1976年生まれ、氷河期世代の愚痴

第１１章 氷河期と明るくない未来

その１０ 未来の希望はツケ払いで

さて、今回は所得再分配による未来へのツケがどう変わっていったかを考察するぞい。

前回の全年齢の『再分配係数』と『受給額と拠出額の差』推移がこうじゃ

図：全年齢の再分配係数および受給額と拠出額の差の推移

1990年代までは現役世代の住民税と所得税だけで賄えてたのね。

そうじゃ、逆に言えば、団塊が40代くらいまでの間は、死んだじいちゃん世代は未来にツケを回さなかったのじゃ。

死んだじいちゃんスゴイ！

俺たちが社会に出た2000年代からツケを回されてるよ！！

しかもな、これだけじゃない。

この『再分配係数』の年齢階級別の推移がこれじゃ。

図：年齢階級別　所得再分配係数推移

今の年寄りは死んだじいちゃんに比べ、どんだけ業突張りに貰ってんだよ！！

そりゃま、昔はなかった消費税や国債の財源が老人世代に行っていると考えれば当然じゃ。
ちなみに、あまり変化が無いように見える現役世代の再分配係数も30代で-6.6%から-10.4%くらいに悪化しとるぞい。

まー、あんだけ社会保険料が増えればねー

さらにな、『受給額と拠出額の差』をみるともっとひどいぞい。

図：年齢階級別所得再配分

昔に比べ、現役世代が支払う分は増えていて、高齢者が貰う分が増えているー！！

ええと、つまり、団塊世代は自分たちが現役世代の時には死んだじいちゃん世代へは少ししかお金を渡してないなかった。

でも、自分が受け取る時になったら、それを遥かに超える額を氷河期世代以下から搾取しているって事？

そうじゃ！！
しかも、氷河期以下の世代にはツケ払いの請求書（国債）を押し付けておる！

うるせぇ！　この時のジジババは年金を４０年間全部払ってねぇんだクマ―！
負担していないのに受給しようなんて、このジジババが業突く張りなんだクマ―！

うわぁ、自分の親世代に文句付け始めたよ。
大半が墓の下だと思って。

うむ、ならば死んだじいちゃんが国民年金の初期賭け額を４０年分負担したと仮定してみよう。
厚生年金もあるので、さらに２倍にしてみるぞい。

ええと、国民年金初期掛け金は150円/月だから150円×12ヶ月×40年×2倍で14万4千円ね！
この差額の１０分の１にもなってないじゃない！

うるせぇ！　昔と今では物価が違うんじゃ！　当時はこの金額でも十分だったんだクマ―！

残念ながら、このデータの最初は１９８４年じゃ。
バブル最盛期が１９８９年でバブル崩壊が１９９１年といわれているぞ。
なんなら、１９９０年のデータと比べてみるかい？

うわー　昔と今では物価がちがうなー（棒）

ふざけんな！　死んだじいちゃん世代は年金の掛け金が不当に安かったんだクマ―！

いや、年金の掛け金が不当に安かったのはそっちも同じでしょ。
1949年生まれが25歳の時（1974年）の国民年金の掛け金は900円/月じゃない。

俺が25歳の時（2001年）は13,300円/月だぞ

ちなみに2018年は16,340円/月じゃ

いやぁ、不当に安いなぁー

とまあ、作者が団塊を嫌っている所はここにもあるんじゃ。

自分たちは頑張った、社会を築き上げたと言ってる割には、これだよ！
せめて、負担してくれてありがとうって言えよ！

最近は電車に『敬老者が乗車します』という置き紙で席取りをするというニュースもあったね。

権利を主張するのは正しい事じゃが『敬われて当然、いや敬わない若者は害悪』という態度を取ればどうなるかは一目瞭然じゃろて。

ツケを回されている事を知っている若者からは特にそうよね。

まあ、ツケが回される事については、団塊個人が悪い訳ではなく、そうなる社会保障の仕組みを作った政治家と官僚の責任とも言えるでな。

でも、なぜこうなったの？

団塊は成人した1970年～現在まで、ずっと世代人口が最大数を誇るんじゃ。
すると、政治家は当然、その世代への受けが良い政策を採る。

うわー、衆愚政治

あっ！
だったら氷河期も団塊が寿命を迎え始める１０年後には最大数になるので、氷河期に媚びた政策を採るようになるかも？

いや、俺は尊大な態度は取りませんよ、老人になった時に相互扶助の精神で養ってくれるなら、靴だって舐めますとも！

だから！　金をくれ！

相変わらず、サイテー

残念ながら、その頃の国の財政は団塊の終末医療費でボロボロでな、もはや氷河期世代に媚びる政策を採る余裕がなくなってしまうと予想されるんじゃ。

ガーン！

ああ、これだからもう……優しくない世界に……