1976年生まれ、氷河期世代の愚痴

第１１章 氷河期と明るくない未来

その６ もはや打つ手はない……

年金なんて遥か先のボクたちに影響があるって！？

そんな事あるわけないさ！

博士もモーロクしたんじゃない？
アハハ！

……この『所得代替率』は下記の式で計算される。

所得代替率＝モデル夫婦の年金支給額÷現役男子の手取り収入　
※所得代替率が50%以下が崩壊の目安

これを50%以上を維持するには『現役男子の手取り収入』を減らせばいいのじゃ！

なるほど！

なるほどじゃない！！

考えられるのは年金保険料などの社会保障費の率を上げれば『手取り』が減るぞい。

厚生年金保険料率は2003年～2017年まで上げ続けていて、その後は18.3%で一定になったけど、それを再び年々上げ続けるようになるかもしれないって事ね。

その他に所得税や住民税の増税も考えられるよね！

さらに、ものすごい小手先としては『現役男子の手取り収入』を『現役世代の手取り収入』に変えるという手もあるぞい。

男女平等と言いながらも、男子の方が収入は多いもんね。
現役世代にしたら、手取り収入の基準額を減らせるわ。

2019年には『将来の公的年金の財政見通し（財政検証）』が出る。
もし再び2019年10月の消費税増税の影響を低く試算していたり、オリンピック後の不景気を考慮に入れておらず、さらに小手先のテクニックで『現役男子』が『現役世代』となっていたら要注意じゃ。

現実を見ずに、誤魔化して問題を先送りにしている証拠になるのね。

うむ、国債の話でも触れたが、氷河期世代の老後を何とかする方法は、今すぐに、老人世代の締め付けを開始する事じゃ。

財政検証によると、2014年のモデルケースで年の所得代替率は62.7%だけど、それを今から50%に近づけるように減らすって事ね。

俺が60歳になった時に50%まで減るという試算なら、今から50%にしておけば崩壊は延命できるかも！

そうじゃ、2019年の財政検証で足元の経済の悪さが指摘され、2021年から老人世代の締め付けが開始されれば、氷河期世代が65歳になった時、崩壊していないかもしれん。

じゃが、きっとそうはならないのじゃ

どーして？

今やるという事はな、下の3つを2021年（作者45歳の時）頃から実施するという事じゃ

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１．今すぐ締め付けパターン
『受給開始年齢を68歳からにする』
『年金支給額を現役"男子"の所得代替率50%まで減らす』
『高齢者の医療自己負担を増やす』
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うわっ！　ひどい悪化！

そう思われるかもしれんが、こうすれば、氷河期世代は
”68”歳から、
”現役男子の手取りの所得代替率50%水準”で
年金を受け取る事が出来る可能性がある。

逆に今やらないと、作者が60歳くらいになった時、こうなってしまうかもしれないのじゃ。

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２．先送りしたパターン
『受給開始年齢は70歳からになる』
『年金支給額は現役"世代"の所得代替率50%まで減らされる』
『年金保険支払いの満期が60歳から65歳に引き上げられ、45年間になる』
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これはひどい！！
もはや、詐欺レベルじゃん！

この年金問題を先延ばしにすると、氷河期世代を中心にさらに悪化する事が目に見えておる。
逆に言えば、政府にとっては氷河期世代が締め付け対象の最後のチャンスじゃ。
世代人口の多いここを締め付けないと完全に崩壊する。

ここでの崩壊の意味は、制度そのものを変えざるを得なくなる事じゃ。

崩壊すると、私が責任を取る事になるので、それは絶対に起こさせない。

なので、氷河期世代は確実に締め付け対象になるんじゃよ。

また『福祉対象は世代数が少ない世代へ、締め付けは世代数が多い世代へ』なのね。

うむ、団塊世代は既に75歳近くになっておるからの、もはや締め付けの対象にするのが難しい。
だから、本当は今すぐに締め付けを開始するべきなんじゃ。

早く、今から！　今から締め付けようよ！

でも……これって既に詰んでない？

さすがじゃ、ユキちゃんの言う通りじゃ。

この『１．今すぐ締め付けパターン』を発表した瞬間、内閣総辞職級のインパクトじゃ。
その後の国政選挙でも与党が大きく議席を減らす事は間違いない。

政治家はそんなリスクを負ってでも、20年後の未来のために活動するとは思えないもんね。

その通りじゃ。

そして、本当に崩壊した時『あーあ、これじゃあしょうがないか』という状態で初めて締め付けが始まるのじゃ。

バブル期の公的資金注入の時、最初は住専に公的資金注入だけで大反対が起きたのに、山一証券や長銀が倒産した後はあまり反対が起きなかったのと同じパターンね。

なので、きっと２．のパターンになってしまうのじゃ。

全部しわ寄せが氷河期世代にくるのかよ！

その通りじゃ！
土台が腐っているのでどうしようもない。

気づいていても、手の打ちようがないのね。

ああ、だから……腐っていく土台に……