162 / 229
マイケルの自空間編
第162話 西東の風、止む
しおりを挟む
巫女様の元へ行くと、そこにはコケシがいた。
トゥール「お、コケシも来てたか」
デート中の表情とは打って変わって、真剣な表情をしている。
コケシ「超大型なんて何年ぶりか分かりませんからね」
巫女「あれはタケルがまだ二十歳の時じゃ、当時は超大型の討伐は風と次風の二人で討伐にあたることとなっていた、北側に現れた超大型妖魔の討伐に東風であるタケルが行くこととなった」
トゥール「今は対になる風が二人で討伐に向かうんですよね?だから今回は西に現れた超大型を西風であるカミヤさんと東風であるタケルさんが討伐に向かった」
巫女「何故そうなったかには訳がある。当時次東風だったタケルの妻のお腹には子が宿っていた。しかしそれは本人しか知らなかったのじゃ。タケルがそのことを知るのは、最愛の妻が超大型妖魔に喰われた後じゃ」
トゥール「!!!」
巫女「その超大型はタケルとの戦いで疲弊し、海へと逃げた。悔やみながら都へと帰ってきたタケルは医者から妻のお腹に子がいたことを告げられる。タケルが妖魔の殲滅に固執するのは、そういった事情があるのじゃ」
コケシ「そうだったんですか」
巫女「今回の超大型はタケルにとって仇となる。じゃがタケルは、、、、、、いや、これを口にするのは運命に背く行為となる。トゥールよ、タケルのことを、どうか頼む」
巫女様は目を閉じ、トゥールの手をとった。
トゥール「そんな過去があったなんて知りませんでした。俺はタケルさんのことを少し誤解していたかもしれませんね」
コケシ「妖魔を殲滅するという気迫は最愛の人と自らの子を想ってのことだったのですね」
ドン!!!!
すると、突然襖が勢いよく開かれた。
「ほ、、、ほ、、、報告!!!!」
松の翁「何事じゃ!!」
それまで口を閉ざしていた松の翁がここぞとばかりに声を張り上げる。
「か、、、か、、カミヤ様と、、、た、、タケル様が、、、、、」
巫女様は静かに目を閉じた。
松の翁「なんじゃ!?早く言え!!」
「、、西風のカミヤ様と東風のタケル様、両名の敗北を確認!!!超大型妖魔は都に向けて進軍中!!」
トゥール「敗北って、、、、二人は生きてるんだよな!?」
雑兵は口を閉ざしている。
コケシ「そんな、、、」
巫女様は口を閉ざしたまま、外を眺めている。
松の翁「な、、な、、なんじゃと!?嘘を申すな、あの二人が妖魔にやられるわけなかろう!!!!」
「カミヤ様は惨殺され、、、タケル様も瀕死の状態でした!!そこにキムキムさんが現れて、報告をしろと!!!私も、、私も何が起こったのか分からないのです!!」
雑兵は目に涙を浮かべている。
その顔には恐怖の色が刻々と表れている。
トゥール「キムキムもそこにいたのか!?巫女様、何故キムキムが」
巫女「トゥールよ。我は何も言わぬ。好きにするが良い」
トゥール「未来が視えているんですね?それは良くない未来なんですね?」
巫女様は口を閉ざしている。
トゥール「カミヤさんもタケルさんも、キムキムも。死んでしまうかもしれないんだぞ!!!!何をそんなに悠長に構えてやがる!!!」
トゥールは巫女を睨みつけた。
松の翁「貴様巫女様に向かって、何様のつもりじゃ!!!」
松の翁は刀を抜いた。
コケシ「おやめください!!!!」
コケシがトゥールと松の翁の間に割って入った。
コケシ「御言葉ですが、今は緊急事態に違いありません。巫女様、次の指示を」
巫女様は静かに答えた。
巫女「指示などない、好きにするが良い。時が来た、それだけのことじゃ」
トゥール「あんたイカれてんのか!?あーもう分かった、俺が行く!!」
トゥールは部屋を飛び出した。
コケシ「お待ちください!!トゥール様!!」
トゥール「コケシは来るな!!都に何かあったらそれこそ本末転倒だ!!北側の守りを固め、万全を期してくれ!!」
コケシは唇を噛みながら、静かに頷いた。
トゥール「お、コケシも来てたか」
デート中の表情とは打って変わって、真剣な表情をしている。
コケシ「超大型なんて何年ぶりか分かりませんからね」
巫女「あれはタケルがまだ二十歳の時じゃ、当時は超大型の討伐は風と次風の二人で討伐にあたることとなっていた、北側に現れた超大型妖魔の討伐に東風であるタケルが行くこととなった」
トゥール「今は対になる風が二人で討伐に向かうんですよね?だから今回は西に現れた超大型を西風であるカミヤさんと東風であるタケルさんが討伐に向かった」
巫女「何故そうなったかには訳がある。当時次東風だったタケルの妻のお腹には子が宿っていた。しかしそれは本人しか知らなかったのじゃ。タケルがそのことを知るのは、最愛の妻が超大型妖魔に喰われた後じゃ」
トゥール「!!!」
巫女「その超大型はタケルとの戦いで疲弊し、海へと逃げた。悔やみながら都へと帰ってきたタケルは医者から妻のお腹に子がいたことを告げられる。タケルが妖魔の殲滅に固執するのは、そういった事情があるのじゃ」
コケシ「そうだったんですか」
巫女「今回の超大型はタケルにとって仇となる。じゃがタケルは、、、、、、いや、これを口にするのは運命に背く行為となる。トゥールよ、タケルのことを、どうか頼む」
巫女様は目を閉じ、トゥールの手をとった。
トゥール「そんな過去があったなんて知りませんでした。俺はタケルさんのことを少し誤解していたかもしれませんね」
コケシ「妖魔を殲滅するという気迫は最愛の人と自らの子を想ってのことだったのですね」
ドン!!!!
すると、突然襖が勢いよく開かれた。
「ほ、、、ほ、、、報告!!!!」
松の翁「何事じゃ!!」
それまで口を閉ざしていた松の翁がここぞとばかりに声を張り上げる。
「か、、、か、、カミヤ様と、、、た、、タケル様が、、、、、」
巫女様は静かに目を閉じた。
松の翁「なんじゃ!?早く言え!!」
「、、西風のカミヤ様と東風のタケル様、両名の敗北を確認!!!超大型妖魔は都に向けて進軍中!!」
トゥール「敗北って、、、、二人は生きてるんだよな!?」
雑兵は口を閉ざしている。
コケシ「そんな、、、」
巫女様は口を閉ざしたまま、外を眺めている。
松の翁「な、、な、、なんじゃと!?嘘を申すな、あの二人が妖魔にやられるわけなかろう!!!!」
「カミヤ様は惨殺され、、、タケル様も瀕死の状態でした!!そこにキムキムさんが現れて、報告をしろと!!!私も、、私も何が起こったのか分からないのです!!」
雑兵は目に涙を浮かべている。
その顔には恐怖の色が刻々と表れている。
トゥール「キムキムもそこにいたのか!?巫女様、何故キムキムが」
巫女「トゥールよ。我は何も言わぬ。好きにするが良い」
トゥール「未来が視えているんですね?それは良くない未来なんですね?」
巫女様は口を閉ざしている。
トゥール「カミヤさんもタケルさんも、キムキムも。死んでしまうかもしれないんだぞ!!!!何をそんなに悠長に構えてやがる!!!」
トゥールは巫女を睨みつけた。
松の翁「貴様巫女様に向かって、何様のつもりじゃ!!!」
松の翁は刀を抜いた。
コケシ「おやめください!!!!」
コケシがトゥールと松の翁の間に割って入った。
コケシ「御言葉ですが、今は緊急事態に違いありません。巫女様、次の指示を」
巫女様は静かに答えた。
巫女「指示などない、好きにするが良い。時が来た、それだけのことじゃ」
トゥール「あんたイカれてんのか!?あーもう分かった、俺が行く!!」
トゥールは部屋を飛び出した。
コケシ「お待ちください!!トゥール様!!」
トゥール「コケシは来るな!!都に何かあったらそれこそ本末転倒だ!!北側の守りを固め、万全を期してくれ!!」
コケシは唇を噛みながら、静かに頷いた。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
天弓のシュカ ~勇者の生まれ変わりの少年は、世界を救うために七色の魔竜を巡る旅に出る~
卯崎瑛珠
ファンタジー
王道RPGのようなファンタジーです!ワクワクとドキドキの冒険を、個性豊かなパーティメンバー&もふもふと共に、あなたへ――勇者が魔王を倒し、訪れた平和は束の間だった。やっと安心して生きられる、と世界中の人々が喜んだ矢先、何を思ったか勇者の手によって世界の核である『キーストーン』が破壊され、勇者自身も死んでしまう。各地には魔竜や魔物が生まれ、危険な世界に戻ってしまっていた。人々が勇者を恨む中、『シュカ』と名乗る肩に白い鷹を乗せた銀髪黒目の少年が、ある王国を訪れる。彼は国王謁見の叶う『金貨集めの日』を利用して、王国南の森に居る雷竜を見たいと国王に申し出るものの、当然追い返されてしまう。が、王都で偶然?『剣聖』ヨルゲンと出会ったことで、雷竜討伐へ赴くことにし――勇者はなぜ核を破壊したのか。魔竜巡礼の意味とは。シュカとともに旅をして、ぜひ世界の真実を探してください。
-----------------------------
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙絵:nao様(https://skima.jp/profile?id=153308%0A%E2%80%BB)
※無断転載禁止
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる