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世界の終わり編
第218話 世界の終わり
しおりを挟むトゥール「斬った、、、斬ったぞ!!」
トゥールは飛び上がりながらムーへと抱きついた。
ムー「油断するのはまだ早ぇ、相手は神だ。次に何を仕掛けてくるか」
ツグルの元へと駆け出そうとしたセリアをリキッドが止めた。
リキッド「待て、様子がおかしい」
真っ二つになった無の神の身体からユラユラと霊体のようなものが夜空へと伸びている。
ツグルは胸を押さえながら悶え苦しんでいた。
トゥール「ツグル!!」
トゥールはツグルの元へと駆け出した。
トゥール「どうした!?大丈夫か!?」
ツグルの肩を揺するがツグルは白目を剥いて苦しそうに胸を押さえている。
ツグル「ハ、、、、、ァ、、、、、」
トゥール「セリア!!!歌ってくれ!!!」
セリア「はい!!!」
セリアはすぐに歌い始めた。
セリアの歌声に乗ってグレイス城に聖属性が充満する。
城内の仲間達全員の傷が癒えていく、建物の損壊もなかったかのように修復されていく。
ツグルの身体の傷も消えているように見えるが未だにツグルは胸を押さえて苦しそうに悶えている。
トゥール「ダメだ、、、ムー!!何か方法はないのか!?」
トゥールはそう言いながら後ろを振り返った。
ムー「やべぇのはそいつだけじゃねぇみてぇだ」
ムー、リリ、タクティス、リキッドの身体がほんの少しずつ霧散しているようだった。
トゥールは慌てて自分の身体を見た。
黄色のオーラが霧散する細胞を再生しているように見える。
リリ「ねぇ、私達消えるの?」
リキッド「今すぐにではないが、この夜を超えることは出来ないだろうな」
タクティス「俺達は魂だけの存在、無の神が倒されたことによって俺達も消えるのか」
ムー「そうだ、これは分かっていたことだ。僕達は一度殺されて無の神に魂として生かされていただけに過ぎない」
トゥールはツグルを強く揺すった。
トゥール「ツグル!!!しっかりしろ!!!」
その時、空から無の神の声が響き渡る。
その声は城全体に聞こえていた。
無の神「見事だ人間共、だが所詮は人間、神の力の前では無力である」
一同は空を見上げた、そして絶句した。
トゥール「おい、、、マジかよ」
巨大な隕石が夜空を覆っていた。
セリア「あんなものが落ちてきたら、私達は、、、」
リリ「私達というか、この星の終わりだね」
タクティス「俺が山を作ってどうにか」
リキッド「無理だな。そもそもあの隕石はどこからやってきたと思う?ムー」
ムー「宇宙から呼び寄せたか、創り出したかの二択だろうな。呼び寄せたとしたら防ぐ術はねぇ。だが創り出したとしたら術者を消せば術も消える」
リキッド「そこに賭けるしか今出来ることはない、といった感じか?」
ムー「ああ、それに確率的にはそっちの線が濃厚だ。呼び寄せるには宇宙との距離があり過ぎる、なんらかの方法で魔力を貯蔵していたとしてもあの体積の物を地球に運ぶには無理がある、それなら地球を爆破した方がコスパが良いくらいだ」
リキッド「だったら話は早い、無の神はあの隕石の先に逃げたのだろう?隕石に風穴を空けて無の神を斬れば良い」
トゥール「そうか、じゃあ行ってくる!!」
トゥールは風迅速で空へと駆け出そうとした。
リキッド「あの隕石を斬るのは無理だ」
トゥール「、、、確かに」
リリ「私の最高傑作でイケるかな?」
ムー「いや、足りねぇな。クソ女、拡声器を創りやがれ」
リリ「え?まぁ良いけど」
リリは拡声器を創り出した。
ムー「それを城全体に声が届くように接続しろ」
リリ「はいはーい」
リリは拡声器に手を当て、電気を流し込んだ。
ムー「ちなみにタカは空が見える場所にいるか?」
リリ「うん、いるよ」
ムーは念動力で拡声器を口元へと持っていく。
ムー「タカ!!生きてるよなぁ?ゼウスも生きてるか?邪魔して悪いが空を見ろ。元科学者のゼウス様なら分かるよな?あれが落ちてきたら全ての生物が消える。テメェ等のどちらかが勝ったとしてもそいつも死ぬ。今すべきことが変わったってことだ」
ムーは話を終えたように拡声器をゆっくりとおろした。
リリ「え?終わり?」
タクティス「タカなら戦うことをやめないだろう。タカの悲願は同胞の吸収、すなわち今のゼウスを殺すことだ」
トゥールは拡声器を掴んだ。
トゥール「タカ!!ゼウス!!お前達二人の力が必要だ!!城の屋上、空中庭園に来てくれ!!、、頼む」
トゥールは拡声器を置いた。
リキッド「タカに交渉など通じるものか」
トゥールは笑っていた。
トゥール「来るよ、ああ見えてタカは優しい男だからさ」
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