神殺しの怪物と六人の約束

ヤマノ トオル/習慣化の小説家

文字の大きさ
上 下
98 / 229
混沌の北ゲート編

第98話 騎士候補生vs漆黒の騎士

しおりを挟む
ダイス「やべぇ!!!落ちる!!!」

漆黒の騎士の斬撃を受けたヘリコプターはなす術もなく地上へと落ちて行く。

ツグル「ダイス!!何か掴まれる物を作れないか!?俺の手の変形でヘリコプターごと持ち上げる!!」

ダイス「だとしたらデカイ方が良いよな!?」

ダイスは弓矢を放った。するとニュルニュルと木が生え、みるみるうちに巨木へと成長した。

ツグル「ナイス!!」

ツグルはヘリコプターから飛び降り、手を変形させ巨木へと捕まった、そしてもう片方の手を変形させて、ヘリコプターを鷲掴みにした。

ツグル「よし!!」

無事に着地出来るかと思われたその時、巨木に亀裂が入った。

モモ「私に任せて!!」

モモが鉄屑に魔力を込め、巨木へと投げた。
接した場所から巨木が鉄へと性質を変えていき、安定を保つ。

ツグルはヘリコプターを地面へと着地させ、一同は外へと出た。

リリは頭を抱え、苦しそうに悶えている。

セリア「リリさん、大丈夫ですか?」

リリからの返事はない。
氷結して身動きが取れないタクティスも苦しそうな表情でグッタリとしていた。

ツグル「俺達で漆黒の騎士を倒すぞ」

モモ「フルネス将軍、、、、仇は私が討ちます」

ダイス「やるしかねぇか」

三人はセリアを守るように武器を構える。

セリア「私も戦います、守られてるだけじゃ何も変わらない!!」

セリアの周りに光の剣が召喚されグルグルと回り出した。

漆黒の騎士「グルァァァァァァァ!!!!」

雄叫びをあげながら、漆黒の騎士は向かってきた。

モモ「私が止める!!!」

モモはメイスを構え、走り出す。

滑るように移動する漆黒の騎士がすぐそこまで接近していた。

モモはメイスを振りかぶったが漆黒の騎士の素早い動きに対応出来ず、そのまま斬られてしまった。
しかし鎧ごと硬化していたため傷は浅く、モモは漆黒の騎士の胴体を後ろからホールドした。

更にモモは自らの身体を鉄化し、重量を上げる。

モモ「今のうちに!!!」

身動きをとれなくなった漆黒の騎士は氷魔法を使い周辺を凍らせる。

自分の身体が凍結していくのを感じながらも、モモはその腕を離すことはしなかった。

モモ「早く!!!」

ツグル「よくやった!!」

氷魔法の中へと突撃してきたツグルが漆黒の騎士の背後をとった。

漆黒の騎士「グルァァァァァァァ!!!!」

しかし、咆哮と共に吹雪に襲われ、ツグルは飛ばされてしまう。

それでもなおしがみついていたモモへと漆黒の騎士が魔力の乗った刃を向けた。

ダイス「させねぇよ!!!」

下準備を終えたダイスが魔法を発動すると、地面からいくつものツタが伸び、漆黒の騎士の腕に絡み付いた。

もう片方の手でモモの頭を掴んだ漆黒の騎士だったが、次はセリアの光の剣に阻まれた。

セリア「ツグル!!!」

ツグル「はぁぁぁぁあ!!!!!!」

ツグルが短剣を槍の形に変え、空から漆黒の騎士の頭を目掛けて直滑降に落ちてくる。

ダイス「いけぇぇぇえええ!!!!」

ツグル「ドラゴンダイブ!!!」

ツグルは着地と共にモモを抱えてセリアとダイスの元へと跳躍した。

ツグル「やったか!?」

確かに手応えはあった。
頭部に命中したのは確実だ。

漆黒の騎士「グルァァァァァァァ!!!!!」

しかし漆黒の騎士の硬い装甲は少しだけ剥がれただけだった。

ツグル「くそ、、、もう一度だ」

しかしモモの身体は凍結しているようで立ち上がることが出来ない。

ツグル「皆はここにいろ、俺が隙を作る!」

ツグルは漆黒の騎士へと駆けた。

モモ「私が、、守る、、」

モモは正面に防護壁を張り、ダイスとセリアを守った。

ツグルは高速で動き回り、漆黒の騎士を翻弄する。

漆黒の騎士はセリアを真っ直ぐに見つめている。

後ろがガラ空きだ。

ツグル「黒竜拳!!!」

しかし分厚い氷の壁が出現し、ツグルの渾身の一撃は阻まれた。

砕け散る氷の先から漆黒の騎士の手がツグルの頭部目掛けて迫り来る。

マズイ、、、、、、

すぐに移動を試みたが間に合いそうもない。



瞬きをすると、ツグルはモモの防護壁の中にいた。



ツグル「え?」

ツグル達を守るように立っていたのは。

青いオーラに包まれているトゥールだった。

ダイス「トゥールさん!!!!」

セリア「無事だったんですね!」

トゥール「、、、、、、」

トゥールは何も答えない。

明らかに今までのトゥールとは雰囲気が違った。

ツグル「トゥール、助かった、ありがとう」

トゥール「フルネスをやったのはこいつか?」

トゥールは振り返らずに質問をした。

モモ「はい、、、、フルネス将軍は私達を守るために、、」

トゥール「そうか」

トゥールは静かに刀を抜いた。

トゥール「リリ、タクティス、お前達も過去を見たのだろう。俺はやるべきことを思い出した。だが今、この瞬間だけは、友のために刃を振るう。リリ、セリア達を連れて今すぐにここから逃げろ」

リリ「ふぅ、、、、とんでもなく長い夢を見ていたようだよ。じゃあ皆行こうか」

リリは瞬時にヘリコプターを作り出し、皆を誘導する。

押し込まれるように中へと詰め込まれ、ヘリコプターは上昇した。

トゥール「タクティス、俺は今魔力が足りない。友のための一太刀を浴びせたら俺は無力になる。この一撃で勝負を決するつもりだが、もしもの時はこの後の戦闘を任せても良いか?」

タクティス「当たり前だ、胸糞悪い記憶を見せられて、俺は今、破壊衝動が抑えられない」

タクティスの身体からは緑のオーラが溢れ出していた。









しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

処理中です...