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第八章 延長戦
その1 たとえ万人が敵だとしても
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俺は常識人だ。
勝負には少し知恵を絞ったりもするが、基本的に善人で普通の一般人だ。
だから、俺が手に入れた『食材』の紙には、広い意味に取れる内容、『大地と海と空の恵み』と書いた。
そして、6つの紙がラウンダの手に渡る。
「さあ! お題が集まりました! まずは『料理』からです!」
ここだ、ここが重要だ。
『ハンバーグ』と『カレー』なら、ハンバーグカレーという解がある。
だが、『お茶漬け』『ドライカレー』になってしまうと矛盾が生じてしまう。
「料理は『寿司』と『家庭料理』です!」
よしっ!
「ふっ、寿司を外さぬ道理はなかろう」
「おうちでごはん~、おいしく作るよ~」
見直したぞ! 土御門!
ありがとう! そして、ありがとう! 蘭子!
「食材は『愛情』と『大地と海と空の恵み』です!」
「そんな食材があるかぁ!」
「愛情は何よりも美味しいスパイスよ!」
「それは空腹だ!」
だが、どうとでも取れる『愛情』ならば、矛盾は発生しない。
残るはテーマだが、そのクジを引いたのは部長と寿師翁か。
最大の問題は部長だ。
俺たちに有利になるお題を選んでくれると信じているが……あの部長の事だからなぁ。
「私が選んだお題は『テーマ:友情・努力・勝利』よ!」
ナイス部長!
寿師翁は最強だが、孤高でもある。
”友情”とは縁が遠そうだ。
勝負として成り立たせ、さらに俺たちに有利になるお題を選んでくれた!
「そして、最後のテーマは……」
ラウンダの口が止まる。
冷や汗も見て取れる。
空が暗くなり、ゴロゴロという雷の音も聞こえてくる。
何かマズいテーマでも書かれてあったのか!?
「『テーマ:対軍料理(具体的には審査員は会場の全員、約1万人)』です!!」
はい!?
「ぐわーはっはっは! 儂は空気の読める男よ! そして、負ける気も無いと言ったであろう!!」
会場からは狂喜乱舞の歓声が聞こえた。
◇◇◇◇◇
「お題ヲ受領シマシタ。審査員は全テ、一般審査員トシ、各チームノ所属スル組織ノ人員参加ヲ可能とシマス」
「所属する組織って具体的には?」
部長がコンピュータに問う。
「『料理愛好倶楽部』ト『魚鱗鮨』ノ事デス」
えっ!? それって!
「トゥ!」「タァ!」「ヤァ!」
気合の掛け声を上げ、空中で一回転しながら、幾人もの人影が宙を舞う。
「シュタ」「シュタタ!」「シュタタタ!」
そして、その人影は寿師翁を中心に跪く。
「寿師翁様! 魚鱗鮨二十四節鬼、馳せ参上致しました」
「うむ、ご苦労」
ええと、さっきの『炎の7香貫』で配膳をしてた方々ですよね。
寿師翁の弟子兼、魚鱗鮨の従業員の方々ですよね。
「あれは、二十四節鬼! 実在していたとは!?」
師匠が驚きの声を上げる。
発足は1分前だと思います。
「さあ! 我ら3人を加えた寿司徒二十七租に勝てるかな!?」
ピシャーン! と背景に落雷を描きながら、寿師翁とその一味は一段高い所で叫んだ。
「雨天ノ為、延長戦ハ明日ニ順延シマス」
ゲリラ豪雨が降った。
夏の天気は変わりやすい。
◇◇◇◇◇
俺と蘭子は控室で横になっている。
控室に戻った瞬間に疲労が、ドッと出たのだ。
「大丈夫か、少年、少女」
師匠が心配そうな声を掛けてくる。
「ああ、休めば回復する。だが、休む暇が無いのが残念だな……うーん、あと五分……」
「せんせー、ブドウ糖~」
「ほら、あーんしろ」
「あーん」
「あ~ん」
口の中に爽やかなひんやりとした甘味が広がる。
本当ならば、女の子にやって欲しい所だが、それを言う元気もない。
「ふう、ちょっとは回復したかな」
「あたしは~、もうちょっと~」
「蘭子は休んでいろ。作戦と仕込みは俺と部長が……」
今日、最も消耗したのは蘭子だ。
運動量だけでも俺や部長の数倍は消費している。
そして、あの寿師翁の相手をしたのだ。
「生きてるか、花屋敷! 助っ人に来たぜ!」
「蘭ちゃん、元気! うちらが助けに来たよ!」
「あたしも~」
「はたらきたくない~、だけど、まけてほしくない~」
扉を開けて入って来たのは、江戸川とものぐさ三銃士だ。
「ほら! 入部届けだ! これで、俺たちも『料理愛好倶楽部』の一員や! 雑用でも何でもするぜ!」
「他にも、友達に声をかけているから、明日の朝には、もっと増えると思うわ」
江戸川が入部届けの紙をヒラヒラさせる。
ありがたい、とても助かる。
だが……これでは勝てない。
たとえ全方位学園の総勢1万人が入部したとしても。
「浮かない顔だな。少年、やはり1万人の審査員を相手にするには、荷が重いか」
「はい、師匠。正直勝てる気がしません」
1万人分の料理を作るのは出来る。
だが、あの寿司徒二十七祖を上回る料理を作るのは不可能だ。
しかも、俺たちには金が無い。
食材は会場の物を使うしかないだろう。
魚鱗鮨が自前の特鮮海産を出してきたら、素材でも俺たちは劣る。
まだ、魚鱗鮨二十四節鬼を1対1で24人抜きした挙句、土御門、安寿さん、寿師翁を倒す方がましだ。
「あの魚鱗鮨の統一の取れた組織に勝てるとは思えません」
「いつになく弱気だな少年。少年やボスならば、地区予選決勝で112対3の逆境からも勝てる策を思いつくと思っておったのに」
「透明ランナー制でも出来れば話は別ですがね。せめて、師匠や蘭子クラスとまではいかないまでも、俺や部長くらいの料理の腕を持った人物が20……いや、15名いれば……ねえ、部長」
あれ? 部長の姿が見えない?
「あれ~、なでちゃんは?」
「試合が終わったら、生徒会長を連れてどこかに行ったぞ」
そう、師匠は言った。
そうか、生徒会長も応援に来てくれていたのか。
しかし、どこに行ったのだろう?
……まさか!?
ブルルッ
俺のスマホが振動する。
『陸、蘭子ちゃん、火砲は寝て待ちなさい、米炊いて寝ろ』
部長からのメッセージはそれだけだった。
誤字ではない、火力を補充してくれると言っているのだ……まさか!?
「よしっ! 蘭子、寝よう!」
「えっ、そんな、死亡フラグだよ、それ……でも……いいよ……」
「勘違いするな! 体力を回復させるんだ!」
「ええ~、もうダメ~、やる気でない~」
ああ、ものぐさ三銃士が砂を吐いているのが見える。
「師匠、作戦が出来ました。すみませんが、仕込みとこいつらの世話をお願いします」
こいつらとは、江戸川とものぐさ三銃士と、これから入部してくる仲間たちだ。
「心得た。して、その策を聞かせてもらおうか」
「おしえて~、りっくん」
師匠と蘭子が期待に満ちた目で俺を見る。
「死んだやつらを、透明ランナーとして蘇らせるのさ!」
勝負には少し知恵を絞ったりもするが、基本的に善人で普通の一般人だ。
だから、俺が手に入れた『食材』の紙には、広い意味に取れる内容、『大地と海と空の恵み』と書いた。
そして、6つの紙がラウンダの手に渡る。
「さあ! お題が集まりました! まずは『料理』からです!」
ここだ、ここが重要だ。
『ハンバーグ』と『カレー』なら、ハンバーグカレーという解がある。
だが、『お茶漬け』『ドライカレー』になってしまうと矛盾が生じてしまう。
「料理は『寿司』と『家庭料理』です!」
よしっ!
「ふっ、寿司を外さぬ道理はなかろう」
「おうちでごはん~、おいしく作るよ~」
見直したぞ! 土御門!
ありがとう! そして、ありがとう! 蘭子!
「食材は『愛情』と『大地と海と空の恵み』です!」
「そんな食材があるかぁ!」
「愛情は何よりも美味しいスパイスよ!」
「それは空腹だ!」
だが、どうとでも取れる『愛情』ならば、矛盾は発生しない。
残るはテーマだが、そのクジを引いたのは部長と寿師翁か。
最大の問題は部長だ。
俺たちに有利になるお題を選んでくれると信じているが……あの部長の事だからなぁ。
「私が選んだお題は『テーマ:友情・努力・勝利』よ!」
ナイス部長!
寿師翁は最強だが、孤高でもある。
”友情”とは縁が遠そうだ。
勝負として成り立たせ、さらに俺たちに有利になるお題を選んでくれた!
「そして、最後のテーマは……」
ラウンダの口が止まる。
冷や汗も見て取れる。
空が暗くなり、ゴロゴロという雷の音も聞こえてくる。
何かマズいテーマでも書かれてあったのか!?
「『テーマ:対軍料理(具体的には審査員は会場の全員、約1万人)』です!!」
はい!?
「ぐわーはっはっは! 儂は空気の読める男よ! そして、負ける気も無いと言ったであろう!!」
会場からは狂喜乱舞の歓声が聞こえた。
◇◇◇◇◇
「お題ヲ受領シマシタ。審査員は全テ、一般審査員トシ、各チームノ所属スル組織ノ人員参加ヲ可能とシマス」
「所属する組織って具体的には?」
部長がコンピュータに問う。
「『料理愛好倶楽部』ト『魚鱗鮨』ノ事デス」
えっ!? それって!
「トゥ!」「タァ!」「ヤァ!」
気合の掛け声を上げ、空中で一回転しながら、幾人もの人影が宙を舞う。
「シュタ」「シュタタ!」「シュタタタ!」
そして、その人影は寿師翁を中心に跪く。
「寿師翁様! 魚鱗鮨二十四節鬼、馳せ参上致しました」
「うむ、ご苦労」
ええと、さっきの『炎の7香貫』で配膳をしてた方々ですよね。
寿師翁の弟子兼、魚鱗鮨の従業員の方々ですよね。
「あれは、二十四節鬼! 実在していたとは!?」
師匠が驚きの声を上げる。
発足は1分前だと思います。
「さあ! 我ら3人を加えた寿司徒二十七租に勝てるかな!?」
ピシャーン! と背景に落雷を描きながら、寿師翁とその一味は一段高い所で叫んだ。
「雨天ノ為、延長戦ハ明日ニ順延シマス」
ゲリラ豪雨が降った。
夏の天気は変わりやすい。
◇◇◇◇◇
俺と蘭子は控室で横になっている。
控室に戻った瞬間に疲労が、ドッと出たのだ。
「大丈夫か、少年、少女」
師匠が心配そうな声を掛けてくる。
「ああ、休めば回復する。だが、休む暇が無いのが残念だな……うーん、あと五分……」
「せんせー、ブドウ糖~」
「ほら、あーんしろ」
「あーん」
「あ~ん」
口の中に爽やかなひんやりとした甘味が広がる。
本当ならば、女の子にやって欲しい所だが、それを言う元気もない。
「ふう、ちょっとは回復したかな」
「あたしは~、もうちょっと~」
「蘭子は休んでいろ。作戦と仕込みは俺と部長が……」
今日、最も消耗したのは蘭子だ。
運動量だけでも俺や部長の数倍は消費している。
そして、あの寿師翁の相手をしたのだ。
「生きてるか、花屋敷! 助っ人に来たぜ!」
「蘭ちゃん、元気! うちらが助けに来たよ!」
「あたしも~」
「はたらきたくない~、だけど、まけてほしくない~」
扉を開けて入って来たのは、江戸川とものぐさ三銃士だ。
「ほら! 入部届けだ! これで、俺たちも『料理愛好倶楽部』の一員や! 雑用でも何でもするぜ!」
「他にも、友達に声をかけているから、明日の朝には、もっと増えると思うわ」
江戸川が入部届けの紙をヒラヒラさせる。
ありがたい、とても助かる。
だが……これでは勝てない。
たとえ全方位学園の総勢1万人が入部したとしても。
「浮かない顔だな。少年、やはり1万人の審査員を相手にするには、荷が重いか」
「はい、師匠。正直勝てる気がしません」
1万人分の料理を作るのは出来る。
だが、あの寿司徒二十七祖を上回る料理を作るのは不可能だ。
しかも、俺たちには金が無い。
食材は会場の物を使うしかないだろう。
魚鱗鮨が自前の特鮮海産を出してきたら、素材でも俺たちは劣る。
まだ、魚鱗鮨二十四節鬼を1対1で24人抜きした挙句、土御門、安寿さん、寿師翁を倒す方がましだ。
「あの魚鱗鮨の統一の取れた組織に勝てるとは思えません」
「いつになく弱気だな少年。少年やボスならば、地区予選決勝で112対3の逆境からも勝てる策を思いつくと思っておったのに」
「透明ランナー制でも出来れば話は別ですがね。せめて、師匠や蘭子クラスとまではいかないまでも、俺や部長くらいの料理の腕を持った人物が20……いや、15名いれば……ねえ、部長」
あれ? 部長の姿が見えない?
「あれ~、なでちゃんは?」
「試合が終わったら、生徒会長を連れてどこかに行ったぞ」
そう、師匠は言った。
そうか、生徒会長も応援に来てくれていたのか。
しかし、どこに行ったのだろう?
……まさか!?
ブルルッ
俺のスマホが振動する。
『陸、蘭子ちゃん、火砲は寝て待ちなさい、米炊いて寝ろ』
部長からのメッセージはそれだけだった。
誤字ではない、火力を補充してくれると言っているのだ……まさか!?
「よしっ! 蘭子、寝よう!」
「えっ、そんな、死亡フラグだよ、それ……でも……いいよ……」
「勘違いするな! 体力を回復させるんだ!」
「ええ~、もうダメ~、やる気でない~」
ああ、ものぐさ三銃士が砂を吐いているのが見える。
「師匠、作戦が出来ました。すみませんが、仕込みとこいつらの世話をお願いします」
こいつらとは、江戸川とものぐさ三銃士と、これから入部してくる仲間たちだ。
「心得た。して、その策を聞かせてもらおうか」
「おしえて~、りっくん」
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