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熱風の闘技場編
第47話 特殊な身体
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トゥール「ん~、あれだ。棄権するわ」
タカとの決闘を目前にして、トゥールは独り言のように呟いた。
一同「え!?」
ツグル「嘘だろ!?」
強者の戦いを楽しみにしていたツグルは、珍しく大きな声を出す。
トゥール「いや、リアルな話、まぁ100%勝てないわけだ。んで今更だけどタカに会えたんだし戦う理由なんてないわけだ。んでさっきも見て分かったと思うけど、タカは戦闘民族の習性かスイッチが入っちまうと止められなくなる。なんていうか、戦っても良いことなんて一つもないんだよなぁ」
ムー「ごもっともだが、随分とまぁそんなに理由を並べられたものだ。最初から戦うつもりなんてなかったんだろ?」
トゥールはニコっとして答えた。
トゥール「バレてたか」
トゥールの棄権により会場はブーイングの嵐だ
トゥール「まぁ俺は棄権したけど、ツグルはどーする?」
試すような笑顔でトゥールは語りかける。
ツグル「俺は、、、」
もちろん戦ってみたい、でも確かに怖さもある。
フルネス「実際戦ってみての感想だが、相当な訓練を受けていなければ一撃で死に至るだろうな」
モモ「そうだよ!フルネス将軍の戦い見てたでしょ?やめとこうよ」
ダイス「セリアに歌ってもらうことになったらやべぇぞ!マジで」
セリア「危ないことはして欲しくないけど、戦いたいんでしょ?ツグル」
ツグル「、、、」
自分と同じような特殊な身体の持ち主と戦えるチャンスを逃すわけにはいかない、でも皆に迷惑をかけるわけにもいかない。
トゥールの言う通り、危険を冒してまで戦う理由なんて、ないんだから。
一人葛藤をするツグルに、誰かが声をかけた。
カナメル「いいじゃん、戦いなよ」
ツグル「、、、でも」
カナメル「戦いたいなら、戦った方が良い」
カナメルはどこか遠くを見ながら、だがしっかりとツグルに言い放つ。
ツグル「俺は、戦いたい」
カナメルはニヤリと生意気に笑った。
トゥール「了解!もしもの時は、ムー、タクティス、フルネス、ズミ、頼むぞ」
ズミ「任せな」
タチキ「お前何にも出来ねぇだろ!!なんでトゥールもこいつを入れたんだよ!」
ズミ「分かってねぇなぁ、もしもの時ってのは。まぁ良いか。。。ツグル君、まぁ頑張れよ」
ツグル「行ってくる」
ツグルは観客席から飛び出した、両手を翼の形に変形させ、円形の闘技場を滑空する。
フルネス「自分の能力を明かしてしまって大丈夫なのか?あれはただの魔術ではないはずだ」
ムー「問題ねぇよ、魔術なんてオリジナルを極めれば、誰も真似出来ない存在になれるんだから」
カナメル「決勝に相応しい登場だな」
観客のボルテージは最高潮に達する。
ツグルが着地をした頃に、仄暗い闘士入場口からゆっくりと、タカが歩いてきた。
風が男のボロ布を揺らし、身体中に刻まれている魔術刻印が見え隠れする。
タカ「お前も不思議な身体を持っているようだな」
ツグル「この力、試させてもらう」
タカ「全力で来い」
[決勝戦、ツグルvsタカ!! スタート!!]
ここぞとばかりに盛大にゴングの音が鳴り、ツグルは四肢を黒化させる。
タカ「色を変えることで、硬度と身体能力が上がるのか」
タカは構えもせず、興味深そうにツグルを見つめる。
ツグル「悪いけど、見物の時間なんてあげられないぜ」
ツグルは一直線にタカへと飛び込む。
全体重が乗った、ツグルの渾身のパンチが無防備なタカの顔面にヒットする。
しかしタカは何事もなかったかのように立ち止まったまま、風圧でボロ布のフードが脱げただけだった。
端正な顔立ちに色黒の肌、そこに魔術刻印が顔にまで刻まれている。
タカ「硬度が足りない、硬度とは即ち密度だ」
ツグル「ぐぁぁぁー!!!!!」
ツグルは右腕を抑えながらその場に崩れ落ちた。
腕から血が吹き出している。
タカ「お前の力では、俺に擦り傷すらつけることは出来ない」
ツグル「硬度、、?、、、密度、、?」
タカ「ただ四肢を黒く染めただけではナイフを研いだのと同じ、ナイフの材質は変わらない」
目の前に立ちはだかるボロ布の男は仕掛けてくる素振りを見せず、未だに直立不動の姿勢である。
その大きな瞳でツグルを上から見下ろしていた。
タカ「その右腕に、お前の力を集中しろ。手本を見せてやる」
刻印の中を鮮血が移動し、右腕が赤く光り出す。
タカ「こうだ」
そう言うと、突然パンチを繰り出し、ツグルの顔面の前で止めた。
その途端、円形の闘技場の地面は抉れ、壁は半壊、ツグルの姿はなくなっていた。
観客は騒然とし、ざわつき始めた。
審査員達がキョロキョロと辺りを見回していると、半壊した岩を押し除け、ツグルが現れた。
ツグル「、、はぁ、、はぁ、、、、あんたと戦えて、良かった、、」
タカ「それは良かった、終わりだ」
タカは空高く跳躍した。
トゥール達が何やら動きを見せていたその時。
タカとツグルの間に白い扉が出現した。
ガチャと音を立て扉は勝手に開いた。
そこに現れたのは、ローブを身に纏った老人だった。
「久しいのぅ、人形達よ」
その言葉と共にタカは目の色を変えた。
タカとの決闘を目前にして、トゥールは独り言のように呟いた。
一同「え!?」
ツグル「嘘だろ!?」
強者の戦いを楽しみにしていたツグルは、珍しく大きな声を出す。
トゥール「いや、リアルな話、まぁ100%勝てないわけだ。んで今更だけどタカに会えたんだし戦う理由なんてないわけだ。んでさっきも見て分かったと思うけど、タカは戦闘民族の習性かスイッチが入っちまうと止められなくなる。なんていうか、戦っても良いことなんて一つもないんだよなぁ」
ムー「ごもっともだが、随分とまぁそんなに理由を並べられたものだ。最初から戦うつもりなんてなかったんだろ?」
トゥールはニコっとして答えた。
トゥール「バレてたか」
トゥールの棄権により会場はブーイングの嵐だ
トゥール「まぁ俺は棄権したけど、ツグルはどーする?」
試すような笑顔でトゥールは語りかける。
ツグル「俺は、、、」
もちろん戦ってみたい、でも確かに怖さもある。
フルネス「実際戦ってみての感想だが、相当な訓練を受けていなければ一撃で死に至るだろうな」
モモ「そうだよ!フルネス将軍の戦い見てたでしょ?やめとこうよ」
ダイス「セリアに歌ってもらうことになったらやべぇぞ!マジで」
セリア「危ないことはして欲しくないけど、戦いたいんでしょ?ツグル」
ツグル「、、、」
自分と同じような特殊な身体の持ち主と戦えるチャンスを逃すわけにはいかない、でも皆に迷惑をかけるわけにもいかない。
トゥールの言う通り、危険を冒してまで戦う理由なんて、ないんだから。
一人葛藤をするツグルに、誰かが声をかけた。
カナメル「いいじゃん、戦いなよ」
ツグル「、、、でも」
カナメル「戦いたいなら、戦った方が良い」
カナメルはどこか遠くを見ながら、だがしっかりとツグルに言い放つ。
ツグル「俺は、戦いたい」
カナメルはニヤリと生意気に笑った。
トゥール「了解!もしもの時は、ムー、タクティス、フルネス、ズミ、頼むぞ」
ズミ「任せな」
タチキ「お前何にも出来ねぇだろ!!なんでトゥールもこいつを入れたんだよ!」
ズミ「分かってねぇなぁ、もしもの時ってのは。まぁ良いか。。。ツグル君、まぁ頑張れよ」
ツグル「行ってくる」
ツグルは観客席から飛び出した、両手を翼の形に変形させ、円形の闘技場を滑空する。
フルネス「自分の能力を明かしてしまって大丈夫なのか?あれはただの魔術ではないはずだ」
ムー「問題ねぇよ、魔術なんてオリジナルを極めれば、誰も真似出来ない存在になれるんだから」
カナメル「決勝に相応しい登場だな」
観客のボルテージは最高潮に達する。
ツグルが着地をした頃に、仄暗い闘士入場口からゆっくりと、タカが歩いてきた。
風が男のボロ布を揺らし、身体中に刻まれている魔術刻印が見え隠れする。
タカ「お前も不思議な身体を持っているようだな」
ツグル「この力、試させてもらう」
タカ「全力で来い」
[決勝戦、ツグルvsタカ!! スタート!!]
ここぞとばかりに盛大にゴングの音が鳴り、ツグルは四肢を黒化させる。
タカ「色を変えることで、硬度と身体能力が上がるのか」
タカは構えもせず、興味深そうにツグルを見つめる。
ツグル「悪いけど、見物の時間なんてあげられないぜ」
ツグルは一直線にタカへと飛び込む。
全体重が乗った、ツグルの渾身のパンチが無防備なタカの顔面にヒットする。
しかしタカは何事もなかったかのように立ち止まったまま、風圧でボロ布のフードが脱げただけだった。
端正な顔立ちに色黒の肌、そこに魔術刻印が顔にまで刻まれている。
タカ「硬度が足りない、硬度とは即ち密度だ」
ツグル「ぐぁぁぁー!!!!!」
ツグルは右腕を抑えながらその場に崩れ落ちた。
腕から血が吹き出している。
タカ「お前の力では、俺に擦り傷すらつけることは出来ない」
ツグル「硬度、、?、、、密度、、?」
タカ「ただ四肢を黒く染めただけではナイフを研いだのと同じ、ナイフの材質は変わらない」
目の前に立ちはだかるボロ布の男は仕掛けてくる素振りを見せず、未だに直立不動の姿勢である。
その大きな瞳でツグルを上から見下ろしていた。
タカ「その右腕に、お前の力を集中しろ。手本を見せてやる」
刻印の中を鮮血が移動し、右腕が赤く光り出す。
タカ「こうだ」
そう言うと、突然パンチを繰り出し、ツグルの顔面の前で止めた。
その途端、円形の闘技場の地面は抉れ、壁は半壊、ツグルの姿はなくなっていた。
観客は騒然とし、ざわつき始めた。
審査員達がキョロキョロと辺りを見回していると、半壊した岩を押し除け、ツグルが現れた。
ツグル「、、はぁ、、はぁ、、、、あんたと戦えて、良かった、、」
タカ「それは良かった、終わりだ」
タカは空高く跳躍した。
トゥール達が何やら動きを見せていたその時。
タカとツグルの間に白い扉が出現した。
ガチャと音を立て扉は勝手に開いた。
そこに現れたのは、ローブを身に纏った老人だった。
「久しいのぅ、人形達よ」
その言葉と共にタカは目の色を変えた。
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