、ワンコールで通話中となり、愛唯が嬉しそうに僕の名を呼ぶ。
「あ、ああ、愛唯、こっちは無事に片付いたよ。ミィコが連れ去られるのも、なんとか阻止できた」
僕は愛唯に現状報告をする。
「うん、こっちも藍里ちゃんが八神ってやつをぼっこぼこにしてたよ! 八神は今、のびてる、生きてると思う……多分」
「多分って……恐ろしいな」
僕はそう言って、藍里の容赦なさに恐れおののいた……。
「ちなみに、警備員さんが縄を持ってきてくれたから、八神はその縄で拘束されてるよ。だから、もう大丈夫。そっちは?」
八神も拘束されている、か。久慈もしっかりと拘束していることを伝えよう。
「こっちは――あ! すごいんだよ、神社で見かけたヤギ男が実は生きていてさ、彼が助けてくれたんだよ!」
なによりも、僕的には、あのヤギ男が助けてくれたことを一番の話題にしたかった。久慈はすでに拘束されている、という話よりも、だ!
「え!? 本当に!? やっぱりね! 実はね、キングさん――いえ、あのリーゼントの人の能力、実は幻覚だったんだって。でも、驚きだよね……あの時暴れていたヤギ男が正義の味方だったなんてね、意外すぎ! しかも、さとりんを助けてくれたなんて! 運命かも!」
え、幻覚? ということは、リーゼント男の能力に殺傷能力はないということか。というか、運命? なんか、僕はちょっぴり嬉しくない運命を感じてしまう。
「愛唯のその話も、十分なほどに意外すぎるよ!」
「うんうん、本当に意外すぎちゃうよね~!」
僕と愛唯は和気あいあいと話をしていた――いや、そうじゃない! そんな場合ではなかった。
「とにかく、こっちも、そのヤギ男が久慈を拘束してくれてる。それから、三ケ田さん――ええと、異能超人対策課の人にも連絡してあるから、もう少しで到着するはずだよ」
僕は、三ケ田さんがこちらに向かってくれていることを愛唯に伝えた。
「三ケ田さん? なんだか、古風な感じのする女性の方? たまに布津さんと一緒に行動している人よね」
布津さん? そういえば、三ケ田さんが大そう怖がっていた上司、それが布津さんだったような。なるほど、愛唯も、アンリ&マユ経由で異能超人対策課の人たちとの繋がりがあるってことか。
「多分、そうだと思う。とにかく、三ケ田さんが到着次第、僕たちもそっちに向かうよ」
「分かった! 藍里ちゃんにもそう伝えておくね」
――終話。
まさか……あれは!? 間違いない、あの夜、僕のことを窓の外から覗き込んでいた生首! ヤギ男と、深夜に見た生首の謎が、よもやこんなところで解明されるとは!
「行け! 偵察者!」
空から突如として現れた、『サーちゃん』? と呼ばれていたような気がする悪魔の首は、猛烈な勢いでヤギ男に向かって飛んでいく。
突進攻撃だけなのだろうか? 見た感じ、そこまで強くはなさそうだ。
「雑魚、お前の相手は俺がしてやるよ。今度は、トドメまで刺してやるからよ!」
久慈は、その片手に抱えていたミィコを放り投げ、ドロドロとした赤黒いオーラを纏った拳を構えて、僕に向かってくる。
「ミィコ!」
僕は放り投げられたミィコを心配しつつ、久慈の攻撃を肉球ぷにぷにロッドで受け止める。
な、なんだこれ!? 僕はその魔法付与された肉球ぷにぷにロッドの性質に驚きを隠せなかった!
これは、いわゆる、物体の質量を変化させているのだろうけど、軽いのに重い、重いのに軽いという、矛盾がそこに生じていた。おそらく、久慈からはコンクリートの塊を殴っているような感覚なのだろう。逆に、僕からは、肉球ぷにぷにロッドの軽さで、コンクリートの塊を振り回しているという、まさに頭がバグる状況となっていた。
「クソッ! お前まさか! あの女と同じような武器を! こんなわけがわからない武器を使いやがって! お前ら、マジで反則だろ!」
「そうだよ! あの錫杖でやられた傷が、また痛み始めたか!?」
僕は虚勢を張る! ナメられてはおしまいだ。 僕の方が格上だと、相手に思わせなければ。
「クソが! お前の構えは、ガードがガラ空きなんだよ!」
虚勢を張る僕に、久慈はそう言って連続攻撃を仕掛けてくる!
防戦一方になってたまるか……!
――魔法付与された肉球ぷにぷにロッドは、驚くほど僕の手に馴染み、僕の脳裏に、幾何学的楽園での経験が鮮明によみがえってくる。
僕は完全に心の安らぎを取り戻し、そうして精神が安定していくのを感じた。僕の中で、あの自信に満ち溢れた僕が僕になり、僕は僕でなくなる――そんな、不思議な感覚に僕は陥っていく。
感情が高ぶる――今なら、使える! 僕の能力が!
「光爆発!」
僕は、自分の能力を肉球ぷにぷにロッドに込めて、一気に撃ち放った!
甲高い爆発音とともに、久慈が吹き飛ばされる。
謎の質量と光爆発の相乗効果により、久慈が身に纏っていた謎のオーラは完全に消え去っていた。
「て、てめえ……雑魚が、小賢しい真似をしやがって……」
久慈は爆発の衝撃で動けなくなっているようだ。
「僕を、雑魚呼ばわりするな。次に雑魚呼ばわりしたら、その時は――」
気分の高揚は、僕の言動にまで影響していた。それは、普段の僕ではとてもじゃないけど言えないような、そんな大胆な発言をすることができる。
僕が勝利の余韻に浸っていると……ふと、ミィコと目が合う――
「サトリ!」
ミィコが駆け寄ってきて――そのまま僕に飛びかかり、抱き着いてきた。
「よしよし、怖かったよな……」
「サトリ、サトリが、来てくれて……本当に、よかったです……あと、ゴーティモが助けてくれました……ありがとうございます、ゴーティモ」
「そうだね、ゴーティモ……」
いや、あれは、ゴーティモじゃない――と、言いたかったのだが、ミィコにこれ以上のショックを与えないように、彼はゴーティモなのだということに、僕はしておいた。
サーちゃんとかいう変な悪魔の首を完膚なきまでに叩きのめした、ゴーティモ――じゃなくて、ヤギ男、いや、ゴーティモ? その彼が僕らのもとへとやってきた。
「君、強いんだね」
「いえ、そんな……貴方のおかげです。ありがとうございました」
本当に、彼がいなかったら今頃ミィコは連れ去られてしまっていたかもしれない。本当に感謝感激だ。
「ゴーティモ! ありがとうございました! 本当に助かりました!」
ミィコは相変わらず彼のことをゴーティモと呼んでいる。
「いやいや、ゴーティモだなんて……まあ、そう呼ばれて悪い気はしないがね。それはともかく、君たちのお役に立てたようでなによりだ。最近は異能超人とやらで物騒な世の中になってしまったからね……かくいう私も、この通り、その異能超人の一人なのだがね」
ヤギ男はワッハッハと大声で豪快な笑いを見せた。
――僕とヤギ男は、久慈を拘束し、ミィコが携帯電話で三ケ田さんに連絡している。
「リッカさん、今から来てくださるそうです! 大体、15分くらいかかるって仰ってました」
到着まで15分か……三ケ田さん、かなり急いできてくれるのだろう。
今のうちに、愛唯と藍里にも連絡を取っておこう。
僕は愛唯に電話をかける――
「さとりん!」
まさかの、ワンコールで通話中となり、愛唯が嬉しそうに僕の名を呼ぶ。
「あ、ああ、愛唯、こっちは無事に片付いたよ。ミィコが連れ去られるのも、なんとか阻止できた」
僕は愛唯に現状報告をする。
「うん、こっちも藍里ちゃんが八神ってやつをぼっこぼこにしてたよ! 八神は今、のびてる、生きてると思う……多分」
「多分って……恐ろしいな」
僕はそう言って、藍里の容赦なさに恐れおののいた……。
「ちなみに、警備員さんが縄を持ってきてくれたから、八神はその縄で拘束されてるよ。だから、もう大丈夫。そっちは?」
八神も拘束されている、か。久慈もしっかりと拘束していることを伝えよう。
「こっちは――あ! すごいんだよ、神社で見かけたヤギ男が実は生きていてさ、彼が助けてくれたんだよ!」
なによりも、僕的には、あのヤギ男が助けてくれたことを一番の話題にしたかった。久慈はすでに拘束されている、という話よりも、だ!
「え!? 本当に!? やっぱりね! 実はね、キングさん――いえ、あのリーゼントの人の能力、実は幻覚だったんだって。でも、驚きだよね……あの時暴れていたヤギ男が正義の味方だったなんてね、意外すぎ! しかも、さとりんを助けてくれたなんて! 運命かも!」
え、幻覚? ということは、リーゼント男の能力に殺傷能力はないということか。というか、運命? なんか、僕はちょっぴり嬉しくない運命を感じてしまう。
「愛唯のその話も、十分なほどに意外すぎるよ!」
「うんうん、本当に意外すぎちゃうよね~!」
僕と愛唯は和気あいあいと話をしていた――いや、そうじゃない! そんな場合ではなかった。
「とにかく、こっちも、そのヤギ男が久慈を拘束してくれてる。それから、三ケ田さん――ええと、異能超人対策課の人にも連絡してあるから、もう少しで到着するはずだよ」
僕は、三ケ田さんがこちらに向かってくれていることを愛唯に伝えた。
「三ケ田さん? なんだか、古風な感じのする女性の方? たまに布津さんと一緒に行動している人よね」
布津さん? そういえば、三ケ田さんが大そう怖がっていた上司、それが布津さんだったような。なるほど、愛唯も、アンリ&マユ経由で異能超人対策課の人たちとの繋がりがあるってことか。
「多分、そうだと思う。とにかく、三ケ田さんが到着次第、僕たちもそっちに向かうよ」
「分かった! 藍里ちゃんにもそう伝えておくね」
――終話。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
MMS ~メタル・モンキー・サーガ~
千両文士
SF
エネルギー問題、環境問題、経済格差、疫病、収まらぬ紛争に戦争、少子高齢化・・・人類が直面するありとあらゆる問題を科学の力で解決すべく世界政府が協力して始まった『プロジェクト・エデン』
洋上に建造された大型研究施設人工島『エデン』に招致された若き大天才学者ミクラ・フトウは自身のサポートメカとしてその人格と知能を完全電子化複製した人工知能『ミクラ・ブレイン』を建造。
その迅速で的確な技術開発力と問題解決能力で矢継ぎ早に改善されていく世界で人類はバラ色の未来が確約されていた・・・はずだった。
突如人類に牙を剥き、暴走したミクラ・ブレインによる『人類救済計画』。
その指揮下で人類を滅ぼさんとする軍事戦闘用アンドロイドと直属配下の上位管理者アンドロイド6体を倒すべく人工島エデンに乗り込むのは・・・宿命に導かれた天才学者ミクラ・フトウの愛娘にしてレジスタンス軍特殊エージェント科学者、サン・フトウ博士とその相棒の戦闘用人型アンドロイドのモンキーマンであった!!
機械と人間のSF西遊記、ここに開幕!!
No.3 トルトリノス
羽上帆樽
ライト文芸
果実の収穫が始まった。収穫した果実を変換器に入れることで、この仮想空間は維持されるらしい。やがて、僕は思い出す。お姉ちゃんと話したこと。彼女はどこにいるのだろう?
もうダメだ。俺の人生詰んでいる。
静馬⭐︎GTR
SF
『私小説』と、『機動兵士』的小説がゴッチャになっている小説です。百話完結だけは、約束できます。
(アメブロ「なつかしゲームブック館」にて投稿されております)
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
鉄錆の女王機兵
荻原数馬
SF
戦車と一体化した四肢無き女王と、荒野に生きる鉄騎士の物語。
荒廃した世界。
暴走したDNA、ミュータントの跳梁跋扈する荒野。
恐るべき異形の化け物の前に、命は無残に散る。
ミュータントに攫われた少女は
闇の中で、赤く光る無数の目に囲まれ
絶望の中で食われ死ぬ定めにあった。
奇跡か、あるいはさらなる絶望の罠か。
死に場所を求めた男によって助け出されたが
美しき四肢は無残に食いちぎられた後である。
慈悲無き世界で二人に迫る、甘美なる死の誘惑。
その先に求めた生、災厄の箱に残ったものは
戦車と一体化し、戦い続ける宿命。
愛だけが、か細い未来を照らし出す。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる